ミスラ
柚月@ydk452
DONE魔法舎ドタバタ事件簿シリーズ。Case1,マジカル⭐︎バナナ「ああ、ちょうど良いところに。暇ですよね?」
「げっ。」
「うわ…最悪…。」
魔法舎の談話室で、ミスラに声を掛けられたブラッドリーとオーエンは揃ってげんなりとした。夕食も済み、各々が好き勝手過ごしている自由な時間。ブラッドリーもオーエンも同じ空間に居たとは言え、二人で何かをしていた訳ではない。隙あればもちろん殺し合いをするが、今は奇跡的に殺伐とした空気は影を潜めていた。
ワイングラスを片手に晩酌をしていたブラッドリーは、チッと盛大に舌打ちする。
「暇じゃねぇよ、他を当たれ。」
「大好きな賢者様のところに、早く行ってよ。」
「今あの人、風呂に入ってるんですよね。」
二人の抵抗を他所に、ミスラはソファにどさりと身を投げた。そしてテーブル上にあったつまみを、当然のようにして口に入れる。
5501「げっ。」
「うわ…最悪…。」
魔法舎の談話室で、ミスラに声を掛けられたブラッドリーとオーエンは揃ってげんなりとした。夕食も済み、各々が好き勝手過ごしている自由な時間。ブラッドリーもオーエンも同じ空間に居たとは言え、二人で何かをしていた訳ではない。隙あればもちろん殺し合いをするが、今は奇跡的に殺伐とした空気は影を潜めていた。
ワイングラスを片手に晩酌をしていたブラッドリーは、チッと盛大に舌打ちする。
「暇じゃねぇよ、他を当たれ。」
「大好きな賢者様のところに、早く行ってよ。」
「今あの人、風呂に入ってるんですよね。」
二人の抵抗を他所に、ミスラはソファにどさりと身を投げた。そしてテーブル上にあったつまみを、当然のようにして口に入れる。
海岸線
PROGRESS「魔法舎の幽霊」亡くなったはずの母の幽霊を魔法舎で見かける晶くんと、ミスラさんや魔法使いのSSです。怖い話じゃないです。
※ミス晶♂(なのか……?)
「魔法舎の幽霊」 それは夜も更けた頃、廊下の先に現れた。虚ろな目に生気のない顔つき、色彩が乏しいそれは、やはり幽霊と呼ばれる類のものなのだろう。
「……入る?」
自室の扉を開けて、晶は母を招き入れようとした。ほとんど反射的に出た言葉で後先をきちんと考えた行動ではない。今にして思えば軽率であった。
母の幽霊はこちらを見ない。俯いてつま先をじっと見つめ、やがて背後の壁に溶けるようにして消えてしまった。
***
翌朝、晶は食堂でスノウとホワイトに昨晩の出来事を話した。話を聞いた彼らは互いを見合わせ、悲しげに目を伏せる。
「言い難いのじゃが、それはそなたの母君ではないじゃろう。魔法舎の結界を運良く掻い潜った精霊の悪戯じゃ」
735「……入る?」
自室の扉を開けて、晶は母を招き入れようとした。ほとんど反射的に出た言葉で後先をきちんと考えた行動ではない。今にして思えば軽率であった。
母の幽霊はこちらを見ない。俯いてつま先をじっと見つめ、やがて背後の壁に溶けるようにして消えてしまった。
***
翌朝、晶は食堂でスノウとホワイトに昨晩の出来事を話した。話を聞いた彼らは互いを見合わせ、悲しげに目を伏せる。
「言い難いのじゃが、それはそなたの母君ではないじゃろう。魔法舎の結界を運良く掻い潜った精霊の悪戯じゃ」
最早 風鈴
MENU3/4【まほやく学会】webオンリー発行予定「ステンドグラスに魔法をかけて」
新刊サンプルです✨
🌟スペースNo.Cお2
🌟オールキャラ/全年齢/A5/80p/700円
🌟BOOTHにて通販予定 17
きゅう
DONE書きかけだったミスラバースデーです…!誕生日、おめでとうございました!(遅刻にも程がある)
