shi_na_17
DONE付き合いたての半ロナ、巻き込まれドラルクを添えた話半ロナバレンタイン2024 バレンタインのチョコの許容範囲って、どこまでだろう。
茶色ければいいのかな。いや、茶色だとなんかアレだ、ちょっと良くないので、チョコレート味。例えば、チョコレートまんとか。チョコレート味だし、茶色いし、バレンタインの時期限定だし。広い意味でなら、チョコレートと言っても過言ではない……?
「だとすれば別に……初めてのチョコレートって訳でもない訳で……だから……そんなに……」
「全部言ってるぞクソゴリラ」
ドゴッ。反射で声のする方に振り抜いた拳はクソ雑魚吸血鬼を砂にする。目撃者がいなくなれば全ては無かった事になる。故に、俺のクソデカ独り言も無かった事に。
「なるかボケ」
「クソッ……!!」
生き返る時に幾らか記憶失くしてくれたらいいのに。つかまた言ってた。ちょっとテンパってる。いやちょっとじゃなくて、だいぶ。
3117茶色ければいいのかな。いや、茶色だとなんかアレだ、ちょっと良くないので、チョコレート味。例えば、チョコレートまんとか。チョコレート味だし、茶色いし、バレンタインの時期限定だし。広い意味でなら、チョコレートと言っても過言ではない……?
「だとすれば別に……初めてのチョコレートって訳でもない訳で……だから……そんなに……」
「全部言ってるぞクソゴリラ」
ドゴッ。反射で声のする方に振り抜いた拳はクソ雑魚吸血鬼を砂にする。目撃者がいなくなれば全ては無かった事になる。故に、俺のクソデカ独り言も無かった事に。
「なるかボケ」
「クソッ……!!」
生き返る時に幾らか記憶失くしてくれたらいいのに。つかまた言ってた。ちょっとテンパってる。いやちょっとじゃなくて、だいぶ。
肝缶ω
DONEテーマは「ロナ戦に半は出ないのか」です。友愛かもしれないし、片想いかもしれないし、付き合ってるかもしれないし、そうでないかもしれない。
諸々捏造。
23.12.27 一部修正しました。 3387
shi_na_17
DOODLE5/4スパコミ半ロナ無配ペーパー再掲です。朝まで、きみと「ん……」
隣の気配が動いたような気がして、意識が浮上する。やけに意識がぼやぼやとしている気がするのはさっきまで事に及んでいたからかなのか、それとも純粋に眠いからかなのか。
「すまん、起こしたか」
重たい瞼を持ち上げると、身体を起こした半田が金の瞳でこっちを見下ろしている。目がしぱしぱして数回瞬きをしていたら、半田の手のひらが俺の頭をふわりと撫でた。
普段のあの俺に嫌がらせするのが趣味、みたいな傍若無人を絵に描いたみたいな半田と違って、こうして恋人として過ごす半田は、やけに優しい。いや、恋人に対してまでもああいう態度しか取れなくてベッドでもセロリ振り回す奴だったらドン引きするけど。
「ん〜…………どこいくの」
1799隣の気配が動いたような気がして、意識が浮上する。やけに意識がぼやぼやとしている気がするのはさっきまで事に及んでいたからかなのか、それとも純粋に眠いからかなのか。
「すまん、起こしたか」
重たい瞼を持ち上げると、身体を起こした半田が金の瞳でこっちを見下ろしている。目がしぱしぱして数回瞬きをしていたら、半田の手のひらが俺の頭をふわりと撫でた。
普段のあの俺に嫌がらせするのが趣味、みたいな傍若無人を絵に描いたみたいな半田と違って、こうして恋人として過ごす半田は、やけに優しい。いや、恋人に対してまでもああいう態度しか取れなくてベッドでもセロリ振り回す奴だったらドン引きするけど。
「ん〜…………どこいくの」
ao_lake
DONE半田とデートしたい高校1年生のロナルドとヒヨシのとても短い話。お題「春」と「続く」半ロナワンライ「春」「兄貴ならさ…もしデートするとしたらどこに行く?」
弟がそんなことを言い出したのは、彼が高校に入学して少しあと、5月のゴールデンウィーク前のことだった。
「そうじゃな〜兄ちゃんなら……」
まずは海辺にある話題のカジュアルめなカフェ。次に景色でも楽しみつつ買い物でもして、日が暮れる頃にダイニングバーを予約しておく。三軒目はもう少しお酒が飲める店で、そのあとは……。といういつものデートプランは高校生にはまだ早い。
「もしお前くらいの歳だったら、遊園地か映画館じゃろうか」
夏になればお祭りなんかも定番かもしれんな。と、付け加えると幼さを残す口元に笑顔が浮かぶ。
「どっちも楽しそうで迷うな〜」
「まだ親しくない子なら、映画館で共通の話題を見つけるのもありじゃ。その子が好きそうな映画があればなおいいぞ」
869弟がそんなことを言い出したのは、彼が高校に入学して少しあと、5月のゴールデンウィーク前のことだった。
「そうじゃな〜兄ちゃんなら……」
まずは海辺にある話題のカジュアルめなカフェ。次に景色でも楽しみつつ買い物でもして、日が暮れる頃にダイニングバーを予約しておく。三軒目はもう少しお酒が飲める店で、そのあとは……。といういつものデートプランは高校生にはまだ早い。
「もしお前くらいの歳だったら、遊園地か映画館じゃろうか」
夏になればお祭りなんかも定番かもしれんな。と、付け加えると幼さを残す口元に笑顔が浮かぶ。
「どっちも楽しそうで迷うな〜」
「まだ親しくない子なら、映画館で共通の話題を見つけるのもありじゃ。その子が好きそうな映画があればなおいいぞ」
ao_lake
DONE半ロナワンライ「窓」ロナルド君の事務所の窓の修理に来たモブ業者がうっかりちゅーしてる半ロナを見てしまう話
