りゅう
そいそい
DONEエイプリルフールに間に合わなかったやつ。タツリュウなのかリュウタツなのか書いた本人もよくわらない。
前に似たよう話書いたけど、清洲兄弟の攻防大好きなので何度でも書いてしまいますね😅
(ちなみにマニキュア使ったことないので塗り方あってるからわかんないです😭)
前日「俺さ、明日までに彼女が欲しいんだよね」
俺が神妙な面持ちでそう口にすれば、兄貴は勉強机から顔を上げることなくそうかと答える。
「そうかじゃないんだよ!兄貴!」
それが気に食わなくて声を荒げれば、なんなんだとやっと兄貴は振り向いてくれた。
「明日、エイプリルフールだろ?だから、彼女ができたって嘘をつきたい」
今日は三月最後の日。つまり、エイプリルフールの前日だ。春休みで中々会えないクラスの友達に、とっておきの嘘をつきたいと思っている。そして、みんなが信じそうなギリギリのラインで思いついたのが、俺に彼女ができたというものだ。
「事情はわかった。だが、そんなことをして虚しくないか?」
そう諭してくる兄貴に、虚しくないと大声で反論してしまう。虚しいわけがない。そうだ、虚しくなんてない。
2926俺が神妙な面持ちでそう口にすれば、兄貴は勉強机から顔を上げることなくそうかと答える。
「そうかじゃないんだよ!兄貴!」
それが気に食わなくて声を荒げれば、なんなんだとやっと兄貴は振り向いてくれた。
「明日、エイプリルフールだろ?だから、彼女ができたって嘘をつきたい」
今日は三月最後の日。つまり、エイプリルフールの前日だ。春休みで中々会えないクラスの友達に、とっておきの嘘をつきたいと思っている。そして、みんなが信じそうなギリギリのラインで思いついたのが、俺に彼女ができたというものだ。
「事情はわかった。だが、そんなことをして虚しくないか?」
そう諭してくる兄貴に、虚しくないと大声で反論してしまう。虚しいわけがない。そうだ、虚しくなんてない。
ヒズカ
DONE趣味に走りまくった女装シマ君。(リュさん手だけですがリュウシマです)
(たぶんリュさんのK校の女子制服です。なぜか学校に潜入するために着ることになってしまった的な……。そして、見つかっちゃって的な……)
🍕🍞
DONEレカペ2にて無配していたラオリュウ漫画です。リュウが徴を得て光の寺院へ来て間もない頃、まだラオとコンビで王者探しをしていた時期があったんじゃないかな〜と妄想したものです。
※だいぶ前に描きかけだったものに追筆したので絵柄とかバラバラです。 4
primulayn
DONEりゅうくろ「そうだ清澄!」
自室に木村さんを招いて、ゆったりとした時間を過ごしていたところ、突然彼が立ち上がった。徐ろに鞄の中身を漁り、大切そうに紙袋を取り出す。彼はそれを慎重にこちらに差し出して、瞳をきらきらさせた。
「これ、受け取ってほしいんだ」
木村さんからの期待の籠った視線がなんだか擽ったい。両手でその紙袋を受け取ると、ずしりと重みを感じた。
なんでもない日に贈り物をすることは、私と木村さんの間ではよくあることだった。お互いがそれぞれ別の場所で生活していて、相手に合うかな、とか、これ喜んでくれるんじゃないかな、とか、いろいろな理由で贈り合うことが、いつしか当たり前になっていた。出掛けた先でたまたま見かけた物を通して相手を想うとき、胸のあたりが少し暖かくなって思わず笑みが溢れてしまう。そんな瞬間も愛おしくて、いつしか二人の間で定番のやりとりになっていた。
2000自室に木村さんを招いて、ゆったりとした時間を過ごしていたところ、突然彼が立ち上がった。徐ろに鞄の中身を漁り、大切そうに紙袋を取り出す。彼はそれを慎重にこちらに差し出して、瞳をきらきらさせた。
「これ、受け取ってほしいんだ」
木村さんからの期待の籠った視線がなんだか擽ったい。両手でその紙袋を受け取ると、ずしりと重みを感じた。
なんでもない日に贈り物をすることは、私と木村さんの間ではよくあることだった。お互いがそれぞれ別の場所で生活していて、相手に合うかな、とか、これ喜んでくれるんじゃないかな、とか、いろいろな理由で贈り合うことが、いつしか当たり前になっていた。出掛けた先でたまたま見かけた物を通して相手を想うとき、胸のあたりが少し暖かくなって思わず笑みが溢れてしまう。そんな瞬間も愛おしくて、いつしか二人の間で定番のやりとりになっていた。
