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    サメ

    kino_akira_fu

    PROGRESSさめししです。
    恋を知らない獅子神さんに、愛を教える村雨さんのお話。
    時間軸は明確に定まって無いのですが、オバキルからLiA間くらいのイメージで書いてます。今の所……!!

    獅子神さんがモブ(男)と付き合っていた描写があります。
    言葉を尽くす また上手くいかなった。去り行く背中をただ見つめる。何が悪かったか、いつだってわからないまま終わる。強請られたものをプレゼントした。気持ちを告げた。共に時を過ごした。夜だって、幾度も。紡いだ言葉も、紡がれた言葉も甘やかだったはずなのに。あれが、――ではなかったのだろうか。少なくとも、俺は与えていたつもりだった。けれど、きっと、違かったのだ。息苦しくて、鳩尾が痛くて、この場に蹲りたい。別れを告げられこんなにも苦しいというのに。俺が与えていたものは、別の何かだったのだ。
     子供の頃にやった砂場での遊びを思い出す。形はあるはずなのに、決して手には収まらない無数の砂。小さな粒は汗ばんだ手のひらにこびりつくのに、定まった形がなくて決して手に入らない。それでも頑張って、固めて、固めて。綺麗な丸ができて、見て、と渡したら叩き潰された。一瞬で壊れる脆い団子。あの時の俺は何を求めていたのか。ただ、受け取ってもらえるだけでよかったのかもしれない。
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    hiro16jbsssm

    DONE付き合いたてのまだ健全なししさめ
    見たいようにしか見られない先生の小話
    子狐のスープにかかるのろい、或いはまじないについて「カップ麺に湯を入れると急患が来る」
    「そのジンクスってマジだったんだ」

     腐れ縁となったギャンブラー連中を何かと遊びに誘いたがる最年少の男にシフト表を要求され、配信者の企画の予定と共に許可も無くグループで共有されたのが数ヶ月前。
     それに合わせるように、どうせ自分も真経津の家に行くのだからついでに、今日はアルコールを用意しているから飲まない自分が運転を、などと何かと理由を付けて送迎を申し出るようになったマシなマヌケからごく最近に告白を受け応えて以来、特に集まりの無い日まで勤務後も欠かさず迎えに来るようになった男の車に乗って帰宅するルーチンにもすっかり慣れてしまった。
     要するに獅子神の自家用車の中は私の自宅と近しく、ともすればそれ以上に快適に感じるようになったが故に、病院の地下駐車場でその助手席へ腰を落ち着ければ必要以上に気を抜いてしまうようになっていた訳で、つまりは乗り込んだ時点で連勤で溜まりに溜まった眠気に襲われてしまい、助手席のドアを閉めてから運転席に座した男にほんの数秒、凭れ掛かるように身を預けることになった。
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