半ロナワンライ「窓」ロナルドさんの事務所は、新横浜に店を構えるうちの工務店のお得意様だ。
特に多いのは窓ガラスの破損……というか、今までほとんどの依頼が窓の修理だった。
ロナルドさんほどの退治人になると吸血鬼に狙われることもあるだろうし、応戦して窓が割れてしまうこともあるのだろう。ロナ戦みたいに。
退治人は地域密着型の職業だから支払いを渋ることもないし、店に下等吸血鬼が出たときも退治に来てくれるから良いお客様だと社長も言っていた。
事務所に一歩足を踏み入れると、いつも修理している正面の窓は予想に反して無事だった。
「今日は居住スペースの方でして…」
ロナルドさんは申し訳なさそうな笑顔を浮かべながら、居住スペースへ続くドアを開けてくれた。
1587特に多いのは窓ガラスの破損……というか、今までほとんどの依頼が窓の修理だった。
ロナルドさんほどの退治人になると吸血鬼に狙われることもあるだろうし、応戦して窓が割れてしまうこともあるのだろう。ロナ戦みたいに。
退治人は地域密着型の職業だから支払いを渋ることもないし、店に下等吸血鬼が出たときも退治に来てくれるから良いお客様だと社長も言っていた。
事務所に一歩足を踏み入れると、いつも修理している正面の窓は予想に反して無事だった。
「今日は居住スペースの方でして…」
ロナルドさんは申し訳なさそうな笑顔を浮かべながら、居住スペースへ続くドアを開けてくれた。
deadstarfading
DOODLE #半ロナ1d1w+15分
特に付き合ってない半ロナ
例のアレを賭けた勝負の結果、半をおうちに招くことになったロの話
ド氏視点→半視点になります
本日はお招きいただきありがとう 酔っ払っているわけではない。脱稿だって一昨日キメていた。ドラルクは、はて、と愛マジロと顔を見合わせてからロナルドに聞き直した。
「どのポンチにやられたのだね?」
「やられてねえわ! なんだよ、普通に半田をこ、ここ、にお招きしてえって話、そんなに変かよ」
「変も何も、半田くんはいつだって予告なしで突撃してくるじゃないか」
「そうだけど……でももう言っちまったから」
事の発端はロナルドと半田のいつもの賭けだった。どちらがより早く下等吸血鬼を捕まえられたか、より多く退治できたか、などなど、ふたりの間で長年続いている勝負事の報酬のやり取りが善良かつお節介な市民の方に目撃されてしまったということだ。
「なんか苦情きたらしくってさ。公務員が制服姿でコンビニ前で飲み食いするなとか、余計な私語は慎めとか、ワイロ受け取るなとか」
2992「どのポンチにやられたのだね?」
「やられてねえわ! なんだよ、普通に半田をこ、ここ、にお招きしてえって話、そんなに変かよ」
「変も何も、半田くんはいつだって予告なしで突撃してくるじゃないか」
「そうだけど……でももう言っちまったから」
事の発端はロナルドと半田のいつもの賭けだった。どちらがより早く下等吸血鬼を捕まえられたか、より多く退治できたか、などなど、ふたりの間で長年続いている勝負事の報酬のやり取りが善良かつお節介な市民の方に目撃されてしまったということだ。
「なんか苦情きたらしくってさ。公務員が制服姿でコンビニ前で飲み食いするなとか、余計な私語は慎めとか、ワイロ受け取るなとか」
ao_lake
DONE半ロナワンライ お題「水族館」ナイトアクアリウムに参加する半ロナ
半ロナワンライ「水族館」「水族館に泊まれるイベントがあるらしいぞ。ナイトアクアリウムというらしい」
何気なく口にした言葉へのロナルドの反応は、「えっ!?なにそれ!?行きたい!行こうぜ!半田!」だった。
小さな水槽が並ぶ前をロナルドはキョロキョロと見回しながら歩いていく。その小脇には寝袋が抱えられている。
ロナルドが足を止めたのは、ひときわ大きな水槽の前だった。
「俺、ここがいい!」
「さっき貴様が美味そうに食べていたタカアシガニの前でなくていいのか?」
体長1メートル以上もある大きな脚の長いカニが詰め込まれた水槽を指さすと、ロナルドはギョッとした表情を浮かべて気まずそうに水槽から目を逸らした。
「お、お前だって食ってただろ!」
必死に言い返すロナルドを尻目に俺は目の前の大きな水槽に視線を向ける。高さは俺やロナルドの身長の3倍はあるだろう。たくさんの魚が泳いでいる中で俺の目が吸い寄せられたのは、アクリル板に写ったロナルドの姿だった。
983何気なく口にした言葉へのロナルドの反応は、「えっ!?なにそれ!?行きたい!行こうぜ!半田!」だった。
小さな水槽が並ぶ前をロナルドはキョロキョロと見回しながら歩いていく。その小脇には寝袋が抱えられている。
ロナルドが足を止めたのは、ひときわ大きな水槽の前だった。
「俺、ここがいい!」
「さっき貴様が美味そうに食べていたタカアシガニの前でなくていいのか?」
体長1メートル以上もある大きな脚の長いカニが詰め込まれた水槽を指さすと、ロナルドはギョッとした表情を浮かべて気まずそうに水槽から目を逸らした。
「お、お前だって食ってただろ!」
必死に言い返すロナルドを尻目に俺は目の前の大きな水槽に視線を向ける。高さは俺やロナルドの身長の3倍はあるだろう。たくさんの魚が泳いでいる中で俺の目が吸い寄せられたのは、アクリル板に写ったロナルドの姿だった。
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MENUDozen Roze Fes.2022|夜半にセロリの流れ星東4セ18a |iggy.
