「褒めてくれてもいいんじゃない?」
あの夜にそう自ら強請ったのは色々言い訳みたいなものがある。
完全な二人きりで誰にも聞かれる心配がなかったから。
そのKKさえも肉体を失って声しか聞こえない状態だったから。
これまで色々軽口を叩きあってきたし、何度も手放しで褒めてくれていたから。
我ながら上手く大型のマレビトを倒せたから。
終わりの見えない戦いに心細くなっていたから。
僕の思いを知ってか知らずかKKは心から感心したように
「ああ……すげえよ、オマエは」
と褒めてくれて僕は満たされた気持ちになった。
お互いに殺し合いのような状況だったけれどKKに出会えてよかったし、もし体がないままならずっと僕と二心同体でもいいよ。なんてKKには言わないけれど。
4645