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DONE桐智 2025/04/15高三の智将と大一の桐秋で智将のお誕生日に付き合い始める桐智。
誕生日も記念日もロマンチストも悪くない四月十五日の午前〇時。十八歳の誕生日。日付のうえで十八歳になったからといって、身長が突然一八〇センチになるわけでもない。当面高校生なので主人の好きなエロ動画を大っぴらに見れるわけでもない。特になんの変化もないが、主人が闇雲に増やした友達から、やたら沢山メッセージがくるもんだから、スマホの通知が止まらない。無視する……のは自分が楽しくないことに最近気がついてしまったが、時間が無駄にかかるのも嫌なので、せっせとコピペで返信している。
「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。」
山田からは「今日は智将の要くんだね!」と秒で返事があり、藤堂からは「今後ともよろしくお願いしまって、サラリーマンかよ」とツッコミがあった。千早からは「コピペですよね」と指摘があったが、そこに返事はしなかった。葉流火は返信が既読にならない。メッセージ送信後、ちゃんと寝たようだ。
2320「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。」
山田からは「今日は智将の要くんだね!」と秒で返事があり、藤堂からは「今後ともよろしくお願いしまって、サラリーマンかよ」とツッコミがあった。千早からは「コピペですよね」と指摘があったが、そこに返事はしなかった。葉流火は返信が既読にならない。メッセージ送信後、ちゃんと寝たようだ。
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DONE桐智 20240412アラサーくらいの大人の桐智。付き合っていて、同棲している。ピアスのことを書きたかった。
夜は覚悟しときや「桐島さん、これお願いしたいんですけど」
差し出されたものを確認したが、おおよそ要から見せられるとは思ってもない代物だった。きみ、これ、どこで買うてきたん? 知っとったんか、存在を。
「同居人が外出から帰ってくるなり、耳に穴を開けてくれってお願いしてくる人生があるとは思ってへんかったわ」
「そうですか? 想定が甘くないですか?」
「てか、これ、耳で合ってるやんな? もしかして、臍に穴を開けろってことやった?」
「耳専用って書いてあります。ちゃんと見てください」
「なんで俺が怒られることになってんの?最初に無茶振りされたん俺やのに、上手いこと話にのってることを褒めてくれや」
「さすがきりしまさんですね」
「棒読みやねん!」
2000差し出されたものを確認したが、おおよそ要から見せられるとは思ってもない代物だった。きみ、これ、どこで買うてきたん? 知っとったんか、存在を。
「同居人が外出から帰ってくるなり、耳に穴を開けてくれってお願いしてくる人生があるとは思ってへんかったわ」
「そうですか? 想定が甘くないですか?」
「てか、これ、耳で合ってるやんな? もしかして、臍に穴を開けろってことやった?」
「耳専用って書いてあります。ちゃんと見てください」
「なんで俺が怒られることになってんの?最初に無茶振りされたん俺やのに、上手いこと話にのってることを褒めてくれや」
「さすがきりしまさんですね」
「棒読みやねん!」
@nyam04151210
DOODLE【桐智】ハンドクリームにまつわる話⚠️桐智⚠️
大学バッテリー、寮、同室。
短いのでサラッと流してください
【桐智】ハンドクリームにまつわる話「ほい、要くん」
「え、」
寮の自室でノートに向かっていた圭が、いきなりぽいと目の前に置かれたのは、ハンドクリームだった。化粧品の部類には詳しくない圭だが、その圭が見てもドラッグストアなどで売っているハンドクリームとは装いが違うことがわかる。
「なんですか?ハンドクリーム?」
