一発
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十九回 お題:「玩具」「埋もれる」
タイムカプセルにある思いを込めていた司のお話。数年後設定です。
司視点 ?想い
埋めて隠しても、無くならないもの。朝日が昇ったばかりの、午前4時。
静まり返る園内に、密かに集まった4人がいた。
「すまんな。こんな時間しか取れなくて」
「まあ、大丈夫だけど。ちゃんと寝たわけ?」
「僕は機材の調整で元々徹夜だね」
「オレは収録が終わらなかったから徹夜したな」
「ちょっと?」
「2人とも、後でベッド貸すね!とりあえず、掘りにいこー!」
「「「おー」」」
小さめの声で会話する、4人の大人。
子供のように掛け声に合わせて腕を上げると、笑い合いながら林の奥に進んでいった。
---------------------------------
「休止する前に、タイムカプセルを埋めたいの!」
そう言い出したのは、えむだった。
オレも類も大学卒業を目前に控えていて、オレも、なんなら寧々も、事務所に声がかかるくらいには有名になった。
3657静まり返る園内に、密かに集まった4人がいた。
「すまんな。こんな時間しか取れなくて」
「まあ、大丈夫だけど。ちゃんと寝たわけ?」
「僕は機材の調整で元々徹夜だね」
「オレは収録が終わらなかったから徹夜したな」
「ちょっと?」
「2人とも、後でベッド貸すね!とりあえず、掘りにいこー!」
「「「おー」」」
小さめの声で会話する、4人の大人。
子供のように掛け声に合わせて腕を上げると、笑い合いながら林の奥に進んでいった。
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「休止する前に、タイムカプセルを埋めたいの!」
そう言い出したのは、えむだった。
オレも類も大学卒業を目前に控えていて、オレも、なんなら寧々も、事務所に声がかかるくらいには有名になった。
倉庫ですわよ〜
DOODLE推しカプの絵〜ネタ帳の中から一発ネタで簡単(簡単ではない)に描けるやつ選んだ。
① I字バランス出来るケビンさんと出来ないキルロイさん
② 歯茎剥き出しで大爆笑するキルロイとキルロイのそんな姿を滅多に見ないので、何故かキュンときてしまったケビン。 2
xxjjxjj
DOODLETOKYO罹破維武3で頒布した「みるくてぃーんこんぷれっくす」のbrother complex side の無配です🤍成長した二人を書きました〜!当日ド深夜の一発書きデス、甘く見てください……甘く……
苦くて、甘い キーンコーンカーンコーン。鐘の音とともに学校を飛び出して、家路を急ぐ。階段を一段飛ばしで駆け上がって、ただいまー! と玄関に駆け込んで、大急ぎで身支度を整える。
鞄の中には、着替えと歯ブラシと、財布に携帯。母ちゃんに持たされた手土産のプリンはぐちゃぐちゃにならないように手で持っていくことにした。兄さんのお下がりの香水をひと吹きして少しだけ背伸びして、意気揚々と家を飛び出した。ようやく、この日がやってきた。
最寄り駅から四十五分。『今駅着いて電車待ちです』と黄色い線の内側でメールする。『分かった。気をつけてな』とすぐに届いた返事に頬がだらしなく緩んでしまう。
電車に揺られながら、携帯を握り締めて窓の外を眺める。夕焼けが照らす見慣れた風景が、少しずつ知らない景色に変わっていくのが、何だか落ち着かなくてドキドキしてしまう。
3867鞄の中には、着替えと歯ブラシと、財布に携帯。母ちゃんに持たされた手土産のプリンはぐちゃぐちゃにならないように手で持っていくことにした。兄さんのお下がりの香水をひと吹きして少しだけ背伸びして、意気揚々と家を飛び出した。ようやく、この日がやってきた。
最寄り駅から四十五分。『今駅着いて電車待ちです』と黄色い線の内側でメールする。『分かった。気をつけてな』とすぐに届いた返事に頬がだらしなく緩んでしまう。
電車に揺られながら、携帯を握り締めて窓の外を眺める。夕焼けが照らす見慣れた風景が、少しずつ知らない景色に変わっていくのが、何だか落ち着かなくてドキドキしてしまう。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十八回 お題:「静電気」「カレンダー」
帯電体質な司のある秘密が、類にバレてしまうお話。
