乱数
arare_rikka
DONEまぼらむDay2 展示作品②「骸とタイムマシン」
タイトルからお察しの通りちょっと暗め
クローンの襲撃を受けた幻太郎と乱数と、クローンをどういう存在として見るか?のお話
ドラパでの乱数の「違うボクがもう来てるんだ」発言がいまだに耳に焼き付いているため、この視点について何度もこねまわしています
パスは まぼらむをローマ字表記&02 2238
arare_rikka
DONEまぼらむDay2 展示作品③「listening you hearing me」
ステらむのソロ曲に狂った結果の産物。
「そう言えば、どうして乱数はいつも電話で連絡してくるの?」な、お話
仲良くなり具合三段階ごとの「声だけで不調がバレちゃった」時の反応集みたいな感じです。
察しのいいまぼ先生と、観察力で生き抜いてきたらむだくん
パスは まぼらむをローマ字表記&02 5219
FP2ndhayusyo
DONEホラーむだいすhpmi百物語@hpmi_horror100 の投稿作です。
【作品傾向】小説・CP無。🎲が🍭と心霊トンネルに行く話。📚も出てくる。
【含】死を匂わす表現
【その他】心霊現象みたいなのがありますが、そんなに怖くないです。
【あらすじ】
ゴミ捨て場に捨てられていた🎲は、朦朧とする意識の中、乱数に〇△に遊びに行こうと誘われるが、そこは心霊スポットだった… 10
FP2ndhayusyo
PROGRESS帝統と幻太郎がクローンを埋める話。序章と一章。13章まであります(嘘)完結させたい。クローンを埋めるごとに二人の気がおかしくなっていけばいいな、と思います。
こんな内容ですが、テーマはポ愛と乱数愛です。
※クローン乱数の死ネタ注意 25
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。11(完)11
「寂雷」
乱数が名前を呼べば、寂雷は立ち止まった。困惑のような、納得のような、諦観のような。そんな大真面目なリアクションだって、派手なハイビスカスのアロハシャツと麦わら帽子というご機嫌な格好の前では、コメディにしかならない。まるでバカンスでハワイに行くみたいな素敵な衣装!
「あは、なに、そのカッコ」
「……友人が、この格好なら私が神宮寺寂雷だなんて、誰も夢にも思わないと」
「はは、確かにね。まさか渦中の人のあの神宮寺寂雷がそんな浮かれた格好してるなんて、誰も思わないよ。サイコーのセンスしてんじゃんね、そのユージンさん」
「……君も、随分と珍しい格好をしていますね」
「だってみんな夢にも思わないでしょ? あのポップでキュートでカラフルなこの僕が、こんなダサくてつまんない格好してるなんて、さ」
11053「寂雷」
乱数が名前を呼べば、寂雷は立ち止まった。困惑のような、納得のような、諦観のような。そんな大真面目なリアクションだって、派手なハイビスカスのアロハシャツと麦わら帽子というご機嫌な格好の前では、コメディにしかならない。まるでバカンスでハワイに行くみたいな素敵な衣装!
「あは、なに、そのカッコ」
「……友人が、この格好なら私が神宮寺寂雷だなんて、誰も夢にも思わないと」
「はは、確かにね。まさか渦中の人のあの神宮寺寂雷がそんな浮かれた格好してるなんて、誰も思わないよ。サイコーのセンスしてんじゃんね、そのユージンさん」
「……君も、随分と珍しい格好をしていますね」
「だってみんな夢にも思わないでしょ? あのポップでキュートでカラフルなこの僕が、こんなダサくてつまんない格好してるなんて、さ」
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。1010
「何か飲むか?」と訊かれて「それでは、烏龍茶を」と答えた。そうしたら彼は苦虫を噛み潰したような顔で「……酒じゃなくて、いいのか」なんて言うものだから、寂雷は思わず笑ってしまう。
中学時代からの旧知の仲である天国獄の部屋に入るのは十年越しのことだった。ただもちろん彼はその頃と同じ部屋で暮らしてはいないし、間十年以上関係が途絶えていた人間を臆面もなく旧知の仲と呼んでいいのか、少しわからなくもある。DRBを通し、獄の想いを知る機会を得た今、なおさら。
それでも、寂雷が知らずともそこは確かに天国獄の部屋だった。広くて高級感のある内装、立派な調度品に貴重なコレクションの数々。あの頃の見る影はないけれど、それでも面影はある。飾られたギター、丁寧に手入れされたコレクション、その真ん中で、苦い顔でウイスキーを飲み込む彼。
10729「何か飲むか?」と訊かれて「それでは、烏龍茶を」と答えた。そうしたら彼は苦虫を噛み潰したような顔で「……酒じゃなくて、いいのか」なんて言うものだから、寂雷は思わず笑ってしまう。
中学時代からの旧知の仲である天国獄の部屋に入るのは十年越しのことだった。ただもちろん彼はその頃と同じ部屋で暮らしてはいないし、間十年以上関係が途絶えていた人間を臆面もなく旧知の仲と呼んでいいのか、少しわからなくもある。DRBを通し、獄の想いを知る機会を得た今、なおさら。
それでも、寂雷が知らずともそこは確かに天国獄の部屋だった。広くて高級感のある内装、立派な調度品に貴重なコレクションの数々。あの頃の見る影はないけれど、それでも面影はある。飾られたギター、丁寧に手入れされたコレクション、その真ん中で、苦い顔でウイスキーを飲み込む彼。
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案12)『 彼と私。どちらがいいですか?』「おや、またですか。奇遇ですね」