「気付いとる?手ぇカサカサなっとるで?」
「え?」
桐島にそう言われ、シャーペンを握る自分の手をふと見てみると、たしかに関節のあたりがカサカサとしている。
「あ……」
「キャッチャーも手ぇは大切やろ〜?ちゃんとケアせんとなぁ、それ塗っとき」
「……じ、自分のやつがありますから、大丈夫です」
「なんやつまらんなぁ、こういうときはありがとうございますぅ♡って塗ったらええねん、ほら手ェかして」
1191「え、」
寮の自室でノートに向かっていた圭が、いきなりぽいと目の前に置かれたのは、ハンドクリームだった。化粧品の部類には詳しくない圭だが、その圭が見てもドラッグストアなどで売っているハンドクリームとは装いが違うことがわかる。
「なんですか?ハンドクリーム?」
「気付いとる?手ぇカサカサなっとるで?」
「え?」
桐島にそう言われ、シャーペンを握る自分の手をふと見てみると、たしかに関節のあたりがカサカサとしている。
「あ……」
「キャッチャーも手ぇは大切やろ〜?ちゃんとケアせんとなぁ、それ塗っとき」
「……じ、自分のやつがありますから、大丈夫です」
「なんやつまらんなぁ、こういうときはありがとうございますぅ♡って塗ったらええねん、ほら手ェかして」
@nyam04151210
DONE【桐智】桐島が智将を落とす話【2025桐島誕】⚠️桐智⚠️
桐島の誕生日の話。
エッチなしです。
【桐智】桐島が智将を落とす話【2025桐島誕】「あの、桐島さん」
「なに〜?圭クン♡」
「……あ、の、これ。」
桐島の一人暮らしのマンションの一室。2人でディナーを終えて、ソファでくつろいでいる最中、圭は席を立ったかと思うと小さな包みを持って、桐島の元へ戻って来た。
今日は、桐島秋斗の誕生日だった。「今日は一緒に過ごそう」と誘われた圭は、彼の家にお邪魔し、ぼんやりTVを見たりして過ごし、2人で作った夕食を食べ終えた。食後に誕生日を祝うケーキは登場しなかった。
圭は、今日が桐島の誕生日だと知らなかった訳ではない。もちろんチームメイトの基本データとして頭には入っていたが、「今日、桐島さんの誕生日ですね」と、あえて口に出せずにいた。そんなところに、桐島から一緒に過ごしてくれと誘われたのだ。桐島も、「自分の誕生日だから」とは言わなかった。二人はバッテリーでチームメイトで、でもただのチームメイトでは収まらないような、お互い好ましい空気は感じているような……そんな微妙な関係だった。圭は、何かと理由を付けられては桐島の家に連れ込まれていた。それくらいには、二人は親しい間柄なのだ。
4103「なに〜?圭クン♡」
「……あ、の、これ。」
桐島の一人暮らしのマンションの一室。2人でディナーを終えて、ソファでくつろいでいる最中、圭は席を立ったかと思うと小さな包みを持って、桐島の元へ戻って来た。
今日は、桐島秋斗の誕生日だった。「今日は一緒に過ごそう」と誘われた圭は、彼の家にお邪魔し、ぼんやりTVを見たりして過ごし、2人で作った夕食を食べ終えた。食後に誕生日を祝うケーキは登場しなかった。
圭は、今日が桐島の誕生日だと知らなかった訳ではない。もちろんチームメイトの基本データとして頭には入っていたが、「今日、桐島さんの誕生日ですね」と、あえて口に出せずにいた。そんなところに、桐島から一緒に過ごしてくれと誘われたのだ。桐島も、「自分の誕生日だから」とは言わなかった。二人はバッテリーでチームメイトで、でもただのチームメイトでは収まらないような、お互い好ましい空気は感じているような……そんな微妙な関係だった。圭は、何かと理由を付けられては桐島の家に連れ込まれていた。それくらいには、二人は親しい間柄なのだ。
@nyam04151210
DONE【桐智】ホワイトデーのお返しに智将が身体を捧げる話【2025WD】【桐智】
同棲してる2人。
『ホワイトデーのお返しは俺』をする智将です。
桐島のキャラが解釈違いかもしれません。わからん。
パスワード▶︎▶︎アルファベット小文字3文字
本当に18歳以上かつ地雷は無いですか?
