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    大倶利伽羅

    ちゅきこ

    DONE(みつくり×現パロ)
    ヨルシカさんの「爆弾魔」の雰囲気なんとなくで描き始めた終わりの見えない妄想です。
    リーマン光忠さん×高校生大倶利伽羅
    実在の地名が出てきますが緩めのファンタジーとして見てください。
    大倶利伽羅の身体の一部に欠損の描写が出ます。
    大丈夫な方だけどうぞ!
    瞬く星は終に爆ぜない渋谷で捕まえた男の子を家まで連れ帰った。名前は知らない、住んでいるところも、今は何歳で、どこの学校に通っているかも聞いていない。いくつかの質問は聞こえなかったかのように流されて、続きを問うのを諦めた。
    タクシーを降りてマンションのエントランスに入る。少し足を引き摺っているような動きだ。怪我でもしているのだろうか。

    はじめは職場の隣のビルで起こった小火だった。終業過ぎ、かなり立て込んだ案件で深くまで残業した日の夜だった。
    消防のサイレンを聞きつけ、野次馬となり外へ出た時に、その群衆に彼がいたのを見たのだ。小火が出たビルの上階をじっと見て、慌てる様子もなくそこへ佇んでいた。

    次に見かけたのはセンター街だった。金曜の夜に同僚と飲んだ帰り、潰れた同期を支えながら駅までだらだらと歩いていく。その時になぜ嗅ぎ分けられたのかは分からないが、急にきな臭さを感じた。
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    kuusui

    TRAINING本丸で光忠のお兄ちゃんの歓迎会が開かれ、そこで日本号との回想が繰り広げられて、それを大倶利伽羅が目撃したというIFくりみつ。光忠回想も合わせて目撃しています。
    梅の木で逢いましょうのお話の続き。
    拗らせ大倶利伽羅さんがその特別に気付いちゃったお話。

    ※ちゃん呼びを最初は嫌がっていたという捏造を含みます。
    ※同室くりみつのいるとある本丸設定のお話。
    梅の木で逢いましょう 04 俺の好きな奴には、その両手で抱きしめるほどの世界がある。
     朝起きておはようの声とともに、腹の減るような米の匂いがする。飯椀を無言で押し付ければ、にこやかな笑顔とともに炊き立てのご飯がこんもりと返って来る。アイツが洗濯物を干せば、調子の外れたよくわからない唄を口ずさむ。あまりにも楽しそうなのでそれを茶化すものもいない。
     そのあたたかな、郷愁すら呼び起こしそうな温もりのあるやさしい世界。それはアイツにはよく似合っていると心から思う。光忠はそんな世界に必要とされている。
     だから――そんなお前の、”世界”を取り上げることができたらなんて。
     俺は一体、何度その傲慢を思い描いて来たことだろうか。
     
     
     活気のある宴会部屋を離れ、縁側の廊下を伝って静かな自室へと帰って来た。
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    aiporonica

    DONE刀ミュ新作のパライソ前日譚序章部。
    観劇後にご覧下さい。今回は主にその後の部分のみ。前日譚に関しては随時ポイピクに投げていきます。年明けくらい纏め&書き下ろしを添えて本にします。

    【全体を通しての内容はこんな感じ】
    鶴丸は二度目の島原の乱だった
    三日月と鶴丸が二人だけで出陣した過去がある
    今回よりももっと凄惨な歴史改変を試みている
    鶴丸国永が山田右衛門作に残した仕掛けの話
    みかつるではない
    酷薄のインフェるノ「――オロロン、オロロン、オロロン、バイ」
     男は、海に向かって謡っていた。
     白髪頭、皺が寄った手、決して若くはない。
     太陽が赤く染まる逢魔時、その男は海に向かって歩き出した。


          ◆

     彼らが本丸に帰城したのは、黎明の刻。言葉も交わさず、それぞれが自室へと帰って行く。しかし、出陣した六振りのうち一振りだけはこの本丸の主である審神者のもとへと向かった。
     白く美しい眞白の刀、平安時代に五条国永の手によってこの世に生まれた名刀、鶴丸国永。あちこちを転々として辿り着いた先は明治天皇のもと。今では御物として納められ、人目に触れることはない。彼は今、刀剣男士として顕現を果たし、歴史改変を目論むとされる歴史修正主義者と相対する者としてこの世に存在している。今回の出陣で部隊長を務めたのは彼だった。
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