▽ぜんぶでも足らない
全年齢|B5|76ページ|価格未定
新刊のおしながきとサンプルです~ 41
r0und94
INFO【アンソロ寄稿のお知らせ(サンプル付)】2022/12/11 半ロナオンリーにて半ロナ学生アンソロジー「放課後の運命論」に参加させていただきました!
◯は夏を担当させていただいております〜。高1の頃のまだ距離感が掴めきれてない半ロナだよ! 全年齢で初々しい感じの二人だよ!!
よろしくお願いいたします〜
おれたちの夏はこれからだ!!(冒頭サンプル)「お前らはもう高校生になったんだから分かってるだろうが、休み中は羽目を外しすぎるなよー。ああそれと、期末で補習になった奴は特別課題を出すから職員室に各自取りに行くように」
今日はここまで、と担任が話を切り上げたのを合図に教室から一斉に同級生たちが引き上げていく。明日からの予定について騒ぎ立てる声は、一夏を謳歌する蝉時雨にどこか似ていた。
(どいつもこいつも、何でこんなに夏が好きなんだ?)
級友たちがはしゃぎ回るのを、半田は窓際の席に座ったまま他人事の様に眺めていた。
昔から夏は得意になれない。体質のせいで日に焼けると肌が火傷したみたいに痛むし、夏場の剣道の稽古は道着のせいで軽い地獄だ。それに、夜が短くなるせいで母と過ごす時間が少なくなってしまう。嫌いとまでは言わないが、好きになれる要素が少ないからどうしても気が重たくなる季節だ。
2601今日はここまで、と担任が話を切り上げたのを合図に教室から一斉に同級生たちが引き上げていく。明日からの予定について騒ぎ立てる声は、一夏を謳歌する蝉時雨にどこか似ていた。
(どいつもこいつも、何でこんなに夏が好きなんだ?)
級友たちがはしゃぎ回るのを、半田は窓際の席に座ったまま他人事の様に眺めていた。
昔から夏は得意になれない。体質のせいで日に焼けると肌が火傷したみたいに痛むし、夏場の剣道の稽古は道着のせいで軽い地獄だ。それに、夜が短くなるせいで母と過ごす時間が少なくなってしまう。嫌いとまでは言わないが、好きになれる要素が少ないからどうしても気が重たくなる季節だ。
r0und94
DOODLEセフレやってる読切半ロナが兄貴と会う話この間の新刊(https://privatter.net/p/9155240)と繋がってるけどこれ単体でも読めます。
この後きっちり有言実行した 今日は用事があるから会えない、と電話してきた相手が街中を彷徨いている姿を見かけたとき、半田は自分の顔がじわじわと歪むのを自覚した。
別に誘いを断られたこと自体はどうとも思っていない。あれで相手は名の知れた男だからしょっちゅう仕事が舞い込んでくるし、依頼があれば、もしくは本人が「何だそれ面白そう」と興味を惹かれたら全国津々浦々どこへでも飛び出していく質なので、誘ったその日に予定が空いていることの方が珍しい。
ただ、仕事で予定が合わないとき、あの男はこちらが尋ねてもいない仕事の内容について楽しそうに喋ってくるのが常だった。もちろん依頼人のプライバシーには抵触しない範囲のことしか話さないのだが、常日頃から非合法的手段を用いた情報収集に余念の無い半田にかかれば断片的な情報である程度の依頼内容を察することができた。だからロナルドがいつどこにいようと、何をしていようと大方のことは把握している、のだが。
3113別に誘いを断られたこと自体はどうとも思っていない。あれで相手は名の知れた男だからしょっちゅう仕事が舞い込んでくるし、依頼があれば、もしくは本人が「何だそれ面白そう」と興味を惹かれたら全国津々浦々どこへでも飛び出していく質なので、誘ったその日に予定が空いていることの方が珍しい。
ただ、仕事で予定が合わないとき、あの男はこちらが尋ねてもいない仕事の内容について楽しそうに喋ってくるのが常だった。もちろん依頼人のプライバシーには抵触しない範囲のことしか話さないのだが、常日頃から非合法的手段を用いた情報収集に余念の無い半田にかかれば断片的な情報である程度の依頼内容を察することができた。だからロナルドがいつどこにいようと、何をしていようと大方のことは把握している、のだが。
スヅキ
DONE《赤い退治人をねらい撃ち!2》展示小説。ロナルドからドラルクと付き合ってると言われた夢を見て、いてもたってもいられなくなった半田くんの話。
以前Twitterに上げたネタに肉付けしました。
寝起きと徹夜明け【半田side.】
「な、なぁ、半田。その…」
いつもの様に、ロナルドの事務所へセロリトラップで襲撃をし一悶着した後、ロナルドがソワソワと顔を赤らめながら言った。
「何だ。言いたい事があるならハッキリ言え」