(y or N) 19506
chrosite_10
DOODLE桐智。大学生で同棲設定。ふんわり設定。
大阪弁はふんわり。単語が下品です。
キスの仕方なんて知らない「要クン。一年経ったし、そろそろ白状してもらうで」
圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
2512圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
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DONE桐智 2025/02/14バレンタイン小話。大学生で付き合っている桐智。
バレンタインにチョコなんていらない「チョコないん?」
「ないです」
「なんでやねん。今日はバレンタインやぞ。ないのはおかしいやろ」
「あんな体に悪いものを用意する方が、頭おかしいですよ」
「さり気なくおかしさのレベルが上がっとんのやけど」
「そのくらい体にも頭にも悪いってことでしょ。値段も高くて懐にも優しくない。悪徳の塊ですよね」
「こんな日くらい甘いもん食べたってええやんか」
じゃあ、と聞こえた気がしたが、確かめる暇はなかった。 要の口が俺の唇を塞ぎ、強引に割り込んで口ん中をめちゃくちゃに掻き回したから。
要の舌が俺の舌に絡み、ほどけ、歯列を確認して口蓋をなぞった。強引な舌の動きと気持ちよさに唾液が溢れ、口端から垂れていった。
「たまに思うんですけど」
1140「ないです」
「なんでやねん。今日はバレンタインやぞ。ないのはおかしいやろ」
「あんな体に悪いものを用意する方が、頭おかしいですよ」
「さり気なくおかしさのレベルが上がっとんのやけど」
「そのくらい体にも頭にも悪いってことでしょ。値段も高くて懐にも優しくない。悪徳の塊ですよね」
「こんな日くらい甘いもん食べたってええやんか」
じゃあ、と聞こえた気がしたが、確かめる暇はなかった。 要の口が俺の唇を塞ぎ、強引に割り込んで口ん中をめちゃくちゃに掻き回したから。
要の舌が俺の舌に絡み、ほどけ、歯列を確認して口蓋をなぞった。強引な舌の動きと気持ちよさに唾液が溢れ、口端から垂れていった。
「たまに思うんですけど」
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DONE桐智 2025/01/24 桐秋誕桐秋高三、智将高二の桐秋誕です。まだ付き合ってない。
予想外のおくりもの「桐ちゃん」
「ん?」
「おめっさん」
「わお、寺っち愛してる♡」
ばーか、という明るい含み笑いと、ごそごそという布団に潜り込む音が同時に聞こえた。直後、部屋はすごく静かになった。俺たちは昼間、とんでもなくうるさい。だから、寺門が先に寝てしまうと、昼とのギャップで部屋は無音のようになる。寺門は顔に似合わず赤ん坊みたいに早く寝るのに、今日は「誕生日おめでとう」を言うために、日付変更線まで起きていたらしい。「良え奴」っていうのはこういう奴のことを言うんだろう。大事なツレだ。マジで愛してる、って卒業式には必ず言うと決めている。
日が変わると同時に、メッセージをくれる奴らもいる。みんな良え奴や。ボーイズ時代の仲間、クラスのツレ、なんとなく仲良くしている生徒会の連中。野球部の中では、こういうメッセージを送らないことになっている。その代わり、朝になると「おはようございます」と言わず「おめでとうございます」と挨拶してもらえる。三年生だけの特権だが。
1864「ん?」
「おめっさん」
「わお、寺っち愛してる♡」
ばーか、という明るい含み笑いと、ごそごそという布団に潜り込む音が同時に聞こえた。直後、部屋はすごく静かになった。俺たちは昼間、とんでもなくうるさい。だから、寺門が先に寝てしまうと、昼とのギャップで部屋は無音のようになる。寺門は顔に似合わず赤ん坊みたいに早く寝るのに、今日は「誕生日おめでとう」を言うために、日付変更線まで起きていたらしい。「良え奴」っていうのはこういう奴のことを言うんだろう。大事なツレだ。マジで愛してる、って卒業式には必ず言うと決めている。
日が変わると同時に、メッセージをくれる奴らもいる。みんな良え奴や。ボーイズ時代の仲間、クラスのツレ、なんとなく仲良くしている生徒会の連中。野球部の中では、こういうメッセージを送らないことになっている。その代わり、朝になると「おはようございます」と言わず「おめでとうございます」と挨拶してもらえる。三年生だけの特権だが。
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DONE桐智 2024/12/30 付き合ってる大学生桐智大学生一、二年の正月に智将が桐島家に泊まる話です。いちゃいちゃ仲良し桐智。