そいそい
DONE初夏のリュウシマ。シマカゼくんが女装しているので注意。
フォロワーさんがこのSSに合わせて、シマカゼくんを描いてくださいました🙏本当にありがとうございます🙏
ひまわりの君「それで、その格好はどういうことなんだ?」
黄色のワンピースに、ロングヘアのウィッグ。その上に大きな麦わら帽子を僕は被っていた。そんな僕の姿をリュウジさんは渋い顔で見つめてくる。
「えーっと、これは…」
リュウジさんは喜んでくれるとばかり思っていたから、思いがけず厳しい反応に口籠る。
ことの発端は、リュウジさんに会いに行く前に大宮支部に寄り、シンたちに少し愚痴を言ったことだ。リュウジさんが東京の大学に進学した機に、僕たちはお付き合いをするようになった。名古屋と東京で遠距離ということもあり、色々不安はつきものである。特にリュウジさんはモテる。何度か女性に言い寄られているところを目撃している。そんなリュウジさんを一人東京に置いておくのが不安だ。それを、たまたま大宮支部に集まっていたシンたちに愚痴ったところ、僕が女装をしてリュウジさんに群がる女性たちに牽制をしたらどうかということになったのだ。話が決まれば、あれよあれよとことは進む。どこから聞きつけたのか、吾孫子さんと大石さんもノリノリで参戦してきて、服を決められ、化粧をされ、さあさあとリュウジさんの元へと送り出されたのだ。
2703黄色のワンピースに、ロングヘアのウィッグ。その上に大きな麦わら帽子を僕は被っていた。そんな僕の姿をリュウジさんは渋い顔で見つめてくる。
「えーっと、これは…」
リュウジさんは喜んでくれるとばかり思っていたから、思いがけず厳しい反応に口籠る。
ことの発端は、リュウジさんに会いに行く前に大宮支部に寄り、シンたちに少し愚痴を言ったことだ。リュウジさんが東京の大学に進学した機に、僕たちはお付き合いをするようになった。名古屋と東京で遠距離ということもあり、色々不安はつきものである。特にリュウジさんはモテる。何度か女性に言い寄られているところを目撃している。そんなリュウジさんを一人東京に置いておくのが不安だ。それを、たまたま大宮支部に集まっていたシンたちに愚痴ったところ、僕が女装をしてリュウジさんに群がる女性たちに牽制をしたらどうかということになったのだ。話が決まれば、あれよあれよとことは進む。どこから聞きつけたのか、吾孫子さんと大石さんもノリノリで参戦してきて、服を決められ、化粧をされ、さあさあとリュウジさんの元へと送り出されたのだ。
かわな
PROGRESS7月新刊。リュウイケ進捗リュウイケ「映画を観たいって言ったの、君だったよね?」
映画のエンドロールが終わり、たっぷりと余韻を味わったらしいイケルさんが面倒くさそうに言った。立ちあがり、入り口の横にある室内灯のスイッチを指先でぱちんとはじいたあと、「コーヒー淹れるけど、飲む?」と尋ねられ、ソファにのしかかるように振り返った俺は「イケルさんのコーヒー、おれっち好きっス」と答えた。
「それ、答えになってない」
明るくなった部屋がまぶしかったのか、イケルさんの目が細く横に伸びた。嫌そうな顔がかわいくて、俺の声は分かりやすく弾む。
「飲むッスよ。もちろん。愛情いっぱい込めてくださいね。イケルさん」
「ただのインスタントなんだから、込め方が僕には分からないな」
2284映画のエンドロールが終わり、たっぷりと余韻を味わったらしいイケルさんが面倒くさそうに言った。立ちあがり、入り口の横にある室内灯のスイッチを指先でぱちんとはじいたあと、「コーヒー淹れるけど、飲む?」と尋ねられ、ソファにのしかかるように振り返った俺は「イケルさんのコーヒー、おれっち好きっス」と答えた。
「それ、答えになってない」
明るくなった部屋がまぶしかったのか、イケルさんの目が細く横に伸びた。嫌そうな顔がかわいくて、俺の声は分かりやすく弾む。
「飲むッスよ。もちろん。愛情いっぱい込めてくださいね。イケルさん」
