いりこ
DONEつづき(前日譚)なれそめ的な話です書きたい順に書いてるので時系列がぐちゃぐちゃ…
昔から、同性に恋をしてきた。
はっきりと自覚したのは中学生の頃だ。仲の良かった部活の先輩が彼女が出来たと言っているのを聞いて、桐島はそこではじめて自分の好意の種類に気がついた。はじめての恋で、はじめての失恋だった。
桐島は自分の性的志向について悩んだことはあまりない。交友関係が狭い自覚はあるが、友人や家族には恵まれているんだろうなと思う。恋が実ったことはないが、これは性的志向ではなくて桐島自身の問題だ。
両思いになれたら、を想像することはあったが、それを現実にしようとは思わなかった。小説やドラマや周囲の「恋人」を見ていると、なんとなく自分には向いていなさそうな気がした。
だから桐島にとって恋は、一方的に遠くから眺めるだけのものだった。それはそれで十分に幸せだったと思う。少なくとも、当時の桐島はそう信じていた。
2106はっきりと自覚したのは中学生の頃だ。仲の良かった部活の先輩が彼女が出来たと言っているのを聞いて、桐島はそこではじめて自分の好意の種類に気がついた。はじめての恋で、はじめての失恋だった。
桐島は自分の性的志向について悩んだことはあまりない。交友関係が狭い自覚はあるが、友人や家族には恵まれているんだろうなと思う。恋が実ったことはないが、これは性的志向ではなくて桐島自身の問題だ。
両思いになれたら、を想像することはあったが、それを現実にしようとは思わなかった。小説やドラマや周囲の「恋人」を見ていると、なんとなく自分には向いていなさそうな気がした。
だから桐島にとって恋は、一方的に遠くから眺めるだけのものだった。それはそれで十分に幸せだったと思う。少なくとも、当時の桐島はそう信じていた。
めいじ
TRAININGお友達様の軽率ちゃんの一枚イラストに文章を付けさせて頂きました。自分勝手な小説ですが、軽率ちゃんのイラスト皆様見て!!!
タイトルはそのまま頂きました!
軽率ちゃんのTwitterは此方から→ @juju_draw1025 596
のぞむ(g-enom)
MOURNING【注】非公式設定、星の王子さまモチーフ登場人物:オオカミ少年、飛行機乗り、蛇、黒髪の少年(Little Prayer)、羊飼い(ストレイ・マーチ) ※moon child収録以前につくったお話です
2章のラストからしばらくして→https://poipiku.com/458280/7267466.html
下手ですが朗読→https://twitcasting.tv/c:genom297/
『オオカミ少年の物語』全4章(うち本編2章)「あの星を見ると、なぜだかとても恋しい気持ちになるんだ。」
1. 夢の章 ~エモクトロ~
砂漠の中にぽつんと、町がありました。その町にはいつも退屈そうにしている少年がいて、毎日何もない砂漠をふらふらと散歩していました。
ある日、その町外れの砂漠に赤い飛行機が不時着していました。少年がそっと近寄ると、飛行機のそばで大人の男の人が困った様子で、ぼんやりとパイプを吸っていました。少年はあまりにもびっくりしてしまったので、目を見開いたまま動けませんでした。その大人はやっと少年に気がつき言いました。
「君はこのあたりに住んでいるのかい?近くに、飛行機の整備ができるところはないかな?」
少年は首を縦に振ったり横に振ったりしながら、だんだんとわくわくしてきました。もしかしたら、この人は僕をこの町から連れ出してくれるかもしれない。
39501. 夢の章 ~エモクトロ~
砂漠の中にぽつんと、町がありました。その町にはいつも退屈そうにしている少年がいて、毎日何もない砂漠をふらふらと散歩していました。
