Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    パイロット

    MUNI

    DONEスパ○72パロ/エウルベ、全年齢
    他ユーザー様のアイディアが始まりのパイロットのエウ、整備士ルベのお話です。
    ブフ様も多く喋ります。
    引き続き、ふんわり設定でお楽しみください。
    ※時系列(過去から順に)
    ▶︎「「合うわけ」」
     蒼い流星
    「「合うわけ」」戦場では、共に戦い抜こうと誓ったはずの仲間達の命も呆気なく散っていく。

    平穏とは程遠いこんな世界で死は珍しいものでも何でもなく、
    最早隣人のような存在ですらある。
    どんな実力者であろうともほんの些細な油断、慢心、不運……
    自らの手でコントロールすることは叶わないような理不尽で命を落とすこともあるだろう。
    最前線に立つ者たちであればそれは至極当然であるし、
    軍事拠点に籍を置く以上はオペレーターや整備士のような非戦闘員であってもソレは他人事などではない。

    エースパイロットとして最前線で活躍を続けているエウリノームも、
    これまで数えきれないほどの別れを経験してきた。
    優秀な戦果を評価され昇進していく彼を妬んで一方的にライバル視してきた元上官、仲良くしてくれと頼んでもいないのに馴れ馴れしく声をかけてきた同期、多くの戦場を共に乗り越えて来た戦友、弟子にしてほしいとキラキラとした瞳でずっと後ろを着いてきた後輩、世話になっていた整備班の親父さん……
    3676

    NASU_1759

    DONEオーガタイタンとパイロット
    ハッピージャンキー・サンセット デリックは幸せだった。
     己の人生のほとんどは平穏という場所からかけ離れた場所に存在してはいたが、美味い食事に三食ありつけて、好みの顔の女を抱いて、とびきり極上のヤクをキメて、銃弾の雨を避けながら、時々ほんの少し命の危険がある仕事をこなして、全長およそ二三フィートの悪友がいるだけでデリックの人生は満ち足りていた。
     ぱりぱりと指先でゆで卵の殻を剥けば、つるりとした白身の表面が現れた。綺麗に剥けたことに満足しながらも、パンがあればサンドイッチにできるのに、と時間外だからとゆで卵を投げて寄こした職務怠慢の食堂の婆さんを呪いながらデリックは薄い唇で銜えたままの煙草を一吸いした。ウエスタン・コーストのシガー・ケースのパッケージにはカルフォルニアの海岸にヤシの木が立ち並び、それを沈みかけの夕陽が空や海、砂浜を赤く染めあげていた。フロンティアのどの保養地であろうとも、地球の西海岸の自然に勝るものはないだろう、とデリックはいつも思っていた。といっても、もちろんデリックは地球に行ったことはなく、芸術というものには無縁の世界に生きているデリックだったが、風情あふれるこのパッケージのイラストだけはデリックのお気に入りだった。
    15418