ファウスト
あいぐさ
TRAININGファウストと占いと幸せの話、ゆるーくフィガファウ苦茶 その日、シャイロックのバーに足を運ぶと、幾人かの客たちはこぞってローテーブルに集まっていた。その多くが自分よりも歳上の魔法使いばかりで、ファウストは扉にかける手を止める。
「おや、いらっしゃいませ」
絶対に厄介なことに巻き込まれる。しかし、挨拶をされてしまえばどうしようもない。律儀に軽く頭を下げれば、店主は頬を緩やかに上げにこりと笑った。
「占いをされているみたいですよ」
不思議な状況を端的に述べたシャイロックは、騒々しい雰囲気の方へ目線を向ける。
そこには双子たちを真ん中にして、フィガロやブラッドリー、ミスラ、それにオズ。アーサーとルチルはニコニコと笑いながら、スノウとホワイトと楽しげに会話をしていた。
5252「おや、いらっしゃいませ」
絶対に厄介なことに巻き込まれる。しかし、挨拶をされてしまえばどうしようもない。律儀に軽く頭を下げれば、店主は頬を緩やかに上げにこりと笑った。
「占いをされているみたいですよ」
不思議な状況を端的に述べたシャイロックは、騒々しい雰囲気の方へ目線を向ける。
そこには双子たちを真ん中にして、フィガロやブラッドリー、ミスラ、それにオズ。アーサーとルチルはニコニコと笑いながら、スノウとホワイトと楽しげに会話をしていた。
ユキまるのなんでも置き場
DOODLE龍馬さんとジャックちゃんのカップリングを模索落書きズイ(ง ˘ω˘ )วズイ♥龍馬さんもジャックちゃんもお互いに未成年だから健全な恋愛してるから大丈夫だよ(灬´ิω´ิ灬)♥←
最後にギルティギアのファウスト先生とのクロスオーバーおねロリ(執念)と少しえちちなのでワンクッション置きます( ՞ټ՞)♥← 3
ユキまるのなんでも置き場
MEMOお久しぶりにギルティギアのファウスト先生も描きたいしジャックちゃんとのおねロリな百合ホモをして欲しいし♥猫耳パーカー縞パンなどの絵のネタを練り練りしてたズイ(ง ˘ω˘ )วズイ♥
最後のはオマケ♥← 3
zero_crash1
SPOILER[雪とヤドリギ]作者:cayu様
PC:ザベリクス・ファウスト PL:無月
KPC:メレディス・フィスター KP:zero
シナリオ元
https://talto.cc/projects/f3Y0b32qQf0T-U3EoJBBK 26566
sigu_mhyk
DONE1日1ネファネチャレンジ 85魔法舎 ネロ+ファウスト(まだ付き合ってない)
発火装置晩酌の場所が中庭からネロの部屋に。
テーブルに向き合って座ることから、ベッドに並んで座るように。
回数を重ねるごとに距離は近付き、互いの体温も匂いもじわりと肌に届く距離を許してもなお、隣に座る友人の男は決心がつかないらしくなかなか手を出してこない。
手を僅かに浮かせてこちらに伸ばすかと思えば、ぱたりと諦めたように再びシーツの海に戻る。じりじりと近付きながら、数センチ進んだところでぎゅうとシーツを握り締め、まるでそこにしがみつくように留まる。
ベッドについた二人の手の間、中途半端に開いた拳ひとつ分の距離。ネロの気後れが滲むこの空間をチラリと視線だけで伺って、密かに息をついた。
よく分からないが魚らしき生き物も、毒々しい色をした野菜らしき植物にも。鋭く研がれた刃物にも、熱く煮えた鍋にも、炎をあげるフライパンにすら恐れることなく涼しい顔で手を伸ばすネロは、そのくせファウストの手を同じように掴むことができないでいる。刃物よりずっとやわらかく、コンロに灯るとろ火よりも冷たいファウストの手は、ネロの手の感触を知らないで今日まできた。
2216テーブルに向き合って座ることから、ベッドに並んで座るように。
回数を重ねるごとに距離は近付き、互いの体温も匂いもじわりと肌に届く距離を許してもなお、隣に座る友人の男は決心がつかないらしくなかなか手を出してこない。
手を僅かに浮かせてこちらに伸ばすかと思えば、ぱたりと諦めたように再びシーツの海に戻る。じりじりと近付きながら、数センチ進んだところでぎゅうとシーツを握り締め、まるでそこにしがみつくように留まる。
ベッドについた二人の手の間、中途半端に開いた拳ひとつ分の距離。ネロの気後れが滲むこの空間をチラリと視線だけで伺って、密かに息をついた。
よく分からないが魚らしき生き物も、毒々しい色をした野菜らしき植物にも。鋭く研がれた刃物にも、熱く煮えた鍋にも、炎をあげるフライパンにすら恐れることなく涼しい顔で手を伸ばすネロは、そのくせファウストの手を同じように掴むことができないでいる。刃物よりずっとやわらかく、コンロに灯るとろ火よりも冷たいファウストの手は、ネロの手の感触を知らないで今日まできた。
