2018
🥗/swr
DONE2018/01/30 過去作投稿「少年の瞳」
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8話にて一緒に行動していた時のカグツチとレックスの話です。(2022/07/06)
少年の瞳昼とも夜ともつかぬ、雷鳴と嵐の音が響き渡る、業と死の大地。
モルスの断崖から落下しバラバラに引き裂かれたレックス一行は、遠い過去に滅びた未知の大地で束の間の休息を取っていた。
「レックス。休んでいるところ悪いけど、少しいいかしら?」
手頃な瓦礫に腰掛けてヒカリと話していたレックスの元に、カグツチが歩み寄っていく。話し込んでいたレックスは、掛けられた声の方へと顔を向けた。
「ん、何?カグツチ」
「私の武器の使い方、分かるかしら。軽く訓練をしておくべきじゃないかと思って……。急ぎたい時ではあるけど、こういう時だからこそ、ね」
ああ、とレックスが声を上げる。このような、あまり戦力が十分といえない状況だ。一人しかいないドライバーのレックスを手助けするため、カグツチは先程戦闘での協力を申し出たのだった。
4660モルスの断崖から落下しバラバラに引き裂かれたレックス一行は、遠い過去に滅びた未知の大地で束の間の休息を取っていた。
「レックス。休んでいるところ悪いけど、少しいいかしら?」
手頃な瓦礫に腰掛けてヒカリと話していたレックスの元に、カグツチが歩み寄っていく。話し込んでいたレックスは、掛けられた声の方へと顔を向けた。
「ん、何?カグツチ」
「私の武器の使い方、分かるかしら。軽く訓練をしておくべきじゃないかと思って……。急ぎたい時ではあるけど、こういう時だからこそ、ね」
ああ、とレックスが声を上げる。このような、あまり戦力が十分といえない状況だ。一人しかいないドライバーのレックスを手助けするため、カグツチは先程戦闘での協力を申し出たのだった。
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DONE2018/01/24 過去作投稿「春雷」
古めで文章に粗が多いんですが、直しようがないのでそのままにしてます。
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ジークとサイカの話。
出会った頃と旅を始めたばかりの頃の話です。
捏造多め。標準語を話すジークが出てきます。(2022/07/06)
春雷ジーフリト・ブリューネ・ルクスリア。
ルクスリア第一王子である彼は、雷の力を操るブレイド、サイカと共にあった。
彼はサイカと出会った「日付」を覚えていない。しかし、サイカと出会った「瞬間」は十年以上経った今でも鮮明に思い出せる。
「ジーク!またゲンブの外に出ようとしていたな!お前は一体何回同じことを言わせれば気がすむのだ!?」
王の怒声。ジークはその声の主が座す玉座の前に立たされ、ただ口を尖らせて黙していた。
「……」
ーーちっ、港に衛兵がいなければ、今度こそ商会の船へ紛れ込むのに成功しただろうに。最近また増えた。おそらく親父が命じたのだろう。
そう彼は心の内で文句を垂れた。
「聞いているのか!お前はこのルクスリアの第一王子。まだお前は若い。この国の中で学ぶべきことがたくさんある。それにブレイドも伴わず外に出るなど言語道断。……世迷い言もほどほどにするがいい」
17103ルクスリア第一王子である彼は、雷の力を操るブレイド、サイカと共にあった。
彼はサイカと出会った「日付」を覚えていない。しかし、サイカと出会った「瞬間」は十年以上経った今でも鮮明に思い出せる。
「ジーク!またゲンブの外に出ようとしていたな!お前は一体何回同じことを言わせれば気がすむのだ!?」
王の怒声。ジークはその声の主が座す玉座の前に立たされ、ただ口を尖らせて黙していた。
「……」
ーーちっ、港に衛兵がいなければ、今度こそ商会の船へ紛れ込むのに成功しただろうに。最近また増えた。おそらく親父が命じたのだろう。
そう彼は心の内で文句を垂れた。
「聞いているのか!お前はこのルクスリアの第一王子。まだお前は若い。この国の中で学ぶべきことがたくさんある。それにブレイドも伴わず外に出るなど言語道断。……世迷い言もほどほどにするがいい」
