恋願う。8(類side)
「ふふ、天馬くんらしいねぇ」
届いた返信を見て、つい口元を綻ばせる。
一見素っ気ない文面ではあるけれど、気恥しそうにこの文を喋る彼女が容易に想像出来てしまう。そう思えば、この素っ気ない返信も全く違うものに見えてくる。
次のデートのお誘いに『構いません』という返答なのも面白い。
「類くん、最近楽しそうだねぇ」
「そうだね、とても楽しいよ」
「…類くん、あたしとの約束があるのに、あたしの前で堂々と連絡取るんだね」
「おや、本気で恋をするなら応援してくれるんでしょ? 可愛いマネージャーさん」
「ん〜〜…」
頬杖をついて じとっとした目を向けるえむくんに、にこりと笑って返す。
以前、本気で恋をするなら応援すると言ってくれたのは彼女の方だ。女性と遊ぶのは禁止されているけれど、“特定の子なら良し”のお言葉があるなら問題ない。それに、あの日以来他の子とは連絡も取っていないからね。
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