六月。バラが見頃だと寂雷と共にバラ園を訪れた乱数。色とりどりのバラの花、バラのいい香りに包まれ癒されていたが突然のゲリラ豪雨により慌てて室内へ。そこに同じくずぶ濡れの寂兎がいた。
「あれ? 兎ちゃん!! どーしたの?」
「どうしたのってなんですか。休日ですよ。見頃だと伺ったので来てみたのですが……酷い雨ですね」
ハンカチでメガネを拭きながら濡れた髪をかき上げる。色気ある仕草に乱数は「濡れた兎ちゃんもいいね」と一声かけると寂雷が「風邪ひきますよ」とハンカチで乱数の髪の毛や顔を拭う。
「エヘヘっ寂雷ありがとう。僕も拭いてあげる」
乱数は寂雷からハンカチを奪い「なでなで」と屈んでくれた寂雷の頭を拭く。その甘いやり取りに銃兎は苦笑い。「仲いいですね」と言いつつ「あちらにフォトスポットがありましたので撮ってみては如何でしょうか?」と二人を案内。
950六月。バラが見頃だと寂雷と共にバラ園を訪れた乱数。色とりどりのバラの花、バラのいい香りに包まれ癒されていたが突然のゲリラ豪雨により慌てて室内へ。そこに同じくずぶ濡れの寂兎がいた。
「あれ? 兎ちゃん!! どーしたの?」
「どうしたのってなんですか。休日ですよ。見頃だと伺ったので来てみたのですが……酷い雨ですね」
ハンカチでメガネを拭きながら濡れた髪をかき上げる。色気ある仕草に乱数は「濡れた兎ちゃんもいいね」と一声かけると寂雷が「風邪ひきますよ」とハンカチで乱数の髪の毛や顔を拭う。
「エヘヘっ寂雷ありがとう。僕も拭いてあげる」
乱数は寂雷からハンカチを奪い「なでなで」と屈んでくれた寂雷の頭を拭く。その甘いやり取りに銃兎は苦笑い。「仲いいですね」と言いつつ「あちらにフォトスポットがありましたので撮ってみては如何でしょうか?」と二人を案内。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。99
夢を見ていた。
乱数はただの乱数で、寂雷もただの寂雷で。衢が昏睡状態になることもなくて、空寂ポッセが解散しなかった夢。
そこでは空寂ポッセは関西はおろか関東まで制圧していて、世界征服まで成し遂げて、次はとうとう宇宙進出! なんて計画を楽しそうに立てていた。最初はすでに乱数達の物になったISSを足がかりに月を手に入れて、そこを活動拠点にする。空寂ポッセ宇宙支部だね! なんて大真面目に笑いながら、次は火星にする? 金星にする? と寂雷に訊けば、火星ですかね、気候的に、なんて彼も大真面目に返していた。気候って! 夢の中はご都合主義らしくて、宇宙服も着ずに乱数達は宇宙遊泳を楽しむ。
「乱数……? 目が覚めたんですか!?」
7827夢を見ていた。
乱数はただの乱数で、寂雷もただの寂雷で。衢が昏睡状態になることもなくて、空寂ポッセが解散しなかった夢。
そこでは空寂ポッセは関西はおろか関東まで制圧していて、世界征服まで成し遂げて、次はとうとう宇宙進出! なんて計画を楽しそうに立てていた。最初はすでに乱数達の物になったISSを足がかりに月を手に入れて、そこを活動拠点にする。空寂ポッセ宇宙支部だね! なんて大真面目に笑いながら、次は火星にする? 金星にする? と寂雷に訊けば、火星ですかね、気候的に、なんて彼も大真面目に返していた。気候って! 夢の中はご都合主義らしくて、宇宙服も着ずに乱数達は宇宙遊泳を楽しむ。
「乱数……? 目が覚めたんですか!?」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案11)『ドーナツ』「じゃくらいー」
事務所にやってきた寂雷に乱数は可愛いドーナツを見せつける。
「みてみて。すっごく可愛いでしょ。これね、ハッピードーナツっていう可愛い系のドーナツ屋さんがあって今日買ってきたんだ」
箱にカラースプレードーナツ。
兎の顔のついたドーナツ。
セキセイインコのドーナツに何もないプレーン。
いかにも甘そうなドーナツに寂雷は少し苦笑いするも「美味しそうですね」と優しく返す。「ボクはカラフルなカラースプレードーナツにしようかな」と乱数は手に取るとハムリッと頬張る。口にチョコが付く姿が可愛く。「てへへっ」と笑う表情も……寂雷は顔には出さないが心の中で笑った。
「乱数くん、私は甘いのは得意ではありません」
599事務所にやってきた寂雷に乱数は可愛いドーナツを見せつける。
「みてみて。すっごく可愛いでしょ。これね、ハッピードーナツっていう可愛い系のドーナツ屋さんがあって今日買ってきたんだ」
箱にカラースプレードーナツ。
兎の顔のついたドーナツ。
セキセイインコのドーナツに何もないプレーン。
いかにも甘そうなドーナツに寂雷は少し苦笑いするも「美味しそうですね」と優しく返す。「ボクはカラフルなカラースプレードーナツにしようかな」と乱数は手に取るとハムリッと頬張る。口にチョコが付く姿が可愛く。「てへへっ」と笑う表情も……寂雷は顔には出さないが心の中で笑った。
「乱数くん、私は甘いのは得意ではありません」
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。88
「それでは神宮寺寂雷殿、乱数のこと、くれぐれもよろしく頼みましたよ」
「ええ、謹んで承りましょう」
「ちょっとぉ〜? 僕のことペットかなにかみたいに扱うのやめてくんな〜い?」
乱数の不満は「乱数(君)は黙っていてください!」という迫力のある二重奏に恙無く却下された。