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DONE2018/01/17 過去作投稿「今を共に」
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「花影の断崖にて」のドライバー達の話と、その数日後の話。
カグメレです。
続き物ですので、先に「花影の断崖にて」を読んで頂けると分かりやすいかと思います。(2022/07/06)
今を共にインヴィディア首都、フォンス・マイム。
昼下がり、レックスとトラ、ビャッコはその街に並ぶ店々で旅の物資の調達を進めていた。
「もふぅ……、インヴィディアはサルベージが盛んじゃないから、ハナに使えるジャンクパーツが全然売ってないもー!」
インヴィディアでの買い物はあまり楽しめないのか、トラはつまらなさそうに愚痴を言いながらレックスと並んで歩いている。その後ろのビャッコはそんなトラを宥めるように声をかけた。
「まあまあ、そう仰らず。レックス様、食料はこのくらい買えば十分かと思いますが、いかがですか?」
レックスはビャッコの言葉に頷きながら、辺りをキョロキョロと見回した。
「うん、オレもそう思う。装備もあらかた揃ったし、あとはジークとメレフが戻ってくれば……、あ」
6000昼下がり、レックスとトラ、ビャッコはその街に並ぶ店々で旅の物資の調達を進めていた。
「もふぅ……、インヴィディアはサルベージが盛んじゃないから、ハナに使えるジャンクパーツが全然売ってないもー!」
インヴィディアでの買い物はあまり楽しめないのか、トラはつまらなさそうに愚痴を言いながらレックスと並んで歩いている。その後ろのビャッコはそんなトラを宥めるように声をかけた。
「まあまあ、そう仰らず。レックス様、食料はこのくらい買えば十分かと思いますが、いかがですか?」
レックスはビャッコの言葉に頷きながら、辺りをキョロキョロと見回した。
「うん、オレもそう思う。装備もあらかた揃ったし、あとはジークとメレフが戻ってくれば……、あ」
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DONE2018/01/07 過去作投稿「花影の断崖にて」(『Peafowl』収録)
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ザクロのキズナトークを元ネタとしたメレフとカグツチの話。
カグメレです。(2022/07/06)
花影の断崖にて「おおーい!みんな、おまたせ!」
賑やかに会話を交わしながらフォンス・マイムのバジェナ劇場前を歩いてゆく女性ブレイド達。そこに向けて、サルベージャーの少年レックスが大きく手を振る。
「戻ったでぇ」
「必要な物資は揃ったな」
「明日の準備はバッチリも!」
ブレイド達に駆け寄るレックスに続いて、インヴィディアで別行動していた彼女達のドライバーが合流する。
一行のドライバーの中で、唯一ニアは女性ブレイド達と共に行動していた。花影の断崖でサフロージュの樹を見たいとせがんだザクロのドライバーだったからだ。
ニアは苦笑いしながらカグツチにボソリと話しかける。
「……変に盛り上がっちゃって焦ったよ。あたしはああいう話、やっぱ照れ臭いや」
4004賑やかに会話を交わしながらフォンス・マイムのバジェナ劇場前を歩いてゆく女性ブレイド達。そこに向けて、サルベージャーの少年レックスが大きく手を振る。
「戻ったでぇ」
「必要な物資は揃ったな」
「明日の準備はバッチリも!」
ブレイド達に駆け寄るレックスに続いて、インヴィディアで別行動していた彼女達のドライバーが合流する。
一行のドライバーの中で、唯一ニアは女性ブレイド達と共に行動していた。花影の断崖でサフロージュの樹を見たいとせがんだザクロのドライバーだったからだ。
ニアは苦笑いしながらカグツチにボソリと話しかける。
「……変に盛り上がっちゃって焦ったよ。あたしはああいう話、やっぱ照れ臭いや」
akari_zhuli
