oh_mita_
PROGRESS12/1の新刊ちらみせげんぱろ尾鯉+ふぉぜ尾鯉 その2(尾形不在)大きな窓から、お日様の光がたっぷり入ってくる。ちょっと眩しいから背中を向けると陽に当たった体全部がぽかぽかしてきた。今日も良い天気だ。
くぅはこの間買って貰った玩具で遊んでいる。縦長の渦巻きで上からボールを落とすとぐるぐる回って下まで落ちる。ボールの種類も幾つかあって、カラコロと音が鳴ったり、ぺったんぺったんゆっくり転がったり。くぅは色んなボールを落としては、ぐるぐるするボールにきゃっきゃとはしゃいでいた。
ちゅん。ぴ、ちちち。
大きな窓の向こうから、鳥の声がした。俺もくぅも耳をぴくりと震わせ窓の方へ向ける。俺たちの家はちょっと高い所にあって、時々、外の手すりに鳥がやってくるんだ。
くぅは玩具遊びを止めてそうっと窓に近付いた。うろうろするが足音は頑張って小さくしている、音を立てたら逃げちゃうぞと教えたのをちゃんと守っているんだ。
2802くぅはこの間買って貰った玩具で遊んでいる。縦長の渦巻きで上からボールを落とすとぐるぐる回って下まで落ちる。ボールの種類も幾つかあって、カラコロと音が鳴ったり、ぺったんぺったんゆっくり転がったり。くぅは色んなボールを落としては、ぐるぐるするボールにきゃっきゃとはしゃいでいた。
ちゅん。ぴ、ちちち。
大きな窓の向こうから、鳥の声がした。俺もくぅも耳をぴくりと震わせ窓の方へ向ける。俺たちの家はちょっと高い所にあって、時々、外の手すりに鳥がやってくるんだ。
くぅは玩具遊びを止めてそうっと窓に近付いた。うろうろするが足音は頑張って小さくしている、音を立てたら逃げちゃうぞと教えたのをちゃんと守っているんだ。
oh_mita_
DONE尾鯉すこしふしぎ。いつものオメーの設定のやつ…のような雰囲気です。最終話後なんやかんやありつつ旭川で一緒に暮らしている二人だけれど鯉登の肌に鯉の鱗が出来て、というはなし。
龍の逆鱗 敷布団の足元近くに、爪ほどの赤い雫が見えた。この頃の寒さだ、鯉登の足にあかぎれでもあったのだろうか。冴えた肌は心配でより青ざめ、尾形は手を伸ばす。
だが血と見紛ったのは一片の鱗であった。美しい緋色の地にひとすじ墨が流れ、部屋に薄くさす朝日へ透かせば縁が銀とも金ともつかぬ色で輝いた。
先ず血でないことに尾形は安堵する。しかし、この鱗はなんだろう。虫の羽ならまだしも、偶然部屋に在るものではない。そのうち顔を洗いに行った鯉登が戻ってきた。
「どうかしたのか?」
「いや、此処に鱗が落ちていた。」
「――鱗?」
さ、と鯉登の顔が強張り、その場へしゃがみ込んだ。何事かと尾形はすかさず一歩踏み込む。
「あ、嫌だ……。」
4211だが血と見紛ったのは一片の鱗であった。美しい緋色の地にひとすじ墨が流れ、部屋に薄くさす朝日へ透かせば縁が銀とも金ともつかぬ色で輝いた。
先ず血でないことに尾形は安堵する。しかし、この鱗はなんだろう。虫の羽ならまだしも、偶然部屋に在るものではない。そのうち顔を洗いに行った鯉登が戻ってきた。
「どうかしたのか?」
「いや、此処に鱗が落ちていた。」
「――鱗?」
さ、と鯉登の顔が強張り、その場へしゃがみ込んだ。何事かと尾形はすかさず一歩踏み込む。
「あ、嫌だ……。」
mikazawa510
PROGRESS鯉くんだけ記憶無しの尾鯉です🐈⬛🎏今月中には書き終わりたい〜!!!