「ただのインスタントなんだから、込め方が僕には分からないな」
primulayn
DONEりゅうくろ電車は、好きだ。日常生活の中で自然と彼の隣に座れるから。
細かく揺れる車内は静かで、乗客はみな自分の手元にある携帯電話に夢中だ。だから私は少しだけ、右に身体を傾けてしまう。肩越しに触れる温かさと二の腕の厚みを感じると、彼の存在をはっきりと感じられて思わず口元が緩んでしまう。
立場上、人目のあるところで手を繋いだり、触れ合ったりすることはできないけれど、こうして少しだけ温もりを感じられる時間はとても貴重でとてつもなく嬉しい。ひとりの移動時間は本を取り出して読んでいることが多いのだけれど、彼と一緒だとそわそわしてしまって読書どころではないから、なんとなく両の手の指を絡めたりして気を紛らせている。
そっと横顔を覗く。きりっと上がった眉にすっと通った鼻筋、夕暮れの色が美しいなと瞳を見つめていると、彼と目が合ってしまった。なんだか恥ずかしくて慌てて目を逸らす。真っ直ぐな彼の目線は眩しくて、いつまで経っても慣れることができない。それはきっと、自分が彼に恋しているからなのだろう。
680細かく揺れる車内は静かで、乗客はみな自分の手元にある携帯電話に夢中だ。だから私は少しだけ、右に身体を傾けてしまう。肩越しに触れる温かさと二の腕の厚みを感じると、彼の存在をはっきりと感じられて思わず口元が緩んでしまう。
立場上、人目のあるところで手を繋いだり、触れ合ったりすることはできないけれど、こうして少しだけ温もりを感じられる時間はとても貴重でとてつもなく嬉しい。ひとりの移動時間は本を取り出して読んでいることが多いのだけれど、彼と一緒だとそわそわしてしまって読書どころではないから、なんとなく両の手の指を絡めたりして気を紛らせている。
そっと横顔を覗く。きりっと上がった眉にすっと通った鼻筋、夕暮れの色が美しいなと瞳を見つめていると、彼と目が合ってしまった。なんだか恥ずかしくて慌てて目を逸らす。真っ直ぐな彼の目線は眩しくて、いつまで経っても慣れることができない。それはきっと、自分が彼に恋しているからなのだろう。
primulayn
DONEりゅうくろプロデューサーさんに用事があって事務所に寄ると、そこには思わぬ先客がいた。
「おはようございます、木村さん」
「お、おはよう清澄!」
「おはようございます」
そこには清澄と事務員の山村が談笑していた。お盆を持って立っている清澄はお茶を淹れてきたところだったのだろう。水色の着物が目に涼しくて、少しずつ夏に向けて気温が上がってきたこの季節にはぴったりだ。しゅっと伸びた背筋が今日も美しいなと思う。
「あれ、プロデューサーさんは?」
「プロデューサーさんなら急ぎの用で先程出ていかれましたよ。書類は預かっていますのでお渡ししますね」
山村から茶封筒を受け取って中身を確認する。台本と資料と……よし、大丈夫そうだ。
「賢、ありがとう!……って、どうかした?」
1682「おはようございます、木村さん」
「お、おはよう清澄!」
「おはようございます」
そこには清澄と事務員の山村が談笑していた。お盆を持って立っている清澄はお茶を淹れてきたところだったのだろう。水色の着物が目に涼しくて、少しずつ夏に向けて気温が上がってきたこの季節にはぴったりだ。しゅっと伸びた背筋が今日も美しいなと思う。
「あれ、プロデューサーさんは?」
「プロデューサーさんなら急ぎの用で先程出ていかれましたよ。書類は預かっていますのでお渡ししますね」
山村から茶封筒を受け取って中身を確認する。台本と資料と……よし、大丈夫そうだ。
「賢、ありがとう!……って、どうかした?」
そいそい
DONEキスの日に間に合わなかったリュウシマ。キスの意味キスはする場所によって意味があるという。それを知ったのは最近のこと。それもこれも毎年5月23日に行われる、あの人の悪戯のせい。
最初の年は、前髪だった。何気なく僕の前髪を手で遊ばせていたリュウジさんが、不意に唇を落としたのだ。あまりにも突然のことで、僕の身体は固まってしまった。それを笑うリュウジさんに、揶揄うのはやめてくださいと怒ったのを覚えている。