PAST2018/05/19~2018/05/22の間に開催したあかり主催、カイリュー&ヌメルゴンナイズのイラストログです。③と⑦の子がうちの子、それ以外は参加者様のお子様です。 11suS2uz
PAST☆Web再録発行日:2018年9月17日
【Summer Delight】
▼恋と呼ぶにはまだつたない、芽生えたばかりの感情に向き合いはじめようと歩き出すお話です。
※ズ!サマーバカンスの内容・転校生ちゃん(顔出しなし)・その他捏造設定多々あり
当時お手に取っていただいたみなさま、ありがとうございました! 17
ringo
DONE五伏考 2018.2.10(中編)五+夏、飲酒と喫煙描写あり
前編 https://bit.ly/3QPmjHa
R18の進捗 https://bit.ly/3xSdHqS
1から読む https://bit.ly/3qulqpc 23
れもね
PAST2018/04/183回目のドールハウスライブの時、遠藤ゆりかさんに選んでいただいた思い出の絵です。
アヤは猫にこっち向いてほしいのにヤマダが猫にちょっかい出しててこっちを向いてくれない、それをユキがマイペースに見ている…みたいな感じです。
実はニコニコ静画には残っております。
nigi_rimesi
DONE真剣乱舞祭2022、広島公演1日目に行ってきました!新鮮な驚きのため事前情報をすべてシャットアウトして見に行ったのですが、始まって少しして「あ、これは2018だ!」というのはすぐに分かったものの、むっちゃんじゃない声でよっちょれが聞こえてきた時はあまりにビックリしすぎて頭真っ白になりました。冷静に考えればそのポジションに肥前君が来るのは当たり前なのに…!めっちゃカッコよかった…!
Sideita8
PASTこの漫画だけ支部だけに上がっててポイピクに上げてなかったことに気づいたのでせっかくなので上げました。えむに来て最初に描いた輝薫です、、投稿日2018年6月30日…4年前…!??
以下隙有自語
当時絵が全然うまくかけないことに悩み続けてほぼ筆折り状態だったんだけど何かふと上手く描くのをやめよう!と思い、、急に緊張感が解けてのびのびと描けた漫画でした…。結果今も絵を描き続けられていてよかったです。 17
crimzon82
MEMO怪我に気づけなかった神楽と新八の話。2018年10月のスパークで出した本です。
今週中に通販を再開しますが、発行から一年以上経っているので全ページ載せさせていただきます。
通販に関しては後日Twitterアカウントにて告知致します。
冊子スキャンの為少々見辛いかもしれませんが、ご了承ください。
お手に取っていただきありがとうございました。 35
いずみのかな
DONEパトレイバー ごとしの 2018年5月、スーパーコミックシティで発行した『ねこになりたい』に収録した一編におまけでつけた冊子の一部を足したものです。ごとうさんがねこみみです。とても自由に書きました。
テンデイズワンダー 職場まで車で二十分、実家までは三十五分。築二十三年、三階にあるバス・トイレ別の南西向きの2DK。
初めての一人暮らしには十分すぎる物件だ。
しのぶはぐぅーと伸びをしてから、さて、と気合いを入れた。とりあえず今晩から寝られるように、ベッドだけでも整えなくては。
引っ越しの理由はよくある話で異動により職場が遠くなったからで、異動の理由もまたよくあることに、女性というだけで疎まれて、そして追いやられたからだ。SPに憧れて警視庁を志し、努力の甲斐あり夢をつかみかけていた。それが、とある警視のあからさまなセクハラを告発したら、相手の代わりに自分が飛ばされた。まったくもってこの世界はろくでもない。
いっそ辞表を叩きつけようかとまで思い詰めたが、すんでのところで思いとどまった。警察官として立派に職務を果たしてこそ相手への最大の復讐というものだろうし、セクハラを握りつぶすような部署ならこちらから願い下げというものだ。交番勤務のあと本庁に行ったものだから現場には慣れていないが、市民と直に触れ合えるのは警察官の仕事の原点と言える。そう思うと気持ちも前向きになってくる。そうやって向こうに見切りをつけた、つけてやった。
