23sb_
DONEタビヴェン微エロ原作23巻285死までを履修した人間が書いています。
えっちな二人が書きたくて書きましたが、キャラ崩壊・キャラ解釈違い含め、苦手な方は読まないようにしてください。
具体的にはヴェントルーが喘いでますし、原作のような二人はいません。既にやることやってる関係の二人になってます。
足攻めのつもりで書きましたが、自分でもよくわからないものが出来てしまいました。なんでも許せる方のみどうぞ。 2361
シラセ
DONE2/2札幌94ぷちしあん頒布予定 タビヴェンタビ2023〜24年WEB投稿マンガ再録(加筆修正有+描き下ろし10p)のサンプルです
A5/32p/400円
シンヨコの方々も友情出演してます
後日残部をBOOTH通販予定です! 9
シラセ
MENU25/1/12 超吸死に一笑2025冬 タビヴェン新刊サンプル(全11P)⚠設定ゆるめ 全年齢 モブ有 NOTΔ
⚠Xツリー最後に部数アンケートございます!
★1月インテ他、2月札幌94オンリー&BOOTHにて頒布予定です🧦🦅 11
きって
CAN’T MAKEヴェンが死ぬ話 暗いけどがんばってハピエンにしました😶🌫️ドラちゃんとイシカナさんがちょっとだけでてきます
久々に死んだ。迂闊だった。手練の退治人が徒党を組んで小賢しくも策を講じて来たらしく、同時に放たれた聖釘の内何本かを避けることができなかった。咄嗟に心臓の位置を変えて即死は免れたが命からがら飛んで逃げた。居城との距離を考えると同時にあの小娘の家を思い浮かべた自分が癪に障った。しかし選択肢は限られていた。
タビコの部屋のベランダはいつも通り閑散としていた。そのことに訳もなく安堵を覚えて私は死んだ。窓をノックする余力もなかった。じわじわと灰になる手を見ながらベランダの隅にあったプランターを見やった。吸血鬼はトマトを好むという生半可な知識を身につけたタビコが「収穫できたら食べさせてやる!」と苗を買って来たのだった。結実はしたもののまだ実は青い。収穫時期に間に合うだろうか、と思ったところで私の意識は途切れた。
7436タビコの部屋のベランダはいつも通り閑散としていた。そのことに訳もなく安堵を覚えて私は死んだ。窓をノックする余力もなかった。じわじわと灰になる手を見ながらベランダの隅にあったプランターを見やった。吸血鬼はトマトを好むという生半可な知識を身につけたタビコが「収穫できたら食べさせてやる!」と苗を買って来たのだった。結実はしたもののまだ実は青い。収穫時期に間に合うだろうか、と思ったところで私の意識は途切れた。
きって
DONE赤い靴パロタビが足切られるENDなので諸々お気をつけください
赤い靴その娘は村で一番か細く貧弱で、吸血鬼退治人であるという事実を初めて知った者は耳を疑う程でした。それでも非常に熱心に仕事に励むものですから、彼女を悪く言う者はおらず、それなりには仕事が回ってきてはいたようです。それでもここ一番、例えば隣村を壊滅させた吸血鬼がこの村にやってくるという噂が出回ってきた頃などは、村の人間に「お前は村の見回りを頼む」と言われ、第一線には臨むことができませんでした。彼女はそれを非常に悔しく思いました。知識も経験も十二分にあり足りないのは実績だけなのに、その機会も得られないとなると彼女の鬱憤は募りました。その夜、彼女は村の誰にも告げずに吸血鬼が潜むという森へ訪れました。
森の中は思った以上に明るく、昼間であるかのように月の光が燦々と降り注いでいました。こんな夜は吸血鬼退治には不向きです。視界が開けていると言うことは想像以上に人間にとって油断を誘います。娘は慎重に森の奥へと進んでいきました。頭上で烏がカアと鳴きました。
4019森の中は思った以上に明るく、昼間であるかのように月の光が燦々と降り注いでいました。こんな夜は吸血鬼退治には不向きです。視界が開けていると言うことは想像以上に人間にとって油断を誘います。娘は慎重に森の奥へと進んでいきました。頭上で烏がカアと鳴きました。
きって
MOURNING初夜失敗前半はTwitterに載せてた内容と同じなので読み飛ばしてください。
えろくもないしほぼ会話文。