幻太郎に首根っこを掴まれ、そのまま寂雷に引き渡される姿は、まさに旅行前に預けられるペットそのもの。あまりに人権を無視された扱いに後ろにいる帝統に「ダイス〜! ヘルプ〜!」と助けを求めるが、彼は彼で「頼むからおとなしくしててくれ……」と頭を抱えていた。
あの後──全国放送のニュースで乱数の過去が赤裸々に放送された後。笑ってばかりで埒があかない乱数を置き去りに、乱数のスマホを取り上げた幻太郎と寂雷との間で一通りの話がまとまったらしい。あんなことが報道された後だ。乱数の事務所なんて、数分と待たず数多の好奇心と悪意の格好の標的となる。だから急遽乱数は寂雷が身を隠すホテルで一時急場を凌ぐということで話がまとまったようだった。もちろん現在世間の注目を一身に集めるふたりを一纏めにするのに幻太郎も寂雷も躊躇いはあったようだが──曰く、「ひとりにすると何をやらかすかわからないから」。
7953「それでは神宮寺寂雷殿、乱数のこと、くれぐれもよろしく頼みましたよ」
「ええ、謹んで承りましょう」
「ちょっとぉ〜? 僕のことペットかなにかみたいに扱うのやめてくんな〜い?」
乱数の不満は「乱数(君)は黙っていてください!」という迫力のある二重奏に恙無く却下された。
幻太郎に首根っこを掴まれ、そのまま寂雷に引き渡される姿は、まさに旅行前に預けられるペットそのもの。あまりに人権を無視された扱いに後ろにいる帝統に「ダイス〜! ヘルプ〜!」と助けを求めるが、彼は彼で「頼むからおとなしくしててくれ……」と頭を抱えていた。
あの後──全国放送のニュースで乱数の過去が赤裸々に放送された後。笑ってばかりで埒があかない乱数を置き去りに、乱数のスマホを取り上げた幻太郎と寂雷との間で一通りの話がまとまったらしい。あんなことが報道された後だ。乱数の事務所なんて、数分と待たず数多の好奇心と悪意の格好の標的となる。だから急遽乱数は寂雷が身を隠すホテルで一時急場を凌ぐということで話がまとまったようだった。もちろん現在世間の注目を一身に集めるふたりを一纏めにするのに幻太郎も寂雷も躊躇いはあったようだが──曰く、「ひとりにすると何をやらかすかわからないから」。
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案10)『カミナリ』 スタボにて。
季節は六月。梅雨入りはまだだとテレビが言い、いい天気だと乱数は季節限定の甘いメロンシェークを飲みながらテラス席でのんびりしていた。スケッチブックを広げ、シャーペンでシャッシャッと芯と紙が擦れる音をBGMに休日の寂雷と電話。
「ねぇーねぇーこのメロンシェークスッゴク美味しいんだよ。あまーくて、果汁がジュワッ、風味がふわーって」
『キミの言葉は擬音が多いですね』
「えーダメ?」
『いえ、可愛いからいいですよ』
不意打ちの言葉にドキッとする乱数。
「べ、別に褒められても嬉しくないんだからね!!」
『そういう誤魔化すところも好きです』
また、不意打ちにドキッと胸が高鳴る。
「ちょっと僕で遊ばないでよ!! 休日だからって少し抜けて――」
701季節は六月。梅雨入りはまだだとテレビが言い、いい天気だと乱数は季節限定の甘いメロンシェークを飲みながらテラス席でのんびりしていた。スケッチブックを広げ、シャーペンでシャッシャッと芯と紙が擦れる音をBGMに休日の寂雷と電話。
「ねぇーねぇーこのメロンシェークスッゴク美味しいんだよ。あまーくて、果汁がジュワッ、風味がふわーって」
『キミの言葉は擬音が多いですね』
「えーダメ?」
『いえ、可愛いからいいですよ』
不意打ちの言葉にドキッとする乱数。
「べ、別に褒められても嬉しくないんだからね!!」
『そういう誤魔化すところも好きです』
また、不意打ちにドキッと胸が高鳴る。
「ちょっと僕で遊ばないでよ!! 休日だからって少し抜けて――」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑨)『バレンタインデー』 二月十四日、バレンタインデー。
「寂雷、みてみて。オネーさんからチョコたっくさん貰っちゃったぁ!! えへへっ」
仕事終わり、寂雷は乱数の事務所へ。乱数は「じゃじゃーん」とテーブルにはたくさんのラッピングされたチョコレートを見せつける。
「乱数くんスゴいですね。何個貰ったんですか?」
「いち、にー、さんー、しー……ん、わかんない」
「ざっと見て三十近くか。それ以上か」
「わーい、ボク嬉しい!!」
嬉しさに跳び跳ねる乱数。
「あれ、寂雷は貰ってないの?」
「貰いましたよ。ほら」
寂雷の手には個包装されたチョコが入った紙袋。
「甘いものは得意ではないのでキミにあげますよ」
「えっ、いいの? でも、こんなに食べられるかなぁ?」
1145「寂雷、みてみて。オネーさんからチョコたっくさん貰っちゃったぁ!! えへへっ」
仕事終わり、寂雷は乱数の事務所へ。乱数は「じゃじゃーん」とテーブルにはたくさんのラッピングされたチョコレートを見せつける。
「乱数くんスゴいですね。何個貰ったんですか?」
「いち、にー、さんー、しー……ん、わかんない」
「ざっと見て三十近くか。それ以上か」
「わーい、ボク嬉しい!!」
嬉しさに跳び跳ねる乱数。
「あれ、寂雷は貰ってないの?」
「貰いましたよ。ほら」
寂雷の手には個包装されたチョコが入った紙袋。
「甘いものは得意ではないのでキミにあげますよ」
「えっ、いいの? でも、こんなに食べられるかなぁ?」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑧)『乱数ちゃん』 寂雷の元にメールが一件。
『じゃーくらーいー。悪いんだけど事務所に来てくれるぅ? きんきゅー』