未定 土曜の昼間すぎ、賑やかだった店内も少し落ち着き人もまばらになってきた頃。どこにでもある普通のファミレスにおいて、一つだけ少し周りと雰囲気の違う卓がポツリとあった。
6人がけの大きめなテーブルに4人で座るそのそのグループは、どう言った関係なのか不思議な組み合わせであった。1人は顔に大きな傷のある大学生くらいのイケメン、1人は色黒で独特な眉をしているがこれまた大学生くらいのイケメン、1人は中学生くらいのかわいらしい少女、1人はイケメン2人より少し年上に見える坊主の男性。兄妹にも見えないし、かと思えば少女も物怖じすることなく他の3人と友達のように接しているため誰かの親戚の子かもしれない。
色黒のイケメンが深刻な顔で他の3人に何かを相談しているようだが、一体なんの話をしているのだろうか。そんなことを考えていると新しい客がきたことを告げるチャイムが鳴ったので慌てて案内口へと向かう。
37406人がけの大きめなテーブルに4人で座るそのそのグループは、どう言った関係なのか不思議な組み合わせであった。1人は顔に大きな傷のある大学生くらいのイケメン、1人は色黒で独特な眉をしているがこれまた大学生くらいのイケメン、1人は中学生くらいのかわいらしい少女、1人はイケメン2人より少し年上に見える坊主の男性。兄妹にも見えないし、かと思えば少女も物怖じすることなく他の3人と友達のように接しているため誰かの親戚の子かもしれない。
色黒のイケメンが深刻な顔で他の3人に何かを相談しているようだが、一体なんの話をしているのだろうか。そんなことを考えていると新しい客がきたことを告げるチャイムが鳴ったので慌てて案内口へと向かう。
rui2022niji
MOURNING思いつくまま出られない部屋(明治、非エロ)「なんじゃあここは!!」
「相変わらず騒がしいですなあ」
俺たちは部屋のようなところに閉じ込められているようだった。白っぽい壁と床に囲まれており、1面だけ扉らしきものがある。ただし錠付き、薩摩隼人の鯉登があれこれしたってびくともしない。
扉の上には文字が大きく書かれている。互いに、本心から褒め合えば出られるとのことだった。固く閉じた扉と文章のみのこの部屋から出る方法はこれ以外無さそうだ。
「……書かれてある通りのことをすりゃあさっさと出られるのではないですかねェ」
「クソッ!それしかないのか……尾形上等兵の良いところ!どこだッ!」
「酷い言い分ですなァ。本心でないと駄目だそうですから。真剣に考えてください」
668「相変わらず騒がしいですなあ」
俺たちは部屋のようなところに閉じ込められているようだった。白っぽい壁と床に囲まれており、1面だけ扉らしきものがある。ただし錠付き、薩摩隼人の鯉登があれこれしたってびくともしない。
扉の上には文字が大きく書かれている。互いに、本心から褒め合えば出られるとのことだった。固く閉じた扉と文章のみのこの部屋から出る方法はこれ以外無さそうだ。
「……書かれてある通りのことをすりゃあさっさと出られるのではないですかねェ」
「クソッ!それしかないのか……尾形上等兵の良いところ!どこだッ!」
「酷い言い分ですなァ。本心でないと駄目だそうですから。真剣に考えてください」
kusamotimotiw
TRAINING尾鯉です。メリークリスマスって言う尾形を書きたくなり、速攻で仕上げた駄文です。いつか、来年?ここからの続きを書けたらいいなと思います。特に注意書きはないかと思います。キスもエロもなしです。 1564rui2022niji
DONE2023年12月23日、鯉登音之進くん誕生日おめでとう〜!前からぼんやりと考えていた尾鯉を書きました。
現パロ記憶関係なし、エロなしです。
鯉登がウワー(↑)ウワー(↓)ウワー(↑)てなる話、かな?
