ろひ
菊谷 昴
DONE忍法帖のショートストーリー『ナースナスナス』より。陣(→)(←)千で、あの後会議終わりの先生とバッタリ会ってたら…とか幻覚見えたので描いた。
きっとレインボーが助けてくれ…る?強く生きろヒーロー…!😂 2
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定・過去作( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
ふたりの再会後の夜の話(はじめての飲み)
ロディと再会したその日、すっかり日本の居酒屋に慣れている素振りで「とりあえず生で」とアルコールを注文したロディに、衝撃を受けながら出久は根掘り葉掘り聞くことになった。
不躾かもしれないとは思ったがしょうがないだろう。なにせ十年ぶりの再会、かつ、ロディが日本にいて、しかもすでに慣れていた様子というのは、何から聞けばいいかわからないくらい疑問しか出久には芽生えてこなかったのだから。
「日本にはいつから……?」
「今年の春から」
ジョッキをぶつけあってから尋ねた最初の質問のロディの返答から出久は目を丸くすることになってしまったのだけれど。
「もう半年は来てるの!?」
「そういうことになるな」
「えっ、なんで連絡……」
4319不躾かもしれないとは思ったがしょうがないだろう。なにせ十年ぶりの再会、かつ、ロディが日本にいて、しかもすでに慣れていた様子というのは、何から聞けばいいかわからないくらい疑問しか出久には芽生えてこなかったのだから。
「日本にはいつから……?」
「今年の春から」
ジョッキをぶつけあってから尋ねた最初の質問のロディの返答から出久は目を丸くすることになってしまったのだけれど。
「もう半年は来てるの!?」
「そういうことになるな」
「えっ、なんで連絡……」
rizuki_airca
MOURNING大分前に考えてた学パロヒョウリネを形にしてみたモブが出てくるよ
一応ザイ魅も前提としてある
7月上旬、梅雨が明けていよいよ夏が始まろうとしている今日この頃。
朝練に励む生徒たちの掛け声を聞きながら、リネンはいつも通り校門をくぐった。
声をかけられればにこやかに挨拶を返し、よく知る友人がいれば自分から声をかけ。
これから訪れる変化に気付くこともなく。
「おはよー、魅朕ちゃん」
下駄箱に着き、そこにいた見知った顔の女子生徒に声をかける。
魅朕がむっつりした顔で見上げてくるのを気にするでもなく、リネンは自分を手で扇ぎながら話しかけた。
「今朝も暑いねぇ」
「そうね」
「魅朕ちゃん、そんな背中に髪垂らして平気なの?」
「そんな風に見える?」
柔らかく量が多い髪を梳きながらリネンが言うと、魅朕は元から鋭い目をさらに吊り上げながら手を払う。
7460朝練に励む生徒たちの掛け声を聞きながら、リネンはいつも通り校門をくぐった。
声をかけられればにこやかに挨拶を返し、よく知る友人がいれば自分から声をかけ。
これから訪れる変化に気付くこともなく。
「おはよー、魅朕ちゃん」
下駄箱に着き、そこにいた見知った顔の女子生徒に声をかける。
魅朕がむっつりした顔で見上げてくるのを気にするでもなく、リネンは自分を手で扇ぎながら話しかけた。
「今朝も暑いねぇ」
「そうね」
「魅朕ちゃん、そんな背中に髪垂らして平気なの?」
「そんな風に見える?」
柔らかく量が多い髪を梳きながらリネンが言うと、魅朕は元から鋭い目をさらに吊り上げながら手を払う。
tsunati
DONEヒバニキはスタバのカスタム詠唱出来そうよね、って幻覚です。現パロヒバハン♂です。
慣れれば詠唱出来ますよ! それなりの頻度で来店してくれるイケメン…店員の間で兄貴と呼ばれているお客様が今日も来店してくれた。兄貴は大人の余裕たっぷりで、でもちょっとヤンチャしてそうなオトナの男、という感じでいかにも兄貴肌、と思われるのでいつの間にか『兄貴』で定着していた。一人で来るのが常なのだが、今日は連れが居る。珍しい、と思わず観察してしまった。だってこんな綺麗な男の子…男の子?でいいんだよな?を間近に見るのは初めてだ。美人くんは左右で瞳の色が違うように見えるが、それを気にしてか前髪を垂らしていてハッキリしないが、声を聞く限り男の子でよさそうだ。銀髪というのだろうか、白髪とは違う光沢のある長い髪をハーフアップにした美人くんは恐らくこのタイプのコーヒーショップが初めてなのだろう、不安そうに兄貴に話し掛けては笑われている。気持ちはよくわかる、勤める前の自分もそうだった。
1738mame
DONE付き合ってない出ロデ プロヒ×パイロット副題:ろで~そ~るの脱出大作戦