なんですかこれは、と思いつつ寂雷は車を飛ばし乱数の事務所へ。コンコンコンッと丁寧に三回ノックすると「どーぞー」といつもと変わらないが声が幼い。「失礼します」と室内に入ると寂雷は目を丸くする。
目の前にいるのは乱数だが大人ではなく子供の姿になっていた。服はブカブカでだらしなくズボンの裾は床に引き摺るように広がっている。袖も同じ。
「これ、どう思う?」
「何があったんですか?」
「違法マイクの効果でなんか子供になっちゃって。時間が経てば戻ると思うんだけど。物事こなすのも大変でさ……」
「それで、私を呼んだと?」
「うん!! お世話してよ」
880『じゃーくらーいー。悪いんだけど事務所に来てくれるぅ? きんきゅー』
なんですかこれは、と思いつつ寂雷は車を飛ばし乱数の事務所へ。コンコンコンッと丁寧に三回ノックすると「どーぞー」といつもと変わらないが声が幼い。「失礼します」と室内に入ると寂雷は目を丸くする。
目の前にいるのは乱数だが大人ではなく子供の姿になっていた。服はブカブカでだらしなくズボンの裾は床に引き摺るように広がっている。袖も同じ。
「これ、どう思う?」
「何があったんですか?」
「違法マイクの効果でなんか子供になっちゃって。時間が経てば戻ると思うんだけど。物事こなすのも大変でさ……」
「それで、私を呼んだと?」
「うん!! お世話してよ」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑦)『入院』「誰かと思えば乱数くんじゃないですか?」
救急です、と看護しに呼ばれ病室にやってきた寂雷。だが、個人部屋の病室に居たのは怪我だらけの乱数。寂雷の声にニカッと笑う。
「どうしたんですか?」
「可愛いオネーさんがね。こわーい男の人に絡まれてたから助けたの。そしたら、相手がヒプノシスマイク持ちでさぁー。少し油断しちゃった。てへっ」
「油断にしてはボロボロですね。まぁ、いいです。私が担当するので怪我から見て一週間から二週間安静にしましょう」
「わーい、じゃーくらーいー先生ー」
「やめて下さい。仕事中なんです」
寂雷はペンでカルテに文字を書くと一緒にした看護しに渡す。軽く「子供っぽい子ですが良い子なので」と看護師に話しかけ「次の仕事があるので」と部屋を後にした。
958救急です、と看護しに呼ばれ病室にやってきた寂雷。だが、個人部屋の病室に居たのは怪我だらけの乱数。寂雷の声にニカッと笑う。
「どうしたんですか?」
「可愛いオネーさんがね。こわーい男の人に絡まれてたから助けたの。そしたら、相手がヒプノシスマイク持ちでさぁー。少し油断しちゃった。てへっ」
「油断にしてはボロボロですね。まぁ、いいです。私が担当するので怪我から見て一週間から二週間安静にしましょう」
「わーい、じゃーくらーいー先生ー」
「やめて下さい。仕事中なんです」
寂雷はペンでカルテに文字を書くと一緒にした看護しに渡す。軽く「子供っぽい子ですが良い子なので」と看護師に話しかけ「次の仕事があるので」と部屋を後にした。
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑥)『夜の藤の花』 藤が見頃だと話を聞き、少し肌寒い春の夜。夜の藤が咲くと噂のフラワーパークへ足を運んだ乱数。珍しく一人で訪れて、ライトアップされた美しい花々に思わずスマホを取り出す。
「此処、写真映えしそう。撮っちゃおうかな」
スマホを片手に「ハイチーズ!!」と一人ライトアップされた花々を背景に写真を撮っていると藤の場所に佇む寂雷を発見。恐る恐る近づき、少し嫌みったらしく呼び掛ける。
「じゃーくらーいー。えぇーいがぁい。なんか似合わなそうなのにー」
軽く貶す口調に寂雷は聞く耳を持たずゆっくり振り向く。
「仕事帰りにラジオで耳にして立ち寄ったんですよ。それにしても、藤の香りがいいですね。紫色の花に薄い青のライト神秘的です」
490「此処、写真映えしそう。撮っちゃおうかな」
スマホを片手に「ハイチーズ!!」と一人ライトアップされた花々を背景に写真を撮っていると藤の場所に佇む寂雷を発見。恐る恐る近づき、少し嫌みったらしく呼び掛ける。
「じゃーくらーいー。えぇーいがぁい。なんか似合わなそうなのにー」
軽く貶す口調に寂雷は聞く耳を持たずゆっくり振り向く。
「仕事帰りにラジオで耳にして立ち寄ったんですよ。それにしても、藤の香りがいいですね。紫色の花に薄い青のライト神秘的です」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑤)『水族館』「乱数くん、水族館行きませんか?」
「へぇ? いいよ。お魚たっくさんいるんでしょ。行きたい行きたい!!」
寂雷の車に乗り、向かったのは展望台下にある水族館。嬉しさから乱数は腕を広げ、飛行機のように走り回る。チケットを買い、中に入るや出迎える魚達に目を輝かせ「うわぁー」と歓喜の声。
喜ぶ姿に寂雷は小指を乱数の小指に引っかけ、さりげなく手を繋いでいると二人のは背後から「これは何かのご縁ですかね?」と銃兎が割り込む。
「あれー兎さん。なんでここにいるの?」
「たまたま休みが取れたので気分転換に来たんですよ。それにしても――」
と、銃兎は言葉を中途半端に止め。視線を二人のは指へ落とす。
「おや、そういう関係ですか?」
525「へぇ? いいよ。お魚たっくさんいるんでしょ。行きたい行きたい!!」
寂雷の車に乗り、向かったのは展望台下にある水族館。嬉しさから乱数は腕を広げ、飛行機のように走り回る。チケットを買い、中に入るや出迎える魚達に目を輝かせ「うわぁー」と歓喜の声。