「えっと…は、恥ずかしいんだけどよ…俺たち、つ、つ、付き合う事になったから! だから、今までみたいにいきなり事務所に押し掛けてくるのは止めて欲しいっていうか」
目の前で、モジモジと両の指を絡ませながら言う言葉を咀嚼しようとするが、上手くいかない。
「……付き合うとは、誰と誰が……」
「俺とドラルクに決まってんだろ! 言わせんな恥ずかしい」
どこに? と続けようとした所で間髪入れずに返された言葉。ちょっとそこまで付き合えとか、そう言うニュアンスではないと悟った。恥ずかしがる態度からして察してはいたが、理解が追いついていなかった。
3720「な、なぁ、半田。その…」
いつもの様に、ロナルドの事務所へセロリトラップで襲撃をし一悶着した後、ロナルドがソワソワと顔を赤らめながら言った。
「何だ。言いたい事があるならハッキリ言え」
「えっと…は、恥ずかしいんだけどよ…俺たち、つ、つ、付き合う事になったから! だから、今までみたいにいきなり事務所に押し掛けてくるのは止めて欲しいっていうか」
目の前で、モジモジと両の指を絡ませながら言う言葉を咀嚼しようとするが、上手くいかない。
「……付き合うとは、誰と誰が……」
「俺とドラルクに決まってんだろ! 言わせんな恥ずかしい」
どこに? と続けようとした所で間髪入れずに返された言葉。ちょっとそこまで付き合えとか、そう言うニュアンスではないと悟った。恥ずかしがる態度からして察してはいたが、理解が追いついていなかった。
スヅキ
DONE《赤い退治人をねらい撃ち!2》展示小説。期間中に間に合いませんでしたが、半ロナ強化月間のお題「その日は雨が降っていた」で書かせていただいた作品です。
Twitterにも投稿してあります。文章はそのままです。
テーマソングはTulipとSingin' in the Rain☔️
育花雨 その日は雨が降っていた。
「傘持って行かないの?」
巡回に行こうとドアに手を伸ばした所でドラルクが指摘した。ロナルドは少し考える素振りをして振り返った。
「あー……まぁ、これくらいなら大丈夫だろ。邪魔だし」
「でも段々激しくなるらしいよ、雨」
「いいっていいって。行ってきます」
「……いってらっしゃーい」
「ヌーヌー」
雨の日は吸血鬼もあまり出歩かない事を考慮して、直ぐに帰ってくるつもりの発言なのかもしれないと、ドラルクとジョンはロナルドを送り出した。
ポツポツと降っていた雨はやがて、サ――ッと音を立てて街中を包んでいく。
ロナルドは、とある店の軒先で雨宿りをしながら空を眺めた。
真っ黒い雲は、これから更に雨が激しくなるのかもしれないと連想させた。これ以上降られるのは、ロナルドにとっても望まない所である。小雨過ぎず土砂降り過ぎない、このまま適度な雨が降っていて欲しいと空に願った。
3429「傘持って行かないの?」
巡回に行こうとドアに手を伸ばした所でドラルクが指摘した。ロナルドは少し考える素振りをして振り返った。
「あー……まぁ、これくらいなら大丈夫だろ。邪魔だし」
「でも段々激しくなるらしいよ、雨」
「いいっていいって。行ってきます」
「……いってらっしゃーい」
「ヌーヌー」
雨の日は吸血鬼もあまり出歩かない事を考慮して、直ぐに帰ってくるつもりの発言なのかもしれないと、ドラルクとジョンはロナルドを送り出した。
ポツポツと降っていた雨はやがて、サ――ッと音を立てて街中を包んでいく。
ロナルドは、とある店の軒先で雨宿りをしながら空を眺めた。
真っ黒い雲は、これから更に雨が激しくなるのかもしれないと連想させた。これ以上降られるのは、ロナルドにとっても望まない所である。小雨過ぎず土砂降り過ぎない、このまま適度な雨が降っていて欲しいと空に願った。
スヅキ
DONE《赤い退治人をねらい撃ち!2》展示小説。6月の半ロナ強化月間にて、お題「飲むな!!」で書かせていただいた作品です。
Twitterで公開したのとほぼ同じ文章です。
丸ごとバナナを買いに「飲むな!!」
ロナルドが叫ぶも虚しく、半田が手に持ったカップの中身を一気に煽った。
ロナルドは絶句した。
「……お、おま、おま……ヴァァァア!!こっちに来るなぁぁ!!」
あろうことか、半田はそのままロナルドに迫って来るではないか。
半田が口に含んだ物を飲み込んだのか、そのまま口の中に留めているのか恐ろしくて考えたくないし、あまりの事に判断力が鈍り、ロナルドは部屋の角隅に逃げ込んでしまった。
「ヒィッ……っ!」
半田に追い詰められたロナルドは、とにかく彼に背中を向けてしゃがみ込むと、身体を守る様に頭を抱えて小さくなった。