欲しいものは よくも休みなく舌が回るもんだと思う。まるで、口から生まれてきたのではないかと錯覚してしまうくらい、この男は本当によく喋るのだ。「ミスラさん、今夜一緒にハーブティーを飲みませんか?」と、ルチルから誘いを受けたのは数時間前。なにやら市場で珍しいハーブを見つけたらしい。いつにも増して上機嫌なルチルは、鼻歌を歌いながらハーブティーを淹れている。「この歌は、南の国で流行している恋の歌なんですよ!」と、ミスラが聞いてもいない情報まで交えて。そうして数十分が経過した今現在、ミスラの目の前にはとっくのとうに空になったティーカップ。奥底の花柄まで、くっきりと浮かび上がっている。
「ミスラさん! ミスラさんったら聞いてますか?」
7291「ミスラさん! ミスラさんったら聞いてますか?」
あんしゃぶ
PROGRESSミス晶♀WEBオンリー『星満つる月夜に手を繋いで2』開催おめでとうございます!
展示用の「晶にハンドクリームを塗るミスラ」漫画です。
背景真っ白線画のみ、最後のページがラフのままですが、
それでも良ければご覧ください…!申し訳…ありません…!
もしかしたら加筆するかもです…! 9
kiiromidori
DONE晶くんオンリー5掲載小説No.4「barter」14分で読めます。物々交換のお話です。
支部にも掲載しています。
1500年生きてるのに貨幣社会がまだわかってないミスラ、とてもかわいいなと思って書きました。 12
きゅう
MAIKINGミスラさんハッピ〜バースデ〜!メインで情緒がやられてしまい、
書きかけで申し訳ありません……
後日完成版をUP予定です。
欲しいものは よくも休みなく舌が回るもんだと思う。まるで、口から生まれてきたのではないかと錯覚してしまうくらい、この男は本当によく喋るのだ。
「ミスラさん、今夜一緒にハーブティーを飲みませんか?」と、ルチルから誘いを受けたのは数時間前。なにやら市場で珍しいハーブを見つけたらしい。いつにも増して上機嫌なルチルは、鼻歌を歌いながらハーブティーを淹れている。「この歌は、南の国で流行している恋の歌なんですよ!」と、ミスラが聞いてもいない情報まで交えて。
そうして数十分が経過した今現在、ミスラの目の前にはとっくのとうに空になったティーカップ。奥底の花柄まで、くっきりと浮かび上がっている。
「ミスラさん! ミスラさんったら聞いてますか?」
3399「ミスラさん、今夜一緒にハーブティーを飲みませんか?」と、ルチルから誘いを受けたのは数時間前。なにやら市場で珍しいハーブを見つけたらしい。いつにも増して上機嫌なルチルは、鼻歌を歌いながらハーブティーを淹れている。「この歌は、南の国で流行している恋の歌なんですよ!」と、ミスラが聞いてもいない情報まで交えて。
そうして数十分が経過した今現在、ミスラの目の前にはとっくのとうに空になったティーカップ。奥底の花柄まで、くっきりと浮かび上がっている。
「ミスラさん! ミスラさんったら聞いてますか?」
s a t o u
DONEミスラが天国にアルシムする話※捏造チレッタ
「⋯⋯」
ミチル・フローレスは、しがみついた両腕にギュッと力を込めた。華奢な腕がぶるぶると震えているのは、純粋に恐怖だからだ。
「ちょっと、何です。邪魔しないでくださいよ」
気だるげな声がミチルの小さい頭の上から降ってくる。
目下、ミチルは北の魔法使いミスラの身体にしがみついているのだ。ハァ、と短いため息をついた後、ミスラはミチルの首根っこを掴んでヒョイと片手で持ち上げた。仔猫のように持ち上げられたミチルは、両腕をだらんと下ろし困ったように眉を下げている。
そんな二人の隣には、ミスラという魔法使いの象徴ともいえる扉がドンとそびえ立っている。