次の年はおでこ。リュウジさんのお手伝いをして、助かったよと頭を撫でられているときのことだった。そのままリュウジさんの唇が僕のおでこに触れたのだ。それは親が子どもを褒めているときのようで、子ども扱いされたと少しムッとした。
その次の年は手の甲。ちょうど空手で手を少し痛めていたときのことだった。見せてみろと真剣な眼差しで、リュウジさんは僕の手を取った。一通り具合を確かめたところで、リュウジさんはそっと僕の手の甲へと口付けをしたのだ。そのときの僕は、王子様がお姫様へ贈る口付けというよりは、早く治りますようにというおまじないとしての口付けだと受け取っていた。
1372最初の年は、前髪だった。何気なく僕の前髪を手で遊ばせていたリュウジさんが、不意に唇を落としたのだ。あまりにも突然のことで、僕の身体は固まってしまった。それを笑うリュウジさんに、揶揄うのはやめてくださいと怒ったのを覚えている。
次の年はおでこ。リュウジさんのお手伝いをして、助かったよと頭を撫でられているときのことだった。そのままリュウジさんの唇が僕のおでこに触れたのだ。それは親が子どもを褒めているときのようで、子ども扱いされたと少しムッとした。
その次の年は手の甲。ちょうど空手で手を少し痛めていたときのことだった。見せてみろと真剣な眼差しで、リュウジさんは僕の手を取った。一通り具合を確かめたところで、リュウジさんはそっと僕の手の甲へと口付けをしたのだ。そのときの僕は、王子様がお姫様へ贈る口付けというよりは、早く治りますようにというおまじないとしての口付けだと受け取っていた。
mucchomutto
DONEキスの日リュウツラ。でも間接キス。リュ→ツラの片思い。
短文です。
ペットボトルのキャップが開けられ、ツラヌキの口に柑橘系の香りが注がれていく。
「あーうまい!」
「毎日飲んでいてよく飽きないな」
隣に座っているリュウジが若干呆れながら話しかけた。
「だってよーこれ美味いし・・・・・・」
「お前の好きなイナホたんがCMやっているからだろ」
ツラヌキの言葉に被せてそう言ってやれば、顔を赤く染めて照れている。
「キャンペーンシール集めれば、イナホたんグッズ貰えるんだぜ」
「へー」
「なんだよ、その気のない返事は!」
「俺には関係ない」
リュウジは本に目線を移して読書の続きをしようとした。飲み物もイナホたんも興味はないし、頬を赤らめてその話をするツラヌキをなんとなく見たくなかった。
611「あーうまい!」
「毎日飲んでいてよく飽きないな」
隣に座っているリュウジが若干呆れながら話しかけた。
「だってよーこれ美味いし・・・・・・」
「お前の好きなイナホたんがCMやっているからだろ」
ツラヌキの言葉に被せてそう言ってやれば、顔を赤く染めて照れている。
「キャンペーンシール集めれば、イナホたんグッズ貰えるんだぜ」
「へー」
「なんだよ、その気のない返事は!」
「俺には関係ない」
リュウジは本に目線を移して読書の続きをしようとした。飲み物もイナホたんも興味はないし、頬を赤らめてその話をするツラヌキをなんとなく見たくなかった。
primulayn
DONEりゅうくろふっと目が覚めたとき、目に入ったのは彼の顔だった。今夜も抱き合って互いの熱を求めて深く深く繋がって、いいところばかりを攻められていつものように意識を飛ばしてしまった。毎度のことと解りながらもやはり悔しさが残る。もぞもぞと動くと首の後ろに彼の腕が通っていて、これは腕枕をしてくれているのだなということがわかった。行為の後、こうして木村さんの腕の中で優しく抱きとめられていたのだろう。彼も目を伏せて静かな寝息を立てている。起こさないようにと思いながら、ずり落ちていた掛け布団を引き上げた。
「ん……」
彼のくぐもった声が落ちてくる。起こしてしまっただろうか。
「……きよすみ」
瞼がゆっくりと開き、夕焼けの色が灯る。少し掠れた声が耳に心地よく響いた。
891「ん……」
彼のくぐもった声が落ちてくる。起こしてしまっただろうか。
「……きよすみ」
瞼がゆっくりと開き、夕焼けの色が灯る。少し掠れた声が耳に心地よく響いた。
primulayn