自己満すぎていつにも増して何が言いたいの、って感じかもしれないです。
火は付けられた「なあ、12月23日は空いてるのか」
暖冬と言ったって暖房が欠かせない12月頭。リビングでくつろいでいると、同じくくつろいでいたはずの尾形が何の感情を表しているのか分からない顔をこちらに向けて切り出してきた。
12月23日は私の誕生日。毎年、家族か友人かの誰かしらに直接祝われている。付き合って3年目の尾形には、クリスマスイベントと併せて2人きりになって祝ってもらうことが続いていた。尾形は独占欲が強いわりに、私の周囲の人たちが私のために何かすることを決して邪魔をしないところがある。
付き合って初めての12月23日直前になっても私の予定を押さえようとしないことに怒って拗ねて困らせたものだった。
「お前の誕生日は……いつも親御さんや杉元とか誰かに祝ってもらっているだろう。お前には誕生日を祝福してくれる人がたくさんいるんだ。祝われておけ。」
4865暖冬と言ったって暖房が欠かせない12月頭。リビングでくつろいでいると、同じくくつろいでいたはずの尾形が何の感情を表しているのか分からない顔をこちらに向けて切り出してきた。
12月23日は私の誕生日。毎年、家族か友人かの誰かしらに直接祝われている。付き合って3年目の尾形には、クリスマスイベントと併せて2人きりになって祝ってもらうことが続いていた。尾形は独占欲が強いわりに、私の周囲の人たちが私のために何かすることを決して邪魔をしないところがある。
付き合って初めての12月23日直前になっても私の予定を押さえようとしないことに怒って拗ねて困らせたものだった。
「お前の誕生日は……いつも親御さんや杉元とか誰かに祝ってもらっているだろう。お前には誕生日を祝福してくれる人がたくさんいるんだ。祝われておけ。」
rui2022niji
MOURNINGR18?尾鯉相互0721もどき。フィニッシュしていません。誤字脱字変な改行に溢れていそうです。書きたいところから書いたらよくわからないことになっていたのをどうにかした感じです。どうにかなってないかもしれない。吐き出し。 4175rui2022niji
DOODLE⚠️鯉登女体化⚠️AVパロもどき
pixivにあげた小説のイメージ画像
「マジックミラー号で尾形に騙されてハメられたにょた鯉登ちゃんが外にいる平之丞と目があったと勘違いしている」シーンです
少々小説の流れとは違うのですが自分の中でこのイメージで書いてたので描いてみました
複数キャラの絡みに慣れたいです
ほっき貝
DOODLE宴席にて弐 尾形さん離反前の尾鯉の続き(郷中教育の とこ調べてからなんとかうまい言い回しを…と唸りつつ放置してた…らもうまったく思いだせない) (薩摩の芋侍めぇえ的な事を小難しく言ってる、風に) 19hinataibara
PROGRESSPietà/尾鯉背景テキトー暫定版
ひゃくこい3展示 https://togetter.com/li/2029345 に書いたプロットの概念絵です
完成したらpixivに上げます 2
はも@🐈⬛🎏原稿
SPUR ME恋音展示が間に合わない文量になったので、現在できてるところまで公開します!本当にすみません!完成したら完全版をpixivに投稿しますので、よろしくお願いします。函館に引っ越してきた鯉登くん(16)が冬季鬱っぽくなったのを、ここぞとばかりに手を差し出して手に入れようとする尾形百之助(21)の話です。
極夜にて「尾形はあたたかくて、すきだ」
そう言って尾形の膝の上に形の良い丸い頭を置いて少年が呟く。少年の声は声変わりが済んでもまだ少しばかり声が高く、甘い。
尾形、おがた。何度も甘い声で名前を呼ばれ、尾形はくつくつと肩を揺らして笑う。
「なぁ、もうここで暮らせよ」
艶のある黒紫の髪を撫で、少年の耳を指で柔く揉む。たったそれだけなのに、少年の耳が赤く染まる。黒い瞳がゆっくりとこちらを向く。気が強い性格で、誰にも弱ったところを見せようとしなかった子どもが、今は縋るような目で尾形をじっと見つめている。