類視点 両想い
その痛みは、 の証。「……ふむ、それだとここの部分、ちょっと不自然にならないかい?」
「ああ、確かに。では……この部分。ここの寧々の登場タイミングを少し遅らせて……」
「なるほど。それだとこっちのバランスが取れなくなるけれど、こっちの方のセリフをもう少し伸ばせば……」
ある日のお昼休み。
ご飯を食べ終わった僕達は、次の公演に向けての話し合いをしていた。
今やっている公演は冬と雪をメインに据えた話だったため、もうじき春がくる今では時期はずれになってしまう。
そこで、そろそろその公演を終演とし、新しいショーを作ろうという話になったのだ。
脚本は既に司くんが形にしてくれたのを皆で確認したので、今は脚本と演出の摺り合せをしている。
今日明日で完成させて練習や機材の準備に入れば、今のショーの後にツカサリオンを少々やるだけで次に行けそうだ。
4946「ああ、確かに。では……この部分。ここの寧々の登場タイミングを少し遅らせて……」
「なるほど。それだとこっちのバランスが取れなくなるけれど、こっちの方のセリフをもう少し伸ばせば……」
ある日のお昼休み。
ご飯を食べ終わった僕達は、次の公演に向けての話し合いをしていた。
今やっている公演は冬と雪をメインに据えた話だったため、もうじき春がくる今では時期はずれになってしまう。
そこで、そろそろその公演を終演とし、新しいショーを作ろうという話になったのだ。
脚本は既に司くんが形にしてくれたのを皆で確認したので、今は脚本と演出の摺り合せをしている。
今日明日で完成させて練習や機材の準備に入れば、今のショーの後にツカサリオンを少々やるだけで次に行けそうだ。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十七回 お題:「別れ」「たいへんよくできました」
いつになく忙しい日々を送った司を、類が労わるお話。
司視点 ?想い
果たして、オレに 資格はあるのか。「それじゃあ、お疲れ様!2人共、ゆっくり身体を休めてくれ!」
「うん!司くんも類くんも、お疲れ様!」
「お疲れ様。ああ、類。今日えむと寄り道するから」
「ああ、わかったよ。2人共お疲れ様。」
2人を見送り、控え室に入る。
着替えもせずにベンチに座ると、思わずため息が漏れてしまった。
「……司くんも、お疲れ様。大丈夫かい?」
「大丈夫だ。……と、言いたいとこだが。流石にオレも疲れたな」
苦笑しながら言うオレに、類は心配そうにスポーツドリンクを手渡してくれて。
類の視線を感じながら、オレはそれをゆっくりと飲みつつ今日の反省点を頭の中で纏めていた。
-----------------------------
今回新たにやるショーは、オレとえむがメインとなる物語。
4446「うん!司くんも類くんも、お疲れ様!」
「お疲れ様。ああ、類。今日えむと寄り道するから」
「ああ、わかったよ。2人共お疲れ様。」
2人を見送り、控え室に入る。
着替えもせずにベンチに座ると、思わずため息が漏れてしまった。
「……司くんも、お疲れ様。大丈夫かい?」
「大丈夫だ。……と、言いたいとこだが。流石にオレも疲れたな」
苦笑しながら言うオレに、類は心配そうにスポーツドリンクを手渡してくれて。
類の視線を感じながら、オレはそれをゆっくりと飲みつつ今日の反省点を頭の中で纏めていた。
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今回新たにやるショーは、オレとえむがメインとなる物語。
Kakitu_prsk
DONE #ritk版深夜の60分一発勝負『別れ』『たいへんよくできました』
1h+見直し0.5h
怪物たちの目覚めの御話。
ジャバウォックは咆哮する「別れよう、類」
その言葉は予想以上にすんなりと口に出せた。
声は震えていない。”いつも通り”を完璧な仮面として被り、オレは滑らかな口で別れるべき理由を口にしていく。
「――わかったよ」
そうして、予想以上にすんなりとした返事でもって、恋人の類から同意をもらえたのだ。その時の類も”いつも通り”の顔であれば、オレは自分の選択が間違っていなかったことに内心安堵していた。
オレと類は二か月もの間、恋人関係にあった。
きっかけはオレからの告白であり、類が好きだと気づいてから一週間も練った言葉でもって、オレは類に愛を伝えたのだ。
