mimi_ruru_241
DONEお題【お絵描き・絵画・美術】#kbdnワンドロ #kbdnワンドロ_163
※遅刻+2h
値札のつかない絵を描くdndと、色鉛筆をプレゼントするkbnの話。価値の基準はゼロの数だけじゃない。
キャンバスから眺める風景 そのこどもの手帳に刻まれた分刻みの縦線は、まるで檻のようだった。
たった数ヶ月前までは、ウールーとともに風を追い、草原を駆けるひとりの牧童だったダンデ。たった一枚の紹介状を握りしめ、のどかなふるさとから踏み出したその先で、彼は真価を発揮した。
流星のように現れ、ポケモンリーグという地に降り立ってもなお眩いその子の輝きに、ガラルの全てが熱狂した。ちいさな頭に王冠を戴いた彼の、一挙手一投足に無数の目が追って回る。
決勝戦の前に食べたサンドイッチ、寝る前に読み聞かせられた絵本、お気に入りのキャップ。ダンデという子どもを構成している、ただそれだけで、田舎町のパン屋は人が溢れるほどに繁盛した。絵本はどこの本屋でも品切れになった。キャップは「ダンデモデル」という名前で復刻されることになった。彼が何気なく口にした言葉は、彼の知らないところで金貨や銀貨に変わっていく。
3283たった数ヶ月前までは、ウールーとともに風を追い、草原を駆けるひとりの牧童だったダンデ。たった一枚の紹介状を握りしめ、のどかなふるさとから踏み出したその先で、彼は真価を発揮した。
流星のように現れ、ポケモンリーグという地に降り立ってもなお眩いその子の輝きに、ガラルの全てが熱狂した。ちいさな頭に王冠を戴いた彼の、一挙手一投足に無数の目が追って回る。
決勝戦の前に食べたサンドイッチ、寝る前に読み聞かせられた絵本、お気に入りのキャップ。ダンデという子どもを構成している、ただそれだけで、田舎町のパン屋は人が溢れるほどに繁盛した。絵本はどこの本屋でも品切れになった。キャップは「ダンデモデル」という名前で復刻されることになった。彼が何気なく口にした言葉は、彼の知らないところで金貨や銀貨に変わっていく。
肴飯のポイ箱
DONEお題『お絵かき・絵画・美術』絵心と、リベンジと、ちょっとした日常の話。
https://poipiku.com/6450412/7832908.html
と繋がっています。
よく見てみよう「どした?」
「……」
「えっ…本当になに?」
休日の朝。一通りのトレーニングを終えたキバナは、のんびりとカウチに座りながら数日前に発売されたポケモン雑誌を読んでいた。気になっていたコラムの続きを読もうと、ペラペラとページをめくっていたが、同居人がどうにもこうにも凄く熱い視線をずっと無言のまま向けてくること、三十分。最初は気のせいかと思っていたが、パチリと音が出そうなくらい目線がかち合った後も、何故かダンデは、座っているキバナを真正面から直立不動で見つめてくる。しかも、焦れたキバナがあれこれ話しかけても全く反応は無く、只々この謎な状態が続いている。
ダンデは、口で説明するよりも行動で示す方が速いと思うと、時々突拍子もない行動に出ることがある。後から理由を聞くと、なるほど。という内容も多いが、理由を聞いても首を傾げる内容の時もある。今はどちらだろうか。そう考えながら、キバナはつやりと輝きながらこちらを見つめてくる琥珀色をぼんやりと眺めたのだった。
2011「……」
「えっ…本当になに?」
休日の朝。一通りのトレーニングを終えたキバナは、のんびりとカウチに座りながら数日前に発売されたポケモン雑誌を読んでいた。気になっていたコラムの続きを読もうと、ペラペラとページをめくっていたが、同居人がどうにもこうにも凄く熱い視線をずっと無言のまま向けてくること、三十分。最初は気のせいかと思っていたが、パチリと音が出そうなくらい目線がかち合った後も、何故かダンデは、座っているキバナを真正面から直立不動で見つめてくる。しかも、焦れたキバナがあれこれ話しかけても全く反応は無く、只々この謎な状態が続いている。
ダンデは、口で説明するよりも行動で示す方が速いと思うと、時々突拍子もない行動に出ることがある。後から理由を聞くと、なるほど。という内容も多いが、理由を聞いても首を傾げる内容の時もある。今はどちらだろうか。そう考えながら、キバナはつやりと輝きながらこちらを見つめてくる琥珀色をぼんやりと眺めたのだった。
en12412411
DOODLEショタキダちゃんたち1,2枚目は単体、3枚目はキダ(肌色多め)、4枚目はキダ+ネニキ1ページ漫画です。
Twitterにあげたものと同じですが、ここでは3枚目(肌色多め)の全体絵を載せてます。
キダちゃんには大人になるまでに二人で色々な経験積んでてほしい 4
pimankoubo
DONEワンドロお題『お絵かき・絵画・美術』
#kbdnワンドロ
#kbdnワンドロ_163