DONEりゅうくろhttps://poipiku.com/1681773/5452390.htmlの続きです。いつからこんな気持ちを抱えてしまったのだろう。
同じ事務所の同僚で、デビューが同期で、仕事仲間。誰よりも優しくて、何事にも一生懸命。不運体質のせいで大変なことも多いけれどいつも笑顔で、その太陽みたいな笑顔に私は何度も救われてきた。前向きさや切り替えの早さ、自分にないものを持っている人だと尊敬していた。いつの間にか、胸の奥にちくりと痛みが走るようになったことにも気がついていた。彼の姿を見かけた日は嬉しくて心が弾んで、だけれど胸のあたりが苦しくなって、真っ直ぐに彼の顔を見ることができなくなっていた。私はその感情に名前をつけることはできなかった。名前をつけるには圧倒的に経験が足りなかったのだ。でも、これは表出させていいものじゃない。それだけははっきりと解っていた。仄かに芽生えた感情という名の違和感は静かに押し殺して、私はそれで構わないと自分に言い聞かせてきた。
1539同じ事務所の同僚で、デビューが同期で、仕事仲間。誰よりも優しくて、何事にも一生懸命。不運体質のせいで大変なことも多いけれどいつも笑顔で、その太陽みたいな笑顔に私は何度も救われてきた。前向きさや切り替えの早さ、自分にないものを持っている人だと尊敬していた。いつの間にか、胸の奥にちくりと痛みが走るようになったことにも気がついていた。彼の姿を見かけた日は嬉しくて心が弾んで、だけれど胸のあたりが苦しくなって、真っ直ぐに彼の顔を見ることができなくなっていた。私はその感情に名前をつけることはできなかった。名前をつけるには圧倒的に経験が足りなかったのだ。でも、これは表出させていいものじゃない。それだけははっきりと解っていた。仄かに芽生えた感情という名の違和感は静かに押し殺して、私はそれで構わないと自分に言い聞かせてきた。
primulayn
DONEりゅうくろ※やや性的な表現が強いです
ぐっと奥に腰を押し付けて、己の欲を清澄の中に吐き出す。どくん、どくんと身体が跳ねて、脱力し倒れ込みながらも腕の中にいる愛しい存在をぎゅっと抱き締める。同時に果てた清澄はすっかり蕩けてしまって、金糸雀の色をした瞳を潤ませながらピントの合わない目を懸命に合わせようとしていた。
「きよすみ、大好きだよ」
「……わたしも、です」
幸せそうに微笑んで、すっと清澄の瞳が閉じる。長い睫毛が縁取られたそこにひとつキスをして、俺は大きく溜息をついた。
ああ、またやってしまった。
限界を迎えた恋人が意識を飛ばしてしまうのは珍しいことではなくて、そのたびに俺は無理をさせてしまったと反省会をすることになる。こうして愛を確かめ合うとき、毎度優しく大事にしなければと固く心に誓うのだが、いざ行為が始まってしまうと己の手で少しずつ拓かれていく彼の身体が健気で可愛いらしく、つい我を失って求めてしまうのだ。それも、俺の場合は一度や二度で済まない。誰かと比較したことはないけれど他人より……少なくとも清澄より性欲の強い俺はいつもこうして彼を抱き潰してしまう。
635「きよすみ、大好きだよ」
「……わたしも、です」
幸せそうに微笑んで、すっと清澄の瞳が閉じる。長い睫毛が縁取られたそこにひとつキスをして、俺は大きく溜息をついた。
ああ、またやってしまった。
限界を迎えた恋人が意識を飛ばしてしまうのは珍しいことではなくて、そのたびに俺は無理をさせてしまったと反省会をすることになる。こうして愛を確かめ合うとき、毎度優しく大事にしなければと固く心に誓うのだが、いざ行為が始まってしまうと己の手で少しずつ拓かれていく彼の身体が健気で可愛いらしく、つい我を失って求めてしまうのだ。それも、俺の場合は一度や二度で済まない。誰かと比較したことはないけれど他人より……少なくとも清澄より性欲の強い俺はいつもこうして彼を抱き潰してしまう。
そいそい
DONEゴムの日に間に合わなかったタツリュウ。ゴムの日こどもの日も終わり、ゴールデンウィークも中盤だ。ミユは遊びに出かけていて、兄貴はソファーで読書に耽っている。俺はというと、暇でしかたがなかった。意味もなくSNSを眺めていると、トレンドに上がる単語に目が止まる。
「今日ってさ、ゴムの日なんだって」