ノック・ノック・ノック① 昔から、物の構造を把握したりするのは得意な方だった。おごり高ぶることなく、ロディは自身のことをそう評価している。
父親がパズルを与えてくれたり、家で飛行機や車のプラモデルを作ったり、飛行機の操縦教本に載っていた図解を食い入るように見つめていたりと、おそらくそういうことが影響していたのだとロディは思う。
だからといって、まさか自分に『鍵開け』なんて芸当ができるとは露ほどにも思っていなかったのだけれど。
ロディがそんな自分の知られざる才能を知るきっかけになったのは運び屋時代だ。言ってはなんだが、間抜けなヴィランとの仕事の時だった。
その日のロディの仕事は街外れのレストランの店主から受け取ったスーツケースを反対側の街外れの酒場に持っていくこと。どうやら貸し切っているらしい酒場に入る前にピノをコートのポケットに隠し、引き渡し相手であるヴィランに鍵付きのスーツケースを渡して、酒場の中で報酬の支払い待ちをしていたのだが、どういうわけかロディがケースを渡して以降、やけに焦りはじめたヴィランがなかなか支払いをしてくれなかった。
4023父親がパズルを与えてくれたり、家で飛行機や車のプラモデルを作ったり、飛行機の操縦教本に載っていた図解を食い入るように見つめていたりと、おそらくそういうことが影響していたのだとロディは思う。
だからといって、まさか自分に『鍵開け』なんて芸当ができるとは露ほどにも思っていなかったのだけれど。
ロディがそんな自分の知られざる才能を知るきっかけになったのは運び屋時代だ。言ってはなんだが、間抜けなヴィランとの仕事の時だった。
その日のロディの仕事は街外れのレストランの店主から受け取ったスーツケースを反対側の街外れの酒場に持っていくこと。どうやら貸し切っているらしい酒場に入る前にピノをコートのポケットに隠し、引き渡し相手であるヴィランに鍵付きのスーツケースを渡して、酒場の中で報酬の支払い待ちをしていたのだが、どういうわけかロディがケースを渡して以降、やけに焦りはじめたヴィランがなかなか支払いをしてくれなかった。
Izumo_Derode
DONEロ爆「101回目の告白」100回フラれたロくんのはなし
完成したのでまとめました!
※年齢操作※十数年後※爆プロヒ※ロくんが爆の事務所で働いてる
※色々捏造なんでも許せる人向け 9
jas_mlk
DONEぬまおほいちお兄さん名前:清白 縹(すずしろひょう)
年齢:29
身長:155cm
職業:法律事務所職員(公認会計士目指し中)
NPC鐘有氏とは大学時代のキャンパスメイト。
笑顔だけどどこか怖いお兄さんです、よろしくお願いします。
https://iachara.com/char/2045064/view 7
inoueyuQo
TRAININGLove Me Passionatelyせろの試し描き及びペン入れ用のペン確認のために描いたセロ上の漫画です。
背景がちゃんとしていないです。
未来捏造 プロヒ 成人済み 飲酒 両片思いの二人がわちゃわちゃしています。
最後の一枚はあとがきなので、あとがきが苦手な人はパスしてください。 33
MichaelAsobo
MEMO21ぐらい出 プロヒ
ロデ 学生
ラ 中学
ロ 高校
なんだかんだあってヒーロー協会から日本に一時的在住して学校に通うことになったロデ
デクとの交流はオセオン以来
数日たったあと????
ろでで妄想「あのさ、その…俺、……デクのことが」
(車の音)
「…………あ、えっ!?えっと…その、
今のってそ、そう言うことだよね……。」
(失敗した、
そのことを瞬時に理解して、
今までの人生で一番後悔をした。
わかりきっていた反応、言わなければ良かったと言う取り返しのつかない感情
でもデクは優しいから、この関係をまだ続けてくれるらしい)
______
家の中で机に不貞腐れてうつ伏せてくたばってるロデとピノ
(あー、こりゃフラれたな…)
「にぃちゃん、とりあえず着替えてきなよ。」
「ほらぁ、だから私言ったじゃん!
そもそもデクと会うのなんて何年振りだと思ってるの?いくらなんでも早すぎ
2人で壮大な冒険したからって相手も同じとはk…」
1923(車の音)
「…………あ、えっ!?えっと…その、
今のってそ、そう言うことだよね……。」
(失敗した、
そのことを瞬時に理解して、
今までの人生で一番後悔をした。
わかりきっていた反応、言わなければ良かったと言う取り返しのつかない感情
でもデクは優しいから、この関係をまだ続けてくれるらしい)
______
家の中で机に不貞腐れてうつ伏せてくたばってるロデとピノ
(あー、こりゃフラれたな…)
「にぃちゃん、とりあえず着替えてきなよ。」
「ほらぁ、だから私言ったじゃん!
