そのお使いの意味は「無駄に休憩してるなら、ちょっとお使いに行ってきてくれません?」
ここは数あるアスモデウスの拠点のひとつ。最寄りの街から程よく離れているところある小さな建物だ。
少々騒がしくしても街に被害ない距離というのは大事だ。この師匠は加減という言葉を知らないのだから。
いつものように死ぬかと思うほどの手ほどきを受けたあと、そんな言葉を投げかけられた。
「……今度は何を企んでる」
「企んでるなんて酷いじゃないですか。普通の買い出し、子供でもできるお使いですよ?」
「貴方のお使いは普通の子供に買いに行かせるような品とは思えないのだが」
「行き先は最近街にできたという新しいケーキ屋。既に注文と支払いも済ませたから受け取るだけ。正真正銘ただのお使いですよ」
1450