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    #フィガファウ

    Figafau

    tono_bd

    DOODLE昨日のイベストの熱が冷めずに書き殴りました。
    正しい相手に贈らないと戻ってきてしまう花束を押しつけられたフィガロの話。
    カプ未満くらいの絵本のような優しい話を目指しましたが、実際どうかは分かりません。
    ネロ、ラスティカ、シャイロックが友情出演します。
    押しつけられた花束を持て余すフィガロの話 花束をもらった。
     正しくは、中央の国の市場にある花屋で人間の花売りに強引に押しつけられた。
     薬の調合に使う材料や包帯を買い足そうと市場を歩いていたら、その花屋のワゴンの前で微かな魔力に反応して目線を向けてしまった。すると見計らったかのように店主が現れて、「これはあなたが持って帰って。気に入ったみたいなの、お代は要らないから」と花束を押しつけてきた。早々に厄介払いがしたかったのだろう。花束にかけられていた魔法は呪いの類いでは無いけれど、商品としては欠陥品だ。
     つまりは、正しい人が正しい人に渡さないと元の場所に戻ってきてしまう。そういう面倒な魔法がかけられていた。難しい魔法では無い、条件を満たせば良いのだ。けれど人間には持て余してしまっただろう。どうしてその花束が人間が営む花屋にあったのかも謎だが、自分がその正しい人の片方に選ばれてしまった理由も謎だ。
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    tono_bd

    DOODLEある時から女体化の変身魔法を続けているファウストについて、ヒースクリフ視点で語ってもらいました。
    妊娠・出産の話です。

    ※ある年の大いなる厄災の襲来で犠牲者が出ている旨の表記有り。誰が死んだとかは明記しておりませんが、死ネタを含んでいます。苦手な方はお気を付け下さい。
    ※フィガロのフィの字も出ません。
    ヒースクリフによる独白 暫く前からファウスト先生が女体をとっている。
     普段から体型の出にくいキャソックにマフラーを掛けていたから見た目には大きな違いが無いが、僅かに縮んだ背丈や一回り小さくなった手の平、喉仏が消えて高くなった声は隠せていない。そもそもファウスト先生本人は隠そうとしていないのだと思う。ただいつも通りに振舞っているだけなのだ。ファウスト先生は何もその体の事を説明はしなかったけれど、俺達も無理に聞き出そうとはしなかった。いの一番に問い詰めそうなシノですら、「変身魔法のやり方を教えろ」と講義を希望するだけだった。
     俺達は東の魔法使いだから。突然の変化に驚いたり、騒ぎ立てる事はしない。でも西の魔法使い達だって、ファウスト先生の体の事は誰も核心の部分は触れなかった。変身魔法が得意なムルは面白がって一時期女体で過ごしていたが、それも半月もすれば飽きてしまっていた。
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    tono_bd

    DOODLE※400年前のフィガロは髪が長かったという前提で、
    ベッドの中でファウストから「いつ髪を切ったのか」と訊ねられる話。
    ※南の国の開拓初期の捏造があります。若干のモブ有り。


    え、ここで終わるの? 濡れ場は? って思う方。
    私もそう思います。
    pixivに上げる時に追記するかもしれないし、しないかもしれない。
    タイトルはその時考えます。
    フィガファウの官能小説大好き。
    セックス後の浅い眠りから覚めたフィガロが、髪にまつわる昔語りをする話。 まどろみが続いていた。
     寄せては返す波のようなそれは、思いのほか心地が良い。悪い夢は見なかった。むしろそれとは逆のずっと見ていたいような幸福な夢を見ていた気がする。だが、それ以上の幸せを知ってしまったから、重たい瞼を持ち上げるのもやぶさかではない。結局現実以上の幸せは夢の中には無いのだと教えてくれた存在が、今も自分に触れてくれているのだ。
     頭皮には触れず、短い髪の表面を撫ぜるような遠慮がちな触り方に思わず口元を笑みの形に変える。すると鼻を摘ままれた。
    「狸寝入りか」
    「違うよ、夢から覚めたばかり。まだ夜明け前でしょう、寝られないの?」
    「うん。眠気が来なくて、終わってすぐに眠ってしまったあなたを見てた」
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    tono_bd

    DOODLE2022.6.2公開の、フィガロ誕4コマの蛇足のようなフィガファウ。
    4コマ見た瞬間に書いてた。本当はなんでも無い日だって部屋にくらい行く二人です。
    なんでも無い日だって部屋にくらい行くよ。 自分から出向かないと顔を出すまで部屋の扉を叩かれるから。他の賢者の魔法使いは声をかけているのに、一人だけ無視をするのは気が引けるから。理由はいくらでも思い浮かんだけれど、結局の所、僕が伝えたいだけなのだ。
     四百年の間、誕生日という日を特別に感じた事は無かった。それもそうだろう、依頼人くらいしか他人と接する機会が無かったのだ。すると自分の誕生日も有って無いようなものになる。ふと、そういえば今日は自分の誕生日だと思い出す事もあるが、王族の気まぐれで作られる国民の休日と同じくらいどうでもいいものだ。
     それなのに、この魔法舎で暮らし始めてからはどうだろう。二十一人の魔法使いと賢者、それからクックロビンやカナリアの誕生日の度に、ここはおもちゃ箱をひっくり返したような有様になるのだ。自分の誕生日には一日中誰かから祝いの言葉を贈られて、特別なプレゼントを用意されたりして、自分らしくもなく浮かれていた。それは他人が僕のために祝ってくれる心があってはじめて成り立つもので、少なくとも僕はその気持ちを嬉しいと感じた。僕が何か行動を起こしても相手は喜ばないかもしれない、もしかしたら怒らせる可能性だってある。受け取る側の気持ちを強制は出来ないけれど、僕が他人を祝いたいのだ。気持ちを伝えたいだけ、あわよくば喜んで欲しいけれど。
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    Shiori_maho

    DONEほしきてにて展示していた小説です。

    「一緒に生きていこう」から、フィガロがファウストのもとを去ったあとまでの話。
    ※フィガロがモブの魔女と関係を結ぶ描写があります
    ※ハッピーな終わり方ではありません

    以前、短期間だけpixivに上げていた殴り書きみたいな小説に加筆・修正を行ったものです。
    指先からこぼれる その場所に膝を突いて、何度何度、繰り返したか。白くきらめく雪の粒は、まるで細かく砕いた水晶のようにも見えた。果てなくひろがるきらめきを、手のひらで何度何度かき分けても、その先へは辿り着けない。指の隙間からこぼれゆく雪、容赦なくすべてを呑みつくした白。悴むくちびるで呪文を唱えて、白へと放つけれどもやはり。ふわっ、と自らの周囲にゆるくきらめきが舞い上がるのみ。荘厳に輝く細氷のように舞い散った雪の粒、それが音もなく頬に落ちる。つめたい、と思う感覚はとうになくなっているのに、吐く息はわずかな熱を帯びてくちびるからこぼれる。どうして、自分だけがまだあたたかいのか。人も、建物も、動物も、わずかに実った作物も、暖を取るために起こした頼りなげな炎も。幸福そうな笑い声も、ささやかな諍いの喧噪も、無垢な泣き声も、恋人たちの睦言も。すべてすべて、このきらめきの下でつめたく凍えているのに。
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