リビングへと続くドアは細く開いたままになっている。開けっ放しはやめろと何度諌めても「どうせまた開けるんだからいいだろ?」と素っ頓狂な顔でタビコが言うものだからヴェントルーはその悪癖を直すことをとっくの昔に諦めていた。それでも開いたままのドアが目に入る度にその隙間を無くしてはいたものの、今日は全くその気になれない。
タビコは今シャワーを浴びているはずだ。湯浴みが終わればあのドアからこの寝室に入ってくる。その事が恐ろしいのと待ち遠しいのとでヴェントルーの緊張は最骨頂に達していた。なんの前触れもなく寝室に入ってこられるよりかはドアの隙間からタビコの気配が伺えた方がいい。そう思って敢えて視界の端でリビングの様子を見てはいるが、結局はざわつく胸が抑えられず最終的には壁の一点を見詰めるのに留まった。ヴェントルーは落ち着きを取り戻そうとベッド脇に置いたルームライトに目を向けた。家電量販店で急遽手に入れた小ぶりなライトはリラックス効果だとかムード演出だとかそんな謳い文句が箱に書かれていて、ヴェントルーはむずむずとした心地でそれを手にしてレジへと向かった。アロマフューザーにも手を伸ばしかけたが、それはやり過ぎだろうとやめにした。今はそれを仇かのように睨み、ヴェントルーはベッドに正座する。
2691タビコは今シャワーを浴びているはずだ。湯浴みが終わればあのドアからこの寝室に入ってくる。その事が恐ろしいのと待ち遠しいのとでヴェントルーの緊張は最骨頂に達していた。なんの前触れもなく寝室に入ってこられるよりかはドアの隙間からタビコの気配が伺えた方がいい。そう思って敢えて視界の端でリビングの様子を見てはいるが、結局はざわつく胸が抑えられず最終的には壁の一点を見詰めるのに留まった。ヴェントルーは落ち着きを取り戻そうとベッド脇に置いたルームライトに目を向けた。家電量販店で急遽手に入れた小ぶりなライトはリラックス効果だとかムード演出だとかそんな謳い文句が箱に書かれていて、ヴェントルーはむずむずとした心地でそれを手にしてレジへと向かった。アロマフューザーにも手を伸ばしかけたが、それはやり過ぎだろうとやめにした。今はそれを仇かのように睨み、ヴェントルーはベッドに正座する。
しか🧦
DONE2022/10/9みんなでダンシングトゥナイトにて展示していたタビヴェンタビです今夜はどっちするか喧嘩するふたり
キャプションからお好きなルートに進んでください!
タビヴェン編→https://poipiku.com/3638663/7632182.html
ヴェンタビ編
→https://poipiku.com/3638663/7632194.html 2
きって
DONE交換日記する話アカジャすごかったね……
いつも顔を合わせて話しているが、こうやって文字越しで会話するのは違った趣があるな。こちとらペンを握ったのも久しぶりでいまいち自分の筆圧が思い出せない。そりゃあ退治報告書をつくって依頼人なり、行政なりに提出することはあるが、専らパソコンからの出力だ。手書きを求められる事なんて署名ぐらいなものなのに、長文を書けなんて時代錯誤にも程がある。それでもお付き合いしましょうの返答が、交換日記から始めましょうなんだから致し方あるまい。お前のペースでやっていくよ。だけど前述の通り、不慣れなんだ。誤字脱字は大目に見ろよ。わかったな。
とりあえず何を書けばいい?夕飯のリクエストか?あれ、あれ食いたい。前作ってくれた、キャベツのみじん切りにマヨネーズとか入れたすっぱいヤツ。ケンタで売ってるやつ。自作できるんだなあれ。あとオムライスにピヨちゃんを描け🐤。巷で流行ってるらしいぞ。
3871とりあえず何を書けばいい?夕飯のリクエストか?あれ、あれ食いたい。前作ってくれた、キャベツのみじん切りにマヨネーズとか入れたすっぱいヤツ。ケンタで売ってるやつ。自作できるんだなあれ。あとオムライスにピヨちゃんを描け🐤。巷で流行ってるらしいぞ。
もちごめ
DONE過去に書いたタビヴェンの短編3種です。支部にあげているものと内容も同じです。ちょこっとタビヴェン【バースデーケーキにロウソクふたつ】
※2021年タビコちゃんお誕生日おめでとう
※靴下ハントはじめて2年目設定
※家庭事情捏造あり
それはいつも通り靴下ハントを終えて帰宅した時のことだった。今日は随分と不猟な方で、帰宅途中のタビコはあまり良い気分ではなかった。だがそれは、玄関のドアを開けた瞬間、変わることとなる。
