墓
剣 隼兎
DOODLEカードゲームで負けたエミリーは罰ゲームで面白い話を披露することに。穏やかな笑みの、白衣の天使が語るお話は?
「よく男の子に間違われる」と公式イベントでトレイシーが発言した時から、ずっとしていた妄想です。
多分、傭兵とオフェンスは気づかないだろうなーと。
笑顔は素敵だが「はい、エミリー先生の負けー」
勝敗のついたトランプを頭上にばら撒いて、マイクが高らかに宣言する。マイクのその嬉しそうな声に、エミリーは穏やかな声でふふと笑う。
「あら、記憶力ならバルサーさんには勝てると思っていたのだけど」
「流石の私も今見たカードくらいは覚えているよ」
自分のトランプを纏めて、ルカが苦笑する。まさかチェスから神経衰弱をすることになるとは思っていなかったのだが、なかなか白熱したように思う。
最初はエミリーとルカでチェスをしていたのだけれど、そこに暇を持て余したマイクが混ぜてとやって来た。
複数人でやるならトランプか、ならばもう一人と捕まったのが通りがかったアンドルーだ。そしてどうせなら運が絡まない遊びがいいとなり、神経衰弱をやることになった。
5068勝敗のついたトランプを頭上にばら撒いて、マイクが高らかに宣言する。マイクのその嬉しそうな声に、エミリーは穏やかな声でふふと笑う。
「あら、記憶力ならバルサーさんには勝てると思っていたのだけど」
「流石の私も今見たカードくらいは覚えているよ」
自分のトランプを纏めて、ルカが苦笑する。まさかチェスから神経衰弱をすることになるとは思っていなかったのだが、なかなか白熱したように思う。
最初はエミリーとルカでチェスをしていたのだけれど、そこに暇を持て余したマイクが混ぜてとやって来た。
複数人でやるならトランプか、ならばもう一人と捕まったのが通りがかったアンドルーだ。そしてどうせなら運が絡まない遊びがいいとなり、神経衰弱をやることになった。
829unicorn
DOODLE囚墓がキスする話。少し電波っぽい。夢みたいにふわふわしたおはなし
こどものときの夢のような「ほ、本当に……しても、いいのか?」
「ああ。きっと、大丈夫。今だけ神様は、目をつむってくれているから」
彼はそう告げると、カーテンを閉めた。
ルカとアンドルーは、いわゆる『恋人』という関係になっていた。どちらが先に恋に気づきどちらから愛を告白したかなんてことは、彼らですら覚えていない。
本来出会うことのなかった彼らが、この荘園で、この部屋で、交わるのだ。
「もし、神様に見つかったら……こんなことをしてると知られたら、きっと……二度と手を繋げないじゃ、済まされないぞ」
ぎぃ、と寝台に腰掛ける音が部屋に響く。
「いいんだ、そうなっても。最初から見てくれさえしなかったくせに、今更なんだ」
ぎぃ、と寝台に腰掛ける音が、もう一度部屋に響く。
986「ああ。きっと、大丈夫。今だけ神様は、目をつむってくれているから」
彼はそう告げると、カーテンを閉めた。
ルカとアンドルーは、いわゆる『恋人』という関係になっていた。どちらが先に恋に気づきどちらから愛を告白したかなんてことは、彼らですら覚えていない。
本来出会うことのなかった彼らが、この荘園で、この部屋で、交わるのだ。
「もし、神様に見つかったら……こんなことをしてると知られたら、きっと……二度と手を繋げないじゃ、済まされないぞ」
ぎぃ、と寝台に腰掛ける音が部屋に響く。
「いいんだ、そうなっても。最初から見てくれさえしなかったくせに、今更なんだ」
ぎぃ、と寝台に腰掛ける音が、もう一度部屋に響く。
辰野 龍輝
DOODLE「そこはお前の墓場じゃない」じごくじ88815
ただの軍パロだが、描いてる時がシナリオ終盤イメージだったのでワンクッション。
通過済みに伝わるように言うと、サクサクッとした後です。
PASS:おk? y/n
chiri_mizuki
MOURNINGねずみ男が水木の墓参りをする話。Kindle版発売おめでとう!な公式小説と設定が矛盾しているので供養しておきます。テスト投稿も兼ねて。そのうち開き直って書き直すかも。
墓参り じりじりと太陽が照りつける真夏の空は、うんざりするほど青く澄み渡っていた。真っ白な入道雲の塊が鬱陶しい存在感で空一面に広がっている。