この少年には自分しかいない。言葉で言われなくとも、少年の視線、表情、態度で解る。それが尾形にとって他の何にも変えられない幸福――黒くどろどろした幸せが自身を染めていく感覚にうっすらと微笑んだ。
8381そう言って尾形の膝の上に形の良い丸い頭を置いて少年が呟く。少年の声は声変わりが済んでもまだ少しばかり声が高く、甘い。
尾形、おがた。何度も甘い声で名前を呼ばれ、尾形はくつくつと肩を揺らして笑う。
「なぁ、もうここで暮らせよ」
艶のある黒紫の髪を撫で、少年の耳を指で柔く揉む。たったそれだけなのに、少年の耳が赤く染まる。黒い瞳がゆっくりとこちらを向く。気が強い性格で、誰にも弱ったところを見せようとしなかった子どもが、今は縋るような目で尾形をじっと見つめている。
この少年には自分しかいない。言葉で言われなくとも、少年の視線、表情、態度で解る。それが尾形にとって他の何にも変えられない幸福――黒くどろどろした幸せが自身を染めていく感覚にうっすらと微笑んだ。
かしりべ
MOURNING養父尾鯉ボツシーン睡眠姦→レイープ→なんだかんだ諭される
→また睡眠中にイタズラして開発済みの体を焦らして焦らして焦らして焦らしてとうとう挿入を懇願させる予定だったけど、諭されたのにまたするんかい!!となってしまったので、こっそりじゃなくて堂々と口説くことにしました。
養父尾鯉ボツシーン 唇が触れて、離れる。
「寝るか」
律儀に日課をこなした養父は、性的な雰囲気をかき消すように明るい声を出した。
ふわりと残り香が鼻をくすぐるが、動いた空気によりすぐ霧散した。階段を上がる後ろ姿を黙って見上げる。
待つ条件として求めた「親愛のキス」は毎日の日課となっていた。加えて、追加の要求もなんとか通した。
続いて階段を上がった尾形は、躊躇なく養父の寝室に入り、いつものように水なしで飲める錠剤を服用するところを見せた。鯉登には医師から処方された睡眠導入剤だと言っているが、ビタミン剤とすり替えてある。
睡眠障害については、夏よりは回復したものの治ってはいなかった。なので、服用は続けている。薬が効いて眠りにつくのは服用十五分後である。寝間着のポケットにいれたそれを、後でこっそりタイミングをずらして飲むのだ。
2037「寝るか」
律儀に日課をこなした養父は、性的な雰囲気をかき消すように明るい声を出した。
ふわりと残り香が鼻をくすぐるが、動いた空気によりすぐ霧散した。階段を上がる後ろ姿を黙って見上げる。
待つ条件として求めた「親愛のキス」は毎日の日課となっていた。加えて、追加の要求もなんとか通した。
続いて階段を上がった尾形は、躊躇なく養父の寝室に入り、いつものように水なしで飲める錠剤を服用するところを見せた。鯉登には医師から処方された睡眠導入剤だと言っているが、ビタミン剤とすり替えてある。
睡眠障害については、夏よりは回復したものの治ってはいなかった。なので、服用は続けている。薬が効いて眠りにつくのは服用十五分後である。寝間着のポケットにいれたそれを、後でこっそりタイミングをずらして飲むのだ。
はも@🐈⬛🎏原稿
PROGRESS12月の尾鯉プチの進捗その2何方 進捗2 尾形百之助、二十一歳、大学三年生。茨城の実家を出て、都内のアパートを借りて大学へ通っている。大学自体は実家から通学することができる。少々息子に対して過保護な両親と弟は、尾形が実家を出て一人で暮らすことに反対をした。実家から大学に通うの不便なこともあるが、楽な面もある。
『百が心配なのよ』
母親は進学を機に一人暮らしをしたいと訴える尾形に涙ながらに反対をした。
『別にここで生活をしながらでも問題はないだろ』
自分と目がそっくりな父親は悲し気な顔をしていて、自分が泣きそうになるとあんな感じなのかと尾形は人ごとのように思っていた。
『兄さんと離れたくない』
ぐずぐずと泣きながら尾形の意志を否定する弟に少しだけ苛立ちを覚えた。
1645『百が心配なのよ』
母親は進学を機に一人暮らしをしたいと訴える尾形に涙ながらに反対をした。
『別にここで生活をしながらでも問題はないだろ』