ある日、その町外れの砂漠に赤い飛行機が不時着していました。少年がそっと近寄ると、飛行機のそばで大人の男の人が困った様子で、ぼんやりとパイプを吸っていました。少年はあまりにもびっくりしてしまったので、目を見開いたまま動けませんでした。その大人はやっと少年に気がつき言いました。
「君はこのあたりに住んでいるのかい?近くに、飛行機の整備ができるところはないかな?」
少年は首を縦に振ったり横に振ったりしながら、だんだんとわくわくしてきました。もしかしたら、この人は僕をこの町から連れ出してくれるかもしれない。
me95881363
DONEアルバ×アキカゼ初恋のきっかけ話
斜陽の初恋 鮮やかな夕焼けを見る度に、あの日のことを鮮明に思い出す。初めてあの人の優しさに触れて、高ぶる想いと犯した過ちを呪うあの日のことを。
***
厳格な両親は自由奔放な弟のことを諦め、教育を全て自分に注ぎ込んだ。神様へ捧げる舞の稽古、基礎体力や狩りの訓練、サバイバル知識、薬草毒草の見分け方、天候の読み方、獲物の分布。全て生きるために必要な知識だが、自由気ままに遊ぶ子供達を見ては羨ましさに後髪を引かれる日々だった。
春先。大人への第一歩として、少年期に入った子狼達は日没までに一人で獲物を狩る催しがあった。
狩りが始まる昼時。アキカゼは緊張した面持ちでいるが、打って変わって弟のスズカゼは「リスって香ばしくて美味しいよねぇ」と呑気に食事のことを考えている。
4566***
厳格な両親は自由奔放な弟のことを諦め、教育を全て自分に注ぎ込んだ。神様へ捧げる舞の稽古、基礎体力や狩りの訓練、サバイバル知識、薬草毒草の見分け方、天候の読み方、獲物の分布。全て生きるために必要な知識だが、自由気ままに遊ぶ子供達を見ては羨ましさに後髪を引かれる日々だった。
春先。大人への第一歩として、少年期に入った子狼達は日没までに一人で獲物を狩る催しがあった。
狩りが始まる昼時。アキカゼは緊張した面持ちでいるが、打って変わって弟のスズカゼは「リスって香ばしくて美味しいよねぇ」と呑気に食事のことを考えている。
kureha_i
DONE弊本丸の山姥切が修行に出た時の話と、伊達+αの海遊び。この話の前の話は、長文なのでHPでどうぞ。
歌仙が修行に出た時の話→http://kureha.ciao.jp/Kale_Touken_Story_31.htm
まつとしきかば 処暑を過ぎたにもかかわらず、未だ暑熱の去らないある日。
畑仕事から戻って来た太鼓鐘と物吉から、野菜の入った籠を受け取った光忠は、代わりに冷やしたタオルを渡してやった。
喜んでタオルにうずめた顔を再びあげた瞬間、鶴丸が吹き出す。
「こりゃ驚いた!
白い貞宗達が、こんがり黒くなっているぞ!」
指をさされた二人は、互いに顔を見合わせて、笑い出した。
「ほんとだ!
太鼓鐘、こんがりしちゃってますよ!」
「物吉だって!
これじゃあ黒王子だぜ!」
衣装も黒くするか!と、はしゃぐ太鼓鐘に、光忠も笑い出す。
「じゃあ二人とも、長船派に入る?」
言った途端、騒ぎを聞きつけたか、勝手口の扉が音を立てて開いた。
「日焼け止め、ちゃんと塗らなきゃだめだろう、お前達!
21413畑仕事から戻って来た太鼓鐘と物吉から、野菜の入った籠を受け取った光忠は、代わりに冷やしたタオルを渡してやった。
喜んでタオルにうずめた顔を再びあげた瞬間、鶴丸が吹き出す。
「こりゃ驚いた!
白い貞宗達が、こんがり黒くなっているぞ!」
指をさされた二人は、互いに顔を見合わせて、笑い出した。
「ほんとだ!
太鼓鐘、こんがりしちゃってますよ!」
「物吉だって!
これじゃあ黒王子だぜ!」
衣装も黒くするか!と、はしゃぐ太鼓鐘に、光忠も笑い出す。
「じゃあ二人とも、長船派に入る?」
言った途端、騒ぎを聞きつけたか、勝手口の扉が音を立てて開いた。
「日焼け止め、ちゃんと塗らなきゃだめだろう、お前達!
