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    甘い

    SONOKO

    DONE展示用小話その3です。
    薄すぎて伝わらない二人…のはずが、これは恋人同士でした。
    他の3つよりは甘いか、な…。
    ひとこと妄想談の6「小さな幸せを噛みしめる瞬間」がテーマ(?)のはず。
    それぞれ単体のお話です。
    薄すぎて伝わらない小話③【二人しか知らない】「素敵な彼氏さんですね」
     軽やかな笑い声と共に、そっと耳打ちをする。そして志保が答える間もなく、にこやかにサテン生地のブラウスを差し出された。滑らかな肌触りと洗練された色使い。
     これは先ほどまでショーウインドウに飾られていたものだ。思わず目に止まったものの、彼女はこのまま通り過ぎようとしていた。だが、隣の男も彼女と同じく、一目見て気に入ったらしい。
     ――かわいいね、きっと志保さんに似合うよ、と彼女の手を引いた。志保の戸惑いを見透かしたように、とにかく一度着てみればいいと背中を押す。
     志保には少々敷居の高いハイブランドのショップだったが、臆することなく物を見せてくれと言う彼の隣で、志保は必死に背筋を伸ばす。年上の、これまた相当ハイスペックな恋人を持つと、そんなの柄じゃないとわかっているのに、いつの間にか背伸びしてしまう。恋とはかくも恐ろしい。
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    マルサキ

    PAST昔書いた西ロマ♀を発掘したので、のっけてみる。
    当時のキャプション↓
    レモン+砂糖+水=レモネード。 レモン+砂糖+ソーダ(炭酸水)=レモンソーダ。
    イタちゃんの作るのが美味しいってのはあくまで想像です。(笑)
    親分ちのはシンプルな気がする、という予想。
    全体的に甘味は日本より甘いらしい親分ちのリモナーダは一体どんな味なんでしょうか。やっぱ甘いのか…?(汗)
    Limonata - Limonada寂しいなんて、言ってやんない。
    寂しいなんて……言えない。



     Limonata - Limonada



    「…っつあ、あーー…」
    デスク前で盛大に伸びをして、一瞬よろけそうになった。
    どうにもデスクワークは性に合わないと思う。
    堅苦しいスーツを着てないだけ幾分かマシ、程度。
    ついさっきも、めずらしく仕事をしている自分をみかけた弟が、目を丸くして大げさにのけぞって見せた。
    それでも様子を見てレモネードを差し入れてくれるあ たりやっぱり気が利くと思う。
    「…よりによってレモネードかよ…」
    なんとも言えない微妙な笑顔になってるのが、自分でも分かった。
    実のところはしばらく見たくないレモン。
    うちの特産品を本田の奴が気に入ったらしく、積極的に仕入れてくれるのはいいんだが。
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    ariari2523_dai

    DONEダイ君とポップの七色のキャンディー
    原作軸。捏造設定。

    「最高の友達!!2」展示SSです。
    ダイ君が初めての飴玉をポップと食べるお話。
    題材は甘いですが、中身はビター風味です。
    えちちな描写はほとんどありませんが、キスはがっつりしてます。
    ダイ君とポップの七色のキャンディー「わぁ、綺麗だなぁ……!」
     すぐ隣の頭ひとつ分低い位置から上がった歓声を耳にして、おれはぶらぶらと街の通りを往く足を止めた。それから目を輝かせる相棒の視線の先を追う。
     小さな勇者さまの関心を射止めたのは、焼けた黒ずみや剣戟の跡が刻まれて傷んだ箇所を出来合いの木片で貼り付けて直した手押し屋台に並べられた、幾つものガラスの小瓶だった。所々細い蔓草模様で装飾された何の変哲もないただの小瓶だが、中には色とりどりの飴玉が詰め込まれている。
     赤、青、緑、黄、桃、紫、そして白。七色の飴玉だ。おれには色からだいたいの味を想像することができる。小瓶同様に飴玉も巷にありふれたフルーツ系のものだろう。
     もっとも、姫さんが見れば安堵に胸を撫で下ろすだろうなと、おれは美しくも勝ち気な、けれども己に課された王女としての役目を誠心誠意務める少女の姿を思い浮かべた。復興途中のパプニカの市に、ついに嗜好品の飴玉が美しいガラスの小瓶に詰められて並びだした。その報はどれほど彼女の疲れた身体を労ってくれるだろうか。
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