自分と目がそっくりな父親は悲し気な顔をしていて、自分が泣きそうになるとあんな感じなのかと尾形は人ごとのように思っていた。
『兄さんと離れたくない』
ぐずぐずと泣きながら尾形の意志を否定する弟に少しだけ苛立ちを覚えた。
はも@🐈⬛🎏原稿
PROGRESSバンドパロ尾鯉の尾形パートの一部。打ち上げで飲んでた尾形は杉元のからの連絡で鯉登を迎えに行くシーンcogit ergo sum.(2)「おい、これはどういうことだ」
杉元が迎えに来いと言った場所は同じホテルの違う階——杉元に割り振られていた部屋だった。
「てっきり外で飲んでるもんだと思ったんだが」
「俺が勝手に連れて来たんだよ。——お前の話ばっかりし始めたから、向こうに悪いだろ」
どれだけ酒を飲んで泣いて管を巻いていたのか分らないが、ぐずぐずになった顔とベッドの上で小さく丸くなっている鯉登を見て尾形は小さくため息をついた。
「ほら、尾形が来たぞ。起きろ鯉登」
杉元は丸くなっている鯉登の尻を叩くも、当の本人は「うぅ、」と唸るだけで起きる気配はない。杉元は静かに首を横に振り、何を思ったのか床に置いていたボストンバッグを持ち立ち上がった。
1418杉元が迎えに来いと言った場所は同じホテルの違う階——杉元に割り振られていた部屋だった。
「てっきり外で飲んでるもんだと思ったんだが」
「俺が勝手に連れて来たんだよ。——お前の話ばっかりし始めたから、向こうに悪いだろ」
どれだけ酒を飲んで泣いて管を巻いていたのか分らないが、ぐずぐずになった顔とベッドの上で小さく丸くなっている鯉登を見て尾形は小さくため息をついた。
「ほら、尾形が来たぞ。起きろ鯉登」
杉元は丸くなっている鯉登の尻を叩くも、当の本人は「うぅ、」と唸るだけで起きる気配はない。杉元は静かに首を横に振り、何を思ったのか床に置いていたボストンバッグを持ち立ち上がった。
はも@🐈⬛🎏原稿
PROGRESSバンドパロ尾鯉の原稿進捗書き下ろしの冒頭部分です。
内容は、ひゃくこい2で展示した短編2本と、今回の進捗を含めた書き下ろし2本を収録予定ですが、まだ書き終わってない助けて
ぽいぴくも使ってみたかったんだ
cogito ergo sum. 墨で塗りたくったような暗闇の中、オレンジの街灯が等間隔で明かりを灯して車内を照らす。部屋の蛍光灯なんかよりも随分と温かみのあるように感じる街灯が、手にしていたペットボトルに反射した自分の顔を映す。
——随分と間抜けな顔をしている
こんな顔をしているのは、運転席に座る男のせいだ。鯉登は助手席の背もたれに深く寄り掛かり窓の外を眺める。外は相変わらず真っ暗だった。
『悪いが次のライブ、車で移動してもらってもらうぞ』
九月のとある日、マネージャーの月島が練習のために集まった四人に向けてこう言い放った。
『次って、場所はどこだっけ?』
杉元の言葉に、ベースをケースから取り出した尾形が深いため息をつきながら眉間に皴をよせて答える。
2586——随分と間抜けな顔をしている
こんな顔をしているのは、運転席に座る男のせいだ。鯉登は助手席の背もたれに深く寄り掛かり窓の外を眺める。外は相変わらず真っ暗だった。
『悪いが次のライブ、車で移動してもらってもらうぞ』
九月のとある日、マネージャーの月島が練習のために集まった四人に向けてこう言い放った。
『次って、場所はどこだっけ?』
杉元の言葉に、ベースをケースから取り出した尾形が深いため息をつきながら眉間に皴をよせて答える。
ohmita
MOURNING最初お題の一つ「夕立」で現パロじゃ無いの書いてたんだけどなんかちょっとセンシティブになっちゃったからこそっとしとく エッチなの期待して開くとエッチじゃない!になるしエッチじゃないと思って開くとエッチじゃん!になるレベルのやつです。読むよ/読まないよ yes/no 384
マトリ
MOURNINGあれいつもと逆???な尾鯉尾鯉です(尾鯉です)(尾鯉です)
仄暗く薄明かりの落ちる部屋で目が覚めた。
いつの間にか軍衣袴が取り払われ、下着と下履きのみの心もとない姿で後ろ手に縛られているようだった。