kureha_i
DONE人形本丸続編。1624/10/17 晩秋を迎えた陽光は、かつての苛烈さを失くし、ただ清澄に降り注いでいる。
冷たい風が病床の主の身体には良くないからと、締め切られた障子を彼は、そっと開けた。
「おぉ、尼君。ご覧あれ。
庭の紅葉が見事に色づいている。
まさに、
散らねども かねてぞ惜しきもみぢ葉は 今はかぎりの 色と見つれば
と言ったところかな」
声をかけるが、返事はない。
「尼君。尼君や。
お加減が悪いか。
せっかくの良き日和だというのに。
さぁ、起きて共にご覧あれ。
俺に、昔の話を聞かせておくれ」
床に臥せたまま、浅く息をする老女へ、彼はひたすら声をかけた。
「尼君・・・」
伏せた目に写る老女は、かつての快活な生気を失くし、ただゆっくりと、死出の旅路へと向かっている。
20400冷たい風が病床の主の身体には良くないからと、締め切られた障子を彼は、そっと開けた。
「おぉ、尼君。ご覧あれ。
庭の紅葉が見事に色づいている。
まさに、
散らねども かねてぞ惜しきもみぢ葉は 今はかぎりの 色と見つれば
と言ったところかな」
声をかけるが、返事はない。
「尼君。尼君や。
お加減が悪いか。
せっかくの良き日和だというのに。
さぁ、起きて共にご覧あれ。
俺に、昔の話を聞かせておくれ」
床に臥せたまま、浅く息をする老女へ、彼はひたすら声をかけた。
「尼君・・・」
伏せた目に写る老女は、かつての快活な生気を失くし、ただゆっくりと、死出の旅路へと向かっている。
kureha_i
DONE人形の主による本丸375 瞬いた目に映ったのは、真っ白な部屋。
調度の一つもなく、殺風景この上ない。
「なんだい、この部屋は。
風流じゃないね」
見回せば、歳の頃は七つほどか、緋色の振袖を肩上げもせず、さらりと着た幼子が、この部屋で唯一の調度のように動かず、じっと彼を見つめていた。
「ごきげんよう、童女殿。
貴殿が僕の主かな?」
跪いて目線を合わせると、彼女はこくりと頷く。
と、肩の上で切り揃えた、癖のない黒髪がさらりと流れた。
一筋の乱れもないそれを訝しく思いつつ、彼は微笑む。
「そうか。
僕は歌仙兼定。
風流を愛する文系名刀さ。どうぞよろしく」
「・・・よろしく」
囁くような声に確信し、歌仙は微笑んだまま、目に剣呑な光を点した。
24692調度の一つもなく、殺風景この上ない。
「なんだい、この部屋は。
風流じゃないね」
見回せば、歳の頃は七つほどか、緋色の振袖を肩上げもせず、さらりと着た幼子が、この部屋で唯一の調度のように動かず、じっと彼を見つめていた。
「ごきげんよう、童女殿。
貴殿が僕の主かな?」
跪いて目線を合わせると、彼女はこくりと頷く。
と、肩の上で切り揃えた、癖のない黒髪がさらりと流れた。
一筋の乱れもないそれを訝しく思いつつ、彼は微笑む。
「そうか。
僕は歌仙兼定。
風流を愛する文系名刀さ。どうぞよろしく」
「・・・よろしく」
囁くような声に確信し、歌仙は微笑んだまま、目に剣呑な光を点した。
kureha_i
DONE変わり種本丸続編。時の政府は令和の少子化を憂いている。
とある家族の本丸・二本庄(ほんじょう)家
夫:英雄(ひでお)
妻:美子(よしこ)
子:長男・ワカ、次男・ナカ、長女・姫(通称)
堀(ほり)家
夫:大介(だいすけ)
妻:千鶴(ちづる)
子:イチ(通称)
―――― 保活。
平成から、令和にかけて未だ解決されない、職業婦人達の戦である。
専業主婦が主だった時代も、今は昔。
女も働け、子を産め、更に働けと、心身ともに殺す気満々の政府の意向により、戦は激しさを増している。
堀家も、その戦に参戦する家の一つである。
ある日。
「保育園が・・・決まらないんですよ・・・・・・」
あとはもやしを残すのみとなったラーメンの、冷めたスープをぐるぐるとかき回す後輩に、英雄は何度も頷いた。
「うちも、長男の時は大変だったよ。
12682夫:英雄(ひでお)
妻:美子(よしこ)
子:長男・ワカ、次男・ナカ、長女・姫(通称)
堀(ほり)家
夫:大介(だいすけ)
妻:千鶴(ちづる)
子:イチ(通称)
―――― 保活。
平成から、令和にかけて未だ解決されない、職業婦人達の戦である。
専業主婦が主だった時代も、今は昔。
女も働け、子を産め、更に働けと、心身ともに殺す気満々の政府の意向により、戦は激しさを増している。
堀家も、その戦に参戦する家の一つである。
ある日。
「保育園が・・・決まらないんですよ・・・・・・」
あとはもやしを残すのみとなったラーメンの、冷めたスープをぐるぐるとかき回す後輩に、英雄は何度も頷いた。
「うちも、長男の時は大変だったよ。
kureha_i
DONE変わり種本丸。こういうシステムあればいいよね。
とある家族の本丸本庄(ほんじょう)家
夫:英雄(ひでお)
妻:美子(よしこ)
子:ワカ(通称)
―――― 保活。
平成から、令和にかけて未だ解決されない、職業婦人達の戦である。
専業主婦が主だった時代も、今は昔。
女も働け、子を産め、更に働けと、心身ともに殺す気満々の政府の意向により、戦は激しさを増している。
本庄家も、その戦に参戦する家の一つである。
ある日。
某IT社にて、SEを務める英雄は、マンションの玄関を入った途端、疲れ果てた気配を察してリビングへと足を速めた。
「美子ちゃん、大丈夫・・・?