「えっと……」
だが、オレが全ての愛を吐き出し、満足な心地で類を見た時――オレは過ちに気づいた。
4426その言葉は予想以上にすんなりと口に出せた。
声は震えていない。”いつも通り”を完璧な仮面として被り、オレは滑らかな口で別れるべき理由を口にしていく。
「――わかったよ」
そうして、予想以上にすんなりとした返事でもって、恋人の類から同意をもらえたのだ。その時の類も”いつも通り”の顔であれば、オレは自分の選択が間違っていなかったことに内心安堵していた。
オレと類は二か月もの間、恋人関係にあった。
きっかけはオレからの告白であり、類が好きだと気づいてから一週間も練った言葉でもって、オレは類に愛を伝えたのだ。
「えっと……」
だが、オレが全ての愛を吐き出し、満足な心地で類を見た時――オレは過ちに気づいた。
PrzmStar
DOODLEおはようございますーの一発がきデジェルさん。なんですか外伝のあの天使っぷりは…
今日は定休日ですが色々やることが…まぁぼちぼちやっていきます(´-ω-`)oO
沙織さん覚醒したら久々にライコス銀河も頑張ろー!٩( 'ω' )و
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十六回 お題:「ギャップ」「買い物」
ギャップ萌えで類にもっと好きになってもらいたい司のお話。
司視点 両想い
いつだって、貴方にメロメロ。「2年の神代くん?って、ミステリアスで格好良いよねー!」
そう聞こえた声に、オレは思わず足を止めた。
物理の先生から頼まれたクラスのノートの提出を終わらせた、帰り道。
声が聞こえてきたのは、普段オレは通らない、3年生のクラスだった。
「なんかよく先生から怒られてるみたしだし、不良じゃないの?メッシュもかけているし」
「いやいや!そういうとこが格好良いんじゃん!あんなイケメンでミステリアスで、でも不良とかギャップ萌えがすぎるでしょ!」
「あんたそういうとこあるよね……」
あまり長く立ち止まっているとバレてしまうだろうし、ここまでだなとクラスを離れる。
それにしても、流石は類だ。上の学年からもモテモテだとは!
確かこの前のバレンタインでは、1年からもチョコを貰っていたとも言っていたし。
3971そう聞こえた声に、オレは思わず足を止めた。
物理の先生から頼まれたクラスのノートの提出を終わらせた、帰り道。
声が聞こえてきたのは、普段オレは通らない、3年生のクラスだった。
「なんかよく先生から怒られてるみたしだし、不良じゃないの?メッシュもかけているし」
「いやいや!そういうとこが格好良いんじゃん!あんなイケメンでミステリアスで、でも不良とかギャップ萌えがすぎるでしょ!」
「あんたそういうとこあるよね……」
あまり長く立ち止まっているとバレてしまうだろうし、ここまでだなとクラスを離れる。
それにしても、流石は類だ。上の学年からもモテモテだとは!
確かこの前のバレンタインでは、1年からもチョコを貰っていたとも言っていたし。
2watoyo
DOODLE【朝のボールペン落書き】まとめ【日楠♀】【先天性女体化】
日高先輩×男装後輩サキュバス家系楠ちゃん。
※楠ちゃんの両親は【善羽♀】。
「涙のバレンタイン[前編]」
・過去に1日1ページくらいずつUPした朝のボールペン落書きのまとめです。
・スキャンして文字いれしました。
・絵は基本、ボールペン一発がきのままです。
・描写的にR18入れてませんが、破廉恥な場面を含みます。 43
Tsugumi_Light4
DONEGAPS 片桐と長谷川さんバレンタインなのでいつもより甘め(当社比)。
リクエスト「眼鏡をかけた片桐」
(下絵の話)
シャツのボタンのように小さなパーツは、下描きの段階では描かない。植物は描くのが大変なので、大体の位置だけ決めて、後は一発描きになることが多い。 2
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十五回 お題:「チョコ」「昔のお話」
類にチョコを渡すことにした司。しかし、類は昔のある体験にトラウマがあるようで。
司視点 片思い
トラウマすら乗り越える、それの名は。いつもよりも寝るのが遅くなってしまい、目がしょぼしょぼする。
目を覚ますためにゴシゴシと擦り、頬を叩いて気合をいれる。
類に、オレの思いを、渡すんだ……!