tono_bd
DOODLE・『未完のワインに思いを馳せて』後の話。未読の方は一部ネタバレが含まれます。・ファウストの火傷の跡のある脚について触れます。
ファウストがうっかりシャイロックの機嫌を損ねたため、葡萄踏み体験をしていた事をフィガロにバラされた事により、怒ったフィガロがファウストのズボンを脱がす話。(※付き合ってない)
イベント期間中(9月)から書いていました……。
フィガロがファウストの脚に触れる話 どうしてこんな事になったのか――。若干だが酔いが醒めて来た頭で考えるがまるで答えは出ない。
ただ事実を述べるとすれば、ファウストは自室のベッドの上に座らされていて、目の前には床に膝をついて傅くフィガロがいる。そして恭しくも強引にファウストの裸の足を掴んで離してくれない。
普段なら決して素足に触れさせる事も、床に膝をつく事もさせはしないのに、今この状況の主導権はファウストには無いに等しかった。
優れた陶器を撫でるような手つきで膝から下を撫で下ろしたフィガロの顔を信じられない目で凝視していると、それに気が付いたフィガロは挑発的な上目遣いで見せつけてくる。そして少しだけ普段よりも熱を持った頬を臑に頬ずりをしてから肉厚の舌で自身の唇を舐めた。緊張で乾いてしまった唇を潤す仕草にも見えるが、捕食者の顔で獲物を前に舌舐めずりしているようにも映った。どちらが本当かなんてファウストに分かる筈も無く、ただ少しでもこの男から離れようと後ずさるが、実際どれくらい距離が取れたかなんてたった数センチくらいに違い無い。いや寧ろ……離れた数センチを咎めるようにその数倍は引き戻される。
6776ただ事実を述べるとすれば、ファウストは自室のベッドの上に座らされていて、目の前には床に膝をついて傅くフィガロがいる。そして恭しくも強引にファウストの裸の足を掴んで離してくれない。
普段なら決して素足に触れさせる事も、床に膝をつく事もさせはしないのに、今この状況の主導権はファウストには無いに等しかった。
優れた陶器を撫でるような手つきで膝から下を撫で下ろしたフィガロの顔を信じられない目で凝視していると、それに気が付いたフィガロは挑発的な上目遣いで見せつけてくる。そして少しだけ普段よりも熱を持った頬を臑に頬ずりをしてから肉厚の舌で自身の唇を舐めた。緊張で乾いてしまった唇を潤す仕草にも見えるが、捕食者の顔で獲物を前に舌舐めずりしているようにも映った。どちらが本当かなんてファウストに分かる筈も無く、ただ少しでもこの男から離れようと後ずさるが、実際どれくらい距離が取れたかなんてたった数センチくらいに違い無い。いや寧ろ……離れた数センチを咎めるようにその数倍は引き戻される。
ひすい
DONE12/18デジタル無配:『フィガロがファウストに《魔法使いの箒》を見繕う話』
文字通り、フィガロが師匠として、ファウストの箒を選びに行くお話です。
スペースにお立ち寄りくださった方、ありがとうございました😭
全体公開にしました! 9397
ひすい
DONE12/18新刊購入特典:『ようこそ、愛し子の弟子よ』
ファウストが初めて嵐の谷にやってきた時の回想と、初めて谷にやってきたシャーリへ向けて。嵐の谷の精霊視点のお話です。
※新刊2節読了後の方がお楽しみいただけると思います。
パスワードは購入特典用紙をご覧ください。
ご購入いただきありがとうございました♪
※また、当日の無配もpoipikuで公開設定にしております。 5349
katsugodon
DOODLEレヴューで弓折られても懐から短剣出てくるタイプの舞台少女ファ ステのブとのラップバトルでいつもロロロ編曲のthe star knows思い出すからさ劇版ではフィと中庭で戦ったあとセットが戦場に変わって最終的に火が燃え盛る感じになるところが胸熱なんだよな フィガロだってファウストがスタァになる未来を見たかったんだなって…
アニメ序盤のアーサーとのレヴューシーンの表情の謎が明ら(文字数) 2
りんごおばけ
PROGRESSずっと書いてる、私の経典ファウスト戦〜の入院中のシーン(字数見てくださいよ…これ超序盤なんだよ…)特に面白くないよ。あの2ヶ月をラブラブと過ごせたらよかったのにね…でもいちゃついた末にまん太にあんなこと言ってたらさすがに笑っちゃうよ😂かわいそす…
書いてるとすげー重くなるから休んでは軌道修正して、えろえろしいので抜いてるの…えっ、息抜きだよ?何抜くの🤗?