「・・・帰ったか」
そこにはいつものようにエプロン姿のヴェントルーの姿があった。頭にはこれまたいつもと同じようにきっちりと三角巾が結ばれている。ただ違うのは、机に置かれた代物ひとつである。普段と同じく食事が用意された机の真ん中を、小さなホールケーキが陣取っていたのだ。
「手を洗ってこい」
素っ気なくそう言うヴェントルーだったが、その表情にはどこかそわそわとした落ち着きのなさが読み取れる。タビコは靴を脱ぎ、その男の顔とケーキを交互に見た。ちょうどふたり分ぐらいのサイズのケーキは、買ってきたものではないだろう。その証拠に、シンクには泡だて器が入ったままのボウルが置かれている。それを認識した途端、にまーっとタビコの口元には緩いカーブがつくられた。そして、再度手を洗うように促されて、はいはい、と手を洗って戻ってくる。
4654※2021年タビコちゃんお誕生日おめでとう
※靴下ハントはじめて2年目設定
※家庭事情捏造あり
それはいつも通り靴下ハントを終えて帰宅した時のことだった。今日は随分と不猟な方で、帰宅途中のタビコはあまり良い気分ではなかった。だがそれは、玄関のドアを開けた瞬間、変わることとなる。
「・・・帰ったか」
そこにはいつものようにエプロン姿のヴェントルーの姿があった。頭にはこれまたいつもと同じようにきっちりと三角巾が結ばれている。ただ違うのは、机に置かれた代物ひとつである。普段と同じく食事が用意された机の真ん中を、小さなホールケーキが陣取っていたのだ。
「手を洗ってこい」
素っ気なくそう言うヴェントルーだったが、その表情にはどこかそわそわとした落ち着きのなさが読み取れる。タビコは靴を脱ぎ、その男の顔とケーキを交互に見た。ちょうどふたり分ぐらいのサイズのケーキは、買ってきたものではないだろう。その証拠に、シンクには泡だて器が入ったままのボウルが置かれている。それを認識した途端、にまーっとタビコの口元には緩いカーブがつくられた。そして、再度手を洗うように促されて、はいはい、と手を洗って戻ってくる。
きって
MOURNINGくっつかない話 暗いポエムです…あー、と目を泳がすタビコを見てヴェントルーは自分の早計さを恥じた。こんなにも自分を許しているものだからひょっとしてと思案した故の告白だったがタビコにとっては青天の霹靂だったらしく、うーん、とうなり続けるタビコを見てヴェントルーは穴があったら入りたいほどいたたまれなかった。もう返事は貰ったも同然だったがこめかみを抑えながら何か言いたげなタビコをずっと待つ。永遠とも思える時間が経ってタビコが口を開いた。
「…すまない、私はお前と同じ気持ちは持ってないよ」
半ば予想していた返答だったが、ヴェントルーは胸をざっくりと割かれたような心地になる。
「なんて言えばいいかな、お前が弱っているところを見るのも、使役するのも、最高に興奮するが、それはお前が強大な吸血鬼だからであって、それ以上でもそれ以下でもないんだ」
3300「…すまない、私はお前と同じ気持ちは持ってないよ」
半ば予想していた返答だったが、ヴェントルーは胸をざっくりと割かれたような心地になる。
「なんて言えばいいかな、お前が弱っているところを見るのも、使役するのも、最高に興奮するが、それはお前が強大な吸血鬼だからであって、それ以上でもそれ以下でもないんだ」
z0ed0
DONEヴェンタビというよりタビヴェン?ヴェントルーがタビコのレッグホルスターを選んであげる話です。
高等吸血鬼が小娘にからかわれるだけ。 フライパンから豚肉を取り出してしめじと小松菜の茎を入れる。
軽く火が通ったタイミングで葉の部分を加えて炒めていくと、鍋いっぱいの嵩がみるみるうちに減っていき、半分にも満たなくなったところで豚肉と合わせ調味料を入れてフライパンを軽く振る。
香ばしいにおいがしたところで火を止めて完成だ。
主菜にも副菜にもなるおかずは素晴らしい。少し多めに作っておけば明日明後日の献立が楽になる。
1人前でも2人前でも手間は変わらないうえに1人前だと材料が余ることが多い。
そんな中毎日冷蔵庫と相談をしていた身としては作り置きという考えは本当に革命的なものだった。
偶然手に取った料理本の作者に感謝しつつ、隣のコンロに火をつけて小鍋の蓋を開けて味噌をとく。