そもそもデクと会うのなんて何年振りだと思ってるの?いくらなんでも早すぎ
2人で壮大な冒険したからって相手も同じとはk…」
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定・過去作( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
小雨が降った夜の話の巻(好き放題書いてるので情報は真に受けないでください)
「あれ? このスープなんだか……」
「お、気付いたか?」
両手で持ったマグカップから白い湯気が立ちのぼる。出久はふうと息を吹きかけその湯気を散らしてからマグカップの中身を一口含んだ。熱すぎるくらいのそれは出久が知るものよりも随分とコクがあって目を見張る。
透明で黄金色の、わずかに波立つスープを見つめてから、出久が顔を上げ問いかければ、ダイニングテーブルを挟んで向かい側に座ったロディがにんまりと得意げな笑みを浮かべてみせた。その表情にくすりと笑いながら、もう一口。舌の上でで熱々のスープを転がしてから、片肘で頬杖をついて変わらず笑みを浮かべるロディに首を傾げた。
「コンソメスープ、だよね?」
「ん、そう」
5302「お、気付いたか?」
両手で持ったマグカップから白い湯気が立ちのぼる。出久はふうと息を吹きかけその湯気を散らしてからマグカップの中身を一口含んだ。熱すぎるくらいのそれは出久が知るものよりも随分とコクがあって目を見張る。
透明で黄金色の、わずかに波立つスープを見つめてから、出久が顔を上げ問いかければ、ダイニングテーブルを挟んで向かい側に座ったロディがにんまりと得意げな笑みを浮かべてみせた。その表情にくすりと笑いながら、もう一口。舌の上でで熱々のスープを転がしてから、片肘で頬杖をついて変わらず笑みを浮かべるロディに首を傾げた。
「コンソメスープ、だよね?」
「ん、そう」
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット 三ヶ月記念日の話 なんとなく、浮かれて、花束を買った。
その花束を購入した花屋がたまたまプロヒーローである恋人が勤める事務所の近くで、自身の腕に嵌る時計の文字盤を見れば、もう彼の定時間近で。今日は絶対に定時で上がるから! とトークアプリに朝早くからメッセージが届いたことを思い出して、迎えに行ってみるか、なんて、気紛れに思った。
だからロディの耳に、恋人の働く事務所の前でヒーローコスチュームから着替えた私服姿の恋人本人と、おそらくその恋人の先輩ヒーローらしい人間との会話が聞こえたのは、本当に偶然だったのだ。
「今日、記念日なんですよ。だから飲み会はすみません、また今度誘ってください」
眉尻と頭をを下げた恋人である出久の姿を認めて、ロディが反射的に隠れてしまったのは特に理由はない。ただ、堂々と聞いてはいけない会話かもしれないと思ったのは確かだ。だからといって、隠れて聞いていいのかは定かではないのだけど、この時のロディはそれを良しと判断した。
2426その花束を購入した花屋がたまたまプロヒーローである恋人が勤める事務所の近くで、自身の腕に嵌る時計の文字盤を見れば、もう彼の定時間近で。今日は絶対に定時で上がるから! とトークアプリに朝早くからメッセージが届いたことを思い出して、迎えに行ってみるか、なんて、気紛れに思った。
だからロディの耳に、恋人の働く事務所の前でヒーローコスチュームから着替えた私服姿の恋人本人と、おそらくその恋人の先輩ヒーローらしい人間との会話が聞こえたのは、本当に偶然だったのだ。
「今日、記念日なんですよ。だから飲み会はすみません、また今度誘ってください」
眉尻と頭をを下げた恋人である出久の姿を認めて、ロディが反射的に隠れてしまったのは特に理由はない。ただ、堂々と聞いてはいけない会話かもしれないと思ったのは確かだ。だからといって、隠れて聞いていいのかは定かではないのだけど、この時のロディはそれを良しと判断した。
mame
DONE爆轟小話(11/7、パス外しました)※プロヒ
※同棲軸
※劇場版3のネタバレを若干含みます
10/31イベント無配 大きな紙袋を持って帰ってきた轟に、爆豪はなんだそれと言いかけてやめた。有名海外旅行会社のロゴが大きく入っていたからだ。ここのCMに起用されたと先日言っていた。今日は撮影だったのだろう。
「なんかパンフレットいっぱいもらったんだ」
「ハッ。押し付けられたの間違いだろが」
「そうともいうかもしれない」
「素直に認めろや」
本日爆豪は早番だった。そんなわけですでに風呂も夕食も済ませてある。轟も撮影のときに弁当が出たらしく、じゃあ軽く飲むかと轟がシャワーを浴びてくるのを待って、グラスと瓶ビール、先日遠征で行った地方の珍味なんかを出してリビングのローテーブルを二人で囲んだ次第だ。
乾杯をした直後に起きっぱなしにしていた紙袋をずるずると引き寄せ、轟が中身をテーブルに広げた。それらは4ページから12ページくらいの、旅程金額がずらりと並べられた小冊子だ。20冊くらいはあるだろうか。
2019「なんかパンフレットいっぱいもらったんだ」
「ハッ。押し付けられたの間違いだろが」
「そうともいうかもしれない」
「素直に認めろや」
本日爆豪は早番だった。そんなわけですでに風呂も夕食も済ませてある。轟も撮影のときに弁当が出たらしく、じゃあ軽く飲むかと轟がシャワーを浴びてくるのを待って、グラスと瓶ビール、先日遠征で行った地方の珍味なんかを出してリビングのローテーブルを二人で囲んだ次第だ。
乾杯をした直後に起きっぱなしにしていた紙袋をずるずると引き寄せ、轟が中身をテーブルに広げた。それらは4ページから12ページくらいの、旅程金額がずらりと並べられた小冊子だ。20冊くらいはあるだろうか。
夜弦れい
MEMO創作CP・赤黒
・ドクターとお気に入り?