「5月6日だもんな」
「つまり、コンドームの日だ」
「そうだな」
俺がせっかく話を振ってやったというのに、兄貴は素気なく返事を返すだけ。そして、優雅に本を捲る。いつも通りの兄貴に、俺の眉間に皺がよる。
「なんか思ってたのと違う」
「なんだ、藪から棒に」
「だってさー」
そう不貞腐れれば、兄貴は本から俺へ視線を向けてくれた。
真面目な兄貴は、下世話な話題には疎いと思っていた。だから、コンドームの日なんだとからかってやれば、照れるか、怒るかするだろうと予想していた。しかし、実際はスルーだ。何も楽しくない。
2590「今日ってさ、ゴムの日なんだって」
「5月6日だもんな」
「つまり、コンドームの日だ」
「そうだな」
俺がせっかく話を振ってやったというのに、兄貴は素気なく返事を返すだけ。そして、優雅に本を捲る。いつも通りの兄貴に、俺の眉間に皺がよる。
「なんか思ってたのと違う」
「なんだ、藪から棒に」
「だってさー」
そう不貞腐れれば、兄貴は本から俺へ視線を向けてくれた。
真面目な兄貴は、下世話な話題には疎いと思っていた。だから、コンドームの日なんだとからかってやれば、照れるか、怒るかするだろうと予想していた。しかし、実際はスルーだ。何も楽しくない。
九尾のキタキツネ
DONE黒紫焔と紅雷の邪竜『マリュウ・ドラグネル』
俺様キャラな性格の
自称『最強の魔王竜』。
余り馴れ合いを好まない。
ちょっとおバカ。
黒紫の豪炎と紅き轟雷を操る邪竜。
※作者は手がデカめや、
暗黒ポジション、赤目大好きなので
詰めましたw(´^p^`) 2
primulayn
DONEりゅうくろぼんやりとした思考の中、ゆっくりと目を覚ます。枯れた喉がかさついて小さく咳をする。意識を飛ばしていたのだと気づくのに時間はかからなかった。ぴくりと動かした指先で身体を撫でるとさらりとした素肌が指に触れて、後処理も身体を清めるのも、彼が済ませてくれたということがわかった。
「清澄、だいじょうぶ?」
隣から心配そうな彼の声が聞こえる。ぱちぱちと瞬きをして徐ろに顔を動かすと、夕焼けの色と目が合った。
ああ、またやってしまった。
先程まで二人で熱に浮かされるような情事に身を任せていた。深いところで繋がりたくて、相手のことがもっと欲しくて貪欲に求めあった。どこもかしこも熱くて、どろどろに溶けてしまいそうな夜。木村さんのものが最奥に放たれたとき、視界がちかちかと光って爪先まで快楽が電気信号のようにびりりと走り、気がついた時には果ててしまっていた。そこから先の記憶はない。というか記憶を保てた試しがないのだ。今まで何度もこうして体を重ねてきたが、行為が終わると己の意志に関係なく必ず意識を手放してしまう。本当は甘い言葉を交わしたり荒い息を吐く彼の背中を擦ったり、そういった事後の時間を過ごしてみたかった。しかし、彼と自分とでは圧倒的な体力の差があった。元消防士の彼は性欲も体力も底なしで、一方文化的な活動しかしてこなかった自分とはあまりにも違いすぎる。
1366「清澄、だいじょうぶ?」
隣から心配そうな彼の声が聞こえる。ぱちぱちと瞬きをして徐ろに顔を動かすと、夕焼けの色と目が合った。
ああ、またやってしまった。
先程まで二人で熱に浮かされるような情事に身を任せていた。深いところで繋がりたくて、相手のことがもっと欲しくて貪欲に求めあった。どこもかしこも熱くて、どろどろに溶けてしまいそうな夜。木村さんのものが最奥に放たれたとき、視界がちかちかと光って爪先まで快楽が電気信号のようにびりりと走り、気がついた時には果ててしまっていた。そこから先の記憶はない。というか記憶を保てた試しがないのだ。今まで何度もこうして体を重ねてきたが、行為が終わると己の意志に関係なく必ず意識を手放してしまう。本当は甘い言葉を交わしたり荒い息を吐く彼の背中を擦ったり、そういった事後の時間を過ごしてみたかった。しかし、彼と自分とでは圧倒的な体力の差があった。元消防士の彼は性欲も体力も底なしで、一方文化的な活動しかしてこなかった自分とはあまりにも違いすぎる。
primulayn
DONEりゅうくろ(龍くんHappy Birthday!)