3358軽く火が通ったタイミングで葉の部分を加えて炒めていくと、鍋いっぱいの嵩がみるみるうちに減っていき、半分にも満たなくなったところで豚肉と合わせ調味料を入れてフライパンを軽く振る。
香ばしいにおいがしたところで火を止めて完成だ。
主菜にも副菜にもなるおかずは素晴らしい。少し多めに作っておけば明日明後日の献立が楽になる。
1人前でも2人前でも手間は変わらないうえに1人前だと材料が余ることが多い。
そんな中毎日冷蔵庫と相談をしていた身としては作り置きという考えは本当に革命的なものだった。
偶然手に取った料理本の作者に感謝しつつ、隣のコンロに火をつけて小鍋の蓋を開けて味噌をとく。
きって
MOURNING微ホラー赤い靴下目が覚めると枕元に靴下がぶら下がっていてすぐに夢だと気づいた。私の蒐集した靴下は別室に保管されていて私物もタンスにしまってある。見覚えのない靴下は素朴な赤い靴下で壁に張り付いているが、そんなところにフックなんてあっただろうかと靴下に触れてみると手がべしゃっと濡れた。よく見るとそれは血塗れで中身入りの靴下だった。
飛び起きるとそこは寝室で、夢かと思って壁を見るとそこは白い壁紙だけがある。濡れた手の感触が残っていてまだ夢の中にいる気がした私は急いでベッドから這い出でるが、暗い室内でゴミ箱を蹴飛ばしてしまい思わず声をあげた。
「どうした?!タビコ!?」
扉が開かれ、どたどたとヴェントルーが駆けてくる。そう言えば夕飯時の時間だ。合鍵をもったヴェントルーが居てもおかしくない時分である。救われたような心地がして、ヴェントルーを見ると、いつにもまして白い顔をしたヴェントルーがそこにいた。
7063飛び起きるとそこは寝室で、夢かと思って壁を見るとそこは白い壁紙だけがある。濡れた手の感触が残っていてまだ夢の中にいる気がした私は急いでベッドから這い出でるが、暗い室内でゴミ箱を蹴飛ばしてしまい思わず声をあげた。
「どうした?!タビコ!?」
扉が開かれ、どたどたとヴェントルーが駆けてくる。そう言えば夕飯時の時間だ。合鍵をもったヴェントルーが居てもおかしくない時分である。救われたような心地がして、ヴェントルーを見ると、いつにもまして白い顔をしたヴェントルーがそこにいた。
きって
CAN’T MAKE死ネタ 卵を孵す話抱卵タビコに小さな卵を渡された。私が産んだんだと言うタビコに奇っ怪な冗談を言うものだと鼻で笑って見せると、至極真剣な顔で本当だと言うものだから面食らう。卵は一般的な鶏卵ぐらいの大きさで心做しか青みがかった殻を持つひどく冷たいものであった。
「温めるのはお前に任す。孵るまで割れないようにするんだぞ」
それじゃあといつも通りにタビコは仕事に向かって私と卵2人だけが家に残った。温めろと言われても吸血鬼の体温では具合が悪い。かと言っても湯で煮立たせる訳にもいかず、途方に暮れた私は野外の椋鳥に助けを求めると丁度産卵期だとかでついでに温めてくれるという。見返りとしてベランダの一角に巣作りと当面の餌やりを保証してやる。巣に置こうとするとそこには同じ様相の卵が4つ並んでいて自分の手元の卵と見比べるとこのまま置いてはどれがどれだかわからなくなるだろうと思いあたる。部屋にあったサインペンを片手に少し考え靴下のイラストを描いて、椋鳥の番には台所にあったイリコを分け与える。そうやって始まった抱卵は椋鳥の雛が孵化した後も終わることはなく、椋鳥の番と雛達はとっくに巣立って行ってしまった。仕方が無いので羽を入れた巾着袋にそっと卵を入れ、素肌に触れないよう首から下げる。最早手遅れなんじゃないかとタビコに聞いてみても彼女は慌てるんじゃないという。
2206「温めるのはお前に任す。孵るまで割れないようにするんだぞ」
それじゃあといつも通りにタビコは仕事に向かって私と卵2人だけが家に残った。温めろと言われても吸血鬼の体温では具合が悪い。かと言っても湯で煮立たせる訳にもいかず、途方に暮れた私は野外の椋鳥に助けを求めると丁度産卵期だとかでついでに温めてくれるという。見返りとしてベランダの一角に巣作りと当面の餌やりを保証してやる。巣に置こうとするとそこには同じ様相の卵が4つ並んでいて自分の手元の卵と見比べるとこのまま置いてはどれがどれだかわからなくなるだろうと思いあたる。部屋にあったサインペンを片手に少し考え靴下のイラストを描いて、椋鳥の番には台所にあったイリコを分け与える。そうやって始まった抱卵は椋鳥の雛が孵化した後も終わることはなく、椋鳥の番と雛達はとっくに巣立って行ってしまった。仕方が無いので羽を入れた巾着袋にそっと卵を入れ、素肌に触れないよう首から下げる。最早手遅れなんじゃないかとタビコに聞いてみても彼女は慌てるんじゃないという。