お借りしました
キョダイゲンカク。
死ねたです
惜別のひ惜別の火
ゆらゆらと炎が瞬く。
だんだん細く、弱々しくなるそれをダンデは何も言わずただじっと見つめていた。
炎に照らされたその顔は20年前チャンピオンだった頃と比べ張りがなくなり、歳相応に目元には皺が浮かんでいる。
ゆらゆら、ゆらゆら
いつでも自分の行く先を照らしてくれた炎が、だんだん、だんだん細く小さくなっていく。
ゆら……ゆら……ゆらゆら
消えかけては、少しだけ持ち直す。
これをどれだけ繰り返したのだろうか。
炎が小さくなる度にひゅっと息をのみその様子を見守る。
もういい、もう無理しなくていい。
そういってやりたいのになかなかそういってはやれなくて、情けなく眉を下げれば、そんな顔をするなと言うかのように炎に力が戻る。
7024ゆらゆらと炎が瞬く。
だんだん細く、弱々しくなるそれをダンデは何も言わずただじっと見つめていた。
炎に照らされたその顔は20年前チャンピオンだった頃と比べ張りがなくなり、歳相応に目元には皺が浮かんでいる。
ゆらゆら、ゆらゆら
いつでも自分の行く先を照らしてくれた炎が、だんだん、だんだん細く小さくなっていく。
ゆら……ゆら……ゆらゆら
消えかけては、少しだけ持ち直す。
これをどれだけ繰り返したのだろうか。
炎が小さくなる度にひゅっと息をのみその様子を見守る。
もういい、もう無理しなくていい。
そういってやりたいのになかなかそういってはやれなくて、情けなく眉を下げれば、そんな顔をするなと言うかのように炎に力が戻る。
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題「寝坊」
油断した1人と、それを見てニンマリする1人の話。
※自我強いお馴染み秘書さんいます
※ナチュラル同棲
愛の切れ端 腹に絡まる温い体温に、瞼に刺さる太陽の熱。やけに煩いココガラの声、鳴り止まぬアラーム音。それらが薄い膜一枚巻いたような心地で感じたダンデは、暫くはぼんやりとシーツに懐いていたが、やがてそれらの意味を正しく理解した。
「…っやばいぜこれは!!」
今までに何度も経験してきた中でも特段アウトな予感のフルコンボに、内心冷や汗を掻いて、ベッドから背筋を使って勢いよく起き上がる。一緒に寝床へと潜り込んだチョコレート色の肌をしたドラゴンが、未だに横で呑気にスヤスヤと眠り込んでいた。休日ならずっと眺めていたいその顔も、今のこの原因を作った一因でもあるので只々憎らしい。
「っこの!起きろっ!!」
これくらいしないと起きないし。なんてちょっとだけ恨みを晴らす言い訳をしながら、鬱血痕と噛み跡だらけの右足で、背中に爪痕が残る大男の背中を思い切り蹴り飛ばした。
2944「…っやばいぜこれは!!」
今までに何度も経験してきた中でも特段アウトな予感のフルコンボに、内心冷や汗を掻いて、ベッドから背筋を使って勢いよく起き上がる。一緒に寝床へと潜り込んだチョコレート色の肌をしたドラゴンが、未だに横で呑気にスヤスヤと眠り込んでいた。休日ならずっと眺めていたいその顔も、今のこの原因を作った一因でもあるので只々憎らしい。
「っこの!起きろっ!!」
これくらいしないと起きないし。なんてちょっとだけ恨みを晴らす言い訳をしながら、鬱血痕と噛み跡だらけの右足で、背中に爪痕が残る大男の背中を思い切り蹴り飛ばした。
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DONEコンビニの深夜シフトに入ってるバイトのダンデくんと、いつもタバコを一箱買っていくキバナさんのお話。バニラフレイバーの常連さん あ、また来た。
その姿を見るたび、ダンデの頭には「六番」の数字が浮かぶ。彼とその番号は絶対的に紐づいていて、「お箸はいくつお付けしますか」の言葉と同じく、ダンデの体に染み付いたものだった。
彼はいつも、店内を少しだけ回る。けれど何も手に持たないまま、菓子パンの棚を通ってまっすぐレジにやってくるのだ。
「こんばんは。今日もタバコ、六番ください」
にこり、と音でも聞こえそうなほどの綺麗な笑顔。まっすぐ通った鼻梁や、やわらかく垂れる眦、黄金比に基づいた弧を描く唇の美しさは、今が深夜であるとは思えないほどみずみずしい。すっかり見慣れてしまったダンデは「少々お待ちください」と待たせることなく棚から取り出し、カウンターに置いた。
5210その姿を見るたび、ダンデの頭には「六番」の数字が浮かぶ。彼とその番号は絶対的に紐づいていて、「お箸はいくつお付けしますか」の言葉と同じく、ダンデの体に染み付いたものだった。
彼はいつも、店内を少しだけ回る。けれど何も手に持たないまま、菓子パンの棚を通ってまっすぐレジにやってくるのだ。
「こんばんは。今日もタバコ、六番ください」