一方、追い詰めた半田は、ガクガクと震えるロナルドの頭から手を引き剥がすと、渾身の力で持ち上げた。今のロナルドなら血液錠剤を使わずとも立たせられる。と思ったが、握った手を振り切られてすり抜け、またしゃがみ込んでしまった。
2198ロナルドが叫ぶも虚しく、半田が手に持ったカップの中身を一気に煽った。
ロナルドは絶句した。
「……お、おま、おま……ヴァァァア!!こっちに来るなぁぁ!!」
あろうことか、半田はそのままロナルドに迫って来るではないか。
半田が口に含んだ物を飲み込んだのか、そのまま口の中に留めているのか恐ろしくて考えたくないし、あまりの事に判断力が鈍り、ロナルドは部屋の角隅に逃げ込んでしまった。
「ヒィッ……っ!」
半田に追い詰められたロナルドは、とにかく彼に背中を向けてしゃがみ込むと、身体を守る様に頭を抱えて小さくなった。
一方、追い詰めた半田は、ガクガクと震えるロナルドの頭から手を引き剥がすと、渾身の力で持ち上げた。今のロナルドなら血液錠剤を使わずとも立たせられる。と思ったが、握った手を振り切られてすり抜け、またしゃがみ込んでしまった。
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DONE半田誕のお祝いに。ロナルド君も半田もそれぞれ大事なところでポンコツなのが愛おしい〜2022半田おたおめ「ロナルドォォォォ!!!!」
ドゴッ!! 壊れる勢いで事務所の扉を開く。勿論、この程度で壊れないことは実証済みだ。そして手にはセロリ。今日はフレッシュな採れたてセロリだ。なんせこの俺が直々に可愛がって育てたセロリである。フレッシュそのもの。
「はんだ……」
………………???
思ったのと違う。いつもなら、形容し難い悲鳴を上げて泣き出すはずなのに、なんだかもう既に情けない顔で泣いている。何だ貴様、なぜそんな情けない顔でしくしく泣いて────。
「チクショーーーお誕生日おめでとーーーっ!!!!」
「ぶべっ」
怪訝に思って悩んでしまったがために、判断が鈍ってしまったのか。突如飛んできたパイ?(生クリームたっぷり)をもろに顔面に受ける事になってしまった。
3464ドゴッ!! 壊れる勢いで事務所の扉を開く。勿論、この程度で壊れないことは実証済みだ。そして手にはセロリ。今日はフレッシュな採れたてセロリだ。なんせこの俺が直々に可愛がって育てたセロリである。フレッシュそのもの。
「はんだ……」
………………???
思ったのと違う。いつもなら、形容し難い悲鳴を上げて泣き出すはずなのに、なんだかもう既に情けない顔で泣いている。何だ貴様、なぜそんな情けない顔でしくしく泣いて────。
「チクショーーーお誕生日おめでとーーーっ!!!!」
「ぶべっ」
怪訝に思って悩んでしまったがために、判断が鈍ってしまったのか。突如飛んできたパイ?(生クリームたっぷり)をもろに顔面に受ける事になってしまった。
さくま
DONE高校の修学旅行、4つのルートから選ぶように言われたのですが、ロナルドくんたちの高校はどうだったのでしょうか……。兄貴は笑って「楽しんでこいよ」と言った。2日前に配られた紙をぼんやりと見る。
修学旅行ルート希望表。
……何でみんな共通の場所じゃないんだろう。
例え、中学と同じ場所だったとしても、文句なんか言わないのに。
中学と高校じゃ、行くメンバーも違うのに。
親代わりとなり、俺とヒマリを育ててくれた兄貴を困らせないように、少しでも旅行費を減らした方がいいのは分かっている。でも。
1番安いコースを選んだ人はあまりいないみたいなんだよな……。俺が仲良いと思っている人たちは、みんな北海道を選んだみたいだけど。
北海道は旅行費が倍近く違う。
兄貴に言えばきっと「お前がそんなつまらんことを気にするんじゃにゃあ」と笑って言うに決まっている。だからこそ、選びにくい。修学旅行に行かないという選択肢は無いんだろうか。
1037修学旅行ルート希望表。
……何でみんな共通の場所じゃないんだろう。
例え、中学と同じ場所だったとしても、文句なんか言わないのに。
中学と高校じゃ、行くメンバーも違うのに。
親代わりとなり、俺とヒマリを育ててくれた兄貴を困らせないように、少しでも旅行費を減らした方がいいのは分かっている。でも。
1番安いコースを選んだ人はあまりいないみたいなんだよな……。俺が仲良いと思っている人たちは、みんな北海道を選んだみたいだけど。
北海道は旅行費が倍近く違う。
兄貴に言えばきっと「お前がそんなつまらんことを気にするんじゃにゃあ」と笑って言うに決まっている。だからこそ、選びにくい。修学旅行に行かないという選択肢は無いんだろうか。
ao_lake
DONE高校1年の半ロナが付き合い始める話#半ロナ強化月間
