きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/12/7お題「待ち合わせ」130分程。
https://poipiku.com/5185671/9192921.html
https://poipiku.com/5185671/9200062.html
この辺の遙か先での続きの話です。
※死ネタに関する描写になります(ネタバレ) 3
SKR
DOODLE「朝帰り」 ラーヒュン ワンライ 2024.12.04. 如何ほどの戦いになるやら分からなかったゆえ、いつ戻るとは伝えられなかった。任務は魔界の一角を根城として世の支配を企てている集団の制圧だった。主から戦力として頼まれる事はラーハルトにとって何よりも誇らしく、無論、力の限りを尽くしてきた。
そして今、まさに二ヶ月余りの遠征より凱旋し、恋人との住まいに帰り着いた。
勝利の後、パーティを解散した地からここまで休息も取らずに夜通し移動を続けた疲労は深い。我が家の玄関に立ったときには我知らず槍を杖突きながら溜息してしまったほどだ。
五体満足に生還できた安堵と、また彼の顔を見ることが出来るという期待に頬が緩み、喜び勇んでガチャと扉を開けてただいま、と、やってしまいそうになったが、しかし思い留まった。
2525そして今、まさに二ヶ月余りの遠征より凱旋し、恋人との住まいに帰り着いた。
勝利の後、パーティを解散した地からここまで休息も取らずに夜通し移動を続けた疲労は深い。我が家の玄関に立ったときには我知らず槍を杖突きながら溜息してしまったほどだ。
五体満足に生還できた安堵と、また彼の顔を見ることが出来るという期待に頬が緩み、喜び勇んでガチャと扉を開けてただいま、と、やってしまいそうになったが、しかし思い留まった。
そうこ
DONE #LH1dr1wrお題「朝帰り」
ヒュが遊び人に転職する話。
シリーズから色々とネタ拝借。橙世界線に無いものがあります。たぶんギャグです。
初投稿のため色々と至らない点もあるかと思いますが、ご容赦いただければ幸いです。
朝帰り 消えた勇者を探す道すがら、偶然見つけたその施設はどうやら転職を司る神殿だとか何とかで、望む者は職を変えることが出来るらしい。
戦士として死を迎えたヒュンケルはこれ幸いにと新たな職に就くことを喜んだが、どうにもタイミングが悪かった。
だいぶ前から道に迷いまともな休息をとれる場所もなく、食べるのもままならない状態で旅を続け、やっと見つけたのがこの施設だ。
久々のまともな寝食に無意識にテンションは上がり、そのままの勢いで新たな職について相談したものだから後先など考えるはずもなく。
魔王の脅威は過ぎ去ったがいまだ凶暴な魔物は絶えず、度々交戦は起こる。
竜の騎士に従事したオレが遅れをとる敵など存在しない、本来であれば。
3657戦士として死を迎えたヒュンケルはこれ幸いにと新たな職に就くことを喜んだが、どうにもタイミングが悪かった。
だいぶ前から道に迷いまともな休息をとれる場所もなく、食べるのもままならない状態で旅を続け、やっと見つけたのがこの施設だ。
久々のまともな寝食に無意識にテンションは上がり、そのままの勢いで新たな職について相談したものだから後先など考えるはずもなく。
魔王の脅威は過ぎ去ったがいまだ凶暴な魔物は絶えず、度々交戦は起こる。
竜の騎士に従事したオレが遅れをとる敵など存在しない、本来であれば。
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/11/30お題「朝帰り」100分程。
一人で囲まれてしまったらもうどうしようもない。隙をついて逃げられるほど運も良くないので、ただただ相手をするしかなかったわけで… 3
Jeff
DOODLEお題:「家族」現パロです
#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/11/23
Snowglobe「カタチだけだろ、そんなもの」
ラーハルトは顔も上げずに答える。
リズミカルにアンチョビを切り刻み、新鮮なチコリに乗せる。
「うん」