「⋯⋯だって、ミスラさん、これからどこへ行こうとしているんですか?」
8307ミチル・フローレスは、しがみついた両腕にギュッと力を込めた。華奢な腕がぶるぶると震えているのは、純粋に恐怖だからだ。
「ちょっと、何です。邪魔しないでくださいよ」
気だるげな声がミチルの小さい頭の上から降ってくる。
目下、ミチルは北の魔法使いミスラの身体にしがみついているのだ。ハァ、と短いため息をついた後、ミスラはミチルの首根っこを掴んでヒョイと片手で持ち上げた。仔猫のように持ち上げられたミチルは、両腕をだらんと下ろし困ったように眉を下げている。
そんな二人の隣には、ミスラという魔法使いの象徴ともいえる扉がドンとそびえ立っている。
「⋯⋯だって、ミスラさん、これからどこへ行こうとしているんですか?」
かき揚げ
MAIKINGミスラが約束を忘れていたことについてのミスルチ+フィガロの話。人を選びます。書きかけなのでたまに更新します。タイトル未定「あなたとあなたの弟は、おれが守ります」
「あはは、それは傑作だね」
目尻を下げ、口角を上げ、些か社交的すぎる笑みを浮かべ、南の国の魔法使いフィガロは笑う。注いだばかりのウィスキーを一口煽る。賢者の魔法使いに南の魔法使いとして選ばれ暫く経つ。元々交流のあったルチルやミチルはフィガロのことを頼れる先生として慕ってくれている。ミチルの誕生日の今日だって、祝われる側のミチルはフィガロに感謝を伝えてくれた。ルチルは
「フィガロ先生、よかったらお話ししませんか?」
と、夜更けにフィガロを尋ねてきて、2人で晩酌をしながらミチルの成長について話した。ミチルはフィガロと同じタイミングで賢者の魔法使いに選ばれ、新しい人間関係を築き成長している。ミチルの誕生日が祝福されることは彼の保護者の立場のフィガロやルチルにとっても嬉しいことであった。ルチルはミスラの、ミチルへの誕生日祝いの品の呪具の話をして笑っている。
1223「あはは、それは傑作だね」
目尻を下げ、口角を上げ、些か社交的すぎる笑みを浮かべ、南の国の魔法使いフィガロは笑う。注いだばかりのウィスキーを一口煽る。賢者の魔法使いに南の魔法使いとして選ばれ暫く経つ。元々交流のあったルチルやミチルはフィガロのことを頼れる先生として慕ってくれている。ミチルの誕生日の今日だって、祝われる側のミチルはフィガロに感謝を伝えてくれた。ルチルは
「フィガロ先生、よかったらお話ししませんか?」
と、夜更けにフィガロを尋ねてきて、2人で晩酌をしながらミチルの成長について話した。ミチルはフィガロと同じタイミングで賢者の魔法使いに選ばれ、新しい人間関係を築き成長している。ミチルの誕生日が祝福されることは彼の保護者の立場のフィガロやルチルにとっても嬉しいことであった。ルチルはミスラの、ミチルへの誕生日祝いの品の呪具の話をして笑っている。
べきばき
MEMOメリクリ!出轟の約束「魔法使いの約束」のクリスマス衣装を着てもろた出轟です
それぞれデクくんは2021年のミチル、轟くんは2021年のミスラちゃんから
選出基準は似合いそうなやつ
これを参考になんか…いい感じのクリスマス衣装を作り…メリっとる出轟を描きたかったです
seeds_season
DONEワンドロワンライ参加時、消化不良のまま時間が来てしまってそのまま出したんですが(晶くん視点の部分がほぼ初稿)、提出後に「最初にネタを思いついた時に書こうとしてたネタが飛んでる!」ということを思い出し、大幅加筆しました。(ミスラ視点の話が飛んだ部分です)(2022/12/10 ミス晶くん版ワンドロワンライ・第三回:お題「つなぐ」参加作品を加筆修正)
繋いだ手 真っ白な世界を、ただひたすらに歩いていた。
