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    ショートショート

    猫の助

    PAST昔別のアプリで書いたBloodborneの小説もどき。
    ヴァルトールとヤマムラの様な、自狩の様な
    其処は敢えて暈してます。BL要素無し。
    決められた文字数で書こうとして書ききれなかった小説もどきです。
    篝火3で告知した通り、完成品を
    BOOTHにて紙媒体にて販売致します。
    ショートショートのストーリー小説。
    詳しい内容は
    https://mibu.booth.pm/

    更新・支部にもこの無題の小説をアップしました。
    加筆後の物は本にしか載せてません。
    無題貴方は何時もそうでした。何時も飄々として自分が苦しい時も、弱音を吐かず見せず何事も無かったかの様に振舞っていましたね。

    それがどれ程周りを傷付けて着たか貴方は分からないでしょう。
    そしてその態度が皆を思うが故だと分かるからこそ何も言って来ませんでした。

    でも今の貴方はどうでしょう?

    死体の山を築き 
    血に酔いそうになる高揚感と
    敵を斃すたびに冷えて行く視線と思考
    そんな相反する中どんな時でも不遜な態度を崩さなかった人。

    そんな貴方が物言わぬ屍となり私の足元に居る。
    不思議ですね。
    貴方の死に顔からは後悔何て微塵も感じない
    上に嗤ったまま逝くなんて… 
    狩人はいずれ血に酔い餐まれ正気を喪う。
    貴方は死の間際に狂って居たのか今では確かめようも有りません。
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    大上満

    DONEリンレト版お題「忘れた頃に」で参加させていただきました。
    あまり内容とは関係ありませんが翠風ルートです。
    ショートショート。
    忘れた頃に温室をふらりと訪れたベレトは赤いくす玉状の花の前で佇むリンハルトと行きあった。
    屋台で売られている棒付きの飴のようにぴょこぴょこと地面から突き出ている可憐な花々をベレトも横から見つめながら聞く。

    「この花が好きなのか?」

    幾つもの小さな紅い花が一塊に集結して玉房(たまぶさ)を成している。うろ覚えだが品種名はアルメリアと言ったか。視線を花からベレトへ移してリンハルトは言う。

    「いえ特別好きってほどでもないんですけどね。旅に出る前にカスパルが置いていった種が育って今頃開花したんですよ。それでちょっとその時のことを思い出して」

     時期はずれに咲いた花がリンハルトの中に眠っていた記憶を刺激した。
    あれは確かカスパルが旅に出る直前の事だった。道ばたで露天を開いていた老婆がごろつきに難癖をつけられて商品を奪い取られそうになっていたところを偶然通りがかったカスパルがぶちのめして助けたらしい。その時に礼としてもらったのがこの種だと言っていた。だが当のカスパルにとってはありがた迷惑だったようで……。
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    たんごのあーる

    TRAINING16巻の衝撃にうなされるようにしてひとつ。ショートショート。目が覚めたら、まだ真夜中だった。隣で眠っていたはずの傑がいない。悪夢の続きかと思うと、鼓動が不規則に激しくなり、呼吸が乱れる。
    とりあえずひとつ深呼吸して、周りを見渡す。薄いカーテンの向こうのベランダで、ホタルのように明滅する小さな光を見つけ、慌ててベッドから降りると、引き寄せられるようにその広い背中に縋り付いた。
    「悟?どうした?目、覚めちゃた?」
    肩口に頭を乗せて、うなじから傑の香りを確かめる。くすぐったいよ、と頭を優しく撫でられると、少し落ち着いた。
    「まだ早いよ。どうしたの。」
    「…ヤな夢を見た。」
    「どんなの?」
    「言いたくないくらい、ヤなやつ。」
    5月の月のない夜は、虫の声もせず、ひどく静かでなんだか仄暗い。
    「そっか。でも、夢でよかったよ。」
    そう、傑はポツリと言う。
    「なんで?」
    「夢は『夢』だからさ。良い夢見たときは、いい夢見られてよかった。悪い夢の時は、夢でよかった。現実じゃなくてよかった、ってこと。」
    煙草を消して、携帯灰皿をポケットに仕舞うと、正面から抱きしめられる。Tシャツ越しに伝わる傑の体温が自分より少し低いのに気付いて、なんだか切なくなる。
    「身体、冷えて 573

    Dochi_Kochi28

    DONEアモアキ(亜アキ)ショートショート
    本編その後 チョット創作入れてます 解釈違いご注意ください アキラさんが博士になってます
    ぼんやりと、天井が明るくなってきたころ。
    珍しく、目が覚めた。
    その前の夜に言われたことが引っ掛かっていたからだ。

    始まりは同じ部屋に住んでいる酔っ払いの一言だった。
    「なぁ。君は、あと何年生きるんだ?」
    言われた直後は「さぁ、な。」と言葉を濁したが、いつかは向き合わねばならないことだった。
    「後、何年、か。」
    彼女を起こさないようにベッドを抜け出し、ベランダに出て、ぼんやりと考えを巡らせていた。
    人として短くなったであろう寿命をこのまま全うするか。
    それとも、実験体になってでも処置を受けて、できるだけ長く彼女と一緒に生きるか…化け物になってでも生きて、そばで支え続けるか。
    俺にとってはとても重たいことなのだと思う。

    振り返り、まだ目を閉じたまま、さっきまでの酔っ払いぶりはどこに行ったのか、というくらいにおとなしくすやすやと眠りについたままの彼女を見やる。
    置いて、行きたくない。
    二度も彼女を泣かせたくないな、と思う。
    そうか。簡単なことなんだ。
    心がすっと軽くなったような気がした。

    その朝。
    朝食を食べ終えたアキラを正面から抱きしめて、なるべく自分の顔が見えないようにして。
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