と、ヒュンケルはページを繰る。古書店で見つけたペーパーバックには、何かの花が挟まっている。
「それでも。クリスマスには、家に帰るんだ」
たっぷりのフルーツケーキを想像しながら、ヒュンケルは言う。
「そういうものなんだ」
たたき上げの審美眼で美術商の職を得たラーハルトと、そこそこ売れ始めた画家のヒュンケルが出会ったのは運命だった。
親の無い子供同士。
惹かれ合った二人が共に住み始めて、もう数年が経つ。
生きていける程度以上の収入と、一等地のアパルトマンと、やりがいのある仕事。
1425ラーハルトは顔も上げずに答える。
リズミカルにアンチョビを切り刻み、新鮮なチコリに乗せる。
「うん」
と、ヒュンケルはページを繰る。古書店で見つけたペーパーバックには、何かの花が挟まっている。
「それでも。クリスマスには、家に帰るんだ」
たっぷりのフルーツケーキを想像しながら、ヒュンケルは言う。
「そういうものなんだ」
たたき上げの審美眼で美術商の職を得たラーハルトと、そこそこ売れ始めた画家のヒュンケルが出会ったのは運命だった。
親の無い子供同士。
惹かれ合った二人が共に住み始めて、もう数年が経つ。
生きていける程度以上の収入と、一等地のアパルトマンと、やりがいのある仕事。
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/11/09お題「新食感」120分程。
はるか昔に落書き漫画っぽいのであげたネタですが、正式に。
うちのヒュンは甘噛をする設定です。
あと、先生が作ったお菓子はいわゆるグミです。 2
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/11/02お題「身代わり」120分程。
第64回の『酔っ払い』の続きのような感じですhttps://poipiku.com/5185671/9242786.html
多分、ヒュンは普段酒入っても他の人の前では平然としているけど、ラーと一緒のときだけ安心して泥酔しちゃう的な感じかもしれません。 3
きのこ
DONE2024/11/2~11/4開催の『もしかしたらの大冒険』の展示②です。古民家で暮らすラーヒュンシリーズです。
https://poipiku.com/5185671/9719039.html
https://poipiku.com/5185671/10516806.html
https://poipiku.com/5185671/10908168.html
※料理は某猫漫画に出てたものです。 5
きのこ
DONE2024/11/2~11/4開催の『もしかしたらの大冒険』の展示①です。古民家で暮らすラーヒュンシリーズになります。
https://poipiku.com/5185671/9719039.html
https://poipiku.com/5185671/10516806.html
https://poipiku.com/5185671/10908168.html
この辺の現パロの二人。 6
つーさん
DONEヒュン右WEBオンリー「Hyun Migi Lab」さんでのWEB展示用に、突貫でラーヒュンっぽい?SS名刺をぽちぽちしました。ただ、恋愛と言うよりは相棒とかブロマンスとかな感じなので、糖度控えめです。賑やかしになれば……。 6
あかつき
DONE2024.10.26~27開催、ヒュン右WEBオンリー「Hyun Migi Lab」用のSSです。ハロウィンパーティーにちなんで仮装パーティーのお話。(とても今更ですが)捏造設定てんこもりです。あとダイレオちゃん含みます注意。
また、↓こちらと微妙につながっています。
https://poipiku.com/5453813/10199215.html 5884
chihomuuran
DONE20241026-27 hyun右Lab.展示用作品『夢は目覚める瞬間創られる』
8頁+あとがきみたいなの1頁
ラーヒュン、内容はR18ではありませんがそれを前提とした描写があります。 9
きのこ