保育園、今日も無理だった?」
決まっていたなら喜びの連絡が入っただろうが、今日もそれはなかった。
気づかわしげに問いかけると、テーブルの上に突っ伏した美子が、ぼさぼさの頭を上げる。
9304夫:英雄(ひでお)
妻:美子(よしこ)
子:ワカ(通称)
―――― 保活。
平成から、令和にかけて未だ解決されない、職業婦人達の戦である。
専業主婦が主だった時代も、今は昔。
女も働け、子を産め、更に働けと、心身ともに殺す気満々の政府の意向により、戦は激しさを増している。
本庄家も、その戦に参戦する家の一つである。
ある日。
某IT社にて、SEを務める英雄は、マンションの玄関を入った途端、疲れ果てた気配を察してリビングへと足を速めた。
「美子ちゃん、大丈夫・・・?
保育園、今日も無理だった?」
決まっていたなら喜びの連絡が入っただろうが、今日もそれはなかった。
気づかわしげに問いかけると、テーブルの上に突っ伏した美子が、ぼさぼさの頭を上げる。
kureha_i
DONE夏向けです。過去に書いたものなので、呼び名が一定していない。
初出2016.07.16
月夜月夜に 長雨もようやく終わり、夏の虫が夜を賑わせる頃。
和泉守兼定は一人、庭の見える部屋で月見酒を決め込んでいた。
「―――― 恋し恋しとなく蝉よりも なかぬ蛍が身を焦がす・・・ってな」
機嫌よく笑いながら、池の周りでぽつぽつと光るさまに目を細める。
「うるさい国広は明日の昼までいねぇし・・・今夜はゆっくり飲めるってもんだぜ。
主に感謝だな!」
そして明日は昼まで寝ていようと、楽しい計画につい、頬が緩んだ。
手酌が少し惜しいが、この時のために隠し持っていた美酒に、月の姿を映す。
「三日月の 水の底照る 春の雨・・・って、もう季節はずれか。
あー・・・夏の句はなんだったかな・・・」
前の主が残した句を思い出そうと、彼は庭へと目を向けた。
19000和泉守兼定は一人、庭の見える部屋で月見酒を決め込んでいた。
「―――― 恋し恋しとなく蝉よりも なかぬ蛍が身を焦がす・・・ってな」
機嫌よく笑いながら、池の周りでぽつぽつと光るさまに目を細める。
「うるさい国広は明日の昼までいねぇし・・・今夜はゆっくり飲めるってもんだぜ。
主に感謝だな!」
そして明日は昼まで寝ていようと、楽しい計画につい、頬が緩んだ。
手酌が少し惜しいが、この時のために隠し持っていた美酒に、月の姿を映す。
「三日月の 水の底照る 春の雨・・・って、もう季節はずれか。
あー・・・夏の句はなんだったかな・・・」
前の主が残した句を思い出そうと、彼は庭へと目を向けた。
sarasarami10
INFO類司小説、次回作の第一幕です。※ワンダーマジカル ショウタイム後の話
※独自設定多め
※あえて原作設定と異なる演出があります
神代類の反逆譚たとえばの話をしよう。そう、これらはイフ。『もしも』の上で成り立つ話だ。
もしも、別の世界に住んでいたら。
生まれたのが、十年も先の未来だったら。
あの時、ショーを見ていなかったら。
あの日、君に出会わなかったら。
それらのイフの先に待つ『僕』は、果たして『僕』と言えるのだろうか?
もしも僕の人生を紡ぐすべてが運命だというのなら。
この世界に神様がいて、その神様が敷いたレールが運命だというのなら。
そのレールを踏み外すことは、罪に値するのだろうか?