ドクター
ヒョロヒョロのガリガリ。筋肉?なにそれ
万年運動不足。頼むからエレベーターつけてくれ
引きこもり。肌が青白い
実験、研究大好き。好奇心のためなら己も殺す
赤が好き。実力からくる自信。自己陶酔ややあり
お気に入り
腕相撲でドクターに勝てる
身体能力高い。木登り楽勝
アウトドア派。 2
okeano413
DONE三代目操 かぎろひ※甲操前提
※死ネタを含みます
※カップリング要素は甲洋×二代目操のみ
2021.10.26
来主操がボレアリオスに還った日から、一年と半年が過ぎた。島も俺も無傷ではいられなかったけれど、からがらに送り届けた存在が、外装はすっかり修復を終えた白雲の中で無事転生を果たした日から、もう一年も。
あれから、中へ踏み入る勇気は出なかった。ぐちゃぐちゃの船内で傾いで今にも倒れてしまいそうなカプセルへ幾度も抱き締めた肉体を預けたあと、溶けてゆくさまを正気で見続けるのは、俺には難しい事だった。
光景を鮮明に覚えている。赤い海の中で撫でた頬の輪郭がほどけていく。細くやわらかな髪が失われていく。はじめからうまく崩せるよう構成されているかのように、ためらいなく存在が消えていく。涙は出なかった。まばたく暇があるならば、消える間際まで見ていたかった。
3037※死ネタを含みます
※カップリング要素は甲洋×二代目操のみ
2021.10.26
来主操がボレアリオスに還った日から、一年と半年が過ぎた。島も俺も無傷ではいられなかったけれど、からがらに送り届けた存在が、外装はすっかり修復を終えた白雲の中で無事転生を果たした日から、もう一年も。
あれから、中へ踏み入る勇気は出なかった。ぐちゃぐちゃの船内で傾いで今にも倒れてしまいそうなカプセルへ幾度も抱き締めた肉体を預けたあと、溶けてゆくさまを正気で見続けるのは、俺には難しい事だった。
光景を鮮明に覚えている。赤い海の中で撫でた頬の輪郭がほどけていく。細くやわらかな髪が失われていく。はじめからうまく崩せるよう構成されているかのように、ためらいなく存在が消えていく。涙は出なかった。まばたく暇があるならば、消える間際まで見ていたかった。
mame
DONE出ロデ 付き合ってる未来ねつ造軸のふたり(プロヒ×パイロット) シュンシュンとか細く湯気を吐き始めたケトルが目にはいった。出久はすかさずコンロの火を消し、壁掛け時計を見やる。短針がもう少しで七に差し掛かりそうだった。
リビングの灯りはまだ点けておらず、点けているのは出久がいるキッチンの蛍光灯のみ。薄暗い部屋の中で吐かれたその湯気は、昨日よりもはっきりと見て取れた。
遮光カーテンを開けレースカーテンのみにしているが、朝日はまだわずかに気配を滲ませているだけだ。ここ最近、朝の訪れが随分とゆっくりになった。スリッパを履いた素足にありえないはずの風を感じながら、出久はコーンスープの素の封を切りマグカップに投入していく。用意したマグカップの数はふたつだ。
自宅で気を張ることなんて早々ない。だから朝食の準備をのんびりとしているところに突然、背後からずぼっと勢いよく自身のTシャツの中に入ってきた冷たい両手があれば「ひゃ!?」と出久が奇声を上げてしまうのはしょうがないと思う。
2779リビングの灯りはまだ点けておらず、点けているのは出久がいるキッチンの蛍光灯のみ。薄暗い部屋の中で吐かれたその湯気は、昨日よりもはっきりと見て取れた。
遮光カーテンを開けレースカーテンのみにしているが、朝日はまだわずかに気配を滲ませているだけだ。ここ最近、朝の訪れが随分とゆっくりになった。スリッパを履いた素足にありえないはずの風を感じながら、出久はコーンスープの素の封を切りマグカップに投入していく。用意したマグカップの数はふたつだ。
自宅で気を張ることなんて早々ない。だから朝食の準備をのんびりとしているところに突然、背後からずぼっと勢いよく自身のTシャツの中に入ってきた冷たい両手があれば「ひゃ!?」と出久が奇声を上げてしまうのはしょうがないと思う。
mame
DONE出ロデ 数年後プロヒ×専門学生 空港ロビーで多言語のアナウンスが響いているのを、どこか遠くの出来事のようにロディは聞いていた。聞く、というよりも、耳にただ入れているだけと表現したほうが正しいかもしれない。音は拾っているが、意味のあるものとして脳が処理していないのだ。
五度目になるオセオン訪問から出久が日本へ帰ったのは約十分前。いつも搭乗時刻ギリギリまでこのロビーにいる出久のことだ。ロディの目の前にあるエスカレーターを駆け上がっていった出久は、きっと今頃保安検査場を駆け抜け、出国審査に息を切らして挑んでいるところだろう。ロディと別れてからボーディング・ブリッジを渡るまで毎回最短速度を更新しているなんて笑っていたが、パイロットを目指す航空専門学生のロディとしては到底許せるものではない。落ち着いて搭乗手続きを済ませてほしい。