お題「嘘をつくな!」
高校生半ロナ「嘘をつくな!」
上級生たちに体育倉庫へ呼び出された俺を見つけた半田は、えらい剣幕で声を張り上げた。
「ほんとになんもねえよ。……ちょっと変なこと言われただけだし、ちゃんと断ったし」
変なことを言われたのは本当だった。
「同級生にイジメられてるっていうじゃん。そいつ俺たちがシメてやろうか?」半田はちょっと変わったやつだけど友達だから断った。
「そう言うなよ。カネも出すからさ」財布から取り出した紙一枚を差し出す上級生に意味がわからず首をかしげる。
「大したことじゃない。ちょっと口を借りるだけで――」そこで半田が駆け込んできて、間髪入れずに上級生を殴りつけたのだ。
「だから貴様は馬鹿なのだ!こんなところで一対多数で囲まれて!断って引き下がるわけがなかろう!」
1401上級生たちに体育倉庫へ呼び出された俺を見つけた半田は、えらい剣幕で声を張り上げた。
「ほんとになんもねえよ。……ちょっと変なこと言われただけだし、ちゃんと断ったし」
変なことを言われたのは本当だった。
「同級生にイジメられてるっていうじゃん。そいつ俺たちがシメてやろうか?」半田はちょっと変わったやつだけど友達だから断った。
「そう言うなよ。カネも出すからさ」財布から取り出した紙一枚を差し出す上級生に意味がわからず首をかしげる。
「大したことじゃない。ちょっと口を借りるだけで――」そこで半田が駆け込んできて、間髪入れずに上級生を殴りつけたのだ。
「だから貴様は馬鹿なのだ!こんなところで一対多数で囲まれて!断って引き下がるわけがなかろう!」
r0und94
DOODLE限りなく薄味な半ロナ/タイトルで察してほしい性癖を詰め込んだ。
君は僕の運命だけど僕は君の運命じゃ無い 赤、赫、あかったらしい景色に網膜が焼ける。ロナルドはうんざりしながら地面を覆う糸玉を避けて歩いた。
今夜現れた頭ポンチ野郎の名前は吸血鬼「運命大好き」と言った。運命の赤い糸を具現化する特殊能力に支配された新横浜では、そこかしこに現れた赤い糸に塗れて大混乱に陥っている。人々は絡み合った糸にすっ転んだり、うっかり自分の糸を切ってしまったりするなどして、突然現れたか細い糸に翻弄され続けていた。
ちなみに元凶は既にロナルドが拳で沈めているのだが、能力が解除されても糸は夜が明けるまで消えないらしい。幸い糸そのものは人体に影響はないし後遺症も特にないとのことらしいが、とはいえ糸塗れな街を放っておくわけにもいかない。そういうわけで、今夜は退治人も吸対も総出で糸の後始末に駆り出されることとなった次第である。
2767今夜現れた頭ポンチ野郎の名前は吸血鬼「運命大好き」と言った。運命の赤い糸を具現化する特殊能力に支配された新横浜では、そこかしこに現れた赤い糸に塗れて大混乱に陥っている。人々は絡み合った糸にすっ転んだり、うっかり自分の糸を切ってしまったりするなどして、突然現れたか細い糸に翻弄され続けていた。
ちなみに元凶は既にロナルドが拳で沈めているのだが、能力が解除されても糸は夜が明けるまで消えないらしい。幸い糸そのものは人体に影響はないし後遺症も特にないとのことらしいが、とはいえ糸塗れな街を放っておくわけにもいかない。そういうわけで、今夜は退治人も吸対も総出で糸の後始末に駆り出されることとなった次第である。
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DOODLE半ロナ疲れてロナをキメる半くんの話。ただのギャグだよ。
黒猫専用マタタビのお届け物です「半田、顔色が悪いぞ。残りは私たちがやるから少し寝てきたらどうだ」
パチパチとキーボードに指を走らせる。青い液晶画面に躍る文字の羅列が目を通して頭を埋め尽くす。霞む視界。鉛を注ぎ込んだ様に重く痛む頭に顔をしかめながら、半田は心ここにあらずな声で「……ああ」とだけ返した。
「ああ、って、本当に分かっているのか? さっきからそう言っている割にちっとも休んでいないじゃないか」
「そうですよ先輩。ほら、資料なら僕が預かりますから」
年下の上司と、親しい後輩の声は鼓膜を震わせたものの単なる音声として処理され、半田の意識を素通りしていた。彼はデスクの上に必要な資料を几帳面に並べ、猛烈な勢いでブラインドタッチしながら気の無い声を漏らした。
2732パチパチとキーボードに指を走らせる。青い液晶画面に躍る文字の羅列が目を通して頭を埋め尽くす。霞む視界。鉛を注ぎ込んだ様に重く痛む頭に顔をしかめながら、半田は心ここにあらずな声で「……ああ」とだけ返した。
「ああ、って、本当に分かっているのか? さっきからそう言っている割にちっとも休んでいないじゃないか」