これから話すのは、すべて『もしも』の話。
たった一人の青年が起こした、ヒーローとはほど遠い、抗いの物語だ。
* * *
強い光に視界を遮られ、天馬司は反射的に強くまぶたを閉じた。
6586もしも、別の世界に住んでいたら。
生まれたのが、十年も先の未来だったら。
あの時、ショーを見ていなかったら。
あの日、君に出会わなかったら。
それらのイフの先に待つ『僕』は、果たして『僕』と言えるのだろうか?
もしも僕の人生を紡ぐすべてが運命だというのなら。
この世界に神様がいて、その神様が敷いたレールが運命だというのなら。
そのレールを踏み外すことは、罪に値するのだろうか?
これから話すのは、すべて『もしも』の話。
たった一人の青年が起こした、ヒーローとはほど遠い、抗いの物語だ。
* * *
強い光に視界を遮られ、天馬司は反射的に強くまぶたを閉じた。
me95881363
DONEノクス×ダスク三話狂月 三夜 気がついた時には夜は明けており、白濁と汗に塗れた身は清められていた。それを行った人物は今隣で深い寝息を立てている。
最愛の者を奪い、陵辱し、辱めた男。
本来食用肉を捌くのに使っていた黒曜石の小刀なら、柔らかい喉元を掻き切るのは容易い。
小刀を逆手で持ち、煮え滾る憎しみの渦の中殺そうとした時だった。ノクスに甘えていたあの幼子たちの無邪気な声が外から聞こえてきて手が止まる。
皆に慕われ、群れに貢献し、最期の刹那まで姉が愛したノクス。
彼を私怨で殺したら、私もこいつと同じでは無いのか?
私だけが知っている事実とノクスの凶悪性。しかしどこにもその証拠は無い。
私がこいつを殺し、群れを抜けたらアルバはどうなる?病弱というだけで皆から冷淡な目を向けられているというのに、親友を同時に二人も失えば彼の未来がどうなるのか容易に想像できる。
2105最愛の者を奪い、陵辱し、辱めた男。
本来食用肉を捌くのに使っていた黒曜石の小刀なら、柔らかい喉元を掻き切るのは容易い。
小刀を逆手で持ち、煮え滾る憎しみの渦の中殺そうとした時だった。ノクスに甘えていたあの幼子たちの無邪気な声が外から聞こえてきて手が止まる。
皆に慕われ、群れに貢献し、最期の刹那まで姉が愛したノクス。
彼を私怨で殺したら、私もこいつと同じでは無いのか?
私だけが知っている事実とノクスの凶悪性。しかしどこにもその証拠は無い。
私がこいつを殺し、群れを抜けたらアルバはどうなる?病弱というだけで皆から冷淡な目を向けられているというのに、親友を同時に二人も失えば彼の未来がどうなるのか容易に想像できる。
me95881363
DONEノクス×ダスク🔞狂月 二夜 初めて人前で肌を晒し身体を暴かれる相手が想い人ではなく、憎くて憎くて仕方がない人物だと誰が想像できただろうか。屈辱と拭いきれない殺意が胸の奥底で煮え滾る。
ノクスは予め用意していた油を指に塗り、ダスクのまだ固い蕾に指先で触れる。びくりと警戒するように跳ねるそこに油を馴染ませ、滑るように一本埋めた。
「っ……ふ……ッ」
せめてもの対抗心からなのだろう。声が漏れないようにきつく口を閉じれば皮肉にも体は強ばり、自らを開こうとする指の圧迫感は増すのだった。
「我慢はよくないぞ」
空いている手で突起をつまみ、指先で弄りながら、ダスクの首筋に顔を埋める。幼い頃から戯れに嗅いできた髪の匂いに汗が混じり、言いようも無い色香がぐるると喉を鳴らした。鼻先を掠めるさらりと整った髪を心地よく感じながら、白い喉元へ食らいつくように歯を立てた。
3036ノクスは予め用意していた油を指に塗り、ダスクのまだ固い蕾に指先で触れる。びくりと警戒するように跳ねるそこに油を馴染ませ、滑るように一本埋めた。
「っ……ふ……ッ」
せめてもの対抗心からなのだろう。声が漏れないようにきつく口を閉じれば皮肉にも体は強ばり、自らを開こうとする指の圧迫感は増すのだった。
「我慢はよくないぞ」
空いている手で突起をつまみ、指先で弄りながら、ダスクの首筋に顔を埋める。幼い頃から戯れに嗅いできた髪の匂いに汗が混じり、言いようも無い色香がぐるると喉を鳴らした。鼻先を掠めるさらりと整った髪を心地よく感じながら、白い喉元へ食らいつくように歯を立てた。
me95881363
DONE満月山にいたころのアルバ、ダスクの話。ノクス×ダスク
狂月 一夜ノクス……ダスクとアルバの幼なじみでダスクの義兄
ラー……ダスクの婚約者、事故により死亡
カルラ……ダスクの姉、ノクスに裏切られ自殺
*