にこり、と音でも聞こえそうなほどの綺麗な笑顔。まっすぐ通った鼻梁や、やわらかく垂れる眦、黄金比に基づいた弧を描く唇の美しさは、今が深夜であるとは思えないほどみずみずしい。すっかり見慣れてしまったダンデは「少々お待ちください」と待たせることなく棚から取り出し、カウンターに置いた。
pimankoubo
DONEワンドロお題お題『スーパー・コンビニ・買い出し』
#kbdnワンドロ
#kbdnワンドロ_162
とあるモブの話 私はモブ。
どこにでもいる至って普通のモブである。
私はナックルシティのコンビニで働くフリーター。
あのブラックナイトよりさらにブラックなこのコンビニに勤め始めて早3年、本当はかの名門ナックルジムのジムトレーナーを目指して田舎から出てきた筈だった。
しかしはじめて採用試験を受けたとき最初は順調にいけたのに最終の試験でポカをやらかした。
その次も、さらにその次も……3度目の正直になったかもしれない今年はまたポカをやらかすのが怖くて応募さえしていない。
これはもう、潔く諦めた方が良いかもしれない。
諦めて田舎でりんご農家を継いだほうが将来は楽かもしれない。
そんな事を考えながら今日も今日とて連勤記録を伸ばし続けている。
2444どこにでもいる至って普通のモブである。
私はナックルシティのコンビニで働くフリーター。
あのブラックナイトよりさらにブラックなこのコンビニに勤め始めて早3年、本当はかの名門ナックルジムのジムトレーナーを目指して田舎から出てきた筈だった。
しかしはじめて採用試験を受けたとき最初は順調にいけたのに最終の試験でポカをやらかした。
その次も、さらにその次も……3度目の正直になったかもしれない今年はまたポカをやらかすのが怖くて応募さえしていない。
これはもう、潔く諦めた方が良いかもしれない。
諦めて田舎でりんご農家を継いだほうが将来は楽かもしれない。
そんな事を考えながら今日も今日とて連勤記録を伸ばし続けている。
pimankoubo
DONEワンドロお題「寝坊、夜更かし」 キバナと二人空を見上げる。
もうすでに時間は2時をまわり夜更かしというよりは徹夜といった方が良いそんな時間に二人はベッドに腰掛け寄り添いながら空を見上げていた。
「なぁ、キバナ」
「なぁにダンデ」
「ここ数日、いろんな事があったなぁ……」
「そうだな……ナックルシティが壊滅しかけたり、お前が死にかけたり……」
「チャンピオンじゃなくなったり……な」
ブラックナイトにローズ委員長の逮捕、死にかける程の大怪我に、10年間チャンピオンとして戦ってきて初めての敗北。チャンピオンじゃなくなってからも毎日のように復興のために走り回り、漸くこうやってキバナとゆっくり話せたのは1週間程ぶりだった。
「俺、負けるなら君に負けるって思ってたんだ」
1683もうすでに時間は2時をまわり夜更かしというよりは徹夜といった方が良いそんな時間に二人はベッドに腰掛け寄り添いながら空を見上げていた。
「なぁ、キバナ」
「なぁにダンデ」
「ここ数日、いろんな事があったなぁ……」
「そうだな……ナックルシティが壊滅しかけたり、お前が死にかけたり……」
「チャンピオンじゃなくなったり……な」
ブラックナイトにローズ委員長の逮捕、死にかける程の大怪我に、10年間チャンピオンとして戦ってきて初めての敗北。チャンピオンじゃなくなってからも毎日のように復興のために走り回り、漸くこうやってキバナとゆっくり話せたのは1週間程ぶりだった。
「俺、負けるなら君に負けるって思ってたんだ」
pimankoubo
DONEキダお題のやつごじれたけどやっぱくっつけ!!!!「覚えてないならいい」
明け方のリビングでそういったダンデの顔は見たこともないくらい悲しそうな表情で、瞳には涙が浮かんでいた。
俺様が先ほどの自分を殺したくなるのと同時に涙の浮かぶダンデの瞳を見れなくて床に視線を落とせば。
「君と結ばれることが出来たと思って嬉しかったのに……」
とダンデがポツリと言った。
その言葉にキバナが顔を上げるよりも早くダンデが窓の方へ向かっていく。
そして自分の伸ばした指先が触れるよりも早くオレンジの風と共に空の向こうへ飛びさってしまった。
キバナはダンデの事が好きだった。
はじめはいけすかないやつだと思っていたのにバトルをする度、素のあいつを知る度に惹かれていきいつの間にかダンデの笑顔が、甘いものが好きなところが、暗がりが怖いところが、キャンプで見た髪の毛を爆発させた姿がかわいいと思うようになり、最終的には恋に落ちていた。
3842明け方のリビングでそういったダンデの顔は見たこともないくらい悲しそうな表情で、瞳には涙が浮かんでいた。
俺様が先ほどの自分を殺したくなるのと同時に涙の浮かぶダンデの瞳を見れなくて床に視線を落とせば。
「君と結ばれることが出来たと思って嬉しかったのに……」