喜ぶ姿に寂雷は小指を乱数の小指に引っかけ、さりげなく手を繋いでいると二人のは背後から「これは何かのご縁ですかね?」と銃兎が割り込む。
「あれー兎さん。なんでここにいるの?」
「たまたま休みが取れたので気分転換に来たんですよ。それにしても――」
と、銃兎は言葉を中途半端に止め。視線を二人のは指へ落とす。
「おや、そういう関係ですか?」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案④)『飴のように甘い』「じゃーくらーいー。迎えに来てくれるなんて珍しいねぇ」
太陽が落ち、月が空を支配する頃。
撮影の仕事で遅くなった乱数を寂雷は心配になり車で迎えに行った。メールでは「だいじょーぶ」とのことだったが助手席でスヤスヤ寝息を立てて寝むりにつく。寂雷は「やれやれ」と溜め息をつくも可愛い寝顔にクスッと笑みを浮かべた。
「乱数くん、着きましたよ」
「んっ。ありがと……ふわぁ~寝ちゃったよ」
と、鞄を持ち車を降りようとするも「あの」と寂雷が乱数の手首を掴む。
「少しだけ私とドライブしませんか?」
「えーボク。とっても疲れてるんだよ」
「たまには良いじゃないですか。仕事が忙しく中々会えないんですから少しぐらい」
寂雷の言葉に乱数は「しかたないなぁ」と座り直し「どこ行くの?」と笑顔で返す。寂雷はフッと笑うと嬉しさに車を走らせた。
525太陽が落ち、月が空を支配する頃。
撮影の仕事で遅くなった乱数を寂雷は心配になり車で迎えに行った。メールでは「だいじょーぶ」とのことだったが助手席でスヤスヤ寝息を立てて寝むりにつく。寂雷は「やれやれ」と溜め息をつくも可愛い寝顔にクスッと笑みを浮かべた。
「乱数くん、着きましたよ」
「んっ。ありがと……ふわぁ~寝ちゃったよ」
と、鞄を持ち車を降りようとするも「あの」と寂雷が乱数の手首を掴む。
「少しだけ私とドライブしませんか?」
「えーボク。とっても疲れてるんだよ」
「たまには良いじゃないですか。仕事が忙しく中々会えないんですから少しぐらい」
寂雷の言葉に乱数は「しかたないなぁ」と座り直し「どこ行くの?」と笑顔で返す。寂雷はフッと笑うと嬉しさに車を走らせた。
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案③)『ダメです。禁煙しましょう』 デザイン事務所の屋上。
乱数は雲一つない空を見ながら珍しくタバコで一服していた。
「はぁ……良いデザイン浮かばないなぁ~」
渋谷の景色を眺めながら、インスピレーションを得ようとするも浮かばす。「んー」と頭を悩ませていると「こら、タバコは体に悪いですよ」と聞き覚えある声。しかも、指に持っていたタバコが細い綺麗な手に取られ、V字に折られる。
「なにさー。じゃーくらーいー」
「乱数くん、キミはただでさえ体が弱いんですから気を付けないとダメですよ」
「えーそんなこと言ったって。ボクは大人だよ。少しぐらい良いじゃん」
「ダメです。タバコは体に毒。肺炎やガンの元になりますので飴村くんにはタバコよりも飴がお似合いです」
422乱数は雲一つない空を見ながら珍しくタバコで一服していた。
「はぁ……良いデザイン浮かばないなぁ~」
渋谷の景色を眺めながら、インスピレーションを得ようとするも浮かばす。「んー」と頭を悩ませていると「こら、タバコは体に悪いですよ」と聞き覚えある声。しかも、指に持っていたタバコが細い綺麗な手に取られ、V字に折られる。
「なにさー。じゃーくらーいー」
「乱数くん、キミはただでさえ体が弱いんですから気を付けないとダメですよ」
「えーそんなこと言ったって。ボクは大人だよ。少しぐらい良いじゃん」
「ダメです。タバコは体に毒。肺炎やガンの元になりますので飴村くんにはタバコよりも飴がお似合いです」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数 (案②)『飴』「ゲホッゲホッ」
渋谷の大通りから少しズレた裏路地で乱数は苦しそうに咳き込んでいた。いつもならあるはずの飴が運悪く手元になく、肺炎のような胸から来る激しい咳に吐血。思わず口元を拭い、大丈夫だよぉー、と自分を騙すかのように独り言を漏らすと「何が大丈夫ですか? 大丈夫じゃないでしょう」と細い手がと棒付きキャンディーが乱数の視界に入る。低く落ち着きのある声、寂雷だ。
「ゲホッゲホッ。助けてなんていってないもーん」
そう乱数は強がり返すも「ゲホッゲホッゲホッゲホッ」と咳は嘘をつかない。見かねた寂雷は「ほら、飴ですよ」と口元に近づけ、ツンっと飴を唇に当てた。ぐぬぬっと乱数は頬を赤く染め、少し拗ねる顔をするも観念したのだろう。
565渋谷の大通りから少しズレた裏路地で乱数は苦しそうに咳き込んでいた。いつもならあるはずの飴が運悪く手元になく、肺炎のような胸から来る激しい咳に吐血。思わず口元を拭い、大丈夫だよぉー、と自分を騙すかのように独り言を漏らすと「何が大丈夫ですか? 大丈夫じゃないでしょう」と細い手がと棒付きキャンディーが乱数の視界に入る。低く落ち着きのある声、寂雷だ。
「ゲホッゲホッ。助けてなんていってないもーん」
そう乱数は強がり返すも「ゲホッゲホッゲホッゲホッ」と咳は嘘をつかない。見かねた寂雷は「ほら、飴ですよ」と口元に近づけ、ツンっと飴を唇に当てた。ぐぬぬっと乱数は頬を赤く染め、少し拗ねる顔をするも観念したのだろう。
ナキレク
MEMOクレリリ用のメモ。ブロマンス。ヒプマイ 寂雷×乱数①
