バンさんRE:BORN!15 黒くて大きなバンにもすっかり慣れたエレインだった。もとより心を読むエレインは容姿で相手を見ない。魂の色は同じ。バンはバン。何より可愛らしいところがとても《らしい》と、この姿もとても好ましいと感じたのだ。もっとも、バンを《かわいい》などというのはエレインくらいだったが。
「でも煉獄って過酷なところなのでしょう。だって姿が変わってしまうくらいなんだもの」
確かに大変だった。と、バンは頷く。けれども今にして思えば住めば都。何よりとても得難い出会いもあったし、メリオダスとの生活は楽しかった。煉獄の生き物もなかなか愛嬌のあるやつもいた。あんな環境でなければエレインにも見せてやりたいくらいだ。きっとエレインなら、彼らとも心が通じるだろう。
「私は心配で堪らなかったけど、バンなら大丈夫ってディアンヌが慰めてくれたの。フフッ、その通りだったみたいね!」
「ゴメンナ」
「なんで? こうしてお話聞かせてくれるの、嬉しいし楽しいよ」
エレインがかわいい笑顔でそう言ったので、バンはむしょうに嬉しくなってぎゃっぎゃと鳴いた。
「ウフフ! 本当に可愛い。さしずめ《強欲の罪バン》ならぬ、《れんごくばんちゃん》ってところかしら!」
「ぎ?!」
どちらのバンも大好きよ、と、エレインはちゅっとバンの鼻面ににキスをした。