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    bell39399

    @bell39399

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    bell39399

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    内容とまったく関係ないんですけど、たいていの問題はジップロックが解決してくれる気がしてきました…

    #バンエレ誕2024

    楽しいお茶会!その13リオネスの城には王家自慢の庭がある。森と違い人の手が入っているそれは、しかしとても自然に近い雰囲気で華美ではなく上品で、長きにわたり国民から愛されるリオネス王家の質実剛健さを物語っているようだった。
     その一角、特に景観の良い場所に建てられたガゼボで、エリザベスとエレインは昨日の約束通り、他愛ないおしゃべりに花を咲かせていた。
    「よく近くの丘にピクニックに行ったりもするんだけど、今日はお庭でのんびりするのもいいかなって。お茶をどうぞ、おくちに合うといいけど」
    「ありがとう! とてもいい香りのお茶ね」
    「本当? 実はね、そこの畑で採ったハーブなの」
     久しぶりの女の子の親友同士、話題は尽きない。連れ合いのこと、子供のこと、ここにはいない仲間の話、庭に咲く草花の話や最近ドジったお話などなど、ふと気づいたときにはあっという間に夕方近くになっていた。
    「すこし風が冷えてきたわね。バンたちもうお城の壁の修繕は済んだかしら」
    「ごめんねエレイン。メリオダスったらいつもやり過ぎるんだから!」
    「貴女が謝ることじゃないでしょ。それに仕方ないわよ、バンもバンだし。まったくもお、そっくりでへんてこな二人よね」
    「本当にね!」 
     くすくす笑いながら城へ戻るとメリオダスもバンもまだ戻らないという。どこに行ったのか、と衛兵に尋ねると彼らはひどく言いにくそうに「それがあの、トリスタン王子もつれられて訓練場の方に」と、叱られた訳でもないのに縮こまりながら答えた。
     なんとなく訓練場の有り様を察したエリザベスは哀れな衛兵をねぎらうと、エレインと同時にため息をついて仕方なく二人でそちらに向かう。するとやっぱり、としか言いようのない感じに、バンとメリオダスは可哀想なトリスタンも巻き込んで心底愉快そうに喧嘩に興じていたのだった。

    つづく!
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    bell39399

    DOODLE遡って読んでくださってる方もいらっしゃるようで本当にありがとうございます!うれしいうれしい😆♥💕🎶
    さてバンエレちゃんは不思議な村に来たようですね!(すっとぼけ)

    所で今回のタイトル(?)の元ネタわかった人はお友達です。
    山奥の村で〜バンとエレインが出会った〜 その22! 丘を超えた先に、唐突に集落らしきものが見えた。大きな岩のモニュメントのようなものが目立つが、それ以外は何の変哲もない村に見える。
    「それにしてもこんな恐ろしく何もねぇ、山奥でよく暮らすよな♪」
    「そう? 森に囲まれたいい場所じゃない」
     エレインの言葉にそれもそうか、とバンは思い直す。そもそも《なにもない度合い》からいうとベンウィックもどっこいだ、と気づいてしまいむしょうに可笑しくなってきた。
    「人間にとっては確かに不便かもしれないわね」
     そんな事にも気がつくようになったのよ! と薄い胸を張るエレインを、バンは考えるより先に抱きしめて頬ずりした。
     ともかく鳥から頼まれた用事もある。二人はじゃれ合いつつ村に入ると、人懐こい笑顔を浮かべた村人が集まってきた。が、なんとも奇妙な雰囲気だ。まず、笑顔ではあるが異様に無口である。バンとエレインの表情は自然と険しくなった。
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    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
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