きって
DONEタビさんの喫煙があります蛍対吸血鬼用の煙草は非常に廉価で下等吸血鬼避けとして広範囲に使用できるので常備している退治人は多い。娯楽と実用を兼ね備えて愛飲している者も多く、私のかつての師匠もそうだったらしい。もっとも家族が増える時にすっぱり辞めてしまったと言っていたから師匠の喫煙を見るのは仕事中数える程だった。
「煙を肺に入れきって吐く息は透明にする方が喫煙家としては粋だけど、退治人としては煙は残したまま吐いた方が効果が大きい。ままならないね」
困ったように笑う元師匠はそう言って煙をくゆらせていた。
月に1回ベランダで煙草を吸う。虫除けだけなら先端を長時間炙って線香みたく焚けばいいだけだが、現場でそんな悠長なことは言ってられず吸う必要性に駆られることは往々にしてある。ライターの調子をみるため、煙草の吸い方を忘れないため、師匠のことを思い出すため。いろんな理由を作ってベランダで煙草に火をつければ独特な刺激臭が辺りに広がり、紫煙が夜空に吸い込まれる。そんなもので徒に寿命を縮ませるなと以前ヴェントルーに言われたことを思い出して笑いが込み上げてくる。煙草よりなにより私の余命を減らしているものは多々あるだろう。
1622「煙を肺に入れきって吐く息は透明にする方が喫煙家としては粋だけど、退治人としては煙は残したまま吐いた方が効果が大きい。ままならないね」
困ったように笑う元師匠はそう言って煙をくゆらせていた。
月に1回ベランダで煙草を吸う。虫除けだけなら先端を長時間炙って線香みたく焚けばいいだけだが、現場でそんな悠長なことは言ってられず吸う必要性に駆られることは往々にしてある。ライターの調子をみるため、煙草の吸い方を忘れないため、師匠のことを思い出すため。いろんな理由を作ってベランダで煙草に火をつければ独特な刺激臭が辺りに広がり、紫煙が夜空に吸い込まれる。そんなもので徒に寿命を縮ませるなと以前ヴェントルーに言われたことを思い出して笑いが込み上げてくる。煙草よりなにより私の余命を減らしているものは多々あるだろう。
きって
DONEタビヴェン 死ネタ モブ女がでてきますさようなら私の靴下私を最後の女にしてくれと言われて操をたてていたが縁談が舞い込んだ。いつもは忘れられない女がいると断っていたが、世話好きな旧友が会ってみるだけでもと言うので付き合いで会う。開口一番断ってくれと頼み込むと事情を聞かれたので正直に話すと女はこう言った。
「私、それで十分です。結婚でもしないとお父様が家から出してくれなくって」
女の顔をまじまじと見る。ガワも物言いも最後の女と正反対で、性別ぐらいしか共通点がなかった。そうして我々は名ばかりの結婚することになり、ささやかな居宅を構えて生活をおくることになった。
「その方、どんな方だったの?」
結婚した女がそう聞いてくるがもはやどんな女だったかも覚えていない。勝気で恥知らずで捨て鉢な態度の不躾な女だったのは覚えている。愛していたかも曖昧だ。
3231「私、それで十分です。結婚でもしないとお父様が家から出してくれなくって」
女の顔をまじまじと見る。ガワも物言いも最後の女と正反対で、性別ぐらいしか共通点がなかった。そうして我々は名ばかりの結婚することになり、ささやかな居宅を構えて生活をおくることになった。
「その方、どんな方だったの?」
結婚した女がそう聞いてくるがもはやどんな女だったかも覚えていない。勝気で恥知らずで捨て鉢な態度の不躾な女だったのは覚えている。愛していたかも曖昧だ。
きって
MEMOタビさんが初心 解釈違いにご注意ください食事中髪を食っていたタビコの頬に触れ髪を退けると意味ありげに見つめられたので口付ける。ミートスパゲティの味が広がったと同時にタビコの顔が真っ赤に染まり、あれと思う前に渾身の力で顔をはたかれた。
「やだ!!!!」
やだ?!??!普段あれだけ性癖だ興奮だ大声で言っている奴が、やだ?!!?!