とダンデがポツリと言った。
その言葉にキバナが顔を上げるよりも早くダンデが窓の方へ向かっていく。
そして自分の伸ばした指先が触れるよりも早くオレンジの風と共に空の向こうへ飛びさってしまった。
キバナはダンデの事が好きだった。
はじめはいけすかないやつだと思っていたのにバトルをする度、素のあいつを知る度に惹かれていきいつの間にかダンデの笑顔が、甘いものが好きなところが、暗がりが怖いところが、キャンプで見た髪の毛を爆発させた姿がかわいいと思うようになり、最終的には恋に落ちていた。
pimankoubo
DONEこじれる前にくっつけ!!!!by青椒キダお題のやつ「覚えてないならいい」
明け方のリビングでそういったダンデの顔は見たこともないくらい悲しそうな表情で、瞳には涙が浮かんでいた。
俺様が先ほどの自分を殺したくなるのと同時に涙の浮かぶダンデの瞳を見れなくて床に視線を落とせば。
「君と結ばれることが出来たと思って嬉しかったのに……」
とダンデがポツリと言った。
その言葉にキバナが顔を上げるよりも早くダンデが窓の方へ向かっていく。
そして自分の伸ばした指先が触れるよりも早くオレンジの風と共に空の向こうへ飛びさってしまった。
キバナはダンデの事が好きだった。
はじめはいけすかないやつだと思っていたのにバトルをする度、素のあいつを知る度に惹かれていきいつの間にかダンデの笑顔が、甘いものが好きなところが、暗がりが怖いところが、キャンプで見た髪の毛を爆発させた姿がかわいいと思うようになり、最終的には恋に落ちていた。
3496明け方のリビングでそういったダンデの顔は見たこともないくらい悲しそうな表情で、瞳には涙が浮かんでいた。
俺様が先ほどの自分を殺したくなるのと同時に涙の浮かぶダンデの瞳を見れなくて床に視線を落とせば。
「君と結ばれることが出来たと思って嬉しかったのに……」
とダンデがポツリと言った。
その言葉にキバナが顔を上げるよりも早くダンデが窓の方へ向かっていく。
そして自分の伸ばした指先が触れるよりも早くオレンジの風と共に空の向こうへ飛びさってしまった。
キバナはダンデの事が好きだった。
はじめはいけすかないやつだと思っていたのにバトルをする度、素のあいつを知る度に惹かれていきいつの間にかダンデの笑顔が、甘いものが好きなところが、暗がりが怖いところが、キャンプで見た髪の毛を爆発させた姿がかわいいと思うようになり、最終的には恋に落ちていた。
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題『ベッド・寝床』⌛️1h +40分
力いっぱい抱きしめたいなって思いながら眠る話。ちいちゃい生き物が寝てる姿って何時間でも眺めてられる気がします。
※ポメガバ
※同棲恋人設定
言っていいよ 数時間前迄は煌々と輝いていた街の明かりも寂しくなってきた時間。数ヶ月に一度行う大規模なワイルドエリアの巡回作業を終えたキバナは、ヘトヘトになりつつも我が家までの道のりを、タクシー乗り場から重くなった足を引き摺りながら歩いていた。最後の難関(と勝手に思っている)坂道を越えて辿り着いた玄関は、ドアライトも、リビングに続く廊下の電気も点いたままになっていた。もしかして、という期待がムクリと顔を上げてくる。
「ダンデ、ただいまー」
しかし、どんなに遅い時間になってもキバナが帰宅すると、顔を見にもぞもぞと玄関までやってくることが多いダンデの姿が無いことに少しだけ肩を落とす。まあ、流石にこんな時間だ。今日は寝ているのだろうと思いながらリビングへと入る。リビングの中も、廊下と同じくすべての電気が点けられていた。 そしてその明かりの下、キバナは散々たる光景を目にすることになった。
2035「ダンデ、ただいまー」
しかし、どんなに遅い時間になってもキバナが帰宅すると、顔を見にもぞもぞと玄関までやってくることが多いダンデの姿が無いことに少しだけ肩を落とす。まあ、流石にこんな時間だ。今日は寝ているのだろうと思いながらリビングへと入る。リビングの中も、廊下と同じくすべての電気が点けられていた。 そしてその明かりの下、キバナは散々たる光景を目にすることになった。
pimankoubo
DONEキバダンワンドロお題「手紙、ラブレター」
お借りしました
そんなことまで対策してない!!二人の馴れ初め編 静かな部屋にカリカリとペン先が文字を紡ぐ音が響いている。
紙の上には口下手な自分が思い付く限りの彼への思いがたくさんたくさんつまっている。
カリカリ……カリカリ…‥……
便箋5枚分にもおよぶけして送る事のないこの手紙は所謂ラブレターというもので、ダンデがキバナに恋をしてから、キバナに対して好きだ!と胸を踊らせるたびに書いてはキバナから貰ったクッキーの缶詰めにしまい書いてはしまいをしているうちに一枚、また一枚と封筒が増えていき今では缶詰めに収まりきらなくなりそうな程になっている。
