ごはんを食べようその15少し弾力のあるふわふわしたマグカップケーキは以前作った蒸しパンにも似ている。
甘い味がふわりと口に広がって、少ししてココアの苦味が追いかけてきた。後味はまた甘く戻り、ちょうどいい甘さと苦味のバランスにほんのりと笑顔になる。
五分程度で作ったにしては充分美味しい、いい出来だった。
「イソップくん、美味しい?」
「はい」
「私のと一口交換しない?」
「最初からそのつもりだったでしょ」
「ふふ、バレた?」
ココア味のマグカップケーキを一口切り分けてイライのマグカップに……と思ったところで、イソップは差し出されたフォークに気付いた。
フォークの先端にはノーマルな味のマグカップケーキが一口分、刺さっている。
「イソップくん?」
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