今年は記録的な猛暑であるという報道を、毎年のように聞いている気がする。山間部であるから多少涼を取れるのではという期待も抱いていたが、ちょうど木陰がそっぽを向く時間帯だったので都会とさほど変わらぬ蒸し暑さだった。
「線香を上げる前におれの方がくたばっちまうよ……」
お盆の時期になると墓前に供えられた食い物の数が急激に多くなる。おれのような明日をも知れぬ身の者からすれば大層ありがたかったが、今日はそれが目的ではなかった。自分でも意外なことだが、もう何年も前に大往生した友人の墓参りの為、遠路はるばる山道を登って来たのだった。
3596今年は記録的な猛暑であるという報道を、毎年のように聞いている気がする。山間部であるから多少涼を取れるのではという期待も抱いていたが、ちょうど木陰がそっぽを向く時間帯だったので都会とさほど変わらぬ蒸し暑さだった。
「線香を上げる前におれの方がくたばっちまうよ……」
お盆の時期になると墓前に供えられた食い物の数が急激に多くなる。おれのような明日をも知れぬ身の者からすれば大層ありがたかったが、今日はそれが目的ではなかった。自分でも意外なことだが、もう何年も前に大往生した友人の墓参りの為、遠路はるばる山道を登って来たのだった。
りおりん🐣
DONEリヴァハンワンライbotお題「桜」戦後if初めて書きました。初めリヴァが墓前で号泣的な凄惨な話しか思いつかなかったのですが、ハピエン降りてきて良かったです。安藤i裕子さんの「のうぜんiかつら」で書いたのですが、お題にならないマイナーな花なので桜に変換。でも本当はのうぜんかつらの方が好き。Cherry Blossoms—撫ぜて 優しく さくらの花びらみたいに
春の季節の変わり目は、体調を崩して通院してくる患者さんが多く、忙しい一日だった。
やっと日勤が終わって病院を出ると、門の見事な桜の樹の下で手を振る父娘に、自然と口もとが綻ぶ。
「リヴァイ、サシャ、ただいま!迎えに来てくれたの?」
「うん。サシャ、パパにアイスを買ってもらってお散歩してここに来たの」
「パパは本当にサシャに甘いなあ」
「…たまにはいいだろう。な、サシャ」
抱かれた娘が、パパ大好きと頭に抱きつく。我が娘ながら3歳なのにもう父親を掌握している。
リヴァイの3本の指がふいに私の頭を撫ぜた。
「花弁が髪についてる」
節くれだった固い指が優しく髪を撫ぜてくれる。
「パパ、ママにいい子いい子するの?サシャもするー」
1077春の季節の変わり目は、体調を崩して通院してくる患者さんが多く、忙しい一日だった。
やっと日勤が終わって病院を出ると、門の見事な桜の樹の下で手を振る父娘に、自然と口もとが綻ぶ。
「リヴァイ、サシャ、ただいま!迎えに来てくれたの?」
「うん。サシャ、パパにアイスを買ってもらってお散歩してここに来たの」
「パパは本当にサシャに甘いなあ」
「…たまにはいいだろう。な、サシャ」
抱かれた娘が、パパ大好きと頭に抱きつく。我が娘ながら3歳なのにもう父親を掌握している。
リヴァイの3本の指がふいに私の頭を撫ぜた。
「花弁が髪についてる」
節くれだった固い指が優しく髪を撫ぜてくれる。
「パパ、ママにいい子いい子するの?サシャもするー」
ruinertmr
MOURNINGたぶん墓で飲んでたくらいの時系列。恋い痴れる「お前、良く見れば綺麗な顔しているよな。幽霊族ってのはみんな顔が整ってンのか?」
酒で多少は舌の滑りも良くなって、水木は相手の顔を見るたび思考の片隅に浮かんでいた考えを話題に出した。
隣で猪口からちびちびと酒を舐める男はすでに随分酔いが回っている様子で、若干虚ろな目をうっそりとこちらへ向ける。
「さあの、自分の容姿が特別整っていると感じたことはないが」
しかし以前、妻に目元がかわいいと言われたことがあっての、とすかさず伴侶との惚気に移行する男の話を聞き流しながら、水木は自分の分の酒を喉の奥へと流し込んだ。
「お前の奥方も、写真でひと目見ただけだが別嬪さんだったよな」
「当然じゃ、あれほど美しいものは他に居らん!笑顔が花が咲いたように美しいのは当然じゃが、怒ったときに……」
3395酒で多少は舌の滑りも良くなって、水木は相手の顔を見るたび思考の片隅に浮かんでいた考えを話題に出した。
隣で猪口からちびちびと酒を舐める男はすでに随分酔いが回っている様子で、若干虚ろな目をうっそりとこちらへ向ける。