DONE2024/10/26~2024/10/27開催の『ヒュン右Lab -HALLOWEEN PARTY-』の展示その②です。https://poipiku.com/5185671/9951777.htmlとhttps://poipiku.com/5185671/10053951.htmlの続きになります。 8
きのこ
DONE2024/10/26~2024/10/27開催の『ヒュン右Lab -HALLOWEEN PARTY-』の展示その①です。去年のハロウィン漫画のhttps://poipiku.com/5185671/9494008.htmlやhttps://poipiku.com/5185671/9474197.htmlあたりの続きになります。 15
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/10/19 お題「弁当」150分程
https://poipiku.com/5185671/9719039.html
https://poipiku.com/5185671/10516806.html
この辺の現パロの二人。
ラーはヒュンを甘やかし気味です。ヒュンはスクスクのびのび暮らしています。 4
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/10/05 お題「寄り道」100分程
ダ帰還後、ヒュンはどこぞの山奥とかで暮らしてる的なイメージです。
思考のすれ違いはしょっちゅうしてそう。ちゃんと話し合え。 3
Jeff
DOODLEお題:「ひとりじめ」たまにはスポイルされた子どものように
#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/09/15
Rosegarden 勘違いしていた。自分に、執着心などないと。
と、ヒュンケルは思う。
「この前話しただろ、やっと咲いたんだ。自信作だから――」
興奮気味に言うと、ラーハルトはあくび混じりに、
「また今度な」
今日も忙しい、と言い捨てて、いつものように出勤していった。
ラーハルトの主君であるバランの息子、希望の勇者ダイが帰ってきてから。
彼はずっとこんな調子だ。
――仕方ないだろう、生きていくための仕事は要る。
などど言い訳しているが、勿論「ダイ様」のためだ。
分かっている。ラーハルトの邪魔はしたくない。
けれど。
「今は俺の方が稼いでるぞ、結構」
ぶつくさ呟きながら、秘密の薔薇園へと向かう。
たわむれに魔界から持ち帰ったその枝は、伝説的希少種だった。
1083と、ヒュンケルは思う。
「この前話しただろ、やっと咲いたんだ。自信作だから――」
興奮気味に言うと、ラーハルトはあくび混じりに、
「また今度な」
今日も忙しい、と言い捨てて、いつものように出勤していった。
ラーハルトの主君であるバランの息子、希望の勇者ダイが帰ってきてから。
彼はずっとこんな調子だ。
――仕方ないだろう、生きていくための仕事は要る。
などど言い訳しているが、勿論「ダイ様」のためだ。
分かっている。ラーハルトの邪魔はしたくない。
けれど。
「今は俺の方が稼いでるぞ、結構」
ぶつくさ呟きながら、秘密の薔薇園へと向かう。
たわむれに魔界から持ち帰ったその枝は、伝説的希少種だった。
Jeff
DOODLEお題:「会心の一撃」謎理論と会心・必中。
#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/09/15
Metal ――どっちがやる?
無言のつばぜり合いを制したのは、ヒュンケルだった。
武器も持たず、奇っ怪な扉の前に進み出る。
「待たんかヒュンケル。話を聞いていたのか」
巨大な鉄のスライムが描かれた鈍色の壁には、古代文字で呪詛が綴られている。
秘宝を求める盗っ人どもよ。
我が扉を破るは、会心の一撃のみ。
資格無き者、たちどころに鉄と成れ。
扉に挑戦した盗賊たちがそこここで、アスパラガスよろしく石化している。
ここは某国僻地、財宝伝説の眠るひなびた村。
おかしな扉が発掘されてからと言うもの、欲にかられた旅人の犠牲者が絶えない。
純朴な村民たちに懇願された国王に懇願された暇人二人が、解決に駆り出された。
先の戦いの功労者、アバンの使徒ヒュンケルと元陸戦騎ラーハルトは、すっかり便利屋扱いだ。