今日は、バトルの後にタオルを忘れたダンデにさっとタオルとドリンクボトルまで差し出してくれた。
「あ、あり…がとう」
「いいよ、俺様いつもお前がなにか忘れた時用に常に予備持つようにしてるし」
3690紙の上には口下手な自分が思い付く限りの彼への思いがたくさんたくさんつまっている。
カリカリ……カリカリ…‥……
便箋5枚分にもおよぶけして送る事のないこの手紙は所謂ラブレターというもので、ダンデがキバナに恋をしてから、キバナに対して好きだ!と胸を踊らせるたびに書いてはキバナから貰ったクッキーの缶詰めにしまい書いてはしまいをしているうちに一枚、また一枚と封筒が増えていき今では缶詰めに収まりきらなくなりそうな程になっている。
今日は、バトルの後にタオルを忘れたダンデにさっとタオルとドリンクボトルまで差し出してくれた。
「あ、あり…がとう」
「いいよ、俺様いつもお前がなにか忘れた時用に常に予備持つようにしてるし」
肴飯のポイ箱
DONEワンドロ開催ありがとうございます!お題『手紙 ラブレター』
⌛️遅刻+1時間
自覚は、時にいきなりくるよねっていう話
根こそぎ全部 明かりをつけても少し薄暗く感じてしまう室内に、ダンデとキバナは立っていた。
視線を巡らせる先全てには、本と雑誌、そしてまた本。積み上がったそれらは不思議なバランスを保って、奇跡的に雪崩を起こさずに鎮座している。その隙間を縫うように小さな木製の丸椅子が一つ、申し訳程度に壁際へと置かれている。よく見ると、低めの棚かと思っていたものは本を限界まで積まれているベッドのようだった。
先程通されたリビング兼ダイニングの部屋は、モデルルームみたいに最低限の物しか置かれていなかったので、その分目の前に広がる本の洪水のような光景に驚きを隠せない。隣で悪戯が見つかった子どものように気まずそうな顔で笑っているダンデに、言いたい事を色々と飲み込んでキバナは深いため息を吐いた。
3069視線を巡らせる先全てには、本と雑誌、そしてまた本。積み上がったそれらは不思議なバランスを保って、奇跡的に雪崩を起こさずに鎮座している。その隙間を縫うように小さな木製の丸椅子が一つ、申し訳程度に壁際へと置かれている。よく見ると、低めの棚かと思っていたものは本を限界まで積まれているベッドのようだった。
先程通されたリビング兼ダイニングの部屋は、モデルルームみたいに最低限の物しか置かれていなかったので、その分目の前に広がる本の洪水のような光景に驚きを隠せない。隣で悪戯が見つかった子どものように気まずそうな顔で笑っているダンデに、言いたい事を色々と飲み込んでキバナは深いため息を吐いた。
肴飯のポイ箱
DOODLEワンドロ開催ありがとうございます!お題「ポーズ」
自覚と無自覚の境目についての話。
※幼少期
※捏造カメラマンがいる
※kbnさんほぼ出てこない
キミだけに見せていた 黒々としたコード類と、名前が分からない背の高い機器達に囲まれて、ダンデは試合前ですら感じたことの無い緊張感で足がすくむ。ポケモン関係の雑誌へ掲載する特集記事に向けた撮影だと、事前に聞いていたが、ここまで大掛かりな撮影は初めてだ。
ダンデにとって、写真を撮るといえば家にある年代物のカメラのタイマー機能でハイポーズ。位しか経験していなかったし、ジムチャレンジ中はポケモンバトルに夢中になり過ぎて、母親から渡されたスマホは、図鑑を見ることくらいにしか使っていなかった。第一、写真を撮る時には「みんなで集まって」とか、いつ撮られるのかよく分からないままじっとさせられるのがダンデは苦手だったのだ。
そんな、写真に対して殆ど知識も経験も無い子どもが、まさかこんな本格的なスタジオで写真を撮るなんて想像していなかった。
1761ダンデにとって、写真を撮るといえば家にある年代物のカメラのタイマー機能でハイポーズ。位しか経験していなかったし、ジムチャレンジ中はポケモンバトルに夢中になり過ぎて、母親から渡されたスマホは、図鑑を見ることくらいにしか使っていなかった。第一、写真を撮る時には「みんなで集まって」とか、いつ撮られるのかよく分からないままじっとさせられるのがダンデは苦手だったのだ。
そんな、写真に対して殆ど知識も経験も無い子どもが、まさかこんな本格的なスタジオで写真を撮るなんて想像していなかった。
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DOODLEdnd♀が結婚するキバダン♀の話(ハッピーキバダン♀エンド)です。一年位前にTwitterやキダオンイベで途中まで載せていたものの完成版です。
キダ♀の祭典おめでとうございます!
素敵な企画をありがとうございます!