ヒプマイ 寂雷×乱数『プリクラ』 とあるゲームセンター。
乱数はどうしても寂雷としたいことがあり、無理承知の上誘った。様々な機械音を奏でる数ある機体のうち立ち止まったのはプリクラの前。
「ねぇねぇ、寂雷。プリクラ撮ろ!!」
「プリクラ? なんですか。それは」
「良いから良いから。ほら、早く」
乱数は「えへへっ」と子供のような可愛い笑みを浮かべながらお金を入れ、強引に寂雷を中へ押し込む。慣れた手付きで画面をタップ。スマホスタンドを見つけ、スマホを立て掛けるやムービー撮影。カメラに向かって手を振り、寂雷の腕にしがみつきスマホを指差す。
「ほらほら、手を振って。撮影してるんだよぉー」
「こう、ですか?」
ぎこちながらも手を振ってくれた寂雷に乱数は嬉しくなり、プリクラの撮影が始まるや指示にしたがってポーズを撮る。
654乱数はどうしても寂雷としたいことがあり、無理承知の上誘った。様々な機械音を奏でる数ある機体のうち立ち止まったのはプリクラの前。
「ねぇねぇ、寂雷。プリクラ撮ろ!!」
「プリクラ? なんですか。それは」
「良いから良いから。ほら、早く」
乱数は「えへへっ」と子供のような可愛い笑みを浮かべながらお金を入れ、強引に寂雷を中へ押し込む。慣れた手付きで画面をタップ。スマホスタンドを見つけ、スマホを立て掛けるやムービー撮影。カメラに向かって手を振り、寂雷の腕にしがみつきスマホを指差す。
「ほらほら、手を振って。撮影してるんだよぉー」
「こう、ですか?」
ぎこちながらも手を振ってくれた寂雷に乱数は嬉しくなり、プリクラの撮影が始まるや指示にしたがってポーズを撮る。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。77
「──こんなとこにいたのか」
聞こえてきた声に、顔を上げた。そこにいたのは一郎で、あまり予想していなかった存在に素直に驚く。困ったように、でも優しく笑った彼はごく自然な動きで乱数の隣に腰を下ろした。地面に直接、何も敷くことなく道端に蹲る、乱数の隣に。
「夢野さんと有栖川さんが、心配してたぞ」
「うん……そっか、ごめん、もうこんな時間だったんだ。気付かなかったな」
「はは、ぼーっとしてたのか?」
「うん、ぼーっとしてた」
乱数がこの場所に──一郎と描いていた未完成のグラフィティの前に来た頃、まだ周囲は明るかったはずだった。それなのに今辺りはとっぷりと日が暮れて真っ暗で、それなりに人通りもあるはずの道にも人っこひとりいない。いったい今は何時なのだろう、一郎は乱数を探してこんな時間にこんな所まで来てくれたのだろうか。だとしたらあまりに悪い、仮にも未成年をこんな時間まで──。反射的にそう考えかけて思い出す。一郎はもうだいぶ前に、成人を迎えたのだった。
9838「──こんなとこにいたのか」
聞こえてきた声に、顔を上げた。そこにいたのは一郎で、あまり予想していなかった存在に素直に驚く。困ったように、でも優しく笑った彼はごく自然な動きで乱数の隣に腰を下ろした。地面に直接、何も敷くことなく道端に蹲る、乱数の隣に。
「夢野さんと有栖川さんが、心配してたぞ」
「うん……そっか、ごめん、もうこんな時間だったんだ。気付かなかったな」
「はは、ぼーっとしてたのか?」
「うん、ぼーっとしてた」
乱数がこの場所に──一郎と描いていた未完成のグラフィティの前に来た頃、まだ周囲は明るかったはずだった。それなのに今辺りはとっぷりと日が暮れて真っ暗で、それなりに人通りもあるはずの道にも人っこひとりいない。いったい今は何時なのだろう、一郎は乱数を探してこんな時間にこんな所まで来てくれたのだろうか。だとしたらあまりに悪い、仮にも未成年をこんな時間まで──。反射的にそう考えかけて思い出す。一郎はもうだいぶ前に、成人を迎えたのだった。
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DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。5.65
「──と、いうわけで。こうして神宮寺寂雷は、宇宙には行きませんでしたとさ。おしまい」
めでたしめでたし、で話を結んだ乱数の前で、拍手喝采の代わりに幻太郎がコン、と湯呑みを置いた音が軽く響いた。
こうして幻太郎と面と向かって会うのは、とても久しぶりだった。何せ彼は今や時の人。大成功を約束された大スター様。最終調整やらサイン会やらテレビに雑誌にラジオやら普通に他原稿の締め切りやらで大忙しで、なかなか会う時間を取れなかった。そんな中でのようやくのオフ。聞きたいことも聞いて欲しいこともたくさんあって、今まさに聞いて欲しいことを話している最中。
神宮寺寂雷が、宇宙に行かなかった。ただそれだけの話を。
「いや〜、まさか本当にやめるなんて、正直思ってなかったんだけどね。確固たる鉄の意思とか、あるんだと思ってたんだけど。まあああ見えて結構勢いというか? 思いつきというか? 一回突っ走り始めると止まらなくなるとこあるしねぇ」
9013「──と、いうわけで。こうして神宮寺寂雷は、宇宙には行きませんでしたとさ。おしまい」
めでたしめでたし、で話を結んだ乱数の前で、拍手喝采の代わりに幻太郎がコン、と湯呑みを置いた音が軽く響いた。
こうして幻太郎と面と向かって会うのは、とても久しぶりだった。何せ彼は今や時の人。大成功を約束された大スター様。最終調整やらサイン会やらテレビに雑誌にラジオやら普通に他原稿の締め切りやらで大忙しで、なかなか会う時間を取れなかった。そんな中でのようやくのオフ。聞きたいことも聞いて欲しいこともたくさんあって、今まさに聞いて欲しいことを話している最中。