視界を染める猛吹雪。踏みしめる大地は雪に覆われ、振り返っても足跡すら辿れない。
いつから歩いていたのか。どこへ行こうとしているのか。
それさえも分からなくて、ただひたすらに足を動かす。
(――ああ、これは夢だ)
無限の雪と無窮の白。
それはきっと、魂の奥深くに刻まれた原風景。繰り返し夢に見る、懐かしい景色。
だけど、今日は少しだけ様子が違った。
降りしきる雪も、先の見えない雪原も同じ。
伸ばした手の先さえ見えない銀世界を、誰かと二人で歩いている。
体が思うように動かなくて、ちっとも前に進まないけれど。
繋いだ手の温かさだけが、まるで道標のように、進むべき方向を教えてくれるようで。
2290視界を染める猛吹雪。踏みしめる大地は雪に覆われ、振り返っても足跡すら辿れない。
いつから歩いていたのか。どこへ行こうとしているのか。
それさえも分からなくて、ただひたすらに足を動かす。
(――ああ、これは夢だ)
無限の雪と無窮の白。
それはきっと、魂の奥深くに刻まれた原風景。繰り返し夢に見る、懐かしい景色。
だけど、今日は少しだけ様子が違った。
降りしきる雪も、先の見えない雪原も同じ。
伸ばした手の先さえ見えない銀世界を、誰かと二人で歩いている。
体が思うように動かなくて、ちっとも前に進まないけれど。
繋いだ手の温かさだけが、まるで道標のように、進むべき方向を教えてくれるようで。
柚月@ydk452
DONEミス晶♂短編3周年ログストネタ。こんな感じで駆けっこが始まったのかもしれない。
あなたに届ける物語貴方に届ける物語
「じゃじゃん!今日は魔法を使わずに!」
「駆けっこ対決して賢者ちゃんに物語をお届け〜!」
スノウとホワイトの朗らかな声が、食堂に響く。突如始まった提案に、ある者は怪訝な表情を浮かべ、ある者は淡々と聞き流す。
良くも悪くも変わらない、今となっては魔法舎の日常だ。
「駆けっこ対決ですか?魔法を使わずに?」
「南の国では、よくクラスの人達と遊んだりしたんですけど…。」
リケとミチルの返答に、良くぞ聞いてくれましたとばかりに双子は目を輝かせた。
「それじゃそれ!我らは魔法使いであるが故に、魔法を使えば大抵の事は片がつく。」
「もちろん魔法舎での訓練や依頼をこなしている皆は、当初に比べれば魔法力も協調性も育っておるじゃろう。」
2247「じゃじゃん!今日は魔法を使わずに!」
「駆けっこ対決して賢者ちゃんに物語をお届け〜!」
スノウとホワイトの朗らかな声が、食堂に響く。突如始まった提案に、ある者は怪訝な表情を浮かべ、ある者は淡々と聞き流す。
良くも悪くも変わらない、今となっては魔法舎の日常だ。
「駆けっこ対決ですか?魔法を使わずに?」
「南の国では、よくクラスの人達と遊んだりしたんですけど…。」
リケとミチルの返答に、良くぞ聞いてくれましたとばかりに双子は目を輝かせた。
「それじゃそれ!我らは魔法使いであるが故に、魔法を使えば大抵の事は片がつく。」
「もちろん魔法舎での訓練や依頼をこなしている皆は、当初に比べれば魔法力も協調性も育っておるじゃろう。」
柚月@ydk452
DONEミス晶♂短編ミスラが晶くんにマナ石を食べさせる話
冷たい温度冷たい温度
「今晩は、眠れそうな気がします。」
夕食後、談話室で晶の膝を枕に、ソファでごろりと寝そべっていたミスラが呟く。晶がその柔らかな髪を梳く度に、目を細める彼はまるで猫のようだ。
今この部屋には、二人しかいない。そのせいかいつもより静けさを感じるが、不思議と気まずさはなかった。もう短くもない時間を共に過ごしているお陰だと、そう思いたい。
晶はミスラの言葉に、視線を賢者の書から動かす。