PASS:キダの数字4けた
感想などございましたら→ https://wavebox.me/wave/9vfwnqwx83uj9ksh/ 15
ごろみ
DONE付き合ってても付き合ってなくてもいいな〜なキダちゃん。アレは描けないので隠しました!!!
すけべだと感じないかもしれません。
でも私にとって背中の💋はすけべでした。
2枚目は今回お気に入りのダさんの顔です!!
パスワードはキダちゃんの数字です 2
mimi_ruru_241
DONEプレゼントを贈るのが苦手なダンデと、ずっと気づいてもらえてないキバナの話。プレゼントは、選んでる時間も含めて贈り物。高級鞄にキーホルダー ダンデのポケットにはいつも、ジュラルドンの小さなキーホルダーが入っている。ダンデはときどき、ポケットの中で、すこし汗ばんだ手でそれを握る。けれどすぐに、しょんぼりと手放している。そういうとき、目の前には必ずキバナという男がいる。
このキーホルダーは、チョコレートのおまけでついてくるものだ。箱を開くまでは、何が入っているのか分からない。ダンデはここしばらく、ずいぶんとチョコレートを食べた。メタモンだったり、ミミッキュだったり、かわいらしいポケモンがずらりと棚の上に並んでゆく。
今度こそ、と開いた中にモルペコ(これでみっつめだ)を見つけたとき、もういい加減やめようと思った。甘いものを食べすぎたせいか、ぽっつりとニキビができてしまっていたし、なによりお目当てのものが出てきたところで、どうすればいいのか分からない。これで終わりにしよう、と適当に破った小袋に、幸運の女神は微笑んだ。
3978このキーホルダーは、チョコレートのおまけでついてくるものだ。箱を開くまでは、何が入っているのか分からない。ダンデはここしばらく、ずいぶんとチョコレートを食べた。メタモンだったり、ミミッキュだったり、かわいらしいポケモンがずらりと棚の上に並んでゆく。
今度こそ、と開いた中にモルペコ(これでみっつめだ)を見つけたとき、もういい加減やめようと思った。甘いものを食べすぎたせいか、ぽっつりとニキビができてしまっていたし、なによりお目当てのものが出てきたところで、どうすればいいのか分からない。これで終わりにしよう、と適当に破った小袋に、幸運の女神は微笑んだ。
pimankoubo
DONEワンドロのお題お借りしました。別れてくっつくキダです。
金碧珠の地のはてでワンドロお題 水
金碧珠の地のはてで
波紋を立てる水面を見つめる。
ダンデの瞳からしょっぱい水が転がり落ちる度に波紋が立ちその度に、水面に映るダンデの姿がゆらゆらと揺れる。
本当ならば今日はキバナと二人でキャンプを楽しんでいるはずだったのに、今のダンデはひとりぼっちでキバ湖を見つめていた。
また一つころりと落ちた水が波紋を立てる。
すんと鼻をならし先週の出来事を思い出す。
きっかけは些細なことだった。
お互いに仕事が忙しかったり、生活のリズムが乱れ小さなイライラがたまっていた。
普段なら気にならないことが気にさわり、顔を合わせれば言い合いが続いた。
そしてついに先週の土曜日、久しぶりに重なったオフの日その日は朝から言い合いが始まった。
8912金碧珠の地のはてで
波紋を立てる水面を見つめる。
ダンデの瞳からしょっぱい水が転がり落ちる度に波紋が立ちその度に、水面に映るダンデの姿がゆらゆらと揺れる。
本当ならば今日はキバナと二人でキャンプを楽しんでいるはずだったのに、今のダンデはひとりぼっちでキバ湖を見つめていた。
また一つころりと落ちた水が波紋を立てる。
すんと鼻をならし先週の出来事を思い出す。
きっかけは些細なことだった。
お互いに仕事が忙しかったり、生活のリズムが乱れ小さなイライラがたまっていた。
普段なら気にならないことが気にさわり、顔を合わせれば言い合いが続いた。
そしてついに先週の土曜日、久しぶりに重なったオフの日その日は朝から言い合いが始まった。
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題「水」
⌛️遅刻+40分くらい!
※isオーバー後
※ナチュラル結婚後
想像よりも「良い」ってなる話。
水も滴るなんとやらナックルシティにある閑静な住宅街。綺麗に整えられた庭木に囲まれた中庭では、大きめの滑り台までついたビニールプールが二つ。一つには並々と水が張られ、もう片方には赤褐色の砂が同じように盛られていた。
「大きいプール、買って良かったな。即席の砂場も、簡易的だが結構楽しんでくれていて安心した」
「ほんと、買って良かったわ」
今年のガラルの夏は、例年以上の気温を日々叩き出しており、日差しがキツい日は暑さを好むコータスですら少しへばっている様子があった。ジュラルドンに至っては、熱によって体の表面温度が上がりすぎてしまい、下手に触れると火傷の危険があるレベルだった。そのせいか、生まれたばかりのまだ幼いポケモン達は、日中あまりボールから出たがらなくなる子が増えてしまった。
1111「大きいプール、買って良かったな。即席の砂場も、簡易的だが結構楽しんでくれていて安心した」
「ほんと、買って良かったわ」
今年のガラルの夏は、例年以上の気温を日々叩き出しており、日差しがキツい日は暑さを好むコータスですら少しへばっている様子があった。ジュラルドンに至っては、熱によって体の表面温度が上がりすぎてしまい、下手に触れると火傷の危険があるレベルだった。そのせいか、生まれたばかりのまだ幼いポケモン達は、日中あまりボールから出たがらなくなる子が増えてしまった。
pimankoubo
DONEワンドロお題「太陽」キバダンワンドロのお題お借りしました。
こちらは前日譚のような感じです。
R18です。フライングプラス一時間です。
キバナさんにとってダンデさんが太陽なように、ダンデさんにとってのキバナさんも太陽でお互い強烈な光を放ち引かれあって欲しい。 5191
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題「アルコール」
湖畔に石を投げ込むか悩む1人と、確信が欲しくて湖畔で待ち構えている1人の話
拙者!これからキダになるっていうのが好き侍と申す!!!