1920五度目になるオセオン訪問から出久が日本へ帰ったのは約十分前。いつも搭乗時刻ギリギリまでこのロビーにいる出久のことだ。ロディの目の前にあるエスカレーターを駆け上がっていった出久は、きっと今頃保安検査場を駆け抜け、出国審査に息を切らして挑んでいるところだろう。ロディと別れてからボーディング・ブリッジを渡るまで毎回最短速度を更新しているなんて笑っていたが、パイロットを目指す航空専門学生のロディとしては到底許せるものではない。落ち着いて搭乗手続きを済ませてほしい。
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定・過去作( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
ふたりの再会のはなしの巻(時系列でいうと一番最初の話になります)
その日の出久は早番で、仕事を終え足取り軽く事務所を出たときには正しく晴天であった。ヒグラシが鳴き始めた、空と街に青とオレンジが入り混じる時間帯。肌を焦がすような夏の暑さは先日訪れた台風が連れ去っていってくれた。随分涼しくなったなあと秋の入り口がやってきた気配に頬を緩めながら、出久は夕飯の買い物をすべく自宅近くのスーパーに立ち寄った。
お目当ての総菜を何パックか購入して店を出た。そういえば米のストックがないとレジに並ぶ直前に気付き、無洗米も十キロの物を購入したのでしっかりと脇に抱える。基本的に自炊をあまりしない出久だが、米だけは炊くようにしている。実際これも面倒なときは電子レンジでチンするだけで食べられるパックのものを使ってしまうのだけれど。まあ、便利なものは使うに限るので。安い早い旨いの三拍子は忙しい社会人にとって最強の味方だ。総菜だってバランスを考えて購入すれば体にだっていいし、自炊に慣れていない自分が作るよりよほどコストパフォーマンスがいいと出久は思っている。
8683お目当ての総菜を何パックか購入して店を出た。そういえば米のストックがないとレジに並ぶ直前に気付き、無洗米も十キロの物を購入したのでしっかりと脇に抱える。基本的に自炊をあまりしない出久だが、米だけは炊くようにしている。実際これも面倒なときは電子レンジでチンするだけで食べられるパックのものを使ってしまうのだけれど。まあ、便利なものは使うに限るので。安い早い旨いの三拍子は忙しい社会人にとって最強の味方だ。総菜だってバランスを考えて購入すれば体にだっていいし、自炊に慣れていない自分が作るよりよほどコストパフォーマンスがいいと出久は思っている。
mame
DONE出ロデ 遠距離恋愛中の付き合ってるプロヒ×パイロット「身体に良いものは値段が張るんだよな」
スーパーでカートを押す出久の隣で、ロディがそんなことを言った。ロディの視線はというと陳列棚に並べられたオーガニック食材へ向けられている。そのうちのひとつの野菜を手に取り、眉間に皺を寄せるので出久も足を止めたロディの隣で足を止め、ロディの手の中にある野菜をみやる。
「……そんな意識で見たことなかった」
一見して普通の玉ねぎであるそれは、入店直後に山積みにされていた玉ねぎの三倍の価格で、出久はなるほどと思う。ポップを見ると無農薬、通常の玉ねぎの5倍の栄養価と謳われていた。
「俺もこの職を本気で意識し始めてから健康とか栄養価とか気にし始めたから、気付いたのは最近だけどな」
2212スーパーでカートを押す出久の隣で、ロディがそんなことを言った。ロディの視線はというと陳列棚に並べられたオーガニック食材へ向けられている。そのうちのひとつの野菜を手に取り、眉間に皺を寄せるので出久も足を止めたロディの隣で足を止め、ロディの手の中にある野菜をみやる。
「……そんな意識で見たことなかった」
一見して普通の玉ねぎであるそれは、入店直後に山積みにされていた玉ねぎの三倍の価格で、出久はなるほどと思う。ポップを見ると無農薬、通常の玉ねぎの5倍の栄養価と謳われていた。
「俺もこの職を本気で意識し始めてから健康とか栄養価とか気にし始めたから、気付いたのは最近だけどな」
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定・過去作( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
晩酌と夢のはなしの巻 ※今回、未来ねつ造だけでなくロの過去捏造・個性への独自の解釈が多分に含まれます
「ロディ、この夏すごく焼けたよね」
目に入ったロディのすらりと伸びる上腕を見ながら出久はぽつりとつぶやいた。
出久の家に泊まりに来たロディは既にシャワーを浴び終え、すっかりリラックスモードだ。普段腕時計がはめられている手首には、周囲の肌の色とは違うロディ本来の肌の色が残っている。それがくっきりと見て取れるほど、周りの肌が焼けているのだ。