「それは良かったです。もう部屋に戻りましょうか?」
「俺は別に、ここでも良いですけど。」
「駄目ですよ。ちゃんとお風呂に入って、着替えて寝た方が、絶対気持ちが良いです。」
「面倒だな…。」
魔法一つで、体を綺麗にすることも、着替えることも容易いが、今はそうした気分じゃないらしい。うだうだと晶の膝の上でごねる彼だったが、ようやく身を起こす。
1972「今晩は、眠れそうな気がします。」
夕食後、談話室で晶の膝を枕に、ソファでごろりと寝そべっていたミスラが呟く。晶がその柔らかな髪を梳く度に、目を細める彼はまるで猫のようだ。
今この部屋には、二人しかいない。そのせいかいつもより静けさを感じるが、不思議と気まずさはなかった。もう短くもない時間を共に過ごしているお陰だと、そう思いたい。
晶はミスラの言葉に、視線を賢者の書から動かす。
「それは良かったです。もう部屋に戻りましょうか?」
「俺は別に、ここでも良いですけど。」
「駄目ですよ。ちゃんとお風呂に入って、着替えて寝た方が、絶対気持ちが良いです。」
「面倒だな…。」
魔法一つで、体を綺麗にすることも、着替えることも容易いが、今はそうした気分じゃないらしい。うだうだと晶の膝の上でごねる彼だったが、ようやく身を起こす。
e___nani
DOODLE12/4 ミスオエwebオンリー「悪食と甘党」web展示ミスラの寝かしつけに来たらミスオエに巻き込まれる男賢者まんが(9p)
※12/18の新刊に載る予定の話ですがまだ未完成なので一部線画です
→12/11更新 10
kokonomioenoe
MOURNINGあくあま開催おめでとうございます!(アフターで漫画と掲載して5p追加しました)落書き詰め合わせです。ミスオエ、ミスラ、オーエン+過去に描いた漫画あります。
軽率に軽いですがR18あるので成人済みのミオの方のみご覧ください。
過去時期バラバラなので絵柄コロコロしてます。
魔法使い、フォ学、元パロ、丸裸何でも許せる方のみよろしくお願いします。
成人済み? 23
raku_713
DONEフォル学軸のミスオエ。不眠症ミスラのおはなし。オレンジの音色 放課後、ミスラには、よく一人で向かう場所があった。校舎の奥の方にある空き教室。今は使われていない部屋だ。
その場所に行くのは、ある歌声を聞くためである。
その声を聞くと、毛羽立っているような内面が、すうっと落ち着く気がした。さらに、その歌声はミスラの人知れない悩みを解決する効果も持っていた。
ミスラは、超がつくほどの不眠症である。弱みを握られるようで誰にも話してこなかったが、日々溜まっていく睡眠不足は、彼の調子を狂わせていた。
毎晩ベッドに入っては、天井を見ながら朝を迎える日も少なくはない。寝つきがよくなるハーブティーを飲んでみたり、三日月の形をした安眠抱き枕を使ってみたりしたが、まるで意味がない。それどころか、不眠によるストレスで不眠が加速するばかりだった。
2107その場所に行くのは、ある歌声を聞くためである。
その声を聞くと、毛羽立っているような内面が、すうっと落ち着く気がした。さらに、その歌声はミスラの人知れない悩みを解決する効果も持っていた。
ミスラは、超がつくほどの不眠症である。弱みを握られるようで誰にも話してこなかったが、日々溜まっていく睡眠不足は、彼の調子を狂わせていた。
毎晩ベッドに入っては、天井を見ながら朝を迎える日も少なくはない。寝つきがよくなるハーブティーを飲んでみたり、三日月の形をした安眠抱き枕を使ってみたりしたが、まるで意味がない。それどころか、不眠によるストレスで不眠が加速するばかりだった。
かき揚げ