今、君を想う「マスター、いつもの。」
「かしこまりました。」
バーカウンターの端へ座り、いつの頃からか名前を言わなくとも伝わるようになってしまった注文をしてから、ホッと一息吐く。
閉店間際とはいかないまでも、大分夜も遅い時間帯。元々カウンターと、数箇所の丸テーブルが置かれている駅からも離れたこじんまりとした店だ。店内にはダンデ以外人影もない。それを分かっているので、変装として被っていた帽子を取り、後ろで一纏めにしていた髪を解く。そのタイミングを待っていたかのように、シェイカーの音が止む。
「ブルーラグーン、お待たせ致しました。」
「ありがとう。」
トンっと、鏡のように丹念に磨き込まれたカウンターテーブルに置かれた空とも海とも言えないような色のカクテルを前に、ダンデは片肘をついて思考を巡らす。
2022「かしこまりました。」
バーカウンターの端へ座り、いつの頃からか名前を言わなくとも伝わるようになってしまった注文をしてから、ホッと一息吐く。
閉店間際とはいかないまでも、大分夜も遅い時間帯。元々カウンターと、数箇所の丸テーブルが置かれている駅からも離れたこじんまりとした店だ。店内にはダンデ以外人影もない。それを分かっているので、変装として被っていた帽子を取り、後ろで一纏めにしていた髪を解く。そのタイミングを待っていたかのように、シェイカーの音が止む。
「ブルーラグーン、お待たせ致しました。」
「ありがとう。」
トンっと、鏡のように丹念に磨き込まれたカウンターテーブルに置かれた空とも海とも言えないような色のカクテルを前に、ダンデは片肘をついて思考を巡らす。
肴飯のポイ箱
DOODLEワンドロお題「ハネムーン」
⌛️もう半日以上書いてた…ハネムーンに対して熱い思いが止められなかった。
2人はなんだかんだで似てるねって話です。
ちょろっと🔥💧🌱の3人出ます。
その流れ星さえも欲しい ハネムーン。その言葉を聞いて、ガラルに住んでいる人ならば大抵はアローラ、パルデア…少し遠いけれどジョウト辺りなどを候補に挙げてくる事が多い。キバナも例に漏れず、ダンデとの待ちに待ったハネムーン休暇をどこで過ごそうかと、こっそり雑誌やネットで情報を見ながら考えていたのだが。
『キミとワイルドエリアを一緒に冒険してみたい。』
なんて、ハネムーンの場所の打診をした時に、愛しいパートナーからキラキラとした顔で言われてしまえば、キバナはそれまで読んでいた雑誌なんて即座にリサイクルポスト用のボックスに放り込んだし、スマホのブックマークも消去し、首を縦に振っていた。休暇申請をジムに提出した際、リョウタは眼鏡がズレるくらい驚いていたし、ダンデの秘書からは「本当にこの申請場所で合ってます?」という確認の電話が来たが、「合ってるんだなこれが。」としか返せなかった。
5483『キミとワイルドエリアを一緒に冒険してみたい。』
なんて、ハネムーンの場所の打診をした時に、愛しいパートナーからキラキラとした顔で言われてしまえば、キバナはそれまで読んでいた雑誌なんて即座にリサイクルポスト用のボックスに放り込んだし、スマホのブックマークも消去し、首を縦に振っていた。休暇申請をジムに提出した際、リョウタは眼鏡がズレるくらい驚いていたし、ダンデの秘書からは「本当にこの申請場所で合ってます?」という確認の電話が来たが、「合ってるんだなこれが。」としか返せなかった。
mochi_kog
MENU6/25ジューンブライドフェスにて委託で頒布するエロ本のサンプルです。ハ01bにおりますので良ければお越しください!