1092無言のつばぜり合いを制したのは、ヒュンケルだった。
武器も持たず、奇っ怪な扉の前に進み出る。
「待たんかヒュンケル。話を聞いていたのか」
巨大な鉄のスライムが描かれた鈍色の壁には、古代文字で呪詛が綴られている。
秘宝を求める盗っ人どもよ。
我が扉を破るは、会心の一撃のみ。
資格無き者、たちどころに鉄と成れ。
扉に挑戦した盗賊たちがそこここで、アスパラガスよろしく石化している。
ここは某国僻地、財宝伝説の眠るひなびた村。
おかしな扉が発掘されてからと言うもの、欲にかられた旅人の犠牲者が絶えない。
純朴な村民たちに懇願された国王に懇願された暇人二人が、解決に駆り出された。
先の戦いの功労者、アバンの使徒ヒュンケルと元陸戦騎ラーハルトは、すっかり便利屋扱いだ。
Jeff
DOODLEhyunとまもの語とlarEtranger がきゅ。
朽木を折るような異音に、ラーハルトはびくりと覚醒する。
目の前には、薄目を開けたヒュンケルの微笑。
ぐぎ。
ラーハルトはため息をついて、彼の寝言に耳を傾ける。
疲労困憊でたどり着いた宿。
二人して泥酔し、ベッドに倒れ込んだ夜だった。
ヒュンケルが突如、奇妙な言葉で話し始めた。
……まもの語だ。
モンスターたちだけが共有する、原始的ながら詩的な言語。
ラーハルトは回らない頭で、聞き取りを試みる。
くく。がぎゃ。
「なんだって?」
ぎゅ。
ヒュンケルは幸せそうに笑って、ラーハルトの頬に触れた。
ぐぐぐぎゃ。
「?」
ぐぐぐぎゃ。ががが。
ラーハルトは必死に、以前学んだ文法を思い出す。
『ねえ、君。素敵な模様だね』
968朽木を折るような異音に、ラーハルトはびくりと覚醒する。
目の前には、薄目を開けたヒュンケルの微笑。
ぐぎ。
ラーハルトはため息をついて、彼の寝言に耳を傾ける。
疲労困憊でたどり着いた宿。
二人して泥酔し、ベッドに倒れ込んだ夜だった。
ヒュンケルが突如、奇妙な言葉で話し始めた。
……まもの語だ。
モンスターたちだけが共有する、原始的ながら詩的な言語。
ラーハルトは回らない頭で、聞き取りを試みる。
くく。がぎゃ。
「なんだって?」
ぎゅ。
ヒュンケルは幸せそうに笑って、ラーハルトの頬に触れた。
ぐぐぐぎゃ。
「?」
ぐぐぐぎゃ。ががが。
ラーハルトは必死に、以前学んだ文法を思い出す。
『ねえ、君。素敵な模様だね』
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/08/31 お題「卵」100分程
卵は生で食べるよりも加熱したほうが良いらしいですよ。温泉卵とか良いらしいです。
先生はいつだって虎視眈々とその場を狙っていると思います。 3
SKR
DOODLE「悪夢」 ラーヒュン ワンライ 2024.08.28. ヒュンケルは両親のことも好きだったが、ひとつ上の兄のことが誰よりも好きだった。
「お兄ちゃん!」
黒々とした甲虫を捕まえて駆け寄ると、手元を覗き込んできた兄ラーハルトは、ちょっと悔しそうに褒めてくれるのだった。
「やるじゃないかヒュンケル。オレのより大きい」
「カブトムシ相撲させよう!」
遠くで両親がご飯だぞと呼んでいる、幼い日の思い出。
ちょっと田舎の、ごく普通の家の、豪勢ではなくとも何不自由ない幸せな日々で、お兄ちゃんは良き遊び相手でもあり、ライバルでもあった。大好きだった。
買い物の仕方も、風呂の沸かし方も兄ラーハルトから教わった。
お兄ちゃん、リンゴってどうやって剥いたらいい?
お兄ちゃん、走るの速すぎ、待って。
2153「お兄ちゃん!」
黒々とした甲虫を捕まえて駆け寄ると、手元を覗き込んできた兄ラーハルトは、ちょっと悔しそうに褒めてくれるのだった。
「やるじゃないかヒュンケル。オレのより大きい」
「カブトムシ相撲させよう!」
遠くで両親がご飯だぞと呼んでいる、幼い日の思い出。
ちょっと田舎の、ごく普通の家の、豪勢ではなくとも何不自由ない幸せな日々で、お兄ちゃんは良き遊び相手でもあり、ライバルでもあった。大好きだった。
買い物の仕方も、風呂の沸かし方も兄ラーハルトから教わった。
お兄ちゃん、リンゴってどうやって剥いたらいい?