INFO12/11【DR22】ミスルチ新刊漫画 さようなら A5 / 70p 【東6 グ35a】月花妖異譚にて、神狐チレッタと、その遣いだった竜のミスラ、チレッタの息子である妖狐のルチルの3人の縁にまつわる話。
★会場頒布価格¥1000
★通販 https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031025733/ 12
キリサメ
DONEミス晶♂未満 添い寝(+α)するようになるきっかけのようなお話。双方自覚前。親愛ストーリー直後くらいの親密度ですが時間軸は謎です。
晶くんがミスラさんに酷いこと言われて泣いたりしてるので気をつけてください。
ゲスト:シャイロック、少しだけネロ 20
sankakunoir
MOURNING⚠︎ファウミスです⚠︎いつもと逆カプ(リバ関係)ですのでご注意ください。賢者様に聞いた人魚姫の話から着想を得たミスラが術式を作って実験に先生を巻きこむ話です(※賢者様のお話は童話の人魚姫とリト〇〇ーメイドがごっちゃになっています)。
こっちの水は苦いのなんの「それでえ、姫はやっぱり王子を刺すことができなくって、海に身を投げて、泡になって消えちゃうんですよお……」
西の魔法使いの商う、魔法舎のバーである。時計の短針が天頂に差しかかるころ、カウンターで袖を濡らしているのは賢者だ。
くだを巻く賢者の様子はあきらかに酒に酔っている者のそれだが、実際のところ、彼を酔わせているのは酒ではない。西の知恵者が西の行儀のよくないサロンで手にいれてきた「酔っぱらい体験シュガー」なる不審な魔法使いのシュガーを、好奇心に負けた賢者自身が口にした結果である。
「ああ、なんということだ。悲劇ですね」
「人魚姫、かわいそう。優しい子なのに……」
悲しみを遠ざけるように瞼を伏せる貴公子と、頬をつたう涙もそのままにしゃくりあげる仕立屋の青年。こちらを酔わせているのは正真正銘、酒である。
8957西の魔法使いの商う、魔法舎のバーである。時計の短針が天頂に差しかかるころ、カウンターで袖を濡らしているのは賢者だ。
くだを巻く賢者の様子はあきらかに酒に酔っている者のそれだが、実際のところ、彼を酔わせているのは酒ではない。西の知恵者が西の行儀のよくないサロンで手にいれてきた「酔っぱらい体験シュガー」なる不審な魔法使いのシュガーを、好奇心に負けた賢者自身が口にした結果である。
「ああ、なんということだ。悲劇ですね」
「人魚姫、かわいそう。優しい子なのに……」
悲しみを遠ざけるように瞼を伏せる貴公子と、頬をつたう涙もそのままにしゃくりあげる仕立屋の青年。こちらを酔わせているのは正真正銘、酒である。
shinomi_00
DONEあさきさんの『ミスラのお城』→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18677108の、ここのくだりが好きすぎて描いてしまった。
小説ものすごい読み応えたっぷりで素敵なのでぜひ…ぜひ…!! 6
海岸線
PROGRESS5000文字くらい。作業中。もう少しコネる予定。「雪原に立つ」
一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
※ミス晶♂(両片想いくらい)
雪原に立つ「雪原に立つ」
一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
※ミス晶♂(両片想いくらい)
「許せない……」
めずらしく語気を強めたアーサーに向かって、晶はなんと言うべきか悩んだ。
「お、落ち着いてください。俺は大丈夫ですから」
