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    #kbdn

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ「雨音」
    ⏳1時間半位
    ちょっとした事が雨のように降り積もると、幸せになるねって言う話です。
    幸せの足音 パラパラと窓ガラスに雨粒が当たる音がし始め、冷えた空気が急速に湿っぽい香りを届けにくる。
    「やっぱり降ってきたか。」
    「ロロ!ロトムの言う通り、洗濯物しまってて良かったロ〜!」
    「そうだな。ロトム、いつも助かってるぜ。」
     ふわふわと浮かびながら飛び回るスマホロトムを指先で撫でてやると、それだけで小さな電気の光を飛び散らせながら喜ぶ。その可愛らしい姿に、ダンデは笑いながら雨が降る前に引っ張り込んできた、洗濯物がたっぷり入った籠を抱えて同じように笑う。雨音に気付いたヌメルゴンが、最近生まれたばかりのまだ小さなヌメラを腕に抱えてウッドデッキに繋がるガラス戸の前へとやってくる。大好きな水の気配と、窓やウッドデッキの床を叩く雨音が楽しいのか、まだ幼いヌメラはヌメルゴンの腕の中で興奮気味に「んめっ!めっ!めら〜」と体を揺らし、雨音に合わせて鳴いていた。それとは逆に、あまり雨が好きではないコータスやジュラルドンは自分からリビングにあるボールホルダーの所へ行き、ボールの中に入っていく。リザードンに至ってはロトムから雨が降ることを聞いて早々にボールに入っている。
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    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「風の強い日」
    ⏳🐈に妨害されつつ約2時間
    風の音って子どもの頃ちょっと怖かったなっていう思い出と、全てを塗り替えてくれる人の話。
    ※恋人設定
    風の強い日 子どもの頃、ダンデは夜中に風に揺れて鳴る窓の音が怖くて仕方なかった。
     耳を塞いでも枕の下に頭を捩じ込んでも耳に突き抜けてくる、まるで呻き声のような不気味な音は、風のせいだと聞いていても怖くて怖くて。そういう日はそろりと足音を立てないように両親の寝室まで行って2人のベッドに忍び込んだ。自分とは違う体温と、そっと撫でてくれる大きな掌に安心して夢の中に沈むことができたのだった。

     鈍色の空の中を、揺れる木々からちぎり飛ばされた枝葉が低い唸り声をあげながら飛び回っている。与えられた伽藍堂の部屋の窓から見上げるそれは、ハロンの時よりも何故か恐ろしく感じて、毎回ポケモン達を全員ボールから出して一緒に雑魚寝をしてもらっていた。キャンプ用の寝袋を床に敷いて、臆病な性格なのにダンデのことを守るように横に寝そべった一番の相棒にしがみつき、その温かいザラザラとした肌を感じながら、何故か胸の中に吹き続ける隙間風には気付かないふりをして夜を明かしたものだった。
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    肴飯のポイ箱

    DONEお題「大きさ比べ」
    ⏳1時間ジャスト
    ワンドロ開催いつもありがとうございます!凄く楽しく創作できるのもこのワンドロのお陰です☺️
    ※息をするように同棲しているkbdn
    ※kbnさんって手が大きいよねっていう話です

    あの手だったら色々なものを掴めるし撫でられるし、凄いなって思います。細かな作業は苦手で折り紙とかチャレンジして「ぬぁー!」ってキレて欲しい気持ちもある。器用なんだろうけど。
    大きさ比べ「(…珍しい。)」

     リビングのソファで仰向けになりながら本を顔の上に伏せ、珍しく居眠りしている彼を見つけて、好奇心からそのダラリと垂れ下がった右手をまじまじと眺める。同じポケモントレーナーとして活躍する彼の手は、所々小さな傷やペンだこはあるが、綺麗に手入れがされており爪も全て丸く引っかかりも無く整えられている。眠り込んでいる彼を起こさないように静かに膝をつき、そうっとその手を自分の両手で包んで持ち上げた。手の甲から手のひらとの色味の違う境目を指先でなぞりながらキバナの手をひっくり返し、その大きな手のひらと自分の手のひらを合わせて大きさを比べる。
     この大きな手が、ダンデは大好きだ。この手で触れられると、不思議なことにとても安心して幸せな気持ちになる。こんなに触ってもキバナは未だに起きる様子はない。それを良いことに、ダンデはキバナの手のひらへ頬を擦り寄せて幸せそうに笑う。少し冷たい指先の温度が、ダンデの頬の温度に触れて馴染んでいく。そんな些細な事でも幸せで愛しい。そんな気持のまま、最後手を離す前にと思ってキバナの手のひらへキスをすると、途端ガバリと体を起こしたキバナにそのまま彼の長い両腕で抱き付かれ、胸元へと引き寄せられる。バサリと本が床に落ちる音と同時に、彼のシダーウッドの香水の香りがふわりと鼻をくすぐる。
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    肴飯のポイ箱

