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    yuno

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    yuno

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    7/23の新刊予定「0.01のあとで」の冒頭サンプルです。无限と風息がただただいちゃいちゃしてる話。こんなに仲良しなの初めて書いたんじゃないでしょうか。
    本はR18ですが、ここに載っけてる部分はR15程度。

    #无風
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    recommended works

    takami180

    PROGRESS長編曦澄16
    🦍兄上vs🐒
     猾猿はその夜に狩ることになった。
     まずは山の四方より禁錮陣の内側に入り、一回り小さい陣を張る準備をする。封異陣といって、妖異を封じ込め弱体化をはかる。その後、五年ほど待ち、十分に弱ったところで妖異を滅する。
     気の長い話である。
     問題は封異陣を引く間、猾猿を引きつけておかねばならず、さらには陣の中央におびきださねばならない、という二点である。
     各世家の仙師は陣術の得意な者と、剣の得意な者とで分かれた。さらに腕の立つ者が最前線で猾猿を引きつけることも決まった。
     なお、封異陣を引くのは魏無羨である。
    「私は魏嬰を守る」
     藍忘機の役割は問答無用で決まった。陣が完成したら魏無羨は戦線を離脱する。陣の起動は各世家の仙師たちが行う。
     残った問題は陣中央にどうやって誘い出すかである。
    「ならば、私が妖異を捕まえよう」
     ここでまさかの名乗りがあった。江澄である。
    「怪我してんのに何言ってんだ」
    「捕縛に紫電ほどうってつけの宝具はあるまい。縛仙網では破られるぞ。右腕は使えるのだから、紫電は扱える」
     誰もが江澄を止めようとした。だが、彼の言うことはもっともだった。
    「ほかに縄縛のできる宝 2255

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄2
    あなたと手を繋いでいたい
     初冬の蓮花湖にはなにもない。花は言うに及ばず、葉もとっくに枯れている。
     見えるのは、桟橋に向かう舟の影だけ。
     だというのに。
     江澄は隣に立つ男を見た。
     藍曦臣は「どこに行きたい」と尋ねた江澄に、ここを希望したのである。
     冬になる前には、と言っていたもののそれは叶わず、藍曦臣の訪問は結局、冬の訪れを待ってからになった。
     猾猿が及ぼした影響は深く、姑蘇の地は冬支度がなかなか終わらなかった。
     それでも季節は移る。冬になってしまえばできることは少ない。宗主としての仕事が一段落すれば、正月までは特別な行事もない。
     そうして、今回、藍曦臣は三日の間、蓮花塢に逗留することになった。
    「あちらに見えるのが涼亭ですね」
    「そうだが」
    「あなたに蓮の実をいただいたのを思い出します」
     江澄に視線を移して、藍曦臣は笑う。
     なにがそんなに楽しいのだろう。江澄はまじまじと見返した。
    「どうしました?」
    「こんな、なにもない湖を見て、そんなに楽しそうにできるのはあなたぐらいだ」
    「そうでしょうか」
     風が吹く。北からの冷たい風が二人の背中をなでる。
    「きっと、あなたと一緒だからですね」
     江澄 1152

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄11
    これからの恋はあなたと二人で
     寒室を訪れるのは久しぶりだった。
     江澄は藍曦臣と向かい合って座った。卓子には西瓜がある。
     薄紅の立葵が、庭で揺れている。
    「御用をおうかがいしましょう」
     藍曦臣の声は硬かった。西瓜に手をつける素振りもない。
     江澄は腹に力を入れた。そうしなければ声が出そうになかった。
    「魏無羨から伝言があると聞いたんだが」
    「ええ」
    「実は聞いていない」
    「何故でしょう」
    「教えてもらえなかった」
     藍曦臣は予想していたかのように頷き、苦笑した。
    「そうでしたか」
    「驚かないのか」
    「保証はしないと言われていましたからね。当人同士で話し合え、ということでしょう」
     江澄は心中で魏無羨を呪った。初めからそう言えばいいではないか。
     とはいえ、魏無羨に言われたところで素直に従ったかどうかは別である。
    「それだけですか?」
    「いや……」
     江澄は西瓜に視線を移した。赤い。果汁が滴っている。
    「その、あなたに謝らなければならない」
    「その必要はないと思いますが」
    「聞いてほしい。俺はあなたを欺いた」
     はっきりと藍曦臣の顔が強張った。笑顔が消えた。
     江澄は膝の上で拳を握りしめた。
    「あなたに、気持ち 1617

    takami180

    PROGRESS恋綴3-7(旧続々長編曦澄)
    別れの夜は
     翌日、江澄は当初からの予定通り、蔵書閣にこもった。随伴の師弟は先に帰した。調べものは一人で十分だ。
     蔵書閣の書物はすばらしく、江澄は水に関連する妖怪についてのあらゆる記述を写していった。その傍ら、ひそやかに古傷についても調べた。しかしながら、薬種に関する書物をいくらひもといても、古傷の痕を消すようなものは見つからない。
     江澄は次に呪術の書物に手をかけた。消えない痕を残す呪術があることは知識として持っている。その逆はないのだろうか。
     江澄は早々に三冊目で諦めた。そもそも、人に痕を残すような呪術は邪術である。蔵書閣にあるとしても禁書の扱いであろう。
    「江宗主、目的のものは見つかりましたか」
     夕刻、様子を見に来た藍曦臣に尋ねられ、江澄は礼を述べるとともに首肯するしかなかった。
    「おかげさまで、江家では知識のなかった妖怪について、いくつも見つかりました。今までは海の妖怪だからと詳細が記録されてこなかったものについても、写しをとることができました」
     たしかに江家宗主としての目的は果たせた。これ以上に藍家の協力を得るのは、理由を明かさないままでは無理なこと。
    「あなたのお役に立てたなら 2224