「すまない、タビコ、間違ってたか?」
「やだ!!!!!」
食べかけのスパゲティを放り出し自室に駆け込んでいくタビコを見て申し訳ない気持ちで一杯になる。当然想いあっているとはずという認識は思い込みであったようだ。後を追ってタビコの部屋に行くが、扉は固く閉ざされ物音1つ聞こえなかった。
「タビコ、急に嫌なことをして済まなかった」
532「やだ!!!!」
やだ?!??!普段あれだけ性癖だ興奮だ大声で言っている奴が、やだ?!!?!
「すまない、タビコ、間違ってたか?」
「やだ!!!!!」
食べかけのスパゲティを放り出し自室に駆け込んでいくタビコを見て申し訳ない気持ちで一杯になる。当然想いあっているとはずという認識は思い込みであったようだ。後を追ってタビコの部屋に行くが、扉は固く閉ざされ物音1つ聞こえなかった。
「タビコ、急に嫌なことをして済まなかった」
きって
DONEタビヴェン タビコが怪我をする話 色々捏造お前の翼落下した瞬間の空気は柔らかく、子どもの頃滝つぼに飛び込んで遊んだことを思い出した。衝撃の後に静寂と浮遊感、息苦しさと達成感がないまぜになって襲ってくる感覚が面白く、擦り傷だらけになりながら何度も飛び込みを繰り返したものだ。そう思うと今とまるで変わっていない。きっと私は何度同じような目にあってもこうやって空を飛んでいるのだと思うと不思議と恐怖は感じなかった。
目を閉じて激突を待つが、その覚悟は大きな翼にすっぽりと覆い隠されてしまう。
「ヴェントルー」
「全く世話がやける」
苦々しげにそう言ったヴェントルーは大きく宙を旋回した。
「今日のところは出直さんか」
「いや、まだだ」
「気づいておらんだろうが怪我をしているぞ」
2858目を閉じて激突を待つが、その覚悟は大きな翼にすっぽりと覆い隠されてしまう。
「ヴェントルー」
「全く世話がやける」
苦々しげにそう言ったヴェントルーは大きく宙を旋回した。
「今日のところは出直さんか」
「いや、まだだ」
「気づいておらんだろうが怪我をしているぞ」
きって
DONEタビヴェン モブ目線配達先のマンションに向かうと大きな鳥が見えた。白鳥程の大きさの翼だが、その色は漆黒でマンションの2階のベランダに降り立ったのがぼんやりと見える。ダチョウの群れはしょっちゅう見るがあの大きさの鳥が飛んでいるのは珍しい。もう一度見れないものかしばらくの間目を凝らしていたが、すでにどこかに行ってしまったようで諦めて仕事に戻った。11階建てのマンションは部屋に行き着くのも一苦労だ。最上階から順番に下の階へと移動してようやく最後の部屋までたどり着いた。配達物は衣類と書かれている。
チャイムを鳴らす。ピンポーンと間の抜けた音がしてすぐに中からドッシャーンガラガラと大きな音が響いた。おい、とかやめろ、とか男の人の声がドア越しに聞こえて、緊急事態が発生しているのかと焦ってドアをノックした。
1105チャイムを鳴らす。ピンポーンと間の抜けた音がしてすぐに中からドッシャーンガラガラと大きな音が響いた。おい、とかやめろ、とか男の人の声がドア越しに聞こえて、緊急事態が発生しているのかと焦ってドアをノックした。
きって
DONEタビヴェン 髪を切る話タビコに髪を切ってくれと頼まれた。いつもは自分で切っているが今はこの通り不自由だからと、タビコは数日前に折った右腕を三角巾ごと掲げてみせる。
「いつもは自分で切っている??」
「そうだ。意外と簡単だぞ」
新聞紙を床に広げてその上に食卓の椅子を持ち出したタビコはなんでもないように言う。
「側面は耳がでる長さで、前髪と襟足は眉と項が隠れる程度。あとは任す」