大阪サプライズ「要くん、お布団なんやけど、秋斗の部屋の床にひいたんよ。ベットに寝て欲しかったけど、夏彦の部屋がとっちらかっとって、使いもんにならへんから、許したって。あのアホ、連絡ませんと帰ってきて部屋もリビングもめちゃくちゃにして去っていくねん。せやから要くんにはごめんやねんけど、寒かったり、硬かったりしたら、秋斗と代わったらええからっていうか、秋斗!あんたベッドやのうて、あんたが床に寝えや」
「その言い方やったら、フローリングに俺が寝るみたいやんか」
「とりあえず床に転がったら寝れるやろ。それやったら布団を敷かんでもええから、その方が楽やな。そうしよか。秋斗が床に転がったらええやん」
母ちゃんは、ええこと思いついた!的に手を叩いた。皿を洗ってたはずやのに、水飛沫が飛び散らないのは名人芸の粋やと感心する。相変わらずたのしそうや。
6300「その言い方やったら、フローリングに俺が寝るみたいやんか」
「とりあえず床に転がったら寝れるやろ。それやったら布団を敷かんでもええから、その方が楽やな。そうしよか。秋斗が床に転がったらええやん」
母ちゃんは、ええこと思いついた!的に手を叩いた。皿を洗ってたはずやのに、水飛沫が飛び散らないのは名人芸の粋やと感心する。相変わらずたのしそうや。
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DONE桐智 2024/12/22 アイドルパロ付き合ってるアイドルの桐智が楽屋でいちゃいちゃしているネタです。
ライブ後の楽屋で「ステージでキスするの、やめてくださいって前々から言ってるじゃないですか?」
「ええやん、ファンの子はみんな喜んどるし」
汗で色が変わったTシャツを脱ぎながら、桐島さんはそう言った。持っていたタオルで胸元の汗を乱暴に拭く。桐島さんの白い肌はまだ熱で火照っていた。アンコールでは花道だけでなく客席も駆け回り、最後に逆サイドのステージからメインステージまで超ダッシュ。スライディングで思いきり俺にぶつかって、勢いよく口づけてきた。ホール中が歓声と悲鳴で溢れ、轟音と興奮でステージが揺れた。
慌てて離れようとしたのに、一瞬の隙があったんだろう。振り向けば、メインスクリーンにキスの瞬間がデカデカと映し出されていた。怒りと恥辱で俯くと、客席から「かわいい~!」という大歓声が起こった。くそ、今思い出しても腹が立つ。
2000「ええやん、ファンの子はみんな喜んどるし」
汗で色が変わったTシャツを脱ぎながら、桐島さんはそう言った。持っていたタオルで胸元の汗を乱暴に拭く。桐島さんの白い肌はまだ熱で火照っていた。アンコールでは花道だけでなく客席も駆け回り、最後に逆サイドのステージからメインステージまで超ダッシュ。スライディングで思いきり俺にぶつかって、勢いよく口づけてきた。ホール中が歓声と悲鳴で溢れ、轟音と興奮でステージが揺れた。
慌てて離れようとしたのに、一瞬の隙があったんだろう。振り向けば、メインスクリーンにキスの瞬間がデカデカと映し出されていた。怒りと恥辱で俯くと、客席から「かわいい~!」という大歓声が起こった。くそ、今思い出しても腹が立つ。
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DONE桐智 2024/11/11同じ大学で付き合ってる桐智。ポッキーの日です。
ポッキーの日つんつん、と頬を突く感触がした。桐島さんと二人きりの部室だ。相手は決まっている。
一気に振り向きたい衝動を抑え、できるだけゆっくりと横を向く。気をつけないと桐島さんは小学生でもしないような悪戯をしかけてくるから。
あれだ。振り向くと指を突き刺してくるやつとか。
俺が引っかかると宝くじでも当たったみたいに手を叩き、踊り、大袈裟に喜ぶ。腹がたつので俺は黙って呪いをかける。好きなパンを目の前で逃す呪いだ。
まあいい。今日は腹立つ踊りは回避した。
「なにしてんすか?」
「今日はあれの日やろ」
用心しながら振り向いた俺の目の前には、茶色の棒がふらふらと揺れていた。ほんのり甘い香りもする。どこをどうみても日本で知らない人はいない棒型チョコだった。
1040一気に振り向きたい衝動を抑え、できるだけゆっくりと横を向く。気をつけないと桐島さんは小学生でもしないような悪戯をしかけてくるから。
あれだ。振り向くと指を突き刺してくるやつとか。
俺が引っかかると宝くじでも当たったみたいに手を叩き、踊り、大袈裟に喜ぶ。腹がたつので俺は黙って呪いをかける。好きなパンを目の前で逃す呪いだ。
まあいい。今日は腹立つ踊りは回避した。
「なにしてんすか?」
「今日はあれの日やろ」
用心しながら振り向いた俺の目の前には、茶色の棒がふらふらと揺れていた。ほんのり甘い香りもする。どこをどうみても日本で知らない人はいない棒型チョコだった。