お兄ちゃん、走るの速すぎ、待って。
Jeff
DOODLEお題:「涙」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/08/25
Goddess「おおかた、偽装だ」
と、ヒュンケルがこともなげに言う。
「もしくは、科学だ。多孔質の瞳を埋め込まれている。雨をため込み、条件が揃えば水滴が漏れ出る」
今回の依頼は、涙を流す女神像の謎だ。
美しく整った街の中心にそびえる、異教の女神。
彼女の涙は凶兆であり、伝統を重んじる人々を恐怖に陥れていた。
「そんなわけだから。この樹脂でこっそり瞳をコーティングしてしまおう。彼女は二度と涙を流さない」
ヒュンケルは眉一つ動かさず、透明な液体を塗りつけている。
「それでいいのか」と、ラーハルト。
「伝承は伝承だ。迷信だとしても、意味はあるのではないか」
ヒュンケルは驚いたように、相棒を見下ろした。
759と、ヒュンケルがこともなげに言う。
「もしくは、科学だ。多孔質の瞳を埋め込まれている。雨をため込み、条件が揃えば水滴が漏れ出る」
今回の依頼は、涙を流す女神像の謎だ。
美しく整った街の中心にそびえる、異教の女神。
彼女の涙は凶兆であり、伝統を重んじる人々を恐怖に陥れていた。
「そんなわけだから。この樹脂でこっそり瞳をコーティングしてしまおう。彼女は二度と涙を流さない」
ヒュンケルは眉一つ動かさず、透明な液体を塗りつけている。
「それでいいのか」と、ラーハルト。
「伝承は伝承だ。迷信だとしても、意味はあるのではないか」
ヒュンケルは驚いたように、相棒を見下ろした。
SKR
DOODLE「反則」 ラーヒュン ワンライ 2024.08.24.『
迷宮の奥に隠されていた秘宝は、惚れ薬だった。
古語での記述があった。飲み込んで最初に見た者に恋をする薬だと。
結局あの瓶の存在を誰にも言えなかった。
言えないとはつまり、使うことを考えているのだろうか。自分が恐い。
食卓を共にする度にラーハルトの食器を見てしまう。
あそこに一滴、二滴と思ってしまう。駄目だ。やってはならない。
どちらにせよ大勢が居るところは危険だ。
飲み込んだあとに誰を見てしまうか分からない。
二人きりの食事だったが、今日は控えた。
まだ無理だ。一回目では、まだ向こうにも警戒心があるはずだ。
もう何回目の食事だろう。試しに水を注いでやったら飲んだ。
ではいよいよ次回、あの瓶を。そうしたら彼が手に入る。
1782迷宮の奥に隠されていた秘宝は、惚れ薬だった。
古語での記述があった。飲み込んで最初に見た者に恋をする薬だと。
結局あの瓶の存在を誰にも言えなかった。
言えないとはつまり、使うことを考えているのだろうか。自分が恐い。
食卓を共にする度にラーハルトの食器を見てしまう。
あそこに一滴、二滴と思ってしまう。駄目だ。やってはならない。
どちらにせよ大勢が居るところは危険だ。
飲み込んだあとに誰を見てしまうか分からない。
二人きりの食事だったが、今日は控えた。
まだ無理だ。一回目では、まだ向こうにも警戒心があるはずだ。
もう何回目の食事だろう。試しに水を注いでやったら飲んだ。
ではいよいよ次回、あの瓶を。そうしたら彼が手に入る。
Jeff
DOODLEお題:「旅行」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
現ぱろです🙏
2024/08/19
Arrival 飛ぶのが好きだ。
はるか昔、子供のころから。
ヒュンケルは楕円の窓にこめかみを付けて、主翼の先を見る。
上下し始めたフラップの向こうに、オレンジ色の朝日。
最新鋭機のガラスは霜も降りず、視界はクリア。人工的な色膜が張られているようで、どこか味気ない。
まだ眠っている家々の灯火を、朝焼けが優しく包み込む。
夜よ、君らの役割は終わった。目覚めのときだ。
――皆様。
当機は間もなく、着陸態勢に入ります。
シートベルトをしっかりとお締めください。
現地時刻は午前5時57分、外気温は摂氏14度。
天候は曇り。
滑走路の混雑が予想されております。
そのため今後の状況次第では――
大きく旋回するボーイング787の下に、街の全貌が見えた。
1947はるか昔、子供のころから。
ヒュンケルは楕円の窓にこめかみを付けて、主翼の先を見る。