寝る前に晩酌しようぜ、とシャワーを浴び終えたロディが出久の家の冷蔵庫から缶ビールをとってきて、それを出久に差し出したことで日焼けが目に入り、最近感じていたことが出久の口から飛び出したわけである。
「ん? ああ、機体点検のとき今年は特に日差しと照り返しすごかったから……日焼け止め塗ってても限界あったな。コックピットは紫外線対策だいぶされてっけど、外は流石に……」
7228目に入ったロディのすらりと伸びる上腕を見ながら出久はぽつりとつぶやいた。
出久の家に泊まりに来たロディは既にシャワーを浴び終え、すっかりリラックスモードだ。普段腕時計がはめられている手首には、周囲の肌の色とは違うロディ本来の肌の色が残っている。それがくっきりと見て取れるほど、周りの肌が焼けているのだ。
寝る前に晩酌しようぜ、とシャワーを浴び終えたロディが出久の家の冷蔵庫から缶ビールをとってきて、それを出久に差し出したことで日焼けが目に入り、最近感じていたことが出久の口から飛び出したわけである。
「ん? ああ、機体点検のとき今年は特に日差しと照り返しすごかったから……日焼け止め塗ってても限界あったな。コックピットは紫外線対策だいぶされてっけど、外は流石に……」
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
秋到来、の巻
「なんかさ……そこの道、めちゃくちゃ臭ってたんだけど、ゴミ収集車が事故でも起こしたのか?」
猛暑続きだった夏の暑さが少しマシになってきたのではというタイミングで、南シナ海で台風が発生し日本列島を横断した。どうやらその台風は、わずかに残る夏の気配も一緒に連れて姿を消したらしく、ここ数日で一気に気温が下がり過ごしやすくなっている。秋の訪れである。
そんな中、オセオン-日本便の副機長として日本を訪れたロディは、顰めっ面で出久のセカンドハウスを訪れた。そのときの出久といえば、ロディが来ることを前もって知らされていたためロディが好きな日本の惣菜を最寄りのスーパーでいくつか見繕い、夕食としてテーブルに用意しているところだった。そうして合鍵を使って入ってきたロディにいらっしゃいと声をかける前にその表情に驚き「どうかした?」と尋ねたのだ。そこに返ってきた言葉が冒頭のものになる。
2857猛暑続きだった夏の暑さが少しマシになってきたのではというタイミングで、南シナ海で台風が発生し日本列島を横断した。どうやらその台風は、わずかに残る夏の気配も一緒に連れて姿を消したらしく、ここ数日で一気に気温が下がり過ごしやすくなっている。秋の訪れである。
そんな中、オセオン-日本便の副機長として日本を訪れたロディは、顰めっ面で出久のセカンドハウスを訪れた。そのときの出久といえば、ロディが来ることを前もって知らされていたためロディが好きな日本の惣菜を最寄りのスーパーでいくつか見繕い、夕食としてテーブルに用意しているところだった。そうして合鍵を使って入ってきたロディにいらっしゃいと声をかける前にその表情に驚き「どうかした?」と尋ねたのだ。そこに返ってきた言葉が冒頭のものになる。
mame
DONE出ロデ未来捏造、プロヒ×パイロット
仲のいい友人関係の出(31)とロ(31)の話
仕事が早めに終わり、出久はひとり暮らしするマンションに戻ってきた。背中にはリュック、手には近くのスーパーの惣菜が入ったビニール袋。人気の総菜が残っていてラッキーだった出久は上機嫌である。
オートロックをカードキーで開き、ロビーへ入る。軽やかな足取りで集合ポストに寄って、中を開けばいくつかのダイレクトメールに紛れて茶色い封筒が入っていた。このマンションの所在地である区役所からの便りだということが宛名面の下部の印字で分かり、出久は首を傾げながらトレーニングがてら八階までの階段を駆け上がる。
八階の角部屋、そこが出久の部屋だ。2LDKの部屋は一人暮らしでは少し持て余しているが、セキュリティ面が優秀なのと、出久がフリーのプロヒーローとして拠点にしている貸テナントが近いため、このマンションを選んだ次第だ。再びカードキーで自身の部屋の扉のロックを解除し、部屋に入る。スニーカーを脱ぎながら、一旦手に持っていた郵便物をシューズボックスの上に置いて部屋にあがり、手を洗いうがいをしっかりとする。
7275オートロックをカードキーで開き、ロビーへ入る。軽やかな足取りで集合ポストに寄って、中を開けばいくつかのダイレクトメールに紛れて茶色い封筒が入っていた。このマンションの所在地である区役所からの便りだということが宛名面の下部の印字で分かり、出久は首を傾げながらトレーニングがてら八階までの階段を駆け上がる。