(捕らえられたか…)
亜港の病院を抜け出した後のことを思い返しながら尾形は己の不運を呪っていた。すんでのところで何も手に入らなかった。自分で捨てたものとそうではないものの区別がもはや曖昧になっている。
(やはり、俺では駄目か)
どれくらいの時間が経っただろう。音もなく、冷えた空気と共に入ってきた人影がある。
「…目が覚めたか、尾形上等兵」
「……どこです、ここは」
「お前には関係ない」
居丈高にこちらを見やるのはよく知った貌…褐色の手におさまる何やら物騒な、よく撓る革紐の付いた棒には見覚えがないが。
2349いつの間にか軍衣袴が取り払われ、下着と下履きのみの心もとない姿で後ろ手に縛られているようだった。
(捕らえられたか…)
亜港の病院を抜け出した後のことを思い返しながら尾形は己の不運を呪っていた。すんでのところで何も手に入らなかった。自分で捨てたものとそうではないものの区別がもはや曖昧になっている。
(やはり、俺では駄目か)
どれくらいの時間が経っただろう。音もなく、冷えた空気と共に入ってきた人影がある。
「…目が覚めたか、尾形上等兵」
「……どこです、ここは」
「お前には関係ない」
居丈高にこちらを見やるのはよく知った貌…褐色の手におさまる何やら物騒な、よく撓る革紐の付いた棒には見覚えがないが。
ohmita
PROGRESSまだ書き終わってネ~~~けど丁度いいとこまで書けたので尾鯉の日だから出します。谷崎潤一郎『人魚の嘆き』パロのなんちゃって中華風尾鯉。尾形が貴公子でおとのちんが人魚です。鶴見中尉とヴァシリちゃんもちょこっと出てくる。全部かけたらピクシブにあげます。
人魚の嘆き「一つ箱が多いようだが。」
紳士の穏やかな問いに、金の玉座へ身を凭せかけた若者は物憂げに答えました。
「一つ増えても二つ増えても、あって困るものではないでしょう。どうぞ持って行ってください。――――まったく、恐ろしい程に上手くいった。」
若者はいくらか酔った様子でありましたが、両の目だけはまるで獣のように爛々として紳士を見据えておりました。ところが紳士は、若者の眼差しを受けて畏れるどころか、子でもあやすように微笑みます。
「私はきっかけを与えただけに過ぎないよ。君が思っている以上に、君の御父上は恨まれていたし弟君よりも君こそが当主に相応しいと思う者が多かった。それだけのことだ。」
白々しい言葉を嘲り若者は唇を歪めて笑いました。若者の父は、そのまた父から受け継いだ武功を更に重ね、時の皇帝の覚えもめでたく、最早他人は羨むのを諦めるほどの巨万の富を拵えました。また若者の弟は父に倣い武を磨き学にも秀で、正妻の息子として大変立派な人でありました。
23122紳士の穏やかな問いに、金の玉座へ身を凭せかけた若者は物憂げに答えました。
「一つ増えても二つ増えても、あって困るものではないでしょう。どうぞ持って行ってください。――――まったく、恐ろしい程に上手くいった。」
若者はいくらか酔った様子でありましたが、両の目だけはまるで獣のように爛々として紳士を見据えておりました。ところが紳士は、若者の眼差しを受けて畏れるどころか、子でもあやすように微笑みます。
「私はきっかけを与えただけに過ぎないよ。君が思っている以上に、君の御父上は恨まれていたし弟君よりも君こそが当主に相応しいと思う者が多かった。それだけのことだ。」
白々しい言葉を嘲り若者は唇を歪めて笑いました。若者の父は、そのまた父から受け継いだ武功を更に重ね、時の皇帝の覚えもめでたく、最早他人は羨むのを諦めるほどの巨万の富を拵えました。また若者の弟は父に倣い武を磨き学にも秀で、正妻の息子として大変立派な人でありました。
koioto_rz
MOURNING20220829 尾鯉の日!転生現パロ
美容師尾形×チョロ之進
耳責め、ちょっと乳首責め
そしてちょっとだけ喘ぐ
書きかけてたやつを折角なので完成させました🎏
18↑? 5686
ぎねまる