-------------------------------------
2月14日。バレンタインデー。
女の子が、男の子に愛を伝える日。
なのだが。
今、オレの鞄の中には、綺麗にラッピングされた、チョコレートがある。
事の発端は、咲希が見せてくれた、雑誌のバレンタイン特集だった。
なんでも、女性が男性にチョコを送るのは日本独自らしく。
他の国では、男性から女性に花を送ることもある、と書かれていた。
それを教えながら、類へのチョコレートを作らないかと、提案してくれたんだ。
4835目を覚ますためにゴシゴシと擦り、頬を叩いて気合をいれる。
類に、オレの思いを、渡すんだ……!
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2月14日。バレンタインデー。
女の子が、男の子に愛を伝える日。
なのだが。
今、オレの鞄の中には、綺麗にラッピングされた、チョコレートがある。
事の発端は、咲希が見せてくれた、雑誌のバレンタイン特集だった。
なんでも、女性が男性にチョコを送るのは日本独自らしく。
他の国では、男性から女性に花を送ることもある、と書かれていた。
それを教えながら、類へのチョコレートを作らないかと、提案してくれたんだ。
シン/今年もプロメア見れる嬉しい
DOODLEヱビスシネマ。のプロメア最終日のはなし。何やら新情報があるらしいというのは聞いてたのですが、最終日に次回解禁!でもはっきりとはわからない!!というのが「らしくて」ええ感じです!大好きです。
一発でみんなたちの心と胃袋をつかんで離さない不思議な映画館・ヱビスシネマ。に行って楽しかった1日の話。
全部で8ページ+おまけのイラストが2枚あります。見なくてもいいかもです。 10
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十四回 お題:「自慢」「センサー」
咲希が家族にも内緒にしていたある特技を、類に打ち明けるお話。
咲希視点 ?想い
だってあなたは、じまんの。アタシは、誰にも信じて貰えないけれど、ちょっと変わった特技がある。
そして今日。その特技を持っていて、本当によかったと、心から思えた。
「すみません、類さん!お茶菓子を切らしていたからって、お兄ちゃん大慌てで出て行っちゃって……」
「いやいや、気にしてないよ。お気遣いなく」
不安げに差し出したお茶を受け取りながらにっこりと笑う類さん。
アタシはそれに安堵して、一緒に入れたお茶をテーブルに置いた。
「でも、ちょうどよかったです!アタシ、類さんとお話してみたかったので!」
「おや、そうなのかい?」
「はい!……あの、ちょっと信じられないような内容もあるんですが、大丈夫ですか?」
不安げに言うアタシに、類さんは首を傾げながらも頷いてくれた。
4039そして今日。その特技を持っていて、本当によかったと、心から思えた。
「すみません、類さん!お茶菓子を切らしていたからって、お兄ちゃん大慌てで出て行っちゃって……」
「いやいや、気にしてないよ。お気遣いなく」
不安げに差し出したお茶を受け取りながらにっこりと笑う類さん。
アタシはそれに安堵して、一緒に入れたお茶をテーブルに置いた。
「でも、ちょうどよかったです!アタシ、類さんとお話してみたかったので!」
「おや、そうなのかい?」
「はい!……あの、ちょっと信じられないような内容もあるんですが、大丈夫ですか?」
不安げに言うアタシに、類さんは首を傾げながらも頷いてくれた。
nl_niteka
MAIKINGシン描けないなら横にレーナを置いておけばシンになる定説あるじゃないですか。ただ、わたしゃレーナも描けてるか怪しいというか、パーツさえ合ってればレーナに見える理論で顔のブレがすごいっていう…一応キャラシみたいなの作っていつもその顔に近づけて描くって努力はしてるけど、目とか一発で描けないので普通に歪みツールに頼って整形している。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十三回 お題:「つぼみ」「知らん振り」
類は「司のことが好き」だと知った司が、知らん振りをする話。
司視点 ?想い
優先なんて、しなくていい背中には、フェンス。
左右には、細身だけど、しっかりと筋肉がついた、腕。
……そして、目の前には。
「……もう、逃げられないよ。司くん。」
真剣な顔でオレを見つめる、類。
……どうして。
どうして、こうなってしまったんだ……。
