きみはかわいいお人形 本当に本当に幸運なことに(あるいは不幸なことに)男はひどく優秀であったので。
バチリ。と、己が人間へと変じる寸前ソロモンは世界の終わりを『見た』
いつかは分からない。何故かは分からない。犯人さえも分からないが、己が原因だということは分かってしまった。
人類滅亡なんてモノを見て、都合が悪いから見なかったことにしようとか、自分でなくとも他人が何とかするだろうとかそんな風に出来るほどソロモンという男は楽観主義でも悪辣さもそなえていなかった。何とかしなければ。そんな風に考えてしまうほど骨身まで望まれることだけで生きてきた男だった。
というわけで産まれたばかりの名もなき男はさてどうしたものかと思考を巡らせ、あ、これ(感情)邪魔だな、と自然に思ってしまったのだ。
1502