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    本質

    ナナシ/ムメイ

    DOODLEダイノの三人。
    前の隙間埋めの時に一緒に書こうかと思ってたナーガの城跡でジンがお墓を掘る話。詳細では無いですが遺体の描写があります。

    腐としては外見取ってのナガジンか本質取ってのトモジンかで脳内大喧嘩してるんですが、幾分書いてみたらナガレの文脈がむしろ武蔵なせいで方向性が勝手に見えてきた気がします。
    ■ うつくしいものざく、ざくりと、黒く焼け焦げた土を瓦礫の山から持ち出した道具で無言のまま掘るジンの後ろ姿をナガレは眺めていた。
    中天に差しかかろうとする太陽はいっそ無慈悲なまでに焼き払われた光景もその下に晒し出している。
    そんなんじゃ日が暮れちまうだろと呆れて言おうとした言葉は、きつく、かたく噛み締めた口元が見えただけで喉元に引っ込んだ。
    その表情は、ナガレにも覚えがあった。


    あの日、ドラゴによるナーガの居城への暴虐は朝方まで続いた。
    何もかも壊し殺し尽くして、ようやくその場を離れたマシンザウルスは幸いにもナガレ達に気付くこともなくどこかへ飛んで行った。
    「ゲッターがありゃ叩き落としてやんだけどなぁ」
    悠々と飛び去るマシンザウルスを眺めて残念そうにそうボヤくナガレに、トモエが怪訝な顔で声をかけた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEジン救出後。公式監修なら漫画版読解のヒントにならないかと数回読み直してるうちに隙間埋めしたくなって。

    ナガレは言葉数少ないサオトメと10年地下生活で語彙が少ない割と野生児。精神的に幼い。人とのやり取りに慣れてない。本質的に漫画版武蔵に近い。
    ジンは東映と漫画の隼人足して二で割ってない感じ。
    トモエは表面上武蔵や弁慶に似てるけど、本質は軽くない感じでむしろ竜馬に似てる。
    ■ 不揃いな足並み「全てお前のせいだ! お前さえいなければ、皆死なずに済んだのだぞ!!」

    相変わらず身体の大きな幼馴染に軽々と担がれ逃げる途中。爆音、煙、炎、何かが焼けていく臭い、全て壊されていく音。ドラゴの哄笑、全て俺のせいだとなじる声。
    煮えたぎるような怒り、朦朧とする意識で伸ばした手はどこにも届かず。

    「……あぁあああもうギャーギャーうるっせえなあのトカゲ野郎! 人のせいにしてんな馬鹿!! てめぇが勝手にやってんだクソトカゲ! っ、このっ! ばぁあああか!!」
    「お前それしか知らねえのかよ……」

    全力で駆けながら我慢しきれない、と言った様子で力いっぱいそう叫んだ男の声と呆れたような幼馴染の声。

    ……そう。そうだな。

    どこか胸のすくような思いと共に力が抜ける。
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    minamidori71

    DONE現パロビョルアシェ第六話。このシリーズ(馴れ初め編)は、これが最終話です。
    ルカの公開講座の最終日、打ち上げから帰宅したルカに、ビョルンはある質問をぶつける。『アシェラッドのバラッド』の本質に迫る彼らの問答は、思わぬ方向に向かい……。
    後半、ふたりが論争している場面で、ほんとうは傍点を使いたかった部分がいくつかあります。ポイピクではhtmlのタグも使えないので、斜体や太字にすることもできませんでした。このシリーズは年末あたりをめどに、一冊の本にしようと思っているので、そのときは傍点をつけます。
    Unknown Legend(6) 復活祭の後にはじまったロンドン博物館でのルカの公開講座は、八月最後の週の金曜日、無事に最終回を迎えた。
     終了後は、企画担当のルカの教え子ニコールと、最近彼女が同棲をはじめたという保存科学の専門家であるダミアンを交えて、いつもルカとビョルンが講義の後に寄るパブで打ち上げをした。ニコールの学生時代の話や、博物館のバックヤードでのこぼれ話に花が咲き、二人と別れたのは九時過ぎ。いつもながら混雑しているセントラル・ラインに乗って帰宅すると、ルカはさすがに疲れたようで、リビングに入るなりタイを解いてジャケットを脱ぎ、定位置のひとり掛けソファに身を投げ出した。
    「……こりゃア、嬉しいねェ」
     ミルクと蜂蜜をたっぷり足したアールグレイのマグを差し出すと、彼は眼を細める。いつも贔屓にしているコヴェント・ガーデンの茶葉専門店で買った、レモンとオレンジの皮がたっぷり入った特別なアールグレイである。疲れが溜まったときに、これを飲むのが好きなのだ。十ヶ月も一緒にいれば、彼がどんなときに何を望むのかくらい、すっかり頭に入っている。
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    りんご

    DONEまじない、あるいは、のろい (ここまで読みがな)
    K暁デー「スーツ」
    お題的なこともあって結婚と葬送の話をどっちも書きたかっただけです。あっきーがバカ重い感じですが、その環境ゆえにうまく隠すことがうまかっただけで彼の本質はこうだろうなーとか思ったり。いつものごとく二人で喧嘩して、戦って、駆け抜ける話です。
    中の人本当にありがとうございました、お陰で細々と楽しくK暁を追いかけられました。
    呪い短くも長くもない人生を振り返るにあたり、その基準点は節目にある行事がほとんどだろう。かくいうKKも、自らのライフイベントがどうだったかを思い出しながら目の前の光景と類比させる。
    準備が整ったと思って、かつての自分は彼女に小さな箱を差し出した。元号さえ変わった今ではおとぎ話のようなものかもしれないが、それでもあの頃のKKは『給与三ヵ月分』の呪文を信じていたし、実際差し出した相手はうまく魔法にかかってくれたのだ。ここから始めていく。そのために、ここにいる隣の存在をずっと大事にしよう。そうして誓いまで交わして。
    まじないというのは古今東西、例外なく『有限』である。
    呪文の効力は時の流れに飲まれて薄れてゆき、魔法は解け、誓いは破られた。同じくしてまさか、まじないの根本に触れることになるだなんて思わなかった、ところまで回想していた意識を、誰かに強い力で引き戻される。
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