「任すって…髪は女の命だろう」
はぁ?と顔だけで言ってくるタビコに黙らせられる。
「髪で仕事をしている訳でもなし、邪魔にならなければなんでもいい」
穴の空いたゴミ袋をがさがさと被ったタビコは玄関から姿見を持ってきて椅子の前に置いた。
「怪我が治ってから自分で切るなり、理髪してもらうなりできんのか?」
1800「いつもは自分で切っている??」
「そうだ。意外と簡単だぞ」
新聞紙を床に広げてその上に食卓の椅子を持ち出したタビコはなんでもないように言う。
「側面は耳がでる長さで、前髪と襟足は眉と項が隠れる程度。あとは任す」
「任すって…髪は女の命だろう」
はぁ?と顔だけで言ってくるタビコに黙らせられる。
「髪で仕事をしている訳でもなし、邪魔にならなければなんでもいい」
穴の空いたゴミ袋をがさがさと被ったタビコは玄関から姿見を持ってきて椅子の前に置いた。
「怪我が治ってから自分で切るなり、理髪してもらうなりできんのか?」
きって
CAN’T MAKEタビヴェン金魚になれないこいつを飼ってもいいか?とヴェントルーは手を差し出してきた。見ると屋台で売られているような赤い金魚がビニール袋に入っていて揺蕩っている。近所で夏祭りがあったことを思い出して金魚すくいでもやってきたのかと問いかけると捨てられていたのを拾ってきたのだとヴェントルーは言った。
洗面器を借りるぞと風呂場に向かったヴェントルーに袋を押し付けられる。見るからに入っている水が少なく、袋の底に横たわるように漂っている金魚が弱っているのは明らかだった。
「飼うのはいいが長くは無いかもしれないぞ」
風呂場から戻ってきたヴェントルーに言う。
「承知の上だ」
ヴェントルーは薬缶に水道水を入れ沸騰させた後、直接薬缶にがらがらと氷を入れた。水温が常温になったのを確かめてから洗面器に移し、袋ごと金魚を洗面器に浮かべる。
1728洗面器を借りるぞと風呂場に向かったヴェントルーに袋を押し付けられる。見るからに入っている水が少なく、袋の底に横たわるように漂っている金魚が弱っているのは明らかだった。
「飼うのはいいが長くは無いかもしれないぞ」
風呂場から戻ってきたヴェントルーに言う。
「承知の上だ」
ヴェントルーは薬缶に水道水を入れ沸騰させた後、直接薬缶にがらがらと氷を入れた。水温が常温になったのを確かめてから洗面器に移し、袋ごと金魚を洗面器に浮かべる。
きって
MOURNINGタビヴェン 没にしようとしたけど供養上手くまとまらなかった
ヴェントルーが鳥と話している。ベランダに降り立った白い鳩はくるくると喉を鳴らし、それに対して「ああ」とか「そうか」とかヴェントルーは短く答えている。ベランダにでる掃き出し口のサッシを跨ぐように座り込んだヴェントルーはきっと腰が痛いだろうに気にするでもなく座り続けていて、窓枠に頭を預けながら虚空を眺めている。外に出した右足だけはベランダ用のスリッパを履いているが左足は素足のままで、脱力した様子のヴェントルーを気遣ってか白鳩はクーと鳴いた。
「わかった。ご苦労だった」
ヴェントルーが片手を上げて鳩に応えると、鳩はもう一度だけクーと鳴き飛び去った。どうかしたのか?と聞いてもああ、と言ったっきり喋らない。ようやく口を開いたかと思ったら「息子が死んだ」と呟いた。
2270「わかった。ご苦労だった」
ヴェントルーが片手を上げて鳩に応えると、鳩はもう一度だけクーと鳴き飛び去った。どうかしたのか?と聞いてもああ、と言ったっきり喋らない。ようやく口を開いたかと思ったら「息子が死んだ」と呟いた。