-----------------------------
それを知ったきっかけは、まだルカがセカイに現れてから、間もない頃。
ルカを探していた時だった。
ルカを探していた時に、よく昼寝をしている場所だと教えてもらった、草原。
そこには、セカイでは珍しく、生花。……しかも、大半が蕾の状態で。咲き誇っていた。
探し当てたルカと共に戻る時に、蕾である理由を、聞いたら。
「あそこの花は、強いオモイで咲くのよぉ」
6050左右には、細身だけど、しっかりと筋肉がついた、腕。
……そして、目の前には。
「……もう、逃げられないよ。司くん。」
真剣な顔でオレを見つめる、類。
……どうして。
どうして、こうなってしまったんだ……。
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それを知ったきっかけは、まだルカがセカイに現れてから、間もない頃。
ルカを探していた時だった。
ルカを探していた時に、よく昼寝をしている場所だと教えてもらった、草原。
そこには、セカイでは珍しく、生花。……しかも、大半が蕾の状態で。咲き誇っていた。
探し当てたルカと共に戻る時に、蕾である理由を、聞いたら。
「あそこの花は、強いオモイで咲くのよぉ」
水月 千尋
TRAINING #ritk版深夜の60分一発勝負【お題:挑戦、雪だるま】(所要時間:約6h)
今回も色々大遅刻で参加です。
まだお互いへの恋心を自覚出来てない2人の話。
お題にあまり添えてない気もする……。
【しんしん、降りつもる】
「はあ……やっと終わったな」
誰もいない学校の廊下に、疲れきった司くんの声が響く。
ベージュのコートに包まれた背中を丸め、げんなりした顔で手にした鞄を揺らしつつ歩く様は、さながら終電前のサラリーマンだ。いつもは冷気が入らないように前でふわりと結んでいる紺色のマフラーも、今はただ首に巻き付けられているだけで、長さのちぐはぐな両端が背中でぷらぷら揺れている。普段から身なりに気を付けている彼としては珍しい姿だった。
──これはよほど疲れているね。
僕は濃い紫のコートの前を手早く留めてから、自分の鞄を小脇に抱えた。彼のマフラーの両端を手繰り寄せ、普段目にしている通りの形を真似て首の後ろで軽く結んでみる。
3315「はあ……やっと終わったな」
誰もいない学校の廊下に、疲れきった司くんの声が響く。
ベージュのコートに包まれた背中を丸め、げんなりした顔で手にした鞄を揺らしつつ歩く様は、さながら終電前のサラリーマンだ。いつもは冷気が入らないように前でふわりと結んでいる紺色のマフラーも、今はただ首に巻き付けられているだけで、長さのちぐはぐな両端が背中でぷらぷら揺れている。普段から身なりに気を付けている彼としては珍しい姿だった。
──これはよほど疲れているね。
僕は濃い紫のコートの前を手早く留めてから、自分の鞄を小脇に抱えた。彼のマフラーの両端を手繰り寄せ、普段目にしている通りの形を真似て首の後ろで軽く結んでみる。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十二回 お題:「挑戦」「雪だるま」
いつも尽くしてくれる類のために、ある挑戦をする司のお話。
司視点 両想い
いつだってその想いは、対等で。「いやあ、今日もいい練習だったねえ!」
「いや、オレを散々吹き飛ばしておいて何を言っているんだ……」
「おや、ご不満かい?想定通りに動きをしてくれたというのに……」
「いやあれが想定通りなのか!?」
ため息をつきながらも、服を脱ぐ手は止めない。
とは言っても、先ほど散々飛ばされていた身体だ。疲労で少し手が震え、上手く脱ぐことができない。
焦る必要はない、と、ゆっくりとではあるが手を動かしていく。
それが相まって、オレが漸く半分終わった頃には、類は着替え終わっていた。
「……おや?司くん、まだ着替えていたのかい?」
「っ、ああ。類は寧々を送るんだろう。先に帰るといい」
「そうかい。それじゃ、お疲れ様。また明日」
「お疲れ様」
8224「いや、オレを散々吹き飛ばしておいて何を言っているんだ……」
「おや、ご不満かい?想定通りに動きをしてくれたというのに……」
「いやあれが想定通りなのか!?」
ため息をつきながらも、服を脱ぐ手は止めない。
とは言っても、先ほど散々飛ばされていた身体だ。疲労で少し手が震え、上手く脱ぐことができない。
焦る必要はない、と、ゆっくりとではあるが手を動かしていく。