「貴方も……貴方を恨む私も……私を裏切った彼も……それでも彼を愛してる私も……全部、全部が憎い……」
そう言い残した姉の口から黒く淀んだ血が溢れ出る。その症状から自ら服毒したのは明確だった。
何故、どうして。理由を問いただしても亡骸が答えるわけがない。
再びあげることになるとは思いたくもなかった、喉が裂けるほどの慟哭は己の無力さを誇張するだけだった。
カルラの死は群れ中にすぐ知れ渡り、立て続けに起こる身内の死にダスクを憐れむ声があがるとともに、彼に不信感を抱く者も少なくはなかった。やがてダスクに関わると命を落とすという噂まで流れ、耳に入る度にアルバが一喝するが効果は表面上だけのものだ。
3673ラー……ダスクの婚約者、事故により死亡
カルラ……ダスクの姉、ノクスに裏切られ自殺
*
「貴方も……貴方を恨む私も……私を裏切った彼も……それでも彼を愛してる私も……全部、全部が憎い……」
そう言い残した姉の口から黒く淀んだ血が溢れ出る。その症状から自ら服毒したのは明確だった。
何故、どうして。理由を問いただしても亡骸が答えるわけがない。
再びあげることになるとは思いたくもなかった、喉が裂けるほどの慟哭は己の無力さを誇張するだけだった。
カルラの死は群れ中にすぐ知れ渡り、立て続けに起こる身内の死にダスクを憐れむ声があがるとともに、彼に不信感を抱く者も少なくはなかった。やがてダスクに関わると命を落とすという噂まで流れ、耳に入る度にアルバが一喝するが効果は表面上だけのものだ。
Do not Repost・どべ
MEMO野暮用で過去作の手直し。仇であるKへの恨みを思い出すも忘れる猫人 ──はぅっ……! Kさんを殺さないとっ……!
ここ最近の楽しい珍道中ですっかり忘れていたが、そういえば同行者であるKという男はLの故郷の仇であった。
10数年前に、猫人がひっそりと暮らしていた島に突如ふらりとやってきて島の大半の猫人を殺害した黒髪赤瞳。
そいつに報復せし、と単身、島を旅立ち帰ってこなくなった彼氏……。彼氏が行方不明になり、そして、自分がこうやって島を出て彼を探す旅に出るはめになったのは、全てその殺人鬼のせい……。
朝、宿での一泊から目覚めてすぐにそんな恨みを久しぶりに、唐突に思い出したLはベッドの中で「うにゅ!」と気合いを入れた。
気合いを入れてベッドから出て、顔を洗い、着替えてから階下の食堂に向かう。
2028ここ最近の楽しい珍道中ですっかり忘れていたが、そういえば同行者であるKという男はLの故郷の仇であった。
10数年前に、猫人がひっそりと暮らしていた島に突如ふらりとやってきて島の大半の猫人を殺害した黒髪赤瞳。
そいつに報復せし、と単身、島を旅立ち帰ってこなくなった彼氏……。彼氏が行方不明になり、そして、自分がこうやって島を出て彼を探す旅に出るはめになったのは、全てその殺人鬼のせい……。
朝、宿での一泊から目覚めてすぐにそんな恨みを久しぶりに、唐突に思い出したLはベッドの中で「うにゅ!」と気合いを入れた。
気合いを入れてベッドから出て、顔を洗い、着替えてから階下の食堂に向かう。
Do not Repost・どべ
DONE諸事情突貫小話。鳥の盗み聞きする人vs鳥から庇われる人「あぁ、雨が降るってよ」
窓際の壁にもたれかかりながら小休憩をとっていた5世の呟きを、ゼアは訝しんだ。
空には多少の雲があったが、それでもさほど「雨が降るぞ」という気配はなかった。晴天である。
が、空気が若干の湿り気を帯びているから、もしかしたらその可能性はあるかもしれないが「雨が降る」と断定するのは、いささか微妙なところだ。
「……とても、いい日和ですが」
護衛という従者の身で主に口答えするのはいかがなものかとも思ったが、主である5世がボケだしたのなら早期発見が望ましいと考えて提言する。
「僕もそう思うんだけどね、外の鳥がそう騒いでるんだよ」
いよいよもって5世がどうかしてしまったのかと、ゼアは息を飲んだ。窓の外を見やる5世の端正な顔つき……その視線に狂気性は感じられないが、それが尚更恐ろしいと思った。
1722窓際の壁にもたれかかりながら小休憩をとっていた5世の呟きを、ゼアは訝しんだ。
空には多少の雲があったが、それでもさほど「雨が降るぞ」という気配はなかった。晴天である。
が、空気が若干の湿り気を帯びているから、もしかしたらその可能性はあるかもしれないが「雨が降る」と断定するのは、いささか微妙なところだ。
「……とても、いい日和ですが」