「落ち着いてはいます。……ただ、申し訳ありません、賢者様。私がいながら、このようなことに」
昨日のことだった。晶は中央のグランウェル城に呼ばれ、中央のお役人相手に魔法使いたちとの任務についての詳細を説明していた。そのあとに簡略化されたパーティーがあり、賢者の魔法使いとしてアーサーと共に出席し、どうやらそのとき一時的に視力を奪う毒を盛られたらしいのだ。それに気づいたのはパーティーが終わり、アーサーと共に魔法舎に帰る途中だった。晶の目が急にかすんできて、視界が白くなった。それをアーサーに告げると、彼は狼狽えながらも迅速にフィガロのもとに晶を連れて行った。深夜に叩き起こされたフィガロは、尋常ではない様子の二人を見て驚いた。
5262一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
※ミス晶♂(両片想いくらい)
「許せない……」
めずらしく語気を強めたアーサーに向かって、晶はなんと言うべきか悩んだ。
「お、落ち着いてください。俺は大丈夫ですから」
「落ち着いてはいます。……ただ、申し訳ありません、賢者様。私がいながら、このようなことに」
昨日のことだった。晶は中央のグランウェル城に呼ばれ、中央のお役人相手に魔法使いたちとの任務についての詳細を説明していた。そのあとに簡略化されたパーティーがあり、賢者の魔法使いとしてアーサーと共に出席し、どうやらそのとき一時的に視力を奪う毒を盛られたらしいのだ。それに気づいたのはパーティーが終わり、アーサーと共に魔法舎に帰る途中だった。晶の目が急にかすんできて、視界が白くなった。それをアーサーに告げると、彼は狼狽えながらも迅速にフィガロのもとに晶を連れて行った。深夜に叩き起こされたフィガロは、尋常ではない様子の二人を見て驚いた。
vio_hy
DOODLEカイオエのようでカイオエじゃないすこしカイオエ(オーエンにはよくあることレベル)だったり、普通にカイオエだったりするまとめ※カプではないんだけどミスラとの絡みもややあるね 14
seeds_season
DONEミス晶♂風味SS(ミスラ不在)。ファウスト先生による個人面談の巻。個人面談:無自覚な魅力 中庭に集う猫達に癒やされているのは晶だけではない。
リケやミチルが猫と戯れていることもあるし、レノックスの羊が一緒に走り回っている時もある。お茶会に乱入した子猫を追いかけるムルや、猫と話し込んでいるオーエンの姿を見ることさえある。
そして――本人は否定しているが、恐らく晶と同じくらい猫を構っているのは、東の魔法使いファウストだ。
「ファウスト、ネロから食材の余りを分けてもらいました!」
魚や肉の切れ端を持って現れた晶に、ベンチで猫を撫でていたファウストは、少しだけばつが悪い顔をして、それでも猫を膝から下ろそうとはしなかった。
「……君も大概、世話焼きだな」
「ファウストほどじゃないですよ」
用意してきた五枚セットの餌皿に切れ端を盛り付け、等間隔に並べる。するとファウストの膝から飛び降りた三毛猫を筆頭に、あちこちで寛いでいた猫達が一斉に皿へと殺到した。
2765リケやミチルが猫と戯れていることもあるし、レノックスの羊が一緒に走り回っている時もある。お茶会に乱入した子猫を追いかけるムルや、猫と話し込んでいるオーエンの姿を見ることさえある。
そして――本人は否定しているが、恐らく晶と同じくらい猫を構っているのは、東の魔法使いファウストだ。
「ファウスト、ネロから食材の余りを分けてもらいました!」
魚や肉の切れ端を持って現れた晶に、ベンチで猫を撫でていたファウストは、少しだけばつが悪い顔をして、それでも猫を膝から下ろそうとはしなかった。
「……君も大概、世話焼きだな」