26294初めての一人暮らしには十分すぎる物件だ。
しのぶはぐぅーと伸びをしてから、さて、と気合いを入れた。とりあえず今晩から寝られるように、ベッドだけでも整えなくては。
引っ越しの理由はよくある話で異動により職場が遠くなったからで、異動の理由もまたよくあることに、女性というだけで疎まれて、そして追いやられたからだ。SPに憧れて警視庁を志し、努力の甲斐あり夢をつかみかけていた。それが、とある警視のあからさまなセクハラを告発したら、相手の代わりに自分が飛ばされた。まったくもってこの世界はろくでもない。
いっそ辞表を叩きつけようかとまで思い詰めたが、すんでのところで思いとどまった。警察官として立派に職務を果たしてこそ相手への最大の復讐というものだろうし、セクハラを握りつぶすような部署ならこちらから願い下げというものだ。交番勤務のあと本庁に行ったものだから現場には慣れていないが、市民と直に触れ合えるのは警察官の仕事の原点と言える。そう思うと気持ちも前向きになってくる。そうやって向こうに見切りをつけた、つけてやった。
いずみのかな
DONE2018年5月、スーパーコミックシティで発行した『ねこになりたい』に収録した一編です。後藤さんがねこです。ねこになりたい 同僚について、不満がないかと問われれば山のようにある。例えば勤務態度が褒められたものじゃないとか、日常業務全般についてやる気がないように見えるとか、閑散期となるやさぼる口実を探しはじめるとか。
不満はあったが、少なくとも信頼はしている。本分をわきまえて仕事はきっちりとこなすし、責任についてよく知っている。なんだかんだいって職業倫理が高く、警察官であることに誇りを持つ男だ。
だから、無断欠勤など絶対にしない。
定時になっても主が座る気配がない机を見て、しのぶはどうしたものかと思案した。しっかりしているとはいえ独り暮らしだ、なにかあったときに対応できないこともあるだろう。例えばぎっくり腰になって電話までたどり着かないとか。
12647不満はあったが、少なくとも信頼はしている。本分をわきまえて仕事はきっちりとこなすし、責任についてよく知っている。なんだかんだいって職業倫理が高く、警察官であることに誇りを持つ男だ。
だから、無断欠勤など絶対にしない。
定時になっても主が座る気配がない机を見て、しのぶはどうしたものかと思案した。しっかりしているとはいえ独り暮らしだ、なにかあったときに対応できないこともあるだろう。例えばぎっくり腰になって電話までたどり着かないとか。
こまつだよ
MOURNING慰霊碑の人の夢を見た泉の話。せななるr182018年に書いたものを再掲
寒い冬の夜の話 夢を見た。
懐かしいあの顔。俺には言えなかった言葉ばかり紡ぐ唇、俺には到底持ち得なかったあの真っ直ぐな瞳。誰よりも優しく、誰よりも弱かったあの男。
なるくんの隣を歩くそいつは、『何故』か時が進んでいた。年相応の男らしい顔つき、なるくんより少しだけ高い身長。傷みを知らない黒髪はサッパリと切りそろえられたあの頃のまま、最後に俺が見たあの人と変わらない眩しすぎる笑顔で囁く。
『お前は相変わらず綺麗だな』
『世界でいちばん綺麗だよ』
恋とか愛とかそういうのはなかった。当時のなるくんはそうは言ってたけど、果たして本当のところはどうなんだろうか。そんなこと聞けるわけもなく、あの男の隣で少しだけ恥ずかしそうな、照れくさそうな顔でなるくんが微笑んでいる。
3831懐かしいあの顔。俺には言えなかった言葉ばかり紡ぐ唇、俺には到底持ち得なかったあの真っ直ぐな瞳。誰よりも優しく、誰よりも弱かったあの男。
なるくんの隣を歩くそいつは、『何故』か時が進んでいた。年相応の男らしい顔つき、なるくんより少しだけ高い身長。傷みを知らない黒髪はサッパリと切りそろえられたあの頃のまま、最後に俺が見たあの人と変わらない眩しすぎる笑顔で囁く。
『お前は相変わらず綺麗だな』
『世界でいちばん綺麗だよ』
恋とか愛とかそういうのはなかった。当時のなるくんはそうは言ってたけど、果たして本当のところはどうなんだろうか。そんなこと聞けるわけもなく、あの男の隣で少しだけ恥ずかしそうな、照れくさそうな顔でなるくんが微笑んでいる。