A5/22P/¥300/R-18
パスワードは例の数字 13
肴飯のポイ箱
DONEワンドロ「雨音」⏳1時間半位
ちょっとした事が雨のように降り積もると、幸せになるねって言う話です。
幸せの足音 パラパラと窓ガラスに雨粒が当たる音がし始め、冷えた空気が急速に湿っぽい香りを届けにくる。
「やっぱり降ってきたか」
「ロロ!ロトムの言う通り、洗濯物しまってて良かったロ〜!」
「そうだな。ロトム、いつも助かってるぜ」
ふわふわと浮かびながら飛び回るスマホロトムを指先で撫でてやると、それだけで小さな電気の光を飛び散らせながら喜ぶ。その可愛らしい姿に、ダンデは笑いながら雨が降る前に引っ張り込んできた、洗濯物がたっぷり入った籠を抱えて同じように笑う。雨音に気付いたヌメルゴンが、最近生まれたばかりのまだ小さなヌメラを腕に抱えてウッドデッキに繋がるガラス戸の前へとやってくる。大好きな水の気配と、窓やウッドデッキの床を叩く雨音が楽しいのか、まだ幼いヌメラはヌメルゴンの腕の中で興奮気味に「んめっ!めっ!めら〜」と体を揺らし、雨音に合わせて鳴いていた。それとは逆に、あまり雨が好きではないコータスやジュラルドンは自分からリビングにあるボールホルダーの所へ行き、ボールの中に入っていく。リザードンに至ってはロトムから雨が降ることを聞いて早々にボールに入っている。
2020「やっぱり降ってきたか」
「ロロ!ロトムの言う通り、洗濯物しまってて良かったロ〜!」
「そうだな。ロトム、いつも助かってるぜ」
ふわふわと浮かびながら飛び回るスマホロトムを指先で撫でてやると、それだけで小さな電気の光を飛び散らせながら喜ぶ。その可愛らしい姿に、ダンデは笑いながら雨が降る前に引っ張り込んできた、洗濯物がたっぷり入った籠を抱えて同じように笑う。雨音に気付いたヌメルゴンが、最近生まれたばかりのまだ小さなヌメラを腕に抱えてウッドデッキに繋がるガラス戸の前へとやってくる。大好きな水の気配と、窓やウッドデッキの床を叩く雨音が楽しいのか、まだ幼いヌメラはヌメルゴンの腕の中で興奮気味に「んめっ!めっ!めら〜」と体を揺らし、雨音に合わせて鳴いていた。それとは逆に、あまり雨が好きではないコータスやジュラルドンは自分からリビングにあるボールホルダーの所へ行き、ボールの中に入っていく。リザードンに至ってはロトムから雨が降ることを聞いて早々にボールに入っている。
Coyoteちゃん
INFO5月28日のインテで出す予定のコピ本です表紙はカラーになってますが実物はもう少し色が違う可能性あります。
20ページくらい?になる予定です。
R18 のためパスかけてます。
パスはキダの数字 6
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題「風の強い日」
⏳🐈に妨害されつつ約2時間
風の音って子どもの頃ちょっと怖かったなっていう思い出と、全てを塗り替えてくれる人の話。
※恋人設定
風の強い日 子どもの頃、ダンデは夜中に風に揺れて鳴る窓の音が怖くて仕方なかった。
耳を塞いでも枕の下に頭を捩じ込んでも耳に突き抜けてくる、まるで呻き声のような不気味な音は、風のせいだと聞いていても怖くて怖くて。そういう日はそろりと足音を立てないように両親の寝室まで行って2人のベッドに忍び込んだ。自分とは違う体温と、そっと撫でてくれる大きな掌に安心して夢の中に沈むことができたのだった。
鈍色の空の中を、揺れる木々からちぎり飛ばされた枝葉が低い唸り声をあげながら飛び回っている。与えられた伽藍堂の部屋の窓から見上げるそれは、ハロンの時よりも何故か恐ろしく感じて、毎回ポケモン達を全員ボールから出して一緒に雑魚寝をしてもらっていた。キャンプ用の寝袋を床に敷いて、臆病な性格なのにダンデのことを守るように横に寝そべった一番の相棒にしがみつき、その温かいザラザラとした肌を感じながら、何故か胸の中に吹き続ける隙間風には気付かないふりをして夜を明かしたものだった。
1938耳を塞いでも枕の下に頭を捩じ込んでも耳に突き抜けてくる、まるで呻き声のような不気味な音は、風のせいだと聞いていても怖くて怖くて。そういう日はそろりと足音を立てないように両親の寝室まで行って2人のベッドに忍び込んだ。自分とは違う体温と、そっと撫でてくれる大きな掌に安心して夢の中に沈むことができたのだった。
鈍色の空の中を、揺れる木々からちぎり飛ばされた枝葉が低い唸り声をあげながら飛び回っている。与えられた伽藍堂の部屋の窓から見上げるそれは、ハロンの時よりも何故か恐ろしく感じて、毎回ポケモン達を全員ボールから出して一緒に雑魚寝をしてもらっていた。キャンプ用の寝袋を床に敷いて、臆病な性格なのにダンデのことを守るように横に寝そべった一番の相棒にしがみつき、その温かいザラザラとした肌を感じながら、何故か胸の中に吹き続ける隙間風には気付かないふりをして夜を明かしたものだった。