護衛という従者の身で主に口答えするのはいかがなものかとも思ったが、主である5世がボケだしたのなら早期発見が望ましいと考えて提言する。
「僕もそう思うんだけどね、外の鳥がそう騒いでるんだよ」
いよいよもって5世がどうかしてしまったのかと、ゼアは息を飲んだ。窓の外を見やる5世の端正な顔つき……その視線に狂気性は感じられないが、それが尚更恐ろしいと思った。
ちぐさ
DONETOARISE/アルシオ『ふたりの旅路』
診断メーカーで出た「皆に隠れて」をテーマにしたお話。
結婚式当日、皆の前に出る前の二人がこれまでと、これからに思いをはせる話です。
ジュンブラ企画参加させていただきました~!💐
アルシオ末永くお幸せに……! 4
キツキトウ
DONE2022/7/7書きもの/「Wisteria」
本日二話目の更新。何度確認しても誤字脱字妖怪と闘っている。
もし誤字脱字がありましたら生暖かい目で見守っていただけると幸いです……。
※創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・何でも許せる人向け。
Wisteria(12)「Wisteria」について異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
又、一部別の創作作品とのリンクもあります。なるべくこの作品単体で読めるようにはしていますがご了承を。
※ポイピクの仕様上、「濁点表現」の表示が読みづらい時がありますが脳内で保管して頂けると助かります。(もしかしたら現在はポイピクさん側が小説投稿の表示を調整してくれたかもしれません。:2022/7/7現)
31054世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
又、一部別の創作作品とのリンクもあります。なるべくこの作品単体で読めるようにはしていますがご了承を。
※ポイピクの仕様上、「濁点表現」の表示が読みづらい時がありますが脳内で保管して頂けると助かります。(もしかしたら現在はポイピクさん側が小説投稿の表示を調整してくれたかもしれません。:2022/7/7現)
キツキトウ
DONE2022/7/7書きもの/「Wisteria」
さ、最終更新が2021/7/21だからまだ一年たってないもん!描きたい絵やラフが溜まってく山に埋もれながら頑張って書いてたんだもん!(なおどちらも遅筆)
もし誤字脱字がありましたら生暖かい目で見守っていただけると幸いです……。
※創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・何でも許せる人向け。
Wisteria(11)「Wisteria」について異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
又、一部別の創作作品とのリンクもあります。なるべくこの作品単体で読めるようにはしていますがご了承を。
※ポイピクの仕様上、「濁点表現」の表示が読みづらい時がありますが脳内で保管して頂けると助かります。(もしかしたら現在はポイピクさん側が小説投稿の表示を調整してくれたかもしれません。:2022/7/7現)
28372世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
又、一部別の創作作品とのリンクもあります。なるべくこの作品単体で読めるようにはしていますがご了承を。
※ポイピクの仕様上、「濁点表現」の表示が読みづらい時がありますが脳内で保管して頂けると助かります。(もしかしたら現在はポイピクさん側が小説投稿の表示を調整してくれたかもしれません。:2022/7/7現)
ちぐさ
DOODLETOARISE/アルシオ千草さんには「それはまるで呪いのよう」で始まり、「君が目覚めるまでは」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば8ツイート(1120字)以内でお願いします。
https://shindanmaker.com/801664 4
ちぐさ
DOODLETOARISE/アルシオ千草のアルシオへの140字SSお題は『夕焼け』です。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/521654
290字になってしまった(倍以上……( ˇωˇ ))ので文庫ページメーカーに流し込みました。スリム化できませんでした。でも大体ポエムです。イメージガナスハロス~レネギス行く前。