    DONEリク「まだ両片思いの2人で、初々しい距離感の2人のデート」
    ※12、3歳ごろ設定
    ※両片思い K(→→→→→)→←(隠すことなくどでかい矢印)D

    両片思いってちょっとしたことで喜んだり落ち込んだり、そんな姿が可愛いかなって思いながら書いていました。どこまで許されるかな?って互いに探りつつ、きっとこの後二人は仲良くなっていきます。素敵なリクエスト、ありがとうございました!!
    Let's hold hands!「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」

     困った。

     俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも笑顔は崩さず対応する。人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
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    肴飯のポイ箱

    DONEリクエスト「食べ物」
    食べ物とkbdnの組み合わせは私も大好きです☺️✨🍽🍎どちらが料理得意なのかな?とか、どんな食べ物好きかな?なんて考えているとあっという間に時間過ぎちゃいます😌
    ※結婚後2人が大分一緒に生活している設定
    やっぱり甘いね 青々とした街路樹はすっかり葉を落とし、冷たい風と共に本格的な冬が今年もやってきた。結婚してからとうに片手以上の年数を一緒の家で過ごし、互いの好きな事、苦手な事を知ることも熟知してきたこの頃。寒さが苦手なキバナは毎日気温計を見ては溜息を吐きながらジムへ出勤している。寒さが比較的平気なダンデは、毎朝少しだけ早めに起きてリビングのヒーターの電源を入れ、ナックルジムのユニフォームをヒーター前で温めるように置く事が習慣になっている。
    「うぅー。あったか…。」
     なんて大きな体を縮めながらヒーターの前を陣取って着替える姿が何だか可哀想だが可愛いとダンデは思っている。

     さて、二人が暮らす家を決める時、ダンデが日向ぼっこが好きなポケモン達の為にとリクエストして作ったヴィクトリアンモデルのコンサバトリーは、日差しが暖かい日は多角形の窓から惜しみなく太陽の光を招き入れてくれる。今日は繁忙期の中では珍しく二人揃っての休み。そしてこの時期には珍しく気温も高く、風もない。最高の日向ぼっこ日和ということで、日向ぼっこ好き代表であるリザードンは午前中のトレーニングが終わった後からはいそいそとコンサバトリーへと向かい、一番日当たりの良い場所にお気に入りのラグを引きぐっすりと眠っている。
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    肴飯のポイ箱

    DONEお題箱から
    リクエスト「ポテトチップス」
    ※恋人同棲設定でis over後です。
    あちらさんでは呼び方が違うらしくて、どちらの名称で書くか悩んだのですがせっかくなので本場の呼び方で書いてみました。私もこれを書きながらコンビニで買ったポテチをパリパリと摘んで楽しんでいました。美味しいですよねポテチ。何故か急に食べたいスイッチ入るのなんなんでしょうね…素敵なお題ありがとうございました!
    美味しい金貨全体的にくすんだ水色とアイボリーで統一されたキッチンの中。シンプルな黒のVネックセーターにデニムパンツを履いたキバナは、いつもとは違い髪をハーフアップにして結び、腰にはジムのマークの入ったカフェエプロン。エプロンは数年前のファン感謝祭で販売したものだがポケットもついていて重宝している物だ。準備ができたらご機嫌にまずは1枚ロトムに撮ってもらってからコンロ前に立つ。ダンデと一緒に暮らし始めたこの家で特にキバナが拘ったキッチン周りは背の高い自分と恋人に合わせて作られている為、首が痛くならないのが大変よろしい。
    キバナが何故、こんな風にキッチンに立っているのかと言えば昨夜まで時間は遡る。


    「クリスプス腹いっぱい食べたい。」
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