seeds_season
DONEミス晶♂風味SS(ミスラ不在)。ファウスト先生による個人面談の巻。個人面談:無自覚な魅力 中庭に集う猫達に癒やされているのは晶だけではない。
リケやミチルが猫と戯れていることもあるし、レノックスの羊が一緒に走り回っている時もある。お茶会に乱入した子猫を追いかけるムルや、猫と話し込んでいるオーエンの姿を見ることさえある。
そして――本人は否定しているが、恐らく晶と同じくらい猫を構っているのは、東の魔法使いファウストだ。
「ファウスト、ネロから食材の余りを分けてもらいました!」
魚や肉の切れ端を持って現れた晶に、ベンチで猫を撫でていたファウストは、少しだけばつが悪い顔をして、それでも猫を膝から下ろそうとはしなかった。
「……君も大概、世話焼きだな」
「ファウストほどじゃないですよ」
用意してきた五枚セットの餌皿に切れ端を盛り付け、等間隔に並べる。するとファウストの膝から飛び降りた三毛猫を筆頭に、あちこちで寛いでいた猫達が一斉に皿へと殺到した。
2765リケやミチルが猫と戯れていることもあるし、レノックスの羊が一緒に走り回っている時もある。お茶会に乱入した子猫を追いかけるムルや、猫と話し込んでいるオーエンの姿を見ることさえある。
そして――本人は否定しているが、恐らく晶と同じくらい猫を構っているのは、東の魔法使いファウストだ。
「ファウスト、ネロから食材の余りを分けてもらいました!」
魚や肉の切れ端を持って現れた晶に、ベンチで猫を撫でていたファウストは、少しだけばつが悪い顔をして、それでも猫を膝から下ろそうとはしなかった。
「……君も大概、世話焼きだな」
「ファウストほどじゃないですよ」
用意してきた五枚セットの餌皿に切れ端を盛り付け、等間隔に並べる。するとファウストの膝から飛び降りた三毛猫を筆頭に、あちこちで寛いでいた猫達が一斉に皿へと殺到した。
chiocioya18
DONE妖異譚時空で好き勝手シリーズ今回でラストです ファウストとフィガロ編
本編こんな穏やかじゃなさそうだったけどすべては妄想なので。妄想なので。
月花前日譚 十「あれ。晩酌中だった? どうしたのそのお酒」
上弦の月を肴に呑んでいたファウストは、後ろからかけられた声にゆっくりと振り向く。フィガロが来たことはわかっていた。庵を訪れる時、彼は気配を隠さないから。
「律儀な盗賊が置いていったんだ」
「盗賊? から貰ったってこと?」
「まあ…。貰うほどのことはしてないんだが」
首領と呼ばれていたあの天狗、彼は昼過ぎにまた姿を現したかと思うと半ば強引に酒瓶を押し付けてまた飛び去っていった。追いかけて返そうかとも考えたが堂々巡りになりかねないし、これで手を引いてくれるなら大人しく頂戴しておくことにした。
「なるほどね。俺も今度から、きみに贈るならそれにしよう」
「は? 一体なにを聞いていたんだ?」
1291上弦の月を肴に呑んでいたファウストは、後ろからかけられた声にゆっくりと振り向く。フィガロが来たことはわかっていた。庵を訪れる時、彼は気配を隠さないから。
「律儀な盗賊が置いていったんだ」
「盗賊? から貰ったってこと?」
「まあ…。貰うほどのことはしてないんだが」
首領と呼ばれていたあの天狗、彼は昼過ぎにまた姿を現したかと思うと半ば強引に酒瓶を押し付けてまた飛び去っていった。追いかけて返そうかとも考えたが堂々巡りになりかねないし、これで手を引いてくれるなら大人しく頂戴しておくことにした。
「なるほどね。俺も今度から、きみに贈るならそれにしよう」
「は? 一体なにを聞いていたんだ?」
mgnk_hoya
MOURNING【いていな2新作】食事ができなくなったファウストとそれに付き添うネロの終末期のやり取りについて
(死ネタ。なんでも許してくれる人向け)
リビング・ウィルファウストは食事が出来ない。
魔法使いの最期は特別に人間と変わらなかった。
病に冒されるだけの人と違って、その魔力が尽きる事も死と捉えるなら人間よりももっと死へのリスクは高い。
