ジャムとコーヒーと朝というには少し遅く、お昼にしては早い時間。夜間に出勤していたケイのケア、現場からの調査指示などがあると、明け方からバタバタしてこの時間に落ち着くことが多い。
日中の方がドロのトラブルは少なく、怪我人が医務室に来たりすることも少ない。そんな少し一息つく時間に扉が開く音がした。
「はーい、今日はどうしました?」
扉の向こうには、袖をまくった黒いシャツに白いネクタイ姿。綺麗にあげている前髪は少しだけ乱れていて『徹夜明け』と顔にかいてある
「お疲れ様、市村さん。顔色が良くないけども大丈夫?なにか出しましょうか?」
「…あぁ…仕事が片付いた後だからな。問題ない、ドクターは?」
部屋には入らず、扉に寄りかかるように医務室のを見回している。横になったらすぐに眠ってしまいそうなくらい疲れているように見える。
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