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    ひわ@turoporfali

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    ひわ@turoporfali

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    #F蘭ワンドロ お題:雅楽代寶。そのつもりはないですがカップリング色があるかもしれません。ないかもしれません。

    さやあて「言っておくけど、俺のほうが寶よりモテるからね」
     買い出しに連れ出した帰り道、荷物を持たせていた樹果が不意にそう口走った。
    「ほぉん、いつ。どこで。どないして」
     どうせ学校で、とかそんな話だろうとたかをくくっていた。
    「近所で。寶も知ってる。子持ちのシングルマザー」
    「おかあちゃんやろ?」
    「そうだけど!」
     おかあちゃんとは、朝帰りの寶が時々餌をやっていた、BAR Fの近所に居ついた子持ちの猫のことだ。野良猫らしく、人間に心を許さない。子猫の世話はよく見ている割には、こちらに甘えた仕草など見せたこともない、そんな猫だった。
    「寶、おかあちゃんさわろうとしてシャーって言われてるだろ。俺は言われない」
    「ほんま?」
     得意げな顔で樹果はうなずく。
    「ね、俺のほうがモテてるだろ?」
    「せやな」
     そう答えるしかなかった。店の周囲に、おかあちゃんがいるのに気づいたのは、おれのほうが先だったはずなのに、いつの間に。
    「ちゃんと手ぇ出すなら、最後まで面倒みないとダメだよ」
     それは猫だけの話をしているのか。
     話しているうちに、いつもの路地の側まできた。樹果は話すのをやめ、目を路地の奥にやる。昼間でも薄暗い路地の奥で、子猫たちが遊び、母猫が毛づくろいをしている。
    「モテ競争はまた次にして、帰ろう」
    「せやな」
    「まあ俺は抜け駆けして、あとで餌と水持ってくるけど」
    「じゃワイはあとで片付けにいこか」
     子猫のうち一匹が二人に気づき、おかあちゃんが鋭い目を向ける。
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