「ファウストほどじゃないですよ」
用意してきた五枚セットの餌皿に切れ端を盛り付け、等間隔に並べる。するとファウストの膝から飛び降りた三毛猫を筆頭に、あちこちで寛いでいた猫達が一斉に皿へと殺到した。
misaka_mh
DOODLE組織パロミスオエの続き。みすらさんはいないです深淵より・6 今日、俺は人を殺す。生きるために。死なないために。もう一度、家に帰るために。
考えれば考えるほど吐き気がして身体は震えて涙が出そうになる。
「ちょっと。吐くなら外にしてよ」
俺のために開けられた窓の外へ頭を出した。凄いスピードで走る車に乗っている所為で、夜風は頬を撫でるどころか叩いてきて頭が一気に冷えた気がした。少し冷静になる。頭を戻して深呼吸し、前を見つめる。見慣れた荒野の景色が変わっていく。建物がちらほら見え始め、車が停まっているのも見える。ただ人の姿は見当たらない。皆、知っているのかもしれない。この国の夜を支配する者たちの恐ろしさを。
車が止まったのは住宅が立ち並ぶ一角にある教会の前だった。寂れた様子のその教会は扉が外れ屋根に穴が空いている。ステンドグラスにもヒビが入っていて、人の管理を離れて久しいようだった。
6098考えれば考えるほど吐き気がして身体は震えて涙が出そうになる。
「ちょっと。吐くなら外にしてよ」
俺のために開けられた窓の外へ頭を出した。凄いスピードで走る車に乗っている所為で、夜風は頬を撫でるどころか叩いてきて頭が一気に冷えた気がした。少し冷静になる。頭を戻して深呼吸し、前を見つめる。見慣れた荒野の景色が変わっていく。建物がちらほら見え始め、車が停まっているのも見える。ただ人の姿は見当たらない。皆、知っているのかもしれない。この国の夜を支配する者たちの恐ろしさを。
車が止まったのは住宅が立ち並ぶ一角にある教会の前だった。寂れた様子のその教会は扉が外れ屋根に穴が空いている。ステンドグラスにもヒビが入っていて、人の管理を離れて久しいようだった。
chiocioya18
DONE妖異譚時空で好き放題シリーズ ルチルとミスラ編CPのつもりはないんですが普段から腐脳が標準装備なのでそれっぽく見えるかもしれません。苦手な人は逃げてください。
月花前日譚 八賑やかな人里から山に入って幾刻。鳥の声と川の流れる音を聞きながらルチルは歩みを進める。太陽はほとんど真上で燦々と光を降り注いでいた。黄金色の尻尾も光を浴びて靡いている。
「ミスラさーん!あれ?ミースーラーさーん!」
川のせせらぎに負けない声で尋ね人の名前を呼ぶ。上流に向かいながら呼び続けていると新緑の中に目立つ赤色が見つかった。
「ミスラさん!探しちゃいましたよ」
「はあ。あなたいつも騒がしいですよね」
「もう。ミスラさんがいつもすぐに出てきてくれれば私だってもう少し静かにできますよ」
川べりにぼんやりと佇むミスラはルチルを出迎える気があったようには見えないが、かといって追い返すこともなく欠伸をひとつ零しただけだった。ルチルはむくれた顔をコロッと笑顔に変えてミスラの隣に駆け寄る。
1887「ミスラさーん!あれ?ミースーラーさーん!」
川のせせらぎに負けない声で尋ね人の名前を呼ぶ。上流に向かいながら呼び続けていると新緑の中に目立つ赤色が見つかった。
「ミスラさん!探しちゃいましたよ」
「はあ。あなたいつも騒がしいですよね」
「もう。ミスラさんがいつもすぐに出てきてくれれば私だってもう少し静かにできますよ」
川べりにぼんやりと佇むミスラはルチルを出迎える気があったようには見えないが、かといって追い返すこともなく欠伸をひとつ零しただけだった。ルチルはむくれた顔をコロッと笑顔に変えてミスラの隣に駆け寄る。