「さあの、自分の容姿が特別整っていると感じたことはないが」
しかし以前、妻に目元がかわいいと言われたことがあっての、とすかさず伴侶との惚気に移行する男の話を聞き流しながら、水木は自分の分の酒を喉の奥へと流し込んだ。
「お前の奥方も、写真でひと目見ただけだが別嬪さんだったよな」
「当然じゃ、あれほど美しいものは他に居らん!笑顔が花が咲いたように美しいのは当然じゃが、怒ったときに……」
ざらめ
PROGRESS鬼太郎父子が出て行った三年後、哭倉村の記憶を取り戻した水木が「ツケを払う」ため妖怪と取引し、ゲゲ郎の身体を元に戻そうとする話(1/2)。前編は匂わせ程度ですが、後編は墓を掘り返すなど不穏な描写があります。すれ違う不穏な父水を書く予定です。 16jaicox
PAST本年もどうぞよろしくホプライします。昨年(!)おふせをいただいていたことに気付きまして、御礼が遅くなってしまいましたがありがとうございました。
先日のお願いで頂いたリクが更新できていないのですがあとはペン入れだけなので今しばらくお時間ください…
以前上げてたやつのキャラだけ版
正直スノウとサッズがかわゆく描けた気がして気に入っています。
ちょっとFFオリジンにハマっておりまして(戦闘が楽しくて無限に遊べてしまう)
オリジン、過去作のロケーションがダンジョンとして出てくるのがいいですね。
「そこ」なら「アレ」があるのでは?みたいな期待に応えてくれるダンジョンで愛を感じました。
12の墓なら迫ってくる壁が欲しいし、11のデルクフの塔なら壷が欲しい、みたいな。
多分触れてないシリーズのダンジョンも小ネタがいっぱい仕込まれてるんだろうな。
13からはサンレス水郷が天候ギミックと共に来つつ、なにそのギミック知らん…怖…みたいな展開もされてましたが楽しかったです。
ジョブ「解放者」があるんですが、周りにバフ撒きつつ色んな武器使う感じのスキルツリーであの解放者っぽいのかぽくないのか果たして…
おぺぺで散々お世話になったアストス、いざ触れてみるとア"ス"ト"ス"ッ"ってなったしカイアストス(カプではない)の滋味深さも増しました。
FF1はプレイしたことなく、大体こんな感じの話と言うのだけ知ってる状態なんですがそれでもジャックたちの成り立ちやその後を思うとワァッ…となってしまうお話で面白かったです。
⚔️勝利の厚焼き玉子⚔️
DONEスカイハイビジターのお墓を目指すリィミンとドラン。彼女が眠っている町に着くが不思議な現象にリィミンは襲われる……。そしてお墓に着き二人が出会ったのは……。明かされるスカイハイビジターの本名とパートナーの秘密。
Sky high visitor "Lucis ortus"朝陽は昇り空が青みが増して来る頃、寝ていたドランがあくびをしながら起き上がる。右肩を回し、痛みがあるかどうか確かめる。
「おはようドラン怪我の具合はどう?」
「わはは、大丈夫だよ。痛みは無いしもう平気それにしてもリィが塗ってくれた薬すげぇな」
「大抵のダメージなら塗れば寝たら治るわ。何があるか分らないし、いつも持ち歩いてるから役に立てて嬉しい。」
ドランの右肩を気にしていたリィミンは安心したようでニコリと笑みを浮かべた。これから朝食を食べに行く為に二人は服を着替える。宿の食堂で朝のバイキングを食べる。お互いに好きな物を皿に盛り、席に着いて食べ始めた。パンを千切りスープに付けゆっくりと食べるリィミンに対し、ドランはお腹が空いていたのか肉をメインにモリモリ食べおかわりしていく。
8147「おはようドラン怪我の具合はどう?」
「わはは、大丈夫だよ。痛みは無いしもう平気それにしてもリィが塗ってくれた薬すげぇな」
「大抵のダメージなら塗れば寝たら治るわ。何があるか分らないし、いつも持ち歩いてるから役に立てて嬉しい。」
ドランの右肩を気にしていたリィミンは安心したようでニコリと笑みを浮かべた。これから朝食を食べに行く為に二人は服を着替える。宿の食堂で朝のバイキングを食べる。お互いに好きな物を皿に盛り、席に着いて食べ始めた。パンを千切りスープに付けゆっくりと食べるリィミンに対し、ドランはお腹が空いていたのか肉をメインにモリモリ食べおかわりしていく。
dodonpa78
DOODLE苦しめば苦しむほどきっと許されると思いたいからこそ失血死を好むドルの話。※ヤマモオチもスケベもないし短い。
