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    書いてみた

    まっぴーの残念創作

    REHABILI【楽の日記 6日目/颯の闇】

    楽の日記というタイトルではありますが、今回は楽ちゃんの幼なじみで同期で兄弟弟子でもある颯ちゃんの日記です。楽が思う颯と颯が思う楽のすれ違いが書いてみたかったので。

    本編に直結している内容なので、ひとりで勝手に切なくなってしまいました。今回も暇つぶしになれば。
    楽の日記 6日目/颯の闇 私には自信があった。

     馬術も武術も読み書きも全てにおいて同期たちより卒なくこなせ何でも一番である自信。睿様や先輩方もそのように認めて下さるし、兄弟姉妹たちからは羨望の眼差しを向けられる。いつからなのか。その心地よさに慣れてしまっていたといえば否定できない。だが当然だと思った。事実私は優秀だ。否定できる者がいるか?

     しかし物心ついた頃から私の隣にいた楽は全くの正反対だった。体も小さくて自分たちより少し幼く見えた楽は何をやっても上手くできない。いつも私の後にぴったりとくっついて離れず、何をやるにも見よう見まねで私に食いついてきた。そして人よりずっと遅れて出来た時覚えた時、彼はまず私に報告をしてきたのだ。満面の笑みで。最初は鬱陶しかった。私まで不出来に見えるのではと思った。しかしそれが私の引き立て役になると気付いた時、初めて兄弟弟子としての愛情が沸いた。だからそう割り切ってからは楽の隣はとても居心地が良かった。優越感からだとわかっている。私はなんと狡い男なんだろう。
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