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    ため息

    りゅうひよこ

    DONEあらすじ
    「一人でするところ見せてよ」魏嬰が言った。
    「君にとって楽しいものではないと思う」
    「見せてくれるまで待つ」
    魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないの態度を取った。藍湛は仕方ないという風にため息をつき、自ら帯を解きにかかる。
    窓から生ぬるい風が、床を這うように吹きこんできたのはその時だった。「もう喚んでくれないのかと思ってたよ、藍湛」
    0721の日・ホラー回「一人でするところ見せてよ」
    魏嬰が言った。
    静室の天井を背景に、彼の夫の顔が間近にあった。結い上げた髪がいくらか乱れている。
    もちろん藍湛の艶やかな黒髪を乱したのは魏嬰だ。文机で書き物をしていた彼に戯れついた結果、組み敷かれてひとしきり口を吸われていた。
    「見てどうする?」
    と藍湛が尋ねた。
    「夫のかわいい姿を眺めて楽しむんだよ」
    「君にとって楽しいものではないと思う」
    しとやかな夫が恥ずかしがって拒否するのはわかっていたから、魏嬰はさんざん口づけをした後に頼んでみたのだ。魏嬰に噛みつきたくてたまらないという顔をした今の藍湛なら、うっかり披露してくれるかもしれない。
    「見せてくれるまで俺は待つぞ」
    魏嬰は言うと、床に押し倒されたまま襟元を直し、要求を飲んでくれるまで触れさせないという態度を取る。
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    はるもん🌸

    MOURNING今日も家訓をやぶって藍忘機に口づけをしている場所を発見してしまった藍啓仁。当初は同様で血を吐くほどだったが、もう見慣れて今はため息しか出ない。刹那、今は亡き江楓眠の言葉を思い出す。魏無羨はそういう人間なのだと。そんなことは藍啓仁には関係がない事だ。今日も彼は彼の正義のために説教をする――――――――。
    かわいい子には旅をさせろかわいい子には旅をさせろ。若い頃、国外から来た客人にそんなことわざがあると教わった。
    弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。

    その結果、どうなったか。

    丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。

    しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
    藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
    そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。

    魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
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    _nhn7

    DONEクソデカ司類SS

    「クソデカため息、禿げるまで撫でる」

    原作
    ▶︎しば (@ shi_ba4 )さん

    クソデカRemix
    ▶︎ねはん
    クソデカため息、禿げるまで撫でる。クソデカため息とは、何も天日干しされてカピカピになった魚類かよってくらい疲れた時や、2年目の部下が備品発注を200万回ミスったのと同じくらいマジ呆れた時ばかりにメッチャ出るものでは恐らく絶対多分ない。

    「類、帰るぞ」

    ホームルームが音速で終わり散らかして、10年振りに実家に戻るくらいの意気で帰り支度を始めて。それぞれ炎の灼熱全国大会常連の部活に全力疾走で行ったり、勧善懲悪神の鉄槌委員会に東奔西走したり、全人類が放課後も過労死寸前なくらいマジで忙しそうだ。地球規模緑化委員である僕は、そんなにまぁ破邪顕正委員会の仕事がブラック大企業レベルにマジでメッチャクソ多いわけでも全然なく。死んでも絶対に学校に残ることはマジでないまま永久の日々を過ごしまくっていた。でも、絶対ジャスティス学級委員20000人を纏める長である司くんは、ハンパなく色々スッゲェ超多忙らしい。僕のクラスの学級委員300000人もそうだが、一生何かしらずっとヤバい量の仕事をしすぎている。それは世間では国際博覧会と呼ばれるうちの文化祭や、人民大移動レベルな修学旅行などのウルトラスーパー大イベントの直前もそうだし、担任の先生7000万人と常に全600クラスの様子や活動について三億時間話したり。そんな雑巾みたいことまでしないといけないなら死んだ方がマシじゃないのか、と思うようなしょーも無さすぎるクソザコ雑務をやっているのもまじで猛烈によく見かける。そんな世界代表最強学級委員である司くんと一緒に爆速帰宅できるなんて、自分が新種の虫を見つけて名前になった時くらいスーパーミラクル珍しい。わざわざ一緒にメッチャ帰らなくても、どうせ直ぐステージで笑っちまうくらいバカみたいに会うんだから、というのはハイパー野暮だ。彼を人類史上類を見ないレベルでマジLOVE20000000000%だと気付きまくった今この刹那、マッッッジほんっっっっのメッチャ少しでも彼と融合するかってくらい一緒に居まくりたいと思い散らかすのは、宇宙に存在する全ての生命体の心理として死への恐怖より当然のことだと衛星放送を通してバカでかい主語で叫びたい。こうして、顔面の筋肉という筋肉が完膚なきまでに全て緩んでババアの乳みたいに無様な風体になってしまうのも。
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