※ちょいフル墓。
救えないドルの話じわじわと、腹から溢れ出した赤が静かに降り積もる雪を染めていく。コートはとっくに鉄錆を吸いすぎて受け止めきれない、雪はその熱さに溶かされて不快なぬるさの水に変わっていく。それでもしんしんと静かに降る雪は、きっといつかこの血すらも覆い隠していくんだろう。冷えきって震えるばかりの青い唇から洩れる懺悔とともに、懺悔に滲む傲慢な救済への思い込みとともに。
「…ね、クレスさんってやっぱり可哀想だね」
さくり、雪を踏みしめた靴とともに声が降ってくる。ただでさえ痛みで攪拌されていたのにほとんどの血まで失って、元来出来がいいわけでもない脳はもうすっかりと錆びついてしまったが、ああ確か今日のハンターはフールズ・ゴールドだったかとぼんやりと想起する。
1313「…ね、クレスさんってやっぱり可哀想だね」
さくり、雪を踏みしめた靴とともに声が降ってくる。ただでさえ痛みで攪拌されていたのにほとんどの血まで失って、元来出来がいいわけでもない脳はもうすっかりと錆びついてしまったが、ああ確か今日のハンターはフールズ・ゴールドだったかとぼんやりと想起する。
sato
DONE墓守の老人と葉佩の話時系列は9thと10thの間くらいです。
年越しもどきSS 窓越しに見える月を忌々しく一瞥して、墓守の老人は小屋で1人、溜息をついた。仕事を終えた彼は小さなテーブルに置いた茶を飲み、からからに乾いた喉をかろうじて湿らせる。
夏は肝試しがてらに墓地へ侵入する輩が一定数いるものの、12月のこの時期ともなると出入りする生徒は途端に少なくなるようだ。
しかしそれでも例外はある。
ガチャ、と扉が開錠される音がした。次いで僅かに軋んだ音を立てて、長身の男が姿を覗かせる。
「こんばんは」
堂々と侵入しておいてその挨拶はないだろうと思いながら、老人は彼に視線を走らせた。
学生服の上にベストを着て妙なゴーグルを付けたその男ーー葉佩九龍は扉を閉めて靴を脱ぎ始めた。手持ちの荷物を床に降ろしてベストを外し、ゴーグルも外せば精悍な顔が現れる。
1899夏は肝試しがてらに墓地へ侵入する輩が一定数いるものの、12月のこの時期ともなると出入りする生徒は途端に少なくなるようだ。
しかしそれでも例外はある。
ガチャ、と扉が開錠される音がした。次いで僅かに軋んだ音を立てて、長身の男が姿を覗かせる。
「こんばんは」
堂々と侵入しておいてその挨拶はないだろうと思いながら、老人は彼に視線を走らせた。
学生服の上にベストを着て妙なゴーグルを付けたその男ーー葉佩九龍は扉を閉めて靴を脱ぎ始めた。手持ちの荷物を床に降ろしてベストを外し、ゴーグルも外せば精悍な顔が現れる。
dhastarflower
PROGRESS巌ふち小説できたところまでです。仙ちゃんの墓標の前で泣きじゃくるふちくんあたりのお話。
命にはいつか終わりが来る。
早いか遅いかの違いだけ。身体はただの肉の塊で内臓はただの物体でしかなくて死んだあとは土に埋められて微生物によって分解されて終わりだ。
僕がいつも見てきて触れてきたもののはずだった。こんなにも自分は命に向き合っているという自信さえあったのに。人体を知り尽くして人の役に立てていると自分のやるべき使命を全うしていると今の今迄本気で信じていたのに思い上がりも良いところだ。死んだあとの内臓や骨などの重みはいくらでも知っているのに滑稽すぎて笑えない。解剖器具を振りかざして肢体を弄って人よりもわかっていたつもりになっただけ。ちゃんと命という重みを感じていなかった。
「…っ…仙ちゃ、…仙ちゃん…」
3483早いか遅いかの違いだけ。身体はただの肉の塊で内臓はただの物体でしかなくて死んだあとは土に埋められて微生物によって分解されて終わりだ。
僕がいつも見てきて触れてきたもののはずだった。こんなにも自分は命に向き合っているという自信さえあったのに。人体を知り尽くして人の役に立てていると自分のやるべき使命を全うしていると今の今迄本気で信じていたのに思い上がりも良いところだ。死んだあとの内臓や骨などの重みはいくらでも知っているのに滑稽すぎて笑えない。解剖器具を振りかざして肢体を弄って人よりもわかっていたつもりになっただけ。ちゃんと命という重みを感じていなかった。
「…っ…仙ちゃ、…仙ちゃん…」