「ところで、今日は九郎と連絡取ってないのかよ」
茶碗を満たしていた白米の底が見え始めたころ、英雄さんが徐ろに話題に出したのは俺の恋人のことだった。
ここに来る前に携帯を水没させてしまった俺は、英雄さん誠司さんに限らず誰とも連絡がとれていなかった。 待ち合わせの時間や場所は頭に入っているけど、さすがに連絡がつかないことが伝わっていないのはまずい。
携帯ショップに駆け込むべきか…でもそこまでの時間はないよな…
思いを巡らせていると、英雄さんが吹き出すように笑った。俺、変な顔してたかな?
「そんなに不安そうな顔するなよ。九郎には俺から連絡入れとくから安心しろ」
「あっ、ありがとうございます!助かります!」
目の前で英雄さんがスマホを操作してくれる。数分待ったところでスマホの通知ランプがちかちかと光る。清澄とはすぐに連絡が取れたようだった。
2794茶碗を満たしていた白米の底が見え始めたころ、英雄さんが徐ろに話題に出したのは俺の恋人のことだった。
ここに来る前に携帯を水没させてしまった俺は、英雄さん誠司さんに限らず誰とも連絡がとれていなかった。 待ち合わせの時間や場所は頭に入っているけど、さすがに連絡がつかないことが伝わっていないのはまずい。
携帯ショップに駆け込むべきか…でもそこまでの時間はないよな…
思いを巡らせていると、英雄さんが吹き出すように笑った。俺、変な顔してたかな?
「そんなに不安そうな顔するなよ。九郎には俺から連絡入れとくから安心しろ」
「あっ、ありがとうございます!助かります!」
目の前で英雄さんがスマホを操作してくれる。数分待ったところでスマホの通知ランプがちかちかと光る。清澄とはすぐに連絡が取れたようだった。
primulayn
DONEりゅうくろ想いを寄せ合う関係になってから、3ヶ月。
その間に手は繋いだしキスもした。初めての口付けはふわふわと柔らかい感覚だけが残って、あとは緊張してよく覚えてない。
そんな相手――清澄の家で、初めてのお泊り。
そりゃ、ちょっとは期待しちゃうのが男ってもんだ。
2つ並べられたお布団はぴったりくっついていて、まるでカップルで旅館に来たらこんな感じなのかな、なんて思いを馳せてみた。いつか俺たちもオフを合わせたりして温泉デートなんて行ってみたい。
「それでは、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
二人で布団に入って電気を消す。
俺の心臓はどきどきと高鳴っていた。
どんな風に始めるのがいいのかな、それとなくキス、とかしたらいいんだろうか。
813その間に手は繋いだしキスもした。初めての口付けはふわふわと柔らかい感覚だけが残って、あとは緊張してよく覚えてない。
そんな相手――清澄の家で、初めてのお泊り。
そりゃ、ちょっとは期待しちゃうのが男ってもんだ。
2つ並べられたお布団はぴったりくっついていて、まるでカップルで旅館に来たらこんな感じなのかな、なんて思いを馳せてみた。いつか俺たちもオフを合わせたりして温泉デートなんて行ってみたい。
「それでは、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
二人で布団に入って電気を消す。
俺の心臓はどきどきと高鳴っていた。
どんな風に始めるのがいいのかな、それとなくキス、とかしたらいいんだろうか。
primulayn
DONEりゅう→くろざああ、と降り頻る雨がアスファルトを叩きつけている。
時折通り過ぎる自転車が白い飛沫を上げて目の前を通り過ぎていった。
こういう日に限って乗り換えのときに傘を忘れるのが俺なんだよな…
朝は降ってなかったけどちゃんと天気予報を見て傘を持って家を出てきたというのに、なんてついていないんだろう。
ビニール傘だからまだ気持ちは楽な方だけど、いつものお気に入りの傘だったらもっと落ち込んでいるところだった。
この出口から事務所までは少し距離がある。どうしたものか…
「木村さん?」
背後から聞き慣れた声がする。
雨音に混じって名前が呼ばれた気がして振り返ると、そこには清澄が立っていた。
「わ、清澄か!びっくりしたあ」
「私もこんなところでお会いできるとは思いませんでした」
922時折通り過ぎる自転車が白い飛沫を上げて目の前を通り過ぎていった。