ファウストは食道を病に侵されていた。
魔力を持ってしても日に日にファウストの身体を蝕む病は彼から生命力としての魔力をも失う。
少しでも病を和らげられる様にと最近は彼を愛する精霊が住まう嵐の谷で過ごしていた。
たまにフィガロが訪れてもかつての様にそれを拒む事もせずただ素直に治療を受け入れている。
死期を悟れる程には魔力の強いファウストはそれを十分にわかっていたのだろう。
フィガロを拒まない理由がそこにはあった。
そして治療と言ってもファウストに施せる治療はもう実は無いに等しい。
4774魔法使いの最期は特別に人間と変わらなかった。
病に冒されるだけの人と違って、その魔力が尽きる事も死と捉えるなら人間よりももっと死へのリスクは高い。
ファウストは食道を病に侵されていた。
魔力を持ってしても日に日にファウストの身体を蝕む病は彼から生命力としての魔力をも失う。
少しでも病を和らげられる様にと最近は彼を愛する精霊が住まう嵐の谷で過ごしていた。
たまにフィガロが訪れてもかつての様にそれを拒む事もせずただ素直に治療を受け入れている。
死期を悟れる程には魔力の強いファウストはそれを十分にわかっていたのだろう。
フィガロを拒まない理由がそこにはあった。
そして治療と言ってもファウストに施せる治療はもう実は無いに等しい。
てんてんです
DONEネロファウ未満くらいの短編。休日に二人で遊ぶ予定だったのにファウストが体調を崩しちゃった話です。【いていな展示】秋の風邪とホットワイン その日の嵐の谷は名前に似合わず快晴で、柔らかい秋の日差しが窓から差し込む、心地の良い昼下がりだった。
こんなに気持ちが良く涼しい休日に、静かな場所で居心地の良い友人と二人。のんびりとつまみでも作りながら昼から酒を開けてしまいたい絶好の日だが、いや、元々そのつもりだったのだが、今日はそれどころでは無かった。
「先生、熱測れた」
「うん」
家主は寝巻きになりベッドの中で上半身を起こし、緩慢に体温系を脇から取り出すとネロに渡した。既に結構熱が出ているが、毛布をぎゅっと引き寄せて寒そうにしているのでまだもう少し上がるかもしれない。
「その……何か欲しいものとかある」
つい数刻前まで何事もなく元気そうにしていたのに、突然体調を崩してしまったファウストに、ネロはどうしていいのか分かりかねていた。何か食べたいと言われれば作ってやることはできるけれど、他に何をしたら良いのか分からない。辛そうにしている友人にしてやれることがあればいいのだが、こんな時に何かしてもらった覚えが記憶の中に無いネロは、何をするのが正解なのか分かりかねていた。
3913こんなに気持ちが良く涼しい休日に、静かな場所で居心地の良い友人と二人。のんびりとつまみでも作りながら昼から酒を開けてしまいたい絶好の日だが、いや、元々そのつもりだったのだが、今日はそれどころでは無かった。
「先生、熱測れた」
「うん」
家主は寝巻きになりベッドの中で上半身を起こし、緩慢に体温系を脇から取り出すとネロに渡した。既に結構熱が出ているが、毛布をぎゅっと引き寄せて寒そうにしているのでまだもう少し上がるかもしれない。
「その……何か欲しいものとかある」
つい数刻前まで何事もなく元気そうにしていたのに、突然体調を崩してしまったファウストに、ネロはどうしていいのか分かりかねていた。何か食べたいと言われれば作ってやることはできるけれど、他に何をしたら良いのか分からない。辛そうにしている友人にしてやれることがあればいいのだが、こんな時に何かしてもらった覚えが記憶の中に無いネロは、何をするのが正解なのか分かりかねていた。
kome_bread029
PROGRESSネロのことをかわいいと言いたいファウストの話の導入です。この後、ネロのかわいい場面をファウストが色々プレゼンしてくれるそうです。(水彩イラストになる予定です。がんばります。)
皆さんの魔法舎のネロの可愛いエピソードも募集中です。イベントの時間は残り少ないですが、ボードなどでお気軽に教えていただけたら嬉しいです…!