ノイズキャンサー喜代子
INFO7月2日開催のダンユウwebオンリー『壇上遊戯 ─ dance the night away ─』で頒布予定の小説のサンプルです。※本作品には病的及び性的、及び食品への冒涜・蹂躙等の描写が含まれます。
※サンプル内に性的な描写は含まれません。 146
紫織有貴
DOODLEカルデア軸の爛れた(?)メフコン。R18です。
スキルにフィーリングが必要ないつもの文です。お暇な時にでも時間潰すのにどうぞ。
※パスワードは古の3桁の数字&コンスタンティノープル陥落年の西暦4桁です。(この順で打ち込んでください) 6
senban11_mg
DONE【小説】鳴龍組時代にこんな日があったらいいなというゆるめの妄想
※画像だと読みにくい場合用に、同内容のテキスト版をこちらに載せましたhttps://privatter.net/p/8891897 6
ON6969
DONE6月6日のシスの日に間に合わなかった。グラシスの小説、リミテッドロゼッタのフェイトエピネタバレあり
君に贈る空の果てを目指す旅路で立ち寄った新たな島。
多くの団員が補給と娯楽、様々な理由で下船していくなか、シスは甲板からグランの背を見送った。
彼の隣に小さな影も風に靡く蒼い髪もなく、代わりに美しい黒髪の背中があるのが珍しく、雑踏に消えるまでずっと見つめてしまった。
薔薇のドレスの美しい女とは直接話をしたことはない。顔と名前くらいは知っている。
この騎空団の始まりの仲間だからグランと親しいのは当たり前だ。
だが二人だけで島に降りてどこかに向かうのを見るのは初めてだったから。
珍しいと思って、気になった。
珍しいとは思ったが数日も経てばいくつもの下船の光景の一つになり、シスの記憶の中に埋もれていった。
ある夜、グランに呼ばれたシスは彼の部屋に赴いた。
10106多くの団員が補給と娯楽、様々な理由で下船していくなか、シスは甲板からグランの背を見送った。
彼の隣に小さな影も風に靡く蒼い髪もなく、代わりに美しい黒髪の背中があるのが珍しく、雑踏に消えるまでずっと見つめてしまった。
薔薇のドレスの美しい女とは直接話をしたことはない。顔と名前くらいは知っている。
この騎空団の始まりの仲間だからグランと親しいのは当たり前だ。
だが二人だけで島に降りてどこかに向かうのを見るのは初めてだったから。
珍しいと思って、気になった。
珍しいとは思ったが数日も経てばいくつもの下船の光景の一つになり、シスの記憶の中に埋もれていった。
ある夜、グランに呼ばれたシスは彼の部屋に赴いた。
sk5642194
DONE小説/アル蛍/器用にもほどがある/果実より甘く(全11P)キスの日のアル蛍、と延長戦・夜の部の話。
キスが本題なのでR15くらいで。このあとめちゃくちゃセ、……はしますの気持ち……。 12
チカ岡県
DOODLEワートリ夢太刀川慶とその姉弟子のとある夜の話
※Twitterにも同じ作品を載せております
星の夜、君とふたりきり 二人分の足音だけが響く夜。
二時間前に終わる筈だった防衛任務は交代直前のトリオン兵襲撃によって思った以上に長引いてしまった。
最後のトリオン兵を切り倒して、オペレーターに報告を終えた私は息を吐く。
元々今日は完全休日だったけど、急遽欠員が出たという事で私に白羽の矢が立った。友達と遊ぶ予定も、出掛ける予定も特に何も無かったから簡単に頷いたのだけど、流石に此処まで長引くとは思わなかった。突然の襲撃故に仕方が無い所もあるが、見たかったドラマの第一話が見れなかった事が残念だった。
そんな落ち込んでいる私の所に姐さん。と自分を呼ぶ声が聞こえた。掛け声に振り向けば私の弟弟子でもある太刀川慶が立っていた。
1494二時間前に終わる筈だった防衛任務は交代直前のトリオン兵襲撃によって思った以上に長引いてしまった。
最後のトリオン兵を切り倒して、オペレーターに報告を終えた私は息を吐く。
元々今日は完全休日だったけど、急遽欠員が出たという事で私に白羽の矢が立った。友達と遊ぶ予定も、出掛ける予定も特に何も無かったから簡単に頷いたのだけど、流石に此処まで長引くとは思わなかった。突然の襲撃故に仕方が無い所もあるが、見たかったドラマの第一話が見れなかった事が残念だった。
そんな落ち込んでいる私の所に姐さん。と自分を呼ぶ声が聞こえた。掛け声に振り向けば私の弟弟子でもある太刀川慶が立っていた。