「そうですよ先輩。ほら、資料なら僕が預かりますから」
年下の上司と、親しい後輩の声は鼓膜を震わせたものの単なる音声として処理され、半田の意識を素通りしていた。彼はデスクの上に必要な資料を几帳面に並べ、猛烈な勢いでブラインドタッチしながら気の無い声を漏らした。
r0und94
SPUR ME幻覚100%の読切時空の半ロナ途中経過(暗転前まで)読ロ様公認ストーカーな半くんと何だこいつおもしれ〜って思ってる読ロ様(この後ぐちゃぐちゃになるまで抱かれる)
ここからセンシティブセンテンスに繋げたいんだ頑張れ 6217
r0und94
DOODLEまだ成立してない半ロナ/猫の日とバレンタインをごった煮した結果ほぼ会話文。好きな人のことが猫に見える催眠をかけられルドくんの話。
贈りたいのはチョコレートより過激で甘い「今日の吸血鬼は『愛は呪いに勝る』っていう奴だったんだけどさ」
「それで貴様はまた性懲りも無く催眠にかかったのか」
「好きな相手が猫に見える催眠をかけられたらしいんだよ。その相手と両思いになると解けるみたいなんだけど、今のところ猫なんてお前以外見かけてないんだよなぁ。催眠なんて本当にかかってんのか?」
「質の悪い冗談のつもりか……?」
「ふへ、にゃーにゃー言っててかわいい」
「くそ、認識阻害が五感にも及んでいるのか? おい馬鹿、俺だ。猫ではない、というかこの状況で猫を見かけたら正体を疑わんか馬鹿ルド」
「にしてもお前、子猫なのに凛々しい顔してんなぁ。目も金色だし、黒くて格好いいな!」
「……」
「わ、尻尾ぱたぱたしてる。へへ、照れてんのか?」
1868「それで貴様はまた性懲りも無く催眠にかかったのか」
「好きな相手が猫に見える催眠をかけられたらしいんだよ。その相手と両思いになると解けるみたいなんだけど、今のところ猫なんてお前以外見かけてないんだよなぁ。催眠なんて本当にかかってんのか?」
「質の悪い冗談のつもりか……?」
「ふへ、にゃーにゃー言っててかわいい」
「くそ、認識阻害が五感にも及んでいるのか? おい馬鹿、俺だ。猫ではない、というかこの状況で猫を見かけたら正体を疑わんか馬鹿ルド」
「にしてもお前、子猫なのに凛々しい顔してんなぁ。目も金色だし、黒くて格好いいな!」
「……」
「わ、尻尾ぱたぱたしてる。へへ、照れてんのか?」
_to_ki_
DONE付き合って日の浅い半ロナのバレンタイン話。ほのぼの。愛を渡す「ごめん」
短い言葉と共に半田の目の前に小さな箱が差し出される。
今日は2月14日、バレンタインデー。高校の同級生、ライバル、友達の様な何か、そして最近になって恋人とも呼べる関係になったロナルドからの贈り物に半田は困惑を隠せなかった。貰った事自体では無く、その謝罪の言葉についてだ。
戸惑う半田を前にロナルドは頭を下げたまま辿々しく言葉を続けた。
「あのな……一昨日位まではちゃんと覚えてたんだ、バレンタイン。お前が俺からのチョコ欲しいかは分かんなかったけど……い、一応こいびと?になったんだし、ちゃんとしたの選んで送ってみたいなぁって……でも、退治依頼とか締切とか色々あって……気がついたら、今日で」
箱を握る指が震え、きゅっと力がこもるのが見てとれた。
1956短い言葉と共に半田の目の前に小さな箱が差し出される。
今日は2月14日、バレンタインデー。高校の同級生、ライバル、友達の様な何か、そして最近になって恋人とも呼べる関係になったロナルドからの贈り物に半田は困惑を隠せなかった。貰った事自体では無く、その謝罪の言葉についてだ。
戸惑う半田を前にロナルドは頭を下げたまま辿々しく言葉を続けた。
「あのな……一昨日位まではちゃんと覚えてたんだ、バレンタイン。お前が俺からのチョコ欲しいかは分かんなかったけど……い、一応こいびと?になったんだし、ちゃんとしたの選んで送ってみたいなぁって……でも、退治依頼とか締切とか色々あって……気がついたら、今日で」
箱を握る指が震え、きゅっと力がこもるのが見てとれた。
r0und94
DOODLEこれから成立する半ロナ/サシ飲み中に酔って告白する話二人とも酔ってるのでぐだぐだだよ。
1時間で息絶える話「すきだからつきあってほしい」
酒に酔った真っ赤な顔で、呂律の回っていない舌ったらずな声だったが、それは間違いなく告白の言葉だった。いくらこの手のことに鈍いロナルドでも勘違いしようがないほど、真っ直ぐな言葉だった。
だから、ロナルドは。ならばもうあと一時間でこいつとの付き合いも終わるのかと、二日酔いにも似た胸の痛みに顔をしかめた。
「おい、きいているのかばかるどぉ! へんじぐらいせんか、ばかめぇ……」