MOURNING「幼生の……」の後日談でした。惚気(言葉の用法には個人差があります)をそれぞれから聞かされる尾。これが「さんにんぐらし(月鯉尾バージョン)」の原型になりました。この三人の交わるようで交わらない関係が好きです。 3401ぎねまる
DOODLE続くかもしれない「🎏が🐱の地雷を踏み抜く」お話。貴方は貴族「300米?」
鯉登は素っ頓狂な声をあげた。
「300米先の人間の頭と胸の狙いなど、角度の差にして1度にも満たないぞ? 恐ろしい精度の射撃だな……機械よりも正確なのではないか」
尾形はうっそりと、絡んできた新任の上官を見上げる。
「角度とは?」
「三角関数だ」
「……申し訳ないですが、無学なもので、仰ることが今ひとつ」
「距離と高さから斜辺の角度を出す。あるいはその逆だ。工兵はやるだろう? 三角関数を知らないということは、理屈でなく純粋に技術のみなのか。ほんとうに機械のようだ」
尾形はがりがりと後頭部を掻いた。
「理屈を知っていても実践できなけりゃ意味ないでしょう」
「勿論だ。だが兵器の精度を上げることはできる。そうすれば練度の低い兵でも今の尾形のような射撃ができるだろう」
785鯉登は素っ頓狂な声をあげた。
「300米先の人間の頭と胸の狙いなど、角度の差にして1度にも満たないぞ? 恐ろしい精度の射撃だな……機械よりも正確なのではないか」
尾形はうっそりと、絡んできた新任の上官を見上げる。
「角度とは?」
「三角関数だ」
「……申し訳ないですが、無学なもので、仰ることが今ひとつ」
「距離と高さから斜辺の角度を出す。あるいはその逆だ。工兵はやるだろう? 三角関数を知らないということは、理屈でなく純粋に技術のみなのか。ほんとうに機械のようだ」
尾形はがりがりと後頭部を掻いた。
「理屈を知っていても実践できなけりゃ意味ないでしょう」
「勿論だ。だが兵器の精度を上げることはできる。そうすれば練度の低い兵でも今の尾形のような射撃ができるだろう」
sayura_gk
DONE尾鯉webオンリー『百発百中恋の弾丸』開催百日前カウントダウン!ひゃくこいの前にオフイベ尾鯉オンリーもあるので、本格的に原稿始めようと思います。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
想いが欲しい『お前が好きだ』
何度この言葉を声に出して、文字にして百之助に伝えただろう。どんなに真剣に告げても、軽く口にしてみても。好きなところを並べてみても。返される言葉はいつも同じだった。
『揶揄うんじゃねぇ』
『たまにしか会わねぇからそんな気がするだけだろ』
『高校生なんか相手にできるわけねぇだろ』
俺が逮捕されてもいいってのか。帰省中に昼寝をする百之助へ半裸になって覆いかぶさったら、そんな事を言われた日もある。こちらを睨みつける目は完全に座っており、その時はさすがに『これはマズいな?』と思ったものだ。
幼馴染みの花沢兄弟。家族ぐるみの付き合いで、長期の休みは互いの別荘に数日間滞在したものだ。平之丞が大学生になり家を空ける事が増えると、音之進だけが花沢家に滞在する事あった。
5496何度この言葉を声に出して、文字にして百之助に伝えただろう。どんなに真剣に告げても、軽く口にしてみても。好きなところを並べてみても。返される言葉はいつも同じだった。
『揶揄うんじゃねぇ』
『たまにしか会わねぇからそんな気がするだけだろ』
『高校生なんか相手にできるわけねぇだろ』
俺が逮捕されてもいいってのか。帰省中に昼寝をする百之助へ半裸になって覆いかぶさったら、そんな事を言われた日もある。こちらを睨みつける目は完全に座っており、その時はさすがに『これはマズいな?』と思ったものだ。
幼馴染みの花沢兄弟。家族ぐるみの付き合いで、長期の休みは互いの別荘に数日間滞在したものだ。平之丞が大学生になり家を空ける事が増えると、音之進だけが花沢家に滞在する事あった。
1405Barca
REHABILI現パロ尾鯉のギャグです。赦して。 別に無趣味というわけではない。
