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    エチュード

    まろ💫

    DOODLEほしまほエチュード展示品➂
    ミス晶♂小説。甘々風味。
    頑張りすぎて疲れた晶くんがミスラにハグしてもらうお話。
    ハグの日に書きかけてたやつです。
    ご褒美になって「……うぅ……」
    「何してるんですか、賢者様。そんなところに突っ伏してないで早くこちらに来て」
    「まだ……まだ報告書が何枚も、なんまいも……」
    「唸ってないで早く」
    「うぅ~……やめて、揺らさないでミスラ~!」
    いつの間にか音もなく部屋に入ってきたミスラが、机の上に広がる書類の山に突っ伏す俺の頭をぐりぐりと容赦なく揺らしてくる。書きかけの書類たちが机から落ちていくのを視界の端に入れながらも、それを拾う気力も、ミスラの腕から逃げる力もなくて、せめてもの抵抗で伏せた顔はあげなかった。きっと、みっともなく疲れてやつれた顔をしているから。

    今日はとても長い一日だった。

    早朝からの任務に出かける前、今日の同行メンバーであるスノウとホワイトに気の毒そうにシュガーをふたつ、与えられた。曰く、今日は様々なハプニングが降りかかる厄日となるだろう、と。そして決して外れない双子の予言通り、思い出すとげんなりと溜息が出るくらい、たくさんの小さな不幸が積み重なって襲ってきた大変な一日となった。魔法使いたちのサポートがなければ、今頃フィガロの医務室のベッドで傷だらけで寝込んでいるかもしれない。そう考えると、外傷はなく、体力気力を使い果たしただけの今はまだましなのかもしれないけれど。
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    potyakouuu

    DONEキャプション
    〇以下の設定は、本作品の中で捏造したものです。公式の作品、設定とは一切関係がありません。
    ・ネロの厄災の奇妙な傷
    ・メインキャラと関わりがあるオリジナルの魔法使い

    〇「哀愁のひまわりのエチュード」のイベストに登場した魔法使い(ビアンカ)が出てきます。当該イベストのネタバレを若干に含みますので、ご注意ください。
    (イベスト未読でも問題なくお楽しみいただけるような内容になっております)
    1.
    ふわふわとした毛玉が浮いている。
    いくつものその白い塊は、果ての見えない草地の上を跳ねていく。草は青々として朝露を浴びたように瑞々しいのに、空は目が痛いほどの茜に染まっていて、なんだかあべこべだ。そこに浮かぶ細切れの雲はだんだんと形を変えて、しまいには草地を飛ぶ白いふわふわに混ざり始めた。
    伊達に600年ほども生きていない。所謂絶景と呼ばれるような景色や奇妙な現象との出会いはありふれているし、つまりは少し奇妙なこの景色に感嘆の声を漏らすことはない。今、意識が向くのはこの空間を包み込む、俺の知らない、この生暖かい気配だけだ。
    「あぁ、またやっちまった……」
    覚えがあるが、確実に自分のものではない気配を感じながら、その主であるがたいの良い彼の、羊を見守る柔らかな微笑みを思い出す。と、同時に寝る前の俺に恨み言を連ねた。いくら、任務にオーエンやミスラの料理のリクエストにと忙しくて疲れていても、就寝前に結界を張り忘れるなんて。少しずつ身についてきたと思った寝る前の習慣も、疲労で鈍った脳の前では、塵と消えたようだった。
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    StarlightSzk

    REHABILI距離をはかる、ふたりで歩む練習(エチュード)の話。
    いすさん(twitter: @ chair_waltz)の【嫉妬しちゃった晶、何か言う訳ではなくいつもより少し強い力で蛍くんをぎゅうっと抱きしめる(引用)】という呟きから広げた誤解ネタ。晶くんは自己完結を悪い方に働かせるとそのまま動けなくなるフシがあるので、縋るようにして抱きついてきそうだなと思うのです。
    【晶蛍】エチュードをふたりで「……驚かせてすまなかったね、ではまた明日!」
    「ちょっと晶」
    ばたん、と目の前で扉が閉まる。自室と外を区切るそれで隔たれた先、話したかった相手はきっともう隣室に戻っているのだろう。
    が……ひとまず先にどうにかしなくてはならないことがある。
    「蛇ノ目君」
    「はい、なんでしょう」
    「君は今何かを見た?」
    扉の木目を見つめながら問う。おそらく向こうも窓を見つめたままだろう。
    「ボクは声を聴いただけですねぇ。君の慌てたような声と、紫」
    「ならいいんだ。話はそれだけだよ」
    「……フフ、わかりました」
    この部屋で余計な会話はない。その意図を込めたつもりが、切り捨てるような言い方になって些か後悔する。しかしそんな場合でもない。
    晶が人目も憚らず大胆な行動に出るのはそう珍しいことではない。だから人の部屋に踏み込んで突然強く抱きしめてきたのも大目に見ることにしよう。
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    okeano413

    DONE甲操 ソリスト・エチュード
    https://poipiku.com/2100044/4363044.html の続き
    2021.05.08

     すっかり眠り込んでしまった頬にかかる髪を避けてやると、むずがって、言葉にならない寝言を言った。さんざん触れた唇から、聞き取れない声がいくつも落ちる。その中に自分の名前を見つけてにやついてしまうのは、やむなしというものだ。
    「全部聞くんだからって、言ってくれたのにな」
     窓の外はまだまだ暗いけれど、日付はとっくに変わっている。これまでの内緒ごとを聞いてくれるのをプレゼントにして欲しいと頼んだのは、日が沈んですぐだったのに。
    「素直に言うって、やっぱり難しいな。聞いて欲しい事はいくつも浮かぶのに、どんなふうに伝えようかって、どうしても考えちゃってさ」
     夕食を共にしながら、まずは改めて、今日を祝おうとしてくれた気持ちへの感謝を。来主にとっても俺の為の日にしてくれてありがとう、と締めくくると、くすぐったそうに胸を抑えていた。
     普段なら質問に答えたり、今生きている世界について語る時間には、戦場や、それ以外でも幾度も助けられている事への感謝を。ますます感情の向きに身を委ねるようになったとはいえ、一番冷静に対応するさまを見せてくれるのは来主だ。良い手本を習うようにしてい 1391

    甘味。/konpeito

    MAIKINGクロリン/恋のエチュード/書きかけ売り言葉に買い言葉だった。
     あの日はふたりで酒瓶を五本開けていて、お互いにずいぶん酔っていたのは自覚していた。
    「相変わらず色恋の噂一つ聞かないが、そんなんでいざというとき大丈夫なのかよ」
    「大丈夫ってなにが」
     強かに酔った頭でどうにか聞き返す。ハイボールの入ったグラスを傾けたクロウ・アームブラストが器用に片眉をあげた。こんなときだって惚れ惚れするほどいい男だ。ふん、と鼻で笑われてリィン・シュバルツァーの眉間に皺が寄った。
    「そんなんじゃ、いざ本命ができたときにデートのひとつもスマートにできなくて恥かくぞ」
    「本気じゃない相手とデートするなんて、相手に失礼じゃないか」
    「真面目」
    「そんなに言うくらいだ、もちろんクロウはデートのひとつやふたつスマートにできるんだろうな」
     妙に棘のある言い方をしてしまう。呆れたようなその眼差しが、彼は本命でない相手ともデートできるといっているようだった。
    「へえ。そんじゃあいっちょ試してみるか?」
    「ああ。クロウのお手並み拝見といこうか」
     そのまま話の流れでお互いの休日の摺り合わせをおこない、結局二週間後にある第二分校の休養日にクロウが合わせる形 1612