それが相まって、オレが漸く半分終わった頃には、類は着替え終わっていた。
「……おや?司くん、まだ着替えていたのかい?」
「っ、ああ。類は寧々を送るんだろう。先に帰るといい」
「そうかい。それじゃ、お疲れ様。また明日」
「お疲れ様」
水月 千尋
TRAINING #ritk版深夜の60分一発勝負【お題:アメトリン】(所要時間:6h)
大遅刻作品。お付き合い中な2人の、ある休日の出来事。
【何でもない日に】
神代類が、普段はほとんど寄りつかないそのきらびやかな店頭に足を向けたのは、たまたまだった。
人を待っていたのだ。正しくは、同行者が他店で精算を終えて戻ってくるのを待っていた。暖かなショッピングモールの中で人を待ちながら人間観察をすることに苦はなかったが、ほんの気まぐれが起きてぶらりと周囲の店先を見て回っていたにすぎない。それでも視線はあっという間に釘付けになった。
立ち止まってわずかに長身を曲げて覗き込んだのは、宝石店のガラスのショーケースだ。
それぞれの魅力を放つ宝石が収められたケースを眺めるのは、舞台を俯瞰で見るのにどこか似ている気がした。仕立てた舞台上に居並ぶ役者達。彼らがいかに輝けるか、観客がいかに物語の世界へ没入できるか。それらは全て演出家の腕にかかっている。
4024神代類が、普段はほとんど寄りつかないそのきらびやかな店頭に足を向けたのは、たまたまだった。
人を待っていたのだ。正しくは、同行者が他店で精算を終えて戻ってくるのを待っていた。暖かなショッピングモールの中で人を待ちながら人間観察をすることに苦はなかったが、ほんの気まぐれが起きてぶらりと周囲の店先を見て回っていたにすぎない。それでも視線はあっという間に釘付けになった。
立ち止まってわずかに長身を曲げて覗き込んだのは、宝石店のガラスのショーケースだ。
それぞれの魅力を放つ宝石が収められたケースを眺めるのは、舞台を俯瞰で見るのにどこか似ている気がした。仕立てた舞台上に居並ぶ役者達。彼らがいかに輝けるか、観客がいかに物語の世界へ没入できるか。それらは全て演出家の腕にかかっている。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第六十一回 お題:「大人」「アメトリン」
「大人」になった類が、ある決心を打ち明けるお話。
※年齢変更アリ
類視点 両想い
その一歩を踏み出す時は、今。ガラガラと、スーツケースを引っ張りながら、早歩きで歩く。
(……確か、ここら辺のはず)
連絡されていた待ち合わせ場所の付近まできて、辺りを見渡す。
と、見覚えしかない愛しい金色が、此方に走ってくるのが見え、咄嗟に両手を広げた。
「っ、おかえり、類!」
「うん。ただいま!司くん!」
満面の笑みで抱きついてきた彼を、僕は受け止めて同じように抱きしめ返した。
--------------------------
「相変わらず司くんの家は綺麗だね」
「忙しくはあるが、やはり目に見えている範囲が汚いとモチベーションが下がってしまうからな。というか、類は早く家を見つけろ?」
「はあい」
合流した後、存分に抱きしめあった後、僕は司くんの家でディナーを堪能していた。
3371(……確か、ここら辺のはず)
連絡されていた待ち合わせ場所の付近まできて、辺りを見渡す。
と、見覚えしかない愛しい金色が、此方に走ってくるのが見え、咄嗟に両手を広げた。
「っ、おかえり、類!」
「うん。ただいま!司くん!」
満面の笑みで抱きついてきた彼を、僕は受け止めて同じように抱きしめ返した。
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「相変わらず司くんの家は綺麗だね」
「忙しくはあるが、やはり目に見えている範囲が汚いとモチベーションが下がってしまうからな。というか、類は早く家を見つけろ?」
「はあい」
合流した後、存分に抱きしめあった後、僕は司くんの家でディナーを堪能していた。
piroshiki_2947
PROGRESSほるべいん水彩紙コレクションからお試し絵の作業進歩めも初回はクレスター
・乾くの早い
・エッジ凄く残って修正が面倒
・重ね塗りしてるけど可能なら一発塗り推奨。ただし水かけても乾くの早い(2回目
・一発塗りで発色は凄くいい
完成前からしてにじみぼかしするには不向きかなという感想。大きい紙だと塗るの大変で一発塗りが中々できないなぁ
追記3枚目スキャン前
重ね塗り、ぼかしが苦手。練習ワンドロ向けか 3