土砂降り ペンドラゴンのプロモーションについて議論するため、この日ペンドラゴンの三人は広報担当と共に会議室に集められた。
チームの活躍によって銅田産業の売り上げが何パーセント伸びただの、次の戦略がどうだのと、専務は耳障りな声でまくしたてる。一方銅田社長は椅子に腰掛け笑みをたたえるのみで、何の意見も述べはしなかった。銅田産業は社長をトップとする会社だが実質的に社を取り仕切るのは戯画谷専務と言ってよい――新人にして未成年、参加するものの発言権はないシエルは、椅子に座りながら表向きは真面目に、心の中ではつまらなそうに会議の参加者を眺めていた。
その、あくびをかみ殺したくなる時間の中、シエルは窓を叩く雨音に気がついた。
4736