「あーはいはい聞いてる聞いてる」
ぐいぐいと頬擦りせんばかりに密着してくる半田に水の入ったグラスを押し付けてやると、わりあい素直に受け取ってくれた。やはり、だいぶ酔っている。今日はやたら酒のペースが早いとは思っていたのだが、今の半田は完全に出来上がっていた。そうでなければロナルドの肩に頭を預けて、甘ったれた声で告白してくるなんてとんでもない行為を半田がしでかすはずがないのだ。
3136酒に酔った真っ赤な顔で、呂律の回っていない舌ったらずな声だったが、それは間違いなく告白の言葉だった。いくらこの手のことに鈍いロナルドでも勘違いしようがないほど、真っ直ぐな言葉だった。
だから、ロナルドは。ならばもうあと一時間でこいつとの付き合いも終わるのかと、二日酔いにも似た胸の痛みに顔をしかめた。
「おい、きいているのかばかるどぉ! へんじぐらいせんか、ばかめぇ……」
「あーはいはい聞いてる聞いてる」
ぐいぐいと頬擦りせんばかりに密着してくる半田に水の入ったグラスを押し付けてやると、わりあい素直に受け取ってくれた。やはり、だいぶ酔っている。今日はやたら酒のペースが早いとは思っていたのだが、今の半田は完全に出来上がっていた。そうでなければロナルドの肩に頭を預けて、甘ったれた声で告白してくるなんてとんでもない行為を半田がしでかすはずがないのだ。
_to_ki_
DONE付き合っている半ロナがちょっとしたすれ違いを起こす話です。傷口高校時代のとある日、ロナルドはクラスメイトに言われた事がある。
「ロナルドって半田とつるんでて嫌になったりしねえの?」
それはちょうど半田の作ったセロリトラップに引っ掛かってしまった瞬間を見られた時で、普段はあまり喋らないクラスメイトは疑問と心配を兼ねてそう言ってくれたのだと思う。カメ谷や他の親しいクラスメイト達は、もうその光景を見ても「お前ら本当に仲がいいなー」と笑って見守る位になってしまっていた頃だったから。
ロナルドは少し考えた後で言った。
「そりゃ、やめて欲しいなーとは思うけど、一緒に居るの嫌になったりはしねえよ。もう大分慣れたし」
笑顔のロナルドを見てそのクラスメイトは訝しげな顔をした後、お前って大分マゾだよなと失礼な言葉を返した。
5018「ロナルドって半田とつるんでて嫌になったりしねえの?」
それはちょうど半田の作ったセロリトラップに引っ掛かってしまった瞬間を見られた時で、普段はあまり喋らないクラスメイトは疑問と心配を兼ねてそう言ってくれたのだと思う。カメ谷や他の親しいクラスメイト達は、もうその光景を見ても「お前ら本当に仲がいいなー」と笑って見守る位になってしまっていた頃だったから。
ロナルドは少し考えた後で言った。
「そりゃ、やめて欲しいなーとは思うけど、一緒に居るの嫌になったりはしねえよ。もう大分慣れたし」
笑顔のロナルドを見てそのクラスメイトは訝しげな顔をした後、お前って大分マゾだよなと失礼な言葉を返した。
_to_ki_
DONEΔ世界半ロナの出会いから日常までの話。※以前プライベッター等に上げた物を修正、最後の部分を大幅に加筆した作品になります。
朝焼けの邂逅半田桃は悩んでいた。吸血鬼の退治依頼の帰り、大きな吸血鬼の気配を嗅ぎとり駆けつけてみた公園のベンチには一人の男が寝そべっていた。黒いマントに時代錯誤な服装、唇から覗く鋭い牙、ダンピールである半田の探知能力が伝える強大な気配。その全てがこの男を吸血鬼だと示しているのに、子供の様な寝顔に思わず気が抜けてしまう。
(確か、ロナルドといっただろうか)
同じ退治人であるヒナイチが何度かギルドに連れてきたのを半田は見た事があった。何百年もの時を生きる高等吸血鬼らしいが、甘いホットココアを美味しそうに飲む姿はとてもそうは見えず困惑していたのを覚えている。今だってこんなに近くに退治人である半田がいるというのに、口の端から涎を垂らし、起きる気配は無い。
18504(確か、ロナルドといっただろうか)
同じ退治人であるヒナイチが何度かギルドに連れてきたのを半田は見た事があった。何百年もの時を生きる高等吸血鬼らしいが、甘いホットココアを美味しそうに飲む姿はとてもそうは見えず困惑していたのを覚えている。今だってこんなに近くに退治人である半田がいるというのに、口の端から涎を垂らし、起きる気配は無い。
ゆきなり
DONE1/22半ロナWebオンリーイベント『半人前ローリンナイト』展示小説。『爪紅の花もよう』
半田がロナルドの爪を塗る話です、事後表現があります。
【2022/01/23 追記】後日Pixivにて画像ではない状態での公開を予定していますので、何卒よろしくおねがいします。イベントお疲れさまでした!! 8