八階の角部屋、そこが出久の部屋だ。2LDKの部屋は一人暮らしでは少し持て余しているが、セキュリティ面が優秀なのと、出久がフリーのプロヒーローとして拠点にしている貸テナントが近いため、このマンションを選んだ次第だ。再びカードキーで自身の部屋の扉のロックを解除し、部屋に入る。スニーカーを脱ぎながら、一旦手に持っていた郵便物をシューズボックスの上に置いて部屋にあがり、手を洗いうがいをしっかりとする。
柴漬け
DONEもうただチュッチュしてほしいだけのクロヒル漫画wヒルダちゃんはきっと料理の腕前がおそろしく普通なんだと思ってる。
すごいおいしいわけでもなくまずいわけでもなく。ただクロードは多分それが病みつきになるだろうなとw
基本姉さん女房なので甘えることが結構多そうだなと思っていつもこのヒルダちゃんが上の体制になっちゃうんだよなーーーーーー!!! 2
mame
DONE出ロデ(プロヒ×パイロット)自我強め善良モブ視点
このモブ視点と同じ世界線です(https://twitter.com/mamemane_open2/status/1435895803646644225?s=20)
大通りから道を三本挟んで、さらに二つ目の角を曲がる。そんな、少し――というか結構、人通りが落ち着いた路地に俺の両親が営むコーヒー焙煎所はある。
両親の趣味であるブルックリンスタイルの落ち着いた色合いの店内には、これまた両親の趣味であるブラックミュージックが音量を押さえて流れている。基本的に五種類のコーヒー豆を常に販売している店で、店内に飲食スペースはないが、テイクアウト用のコーヒー販売はしている。これが結構好評だ。混雑することはないが、まったく人が来ないという日もない。大繁盛と言うわけではないが、店の経営を難なく維持できる程度には利益が上がっている。そんな店である。
俺は大学四年生で、無事就職も決まり、卒業単位も無事とれる見込みがあって、あとは卒論の準備に本腰を入れるだけなのだが、友達とお祝いだと称して夏休みに連日飲み歩いたせいで激しい金欠に陥っていた。夏休みが終わったところで、居酒屋のアルバイトだけではおそらく来月あるサークルのハロウィンパーティーの金が足りないことに気付いて絶望した。どれだけシフトを詰め込んでも、給料日的にハロウィンに間に合わない。そういうわけで母親に相談したところ、じゃあ給料を現金で払うから連休中、店番してと言われ、現在、俺は店のカウンター内に立っているわけだ。
6294両親の趣味であるブルックリンスタイルの落ち着いた色合いの店内には、これまた両親の趣味であるブラックミュージックが音量を押さえて流れている。基本的に五種類のコーヒー豆を常に販売している店で、店内に飲食スペースはないが、テイクアウト用のコーヒー販売はしている。これが結構好評だ。混雑することはないが、まったく人が来ないという日もない。大繁盛と言うわけではないが、店の経営を難なく維持できる程度には利益が上がっている。そんな店である。
俺は大学四年生で、無事就職も決まり、卒業単位も無事とれる見込みがあって、あとは卒論の準備に本腰を入れるだけなのだが、友達とお祝いだと称して夏休みに連日飲み歩いたせいで激しい金欠に陥っていた。夏休みが終わったところで、居酒屋のアルバイトだけではおそらく来月あるサークルのハロウィンパーティーの金が足りないことに気付いて絶望した。どれだけシフトを詰め込んでも、給料日的にハロウィンに間に合わない。そういうわけで母親に相談したところ、じゃあ給料を現金で払うから連休中、店番してと言われ、現在、俺は店のカウンター内に立っているわけだ。
mame
DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
ロ、風邪をひくの巻
ロディが風邪をひくというのは、両親がおらず、ロディの収入でなんとか暮らしているソウル家では死活問題だった。
なにせ金がないので風邪をひいても病院にいけない。病院に行く金があったら弟と妹にまともなものを食べさせてやりたい。しかし風邪をそのままにしておくと弟と妹がひどく心配する。下手したら泣き喚く上に自分たちの食べ物をロディを元気付けようと寄越してこようとする。優しすぎるふたりは自慢の弟と妹だが、これは最悪の悪循環なのである。
そんなわけで、ロディは絶対に風邪をひくわけにはいかなかった。まだトレーラーハウスの暮らしに慣れていない幼い頃、何度かそれを経験したおかげで、とにかく風邪をはじめとする体調不良にだけはならないようにと心掛けてきた。
5765なにせ金がないので風邪をひいても病院にいけない。病院に行く金があったら弟と妹にまともなものを食べさせてやりたい。しかし風邪をそのままにしておくと弟と妹がひどく心配する。下手したら泣き喚く上に自分たちの食べ物をロディを元気付けようと寄越してこようとする。優しすぎるふたりは自慢の弟と妹だが、これは最悪の悪循環なのである。