いていな2開催、おめでとうございます! 2
tono_bd
DOODLEフィガロと交際しているファウストが投獄されていた頃の夢を見る話。二人の関係は良好です。※事後の描写が大好きなので、うっかり激しめなプレイを想起させる程度に入れました。問題無い方は、yesとお答えください。
ワードパレット『36kinds of time』から「黎明」で書かせて頂きました。
リクエストくださった方、ありがとうございます! 4586
shirasu_ponpon
DONEネロとファウストが同居している話。現パロで、ファウストが女子です。
描いてる本人はブラ←ネロ、フィガファウを
前提としてますが、そこまで全然たどり着いていません。
シノヒスシノの要素もあります。 5
mozuku_0829
PROGRESSいていな2開催おめでとうございます!!大遅刻本当にすみません!!
現パロでくつ下を裏返しに洗濯してしまうネロに怒るファウストのはなしです。
本当はこのあとも少し続くのですがとりいそぎ出来た所だけ……
けんかしてもいいけど仲直りちゃんとしてね……の気持ちで書きました。
くつ下のはなし 冬のある日、ネロはくつ下を片手に内心とても焦っていた。
――どうしよう。ファウストを怒らせちまった。
理由は分かっている。本当に、些細なことだった。
ネロがファウストの家で生活をするようになったのは半年ほど前からで、今ではほぼ半同棲しているような状態が続いている。
それこそはじめの方はキッチンを使わせてもらうのもなんだか気恥ずかしくてどこか遠慮がちだったのに、今ではネロの買い集めた珍しいスパイスや調味料が一角を占めていた。
それはキッチンに限った話ではなく、ファウストのクローゼットにはネロのための棚が用意されているし、洗面所には二本の歯ブラシが仲良く並んでいる。
少しずつ順調に前に進んでいると思っていた。それなのに。
11048――どうしよう。ファウストを怒らせちまった。
理由は分かっている。本当に、些細なことだった。
ネロがファウストの家で生活をするようになったのは半年ほど前からで、今ではほぼ半同棲しているような状態が続いている。
それこそはじめの方はキッチンを使わせてもらうのもなんだか気恥ずかしくてどこか遠慮がちだったのに、今ではネロの買い集めた珍しいスパイスや調味料が一角を占めていた。
それはキッチンに限った話ではなく、ファウストのクローゼットにはネロのための棚が用意されているし、洗面所には二本の歯ブラシが仲良く並んでいる。
少しずつ順調に前に進んでいると思っていた。それなのに。
mana
DONE11/5 隣にいてもいなくても2 展示作品カプなし漫画16p
西の魔道具により400歳若返ったネロとファウストがそれぞれフィガロとブラッドリーに懐いたり、お互い相容れなくてケンカする話
色々と設定捏造ありますご注意
タイムリミットにつき真っ白ですごめんなさい…… 16
かも@ねふぁ
DONE*いていな2展示*ネロとファウストが晩酌中に本についておしゃべりする短いお話。
左右不定、恋愛感情はうっすらある……かも?くらい。うっすらイチャイチャします。
作中に引用した詩はウィリアム・コリンズの「夕べの賦」です。
「ネロ、君はどんな本を読むの?」
(唐突だなあ。さては相当酔ってるな、先生)
「えぇ……?どうしたの先生、急にさ」
「いや、ネロはけっこう本を読むだろう。それでだよ」
小さなダイニングテーブルの向かいに座るファウストは、ほとんど水平に近い角度で頬杖をついてこちらを見つめている。いつもシャキッと伸びた背中は見る影もない。
(嵐に靡く南天の木みてえ。)
今日みたいに深い時間まで晩酌しないとお目にかかれない姿だけど、いまはそんな事よりも気になることがある。
「俺、ファウストにその話したっけ?」
たしかにネロは、時間が空いたときに本を読むのが好きだ。だが、そのことはほとんど誰にも話した記憶はない。
訝しむ気持ちが声に滲み過ぎないように、軽い調子で訊いてみると、ファウストはこともなげに答えた。