神宮寺寂雷が、宇宙に行かなかった。ただそれだけの話を。
「いや〜、まさか本当にやめるなんて、正直思ってなかったんだけどね。確固たる鉄の意思とか、あるんだと思ってたんだけど。まあああ見えて結構勢いというか? 思いつきというか? 一回突っ走り始めると止まらなくなるとこあるしねぇ」
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DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。44
「まさか、君の方からこんなに短期間に、二度も声をかけてくださるなんて。いったいどんな風の吹き回しですか」
しかも、こんな、と。言葉を続けながら寂雷は頭上を見上げる。身体は柔らかなシートに沈めたまま。暗闇の中、見上げたその先には宇宙がある。視界一面を埋め尽くす、満天の星空。
宇宙旅行でも、天体観測でもない。ここはただの、貸切にしたプラネタリウム。
「……なに、メーワクだって言いたいの」
「いえ、嬉しいと伝えたいんですよ」
……ほら、やっぱり、負けた気になる。心の中で悪態を吐きながら、今寂雷に乱数の表情が見えなくてよかった、と思う。きっととても不細工であろうこんな顔を、見られたくはない。そもそもそういう魂胆と、あとは、なんだろうか。
6712「まさか、君の方からこんなに短期間に、二度も声をかけてくださるなんて。いったいどんな風の吹き回しですか」
しかも、こんな、と。言葉を続けながら寂雷は頭上を見上げる。身体は柔らかなシートに沈めたまま。暗闇の中、見上げたその先には宇宙がある。視界一面を埋め尽くす、満天の星空。
宇宙旅行でも、天体観測でもない。ここはただの、貸切にしたプラネタリウム。
「……なに、メーワクだって言いたいの」
「いえ、嬉しいと伝えたいんですよ」
……ほら、やっぱり、負けた気になる。心の中で悪態を吐きながら、今寂雷に乱数の表情が見えなくてよかった、と思う。きっととても不細工であろうこんな顔を、見られたくはない。そもそもそういう魂胆と、あとは、なんだろうか。
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DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。33
べろりと、生ぬるい湿ったもので頬を撫でられる感触で飛び起きた。
「ひゃ、あ!?」
全身に鳥肌が立つような不快な感触。おばけとかエイリアンとか、嫌なものを想像した乱数の目の前に一匹の犬がいる。グレーの毛並みと蒼い瞳の、乱数が両腕で抱えても余るほどの大きな犬。
「び、っくりしたぁ〜……なに、おまえ、野生? 迷子?」
何もないただっ広い草はらのような場所に寝転がっていた乱数の横で、行儀よくおすわりをして。ふりふりと尻尾を揺らして。澄ました顔がなんだか少しふてぶてしい気もするし、すんすんと乱数の首筋の匂いを嗅ぎ鼻先を擦り付ける様は愛嬌がある気もする。やめてってば、くすぐったい。満更でもない気分でそう言いながら毛並みを撫でれば、ふわふわサラサラとした感触がとても気持ちが良かった。
10519べろりと、生ぬるい湿ったもので頬を撫でられる感触で飛び起きた。
「ひゃ、あ!?」
全身に鳥肌が立つような不快な感触。おばけとかエイリアンとか、嫌なものを想像した乱数の目の前に一匹の犬がいる。グレーの毛並みと蒼い瞳の、乱数が両腕で抱えても余るほどの大きな犬。
「び、っくりしたぁ〜……なに、おまえ、野生? 迷子?」
何もないただっ広い草はらのような場所に寝転がっていた乱数の横で、行儀よくおすわりをして。ふりふりと尻尾を揺らして。澄ました顔がなんだか少しふてぶてしい気もするし、すんすんと乱数の首筋の匂いを嗅ぎ鼻先を擦り付ける様は愛嬌がある気もする。やめてってば、くすぐったい。満更でもない気分でそう言いながら毛並みを撫でれば、ふわふわサラサラとした感触がとても気持ちが良かった。
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DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。22
宇宙に行こうと。流星になろうとした乱数を、一光年の距離をまたたきの間に縮めて引き止めたのは、神宮寺寂雷だった。
寂雷は乱数が一番最初に濃密な接触を中王区から求められた相手で、空寂ポッセ、The Dirty Dawgと共にチームを組み、そして決別した。決別のきっかけは表面上は乱数が寂雷の義理の息子とも言える青年を昏睡状態に追いやったせいで、絶対に許せるはずのないその所業を、何の冗談か寂雷は当たり前のように許してしまった。それどころか、乱数の命を救いたいだなんて、そんなことすら言ってのける始末。そして紆余曲折の末、乱数の命はこうして無事に救われた。乱数は宇宙に行き損ねて、こうして地上を歩いている。それは寂雷だけのおかげではないけれど、寂雷のせいでもあって、乱数が今ここにいることは、寂雷の責任なのに。
3779宇宙に行こうと。流星になろうとした乱数を、一光年の距離をまたたきの間に縮めて引き止めたのは、神宮寺寂雷だった。