こういう日に限って乗り換えのときに傘を忘れるのが俺なんだよな…
朝は降ってなかったけどちゃんと天気予報を見て傘を持って家を出てきたというのに、なんてついていないんだろう。
ビニール傘だからまだ気持ちは楽な方だけど、いつものお気に入りの傘だったらもっと落ち込んでいるところだった。
この出口から事務所までは少し距離がある。どうしたものか…
「木村さん?」
背後から聞き慣れた声がする。
雨音に混じって名前が呼ばれた気がして振り返ると、そこには清澄が立っていた。
「わ、清澄か!びっくりしたあ」
「私もこんなところでお会いできるとは思いませんでした」
syumu_nin
PROGRESSあつ森進捗。仕事から帰ってプレイを日課にしているけれど、あつ森してると時間過ぎるのが早すぎて困っちゃう。
他にも進めたいゲームあるし、1日1時間とかでいいのかも。。ぅふ…
リュウグウノツカイうれちい… 5
primulayn
DONEりゅうくろクイーンサイズのベッドに腰掛けて清澄を待つ。
彼は今バスルームでシャワーを浴びているはずだ。
着慣れないバスローブが肌に当たってがさがさと音をたてる。
握りしめた拳は汗をかいてじっとりとしていた。
俺は、俺たちはこれから、初めての夜を越えることになる、はず。
この場所に来たってことはそういうことだ。
どくん、どくん、と心臓が高鳴る音が聞こえてきそう。
入る前に予想していたより内装は落ち着いてモダンな感じの印象を受けた。
茶色と白を基調とした部屋はまるでモデルルームのようで生活感を感じさせない造りになっている。
実際、この部屋で生活することはないのだろうけれど。
間接照明がぼんやりと枕元を照らす。
明かりを調節するつまみを最大にしても明るくなりすぎない部屋は、やはり“そう”いった目的のために存在する施設なのだなと痛感した。
947彼は今バスルームでシャワーを浴びているはずだ。
着慣れないバスローブが肌に当たってがさがさと音をたてる。
握りしめた拳は汗をかいてじっとりとしていた。
俺は、俺たちはこれから、初めての夜を越えることになる、はず。
この場所に来たってことはそういうことだ。
どくん、どくん、と心臓が高鳴る音が聞こえてきそう。
入る前に予想していたより内装は落ち着いてモダンな感じの印象を受けた。
茶色と白を基調とした部屋はまるでモデルルームのようで生活感を感じさせない造りになっている。
実際、この部屋で生活することはないのだろうけれど。
間接照明がぼんやりと枕元を照らす。
明かりを調節するつまみを最大にしても明るくなりすぎない部屋は、やはり“そう”いった目的のために存在する施設なのだなと痛感した。
primulayn
DONEりゅうくろ「わあぁああぁ!!」
背後から大きな声がして振り返ると、そこには足を滑らせた木村さんがこちらに向かって倒れてきた。
「き、木村さん……!」
これはぶつかる、と思い反射的に目を瞑る。
身体が大きく傾き、頭から事務所の床に叩きつけられる―――と思いきや、その衝撃は想像していたより小さいものだった。
恐る恐る目を開けると、視界には事務所の天井と木村さんの黒い上着が広がっていた。
頭には大きな手が添えられており、直接床にぶつかることはなかったようだ。
「ごめん清澄!怪我とかなかった!?」
「は、はい、大丈夫です…」
腕に抱き込まれるような形になった私はどうしていいかわからずあわあわと慌てふためいてしまう。
か、顔が近い…
木村さんに巻き込まれた形だけれど、咄嗟に私を庇ってくれる彼の優しさを身に沁みて感じる。
405背後から大きな声がして振り返ると、そこには足を滑らせた木村さんがこちらに向かって倒れてきた。
「き、木村さん……!」
これはぶつかる、と思い反射的に目を瞑る。
身体が大きく傾き、頭から事務所の床に叩きつけられる―――と思いきや、その衝撃は想像していたより小さいものだった。
恐る恐る目を開けると、視界には事務所の天井と木村さんの黒い上着が広がっていた。
頭には大きな手が添えられており、直接床にぶつかることはなかったようだ。
「ごめん清澄!怪我とかなかった!?」
「は、はい、大丈夫です…」
腕に抱き込まれるような形になった私はどうしていいかわからずあわあわと慌てふためいてしまう。
か、顔が近い…
木村さんに巻き込まれた形だけれど、咄嗟に私を庇ってくれる彼の優しさを身に沁みて感じる。