私大入学を機に都内に越してはや一年、灰の降らぬ生活にも慣れた今日この頃。ゼミに定期的に顔を出し、アルバイトも適度にこなし、サークルに入らない代わりにと近場の道場に度々足を運ぶ日常は同世代から見ても怠惰ではない。しかしながら大学生活二度目の春を迎えた鯉登音乃進にとって、それは惰性と断じる他ない日々だった。
そもゼミ活動が本格化するのは3年次からであって、今は文献の読み方・引用のやり方など基礎的な学習であるし、アルバイトは音乃進と同じく進学と共に上京し、今では大手の営業職に就く兄から紹介された家庭教師をそれなりの頻度でこなすだけ。幼年から続けてきた示現流も、人目の多い都会の道場で猿叫することは叶わず。つまるところ、どれも時を忘れて熱中できるほどのものではないのだ。あと一年待てばゼミも本格化し憧れの鶴見教授と個人面談もあるのだが、彼のよかにせ教授は現在ロシアで調査発掘に勤しむ多忙な日々を送っていると聞く。院生でも声を掛けにくいと聞く熱中状態の鶴見教授に、ほやほやの一年目ゼミ生がアクションを起こせるはずもなく、画面びっちり敬愛と近況で埋め尽くしたメールを削除して、肌寒い春の夜風に撫でられながら音乃進は自室のパソコンの前で小さくキェェと鳴いた。
4006私大入学を機に都内に越してはや一年、灰の降らぬ生活にも慣れた今日この頃。ゼミに定期的に顔を出し、アルバイトも適度にこなし、サークルに入らない代わりにと近場の道場に度々足を運ぶ日常は同世代から見ても怠惰ではない。しかしながら大学生活二度目の春を迎えた鯉登音乃進にとって、それは惰性と断じる他ない日々だった。
そもゼミ活動が本格化するのは3年次からであって、今は文献の読み方・引用のやり方など基礎的な学習であるし、アルバイトは音乃進と同じく進学と共に上京し、今では大手の営業職に就く兄から紹介された家庭教師をそれなりの頻度でこなすだけ。幼年から続けてきた示現流も、人目の多い都会の道場で猿叫することは叶わず。つまるところ、どれも時を忘れて熱中できるほどのものではないのだ。あと一年待てばゼミも本格化し憧れの鶴見教授と個人面談もあるのだが、彼のよかにせ教授は現在ロシアで調査発掘に勤しむ多忙な日々を送っていると聞く。院生でも声を掛けにくいと聞く熱中状態の鶴見教授に、ほやほやの一年目ゼミ生がアクションを起こせるはずもなく、画面びっちり敬愛と近況で埋め尽くしたメールを削除して、肌寒い春の夜風に撫でられながら音乃進は自室のパソコンの前で小さくキェェと鳴いた。
kyosuiii
DONE【尾鯉・現パロ・特殊設定】甘眼さんの素敵な設定をお借りしました。
尾鯉とおひねこの尾鯉が一緒に暮らしています。
尾形とおひねこ尾の精神が入れ替わってしまうはなし 二人とも珍しく予定のなかった休日、近くのスーパーにしばらくの食糧や日用品、惣菜などを買いに行った。家に帰るとちょうどお昼ご飯を食べる頃合いだった。せっかくの休日だからと昼間のうちからお酒を飲んで少し贅沢なランチを食べる。他愛のないことを話しながらついつい飲み過ぎてしまえば自然と眠気が訪れた。リビングのソファは猫たちに占拠されてしまっている。たまには、と二人で寝室に向かいまだ日の高い時間からベッドに潜りこんで眠りについた。
「……ん」
鯉登は何か腹に重みを感じて目を覚ました。一体なんだと思い寝ぼけ眼をこすりながら目を開けると腹の上には尾形がのしかかっていた。
「……尾形?」
こんなにも寝相が悪い奴だっただろうか。転がってきたにしてはすっぽりと鯉登の腹に収まっている。ともかくそれなりにがたいの良い成人男性が腹の上に乗っているのは苦しい。雑に肩を揺らして起きろと声をかけると尾形はゆっくりと目を開いた。
2517「……ん」
鯉登は何か腹に重みを感じて目を覚ました。一体なんだと思い寝ぼけ眼をこすりながら目を開けると腹の上には尾形がのしかかっていた。
「……尾形?」
こんなにも寝相が悪い奴だっただろうか。転がってきたにしてはすっぽりと鯉登の腹に収まっている。ともかくそれなりにがたいの良い成人男性が腹の上に乗っているのは苦しい。雑に肩を揺らして起きろと声をかけると尾形はゆっくりと目を開いた。