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DONE桐智と夏秋 2024/11/03夏彦から見た桐智の話ですが、キスするのは智将と夏彦です。前半は夏彦高一、後半は夏彦高二です。
俺の前からひらりと去っていった「秋斗!晩ご飯には帰ってくるんでしょ。七時だからね」
「あー、たぶん、大丈夫」
「多分やなくて、ちゃんと帰ってくるんやで!正月くらいウチでご飯食べや!すき焼きやで!」
へいへい、と適当に返事をしながら、秋斗は靴の爪先をならした。とんとん。
「出かけるんか」
「お前には関係ないやろ」
「質問したらあかんのか」
苛立った夏彦が壁を叩いた。面倒くさそうにしていた秋斗は、糸目の笑顔に切り替わった。言い争うつもりはないらしい。
「シニア時代の奴らとマクド行くだけや」
「東京やったらお前もマックって言っとるんやろ。ウザ」
夏彦はなにやら嬉しそうなニヤけた声で煽った。
「マックなんて言うてへんわ。そもそも、寮以外で飯なんか食わんやろ」
3210「あー、たぶん、大丈夫」
「多分やなくて、ちゃんと帰ってくるんやで!正月くらいウチでご飯食べや!すき焼きやで!」
へいへい、と適当に返事をしながら、秋斗は靴の爪先をならした。とんとん。
「出かけるんか」
「お前には関係ないやろ」
「質問したらあかんのか」
苛立った夏彦が壁を叩いた。面倒くさそうにしていた秋斗は、糸目の笑顔に切り替わった。言い争うつもりはないらしい。
「シニア時代の奴らとマクド行くだけや」
「東京やったらお前もマックって言っとるんやろ。ウザ」
夏彦はなにやら嬉しそうなニヤけた声で煽った。
「マックなんて言うてへんわ。そもそも、寮以外で飯なんか食わんやろ」
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DONE桐智。大学生で同大if。智将が1年の秋とか。酔っ払いとキスの話です。
夢中さ、みんな。体育会系の部活に所属する野郎ども御用達の飲み屋とくれば、安くて早くてとにかく量が多いことが最優先最重要事項だが、広い座敷があることも欠かせなかった。何をするにせよ、集団で行動するのが基本なうえ、食って飲めば暴れるのが必定であったため、デカい男どもが揃って騒ぐための空間が必要なのだ。結果的に野球部が選ぶ飲み屋の座敷には、騒ぐ奴ら向けの設備が揃うのも当然で、今日の座敷にも上座にステージ状の段差が用意されていた。
後輩たちが順番に芸を披露するのを、桐島は後方からぼんやりと眺めていた。どれもこれも見たことがあるような芸ばかり。もっとおもろいことやらんかい、と思いつつも、五十人を超える場所で、二年生の自分がどうこう言ったとしても、主張がとおるわけがない。結果として、全体をただぼんやりと眺めるしかなかった。
4280後輩たちが順番に芸を披露するのを、桐島は後方からぼんやりと眺めていた。どれもこれも見たことがあるような芸ばかり。もっとおもろいことやらんかい、と思いつつも、五十人を超える場所で、二年生の自分がどうこう言ったとしても、主張がとおるわけがない。結果として、全体をただぼんやりと眺めるしかなかった。
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DONE桐智 大学生で付き合っている桐智。事後のいちゃいちゃです。地獄の門「死んだら無ですよ。静寂もクソもない」
賢者タイムを「死んだみたいに静かや」って言う男がおってんけどな。別に返事がほしいわけではなく、沈黙が嫌だったから思いついたことを口からそのまま垂れ流しただけなのに、何気なく漏らした話題の返事が「無」とは。もうちょっと言いようがあるやろ。
「死ぬ話なら、生まれ変わっても一緒にいたい、とか言うたらどうや。その方が可愛ええのに」
「可愛いのは桐島さんでしょ。生まれ変わってもなんて、ロマンチストの言うことですよ」
「ふはっ。そうか。俺はロマンチストか」
俺に向かってロマンチストやなんて言うやつは、要くらいしかおらんやろ。おかしくなって喉で笑うと、目の前の男は不思議そうに目を細めた。目尻と一緒に動く泣きぼくろ、やっぱエロいな。
1582賢者タイムを「死んだみたいに静かや」って言う男がおってんけどな。別に返事がほしいわけではなく、沈黙が嫌だったから思いついたことを口からそのまま垂れ流しただけなのに、何気なく漏らした話題の返事が「無」とは。もうちょっと言いようがあるやろ。
「死ぬ話なら、生まれ変わっても一緒にいたい、とか言うたらどうや。その方が可愛ええのに」
「可愛いのは桐島さんでしょ。生まれ変わってもなんて、ロマンチストの言うことですよ」
「ふはっ。そうか。俺はロマンチストか」
俺に向かってロマンチストやなんて言うやつは、要くらいしかおらんやろ。おかしくなって喉で笑うと、目の前の男は不思議そうに目を細めた。目尻と一緒に動く泣きぼくろ、やっぱエロいな。