そんなわけで、ロディは絶対に風邪をひくわけにはいかなかった。まだトレーラーハウスの暮らしに慣れていない幼い頃、何度かそれを経験したおかげで、とにかく風邪をはじめとする体調不良にだけはならないようにと心掛けてきた。
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DONE出ロデ(プロヒ×パイロット)デクガチ勢モブ視点
※善良なモブとは別に腹が立つモブも出てきます
最近、デクのファンサが垢抜けてきた。
デクファン界隈に住む全員が頷くレベルで垢抜けた。
ヒーローのときは眩しい笑顔で頼もしく救ってくれるというのに、いざ救助が終わると、テレビがある所では一気にぎこちない笑顔になり、ファンには照れながら手を振りかえす。
「それが! 最高のギャップ萌えだったのに!!」
ダンッと音を立て、中身が半分に減ったビアジョッキをテーブルに叩きつければ、正面に座っている同期も深くうなずいている。私はそれに「だよねえ〜」とテーブルにべちゃりと頬をつけた。火照った頬に、冷たいテーブルが気持ちいい。
この同期とは入社式のときに、互いが日常使いできるわかる人にはわかるという大人のファンには有難いデクグッズを身に着けていたことにより、アイコンタクトを交わして以来の仲だ。入社式が終わってからしゃべったこともないのに自然と集まり、そのまま酒を飲みに行った。以降、デクファン仲間として定期的に集まっては酒を飲んでいる。
6770デクファン界隈に住む全員が頷くレベルで垢抜けた。
ヒーローのときは眩しい笑顔で頼もしく救ってくれるというのに、いざ救助が終わると、テレビがある所では一気にぎこちない笑顔になり、ファンには照れながら手を振りかえす。
「それが! 最高のギャップ萌えだったのに!!」
ダンッと音を立て、中身が半分に減ったビアジョッキをテーブルに叩きつければ、正面に座っている同期も深くうなずいている。私はそれに「だよねえ〜」とテーブルにべちゃりと頬をつけた。火照った頬に、冷たいテーブルが気持ちいい。
この同期とは入社式のときに、互いが日常使いできるわかる人にはわかるという大人のファンには有難いデクグッズを身に着けていたことにより、アイコンタクトを交わして以来の仲だ。入社式が終わってからしゃべったこともないのに自然と集まり、そのまま酒を飲みに行った。以降、デクファン仲間として定期的に集まっては酒を飲んでいる。
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DONE出ロデ プロヒ×パイロット※互いに両想いなのはわかってるけど付き合ってないふたり
設定( https://twitter.com/i/events/1431533338406178824)
なんでもできちゃうロの巻
「でーく、んな気にすんなって」
「無理だよ……気にするでしょ……」
通路脇にある椅子に腰かけながらかけられる声に、出久は情けない声で答えた。体勢は自然と項垂れ、現在そんな出久の背中をロディがぽんぽんとやさしく叩いてくれている。
平日の日中から広がる不思議な光景を、空港の職員が遠巻きに見ていることはわかっているが、出久の気持ちはなかなか浮上しなかった。
出久とロディが日中一緒に出かけられることなんて、なかなかないことだ。
なにせロディが日本へ来るときは日本時間の早朝に空港へ到着する国際便のパイロットとしてやってくるわけで、ゆっくりできる時間といえば到着日の日中がメインだ。その時間は基本的に睡眠をとることになるし、さらに言えば出久のヒーロー活動も基本的に日中から夜までで。そしてロディは大抵その次の日の昼くらいには空港へ向かってしまう。往路のフライトのためだ。そういうわけで、出久とロディの会う時間というのは主に夜になる。
4779「無理だよ……気にするでしょ……」
通路脇にある椅子に腰かけながらかけられる声に、出久は情けない声で答えた。体勢は自然と項垂れ、現在そんな出久の背中をロディがぽんぽんとやさしく叩いてくれている。
平日の日中から広がる不思議な光景を、空港の職員が遠巻きに見ていることはわかっているが、出久の気持ちはなかなか浮上しなかった。
出久とロディが日中一緒に出かけられることなんて、なかなかないことだ。
なにせロディが日本へ来るときは日本時間の早朝に空港へ到着する国際便のパイロットとしてやってくるわけで、ゆっくりできる時間といえば到着日の日中がメインだ。その時間は基本的に睡眠をとることになるし、さらに言えば出久のヒーロー活動も基本的に日中から夜までで。そしてロディは大抵その次の日の昼くらいには空港へ向かってしまう。往路のフライトのためだ。そういうわけで、出久とロディの会う時間というのは主に夜になる。