上下し始めたフラップの向こうに、オレンジ色の朝日。
最新鋭機のガラスは霜も降りず、視界はクリア。人工的な色膜が張られているようで、どこか味気ない。
まだ眠っている家々の灯火を、朝焼けが優しく包み込む。
夜よ、君らの役割は終わった。目覚めのときだ。
――皆様。
当機は間もなく、着陸態勢に入ります。
シートベルトをしっかりとお締めください。
現地時刻は午前5時57分、外気温は摂氏14度。
天候は曇り。
滑走路の混雑が予想されております。
そのため今後の状況次第では――
大きく旋回するボーイング787の下に、街の全貌が見えた。
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/08/17 お題「旅行」100分程。
この後、数百年後の世界まで『ラーヒュン旅行記』として残ることになる一品である。
※よくあるゲーム本編には関係ないけど、民家や城や図書館とかの本棚を調べるとこっそりあったりするちょっとその地方のヒントが書いてあったりするやつになる。 2
SKR
DOODLE「おねだり」 ラーヒュン ワンライ 2024.08.14.「なあ、ラーハルト」
上目使いのヒュンケルからその呼びかけがあったら、おねだりだ。
「焼き鳥……」
今回は露店の焼き串が食べたかったようだ。ラーハルトは財布を取り出した。
「うーむ。まさかおまえがこんな甘ったれだったとは」
とか何とかぼやきながらも、基本的には願いはすべて聞いてやっている。というのも、どうやら甘える相手は誰彼かまわずというわけではなさそうなのだ。普段のヒュンケルは誰もが認めるアバンの使徒の長兄であり、己に厳しく、節度のある男だ。
そんな彼が、ラーハルトにだけは素直なのだ。
自分にだけ懐いているのだと思えば悪い気はしなかった。
なので。
「なあ、ラーハルト。福引き券……」
「おまえ当たったこともないくせに」
2647上目使いのヒュンケルからその呼びかけがあったら、おねだりだ。
「焼き鳥……」
今回は露店の焼き串が食べたかったようだ。ラーハルトは財布を取り出した。
「うーむ。まさかおまえがこんな甘ったれだったとは」
とか何とかぼやきながらも、基本的には願いはすべて聞いてやっている。というのも、どうやら甘える相手は誰彼かまわずというわけではなさそうなのだ。普段のヒュンケルは誰もが認めるアバンの使徒の長兄であり、己に厳しく、節度のある男だ。
そんな彼が、ラーハルトにだけは素直なのだ。
自分にだけ懐いているのだと思えば悪い気はしなかった。
なので。
「なあ、ラーハルト。福引き券……」
「おまえ当たったこともないくせに」
Jeff
DOODLEお題:「新品」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/08/04
Flashbacks「見てくれ、ラーハルト」
月光のごとく滑らかな頬を引き上げて、ヒュンケルが笑う。
「新品同様だ」
ラーハルトは黙って、力強い腕に触れる。
魔槍とは比べ物にならない重量を纏いながらも己を翻弄した、その無尽蔵の体力に。
「これでやっと、お前と並び立てる。戦士と名乗れる」
人形のような笑みに、ラーハルトは眼を閉じる。
「健康で、頑健で。お前と同じ速度で走れるんだ」
ヒュンケルの明朗な宣言に、ふと引きこまれそうな自分がいる。
すべての不安は解消。
腹の底に巣食う絶望は幻と化し、永遠の安堵にたゆたうことができる。
だが。
それでも。
「戻って来い」
と、ラーハルトは呼びかける。
冷徹で真摯な言葉に、ヒュンケルは俯く。
888月光のごとく滑らかな頬を引き上げて、ヒュンケルが笑う。
「新品同様だ」
ラーハルトは黙って、力強い腕に触れる。
魔槍とは比べ物にならない重量を纏いながらも己を翻弄した、その無尽蔵の体力に。
「これでやっと、お前と並び立てる。戦士と名乗れる」
人形のような笑みに、ラーハルトは眼を閉じる。
「健康で、頑健で。お前と同じ速度で走れるんだ」
ヒュンケルの明朗な宣言に、ふと引きこまれそうな自分がいる。
すべての不安は解消。
腹の底に巣食う絶望は幻と化し、永遠の安堵にたゆたうことができる。
だが。
それでも。
「戻って来い」
と、ラーハルトは呼びかける。
冷徹で真摯な言葉に、ヒュンケルは俯く。