寂雷は乱数が一番最初に濃密な接触を中王区から求められた相手で、空寂ポッセ、The Dirty Dawgと共にチームを組み、そして決別した。決別のきっかけは表面上は乱数が寂雷の義理の息子とも言える青年を昏睡状態に追いやったせいで、絶対に許せるはずのないその所業を、何の冗談か寂雷は当たり前のように許してしまった。それどころか、乱数の命を救いたいだなんて、そんなことすら言ってのける始末。そして紆余曲折の末、乱数の命はこうして無事に救われた。乱数は宇宙に行き損ねて、こうして地上を歩いている。それは寂雷だけのおかげではないけれど、寂雷のせいでもあって、乱数が今ここにいることは、寂雷の責任なのに。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。10
結局、神宮寺寂雷は宇宙に行かなかった。
ただ、それだけの話だ。
1
『皆さん、こんばんは。トキメキハラハライケメンパラダイス学園学長の夢野幻太郎です。本日の朝礼では、皆さんに人生におけるとても大切な三つの袋の話をしたいと思います。まずひとつめは袋小路。まあ駄目なものは駄目なのでさっさと諦めるが吉、ということなのですが──え? おふざけ禁止? 尺が無くなる? 失礼な。小生は至って真面目なんですがねぇ……。とはいえ誰かの真面目が誰かの不真面目であることもこれまた真理。大切なのはそう、ふたつ目の堪忍袋──はいはいすみませんでした。それでは早速本題に入りましょう。改めまして、こんばんは。シブヤディビジョン代表Fling Posseのメンバーであり、小説家の夢野幻太郎です。誠に光栄ながら本日から五週連続、エフエム東都さんにて午後九時のゴールデンタイムに一時間ほどお時間を頂き、こうしてお話をさせて頂くことになりました。題して【夢野幻太郎と歩く宇宙の旅】。というのも、この度小生の作品である【Stella】の長編アニメ映画化が決定致しました。これも偏に読者の皆々様、出版に関わって下さった方々、そしてモデルとなったFling Posseのふたり、飴村乱数と有栖川帝統のおかげです。本当に、ありがとうございます』
4468結局、神宮寺寂雷は宇宙に行かなかった。
ただ、それだけの話だ。
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『皆さん、こんばんは。トキメキハラハライケメンパラダイス学園学長の夢野幻太郎です。本日の朝礼では、皆さんに人生におけるとても大切な三つの袋の話をしたいと思います。まずひとつめは袋小路。まあ駄目なものは駄目なのでさっさと諦めるが吉、ということなのですが──え? おふざけ禁止? 尺が無くなる? 失礼な。小生は至って真面目なんですがねぇ……。とはいえ誰かの真面目が誰かの不真面目であることもこれまた真理。大切なのはそう、ふたつ目の堪忍袋──はいはいすみませんでした。それでは早速本題に入りましょう。改めまして、こんばんは。シブヤディビジョン代表Fling Posseのメンバーであり、小説家の夢野幻太郎です。誠に光栄ながら本日から五週連続、エフエム東都さんにて午後九時のゴールデンタイムに一時間ほどお時間を頂き、こうしてお話をさせて頂くことになりました。題して【夢野幻太郎と歩く宇宙の旅】。というのも、この度小生の作品である【Stella】の長編アニメ映画化が決定致しました。これも偏に読者の皆々様、出版に関わって下さった方々、そしてモデルとなったFling Posseのふたり、飴村乱数と有栖川帝統のおかげです。本当に、ありがとうございます』
renge_sumirexxx
MAIKING乱数くん♀と寂雷先生♀が女子高生のお話。先生が援助交際、売春をしている描写があります(行為の直接的な描写はありません)。
なんでもイケる方のみお願いします。
お好きにどうぞ。初冬のシンジュクのにぎにぎしい街中。
時刻はそろそろ夕方を完全に終えようとしていて、街灯の灯りのささやかだった主張が激しくギラついたネオンに変わる。
その街角で、黒に近い紺地のセーラーにグレーのタイ、膝丈のスカート、学校指定の三つ折りのソックスに黒のローファーという出立ちの髪の長い長い長身痩躯の女子学生、神宮寺寂雷、は、誰かを待っている。
待っているのに、どうか来ないで、とも、早く来て、ともどちらも同じ分量を祈るみたいに願いながら。
今日は空気がピンと張るみたいに鋭くて、コートを着ていない寂雷は少し寒くて腕を擦った。
帰りが遅くなる、もしくは帰れないとわかっていたので、夜は冷えるだろうと一応羽織ってきていたコートは無い方が目立っていいという理由で奪われてしまった。
3673時刻はそろそろ夕方を完全に終えようとしていて、街灯の灯りのささやかだった主張が激しくギラついたネオンに変わる。
その街角で、黒に近い紺地のセーラーにグレーのタイ、膝丈のスカート、学校指定の三つ折りのソックスに黒のローファーという出立ちの髪の長い長い長身痩躯の女子学生、神宮寺寂雷、は、誰かを待っている。
待っているのに、どうか来ないで、とも、早く来て、ともどちらも同じ分量を祈るみたいに願いながら。
今日は空気がピンと張るみたいに鋭くて、コートを着ていない寂雷は少し寒くて腕を擦った。
帰りが遅くなる、もしくは帰れないとわかっていたので、夜は冷えるだろうと一応羽織ってきていたコートは無い方が目立っていいという理由で奪われてしまった。
tanu_mujina
INFOカジノでトラブルが起きて身動きができない帝統くんをぽっせの二人で迎えに行ってくると乱数ちゃんから聞いて、僕もまやちゃんと二人で一緒にカジノに潜り込んだ日のおはなし。----------
※このお話にはよそのお隣さんが出てきます。
🎲🦡+🍎📚
■Thanks!
幻太郎先生の恋人:まやちゃん(@Ymn_My) 8036