5449(唐突だなあ。さては相当酔ってるな、先生)
「えぇ……?どうしたの先生、急にさ」
「いや、ネロはけっこう本を読むだろう。それでだよ」
小さなダイニングテーブルの向かいに座るファウストは、ほとんど水平に近い角度で頬杖をついてこちらを見つめている。いつもシャキッと伸びた背中は見る影もない。
(嵐に靡く南天の木みてえ。)
今日みたいに深い時間まで晩酌しないとお目にかかれない姿だけど、いまはそんな事よりも気になることがある。
「俺、ファウストにその話したっけ?」
たしかにネロは、時間が空いたときに本を読むのが好きだ。だが、そのことはほとんど誰にも話した記憶はない。
訝しむ気持ちが声に滲み過ぎないように、軽い調子で訊いてみると、ファウストはこともなげに答えた。
rotten_Mame
DONE2022/11/05 いていな2展示作品人間の家族ができたネロが、家族の死後にファウストの元を訪れて居候する話。
ネロとファウストの間に恋愛感情はありません。ネロ×モブ人間の描写が中心です。
パスワードはお品書きに記載してあるので、そちらをご参照ください。
長い展示品になってしまいましたが、メッセージボードに書き込みなどしてくださると励みになります。
花が枯れたら会いに来て 洗濯物が溜まった日の朝は早く起きる。そうでなければ昼過ぎに起床して、朝昼兼用の食事を取る。洗濯物があったとしても天気が悪ければやっぱり昼過ぎに起床する。それがファウストの、嵐の谷での生活だった。ここ東の国は、晴れの日が他国と比べて少ない。それに加えて谷での生活は天気に左右されやすいので、晴天の朝を逃すと着るものに困ってしまう。
昨晩、ファウストは寝る前に戸締りをしながら、次の日が快晴になると察した。何百年も生きているからか、はたまた彼が魔法使いだからなのか、その因果関係は不明だけれど、ファウストは150歳を超えたあたりから、次の日の天候を空気中の水分量や風の動き、その土地の精霊のざわめきによって予測できるようになった。同じことを言う魔法使いもいれば、何百年も生きていてもその感覚自体がわからないという者もいる。
41642昨晩、ファウストは寝る前に戸締りをしながら、次の日が快晴になると察した。何百年も生きているからか、はたまた彼が魔法使いだからなのか、その因果関係は不明だけれど、ファウストは150歳を超えたあたりから、次の日の天候を空気中の水分量や風の動き、その土地の精霊のざわめきによって予測できるようになった。同じことを言う魔法使いもいれば、何百年も生きていてもその感覚自体がわからないという者もいる。
はなお
DOODLE【いていな2展示】毒を飲んだファウストに葛藤しながらネロが頑張る話(体調不良表現が含まれます)
続きます!今後R18になります!絶賛書いてます! 最終更新 2/11
追記 6/18
部数アンケhttps://docs.google.com/forms/d/1OQwSoTgl22oYMjAUcSS4kpirHuCECFQMB8pV8VxuQks/edit 11351
てんてんです
DONEファウストがネロの飯屋を成り行きで手伝うことになる話。全年齢です。後編は12月目処でまとめて上げるか本にできたら……できたらいいなぁ
【!注意!】
・キャラの死(ネロ、ファウスト意外)に関する表現があります
【いていな展示】五線譜の上、旅は続く (前編) 長い人生の中でひとつひとつの別れにいちいち心を傾けて擦り減っていては生きていけないことくらい、分かっているつもりだった。
どのみち、あと十年も経たないうちに離れるつもりの場所だった。流れた時間に対して変わらない見た目に不信感を抱かれる前にその土地を一度離れる必要があるのだから。世界の変化には良い風が吹いていたけれど、こんな東の辺境の地で凝り固まった価値観はたったの十数年で変わるものでもない。あと数十年経って、古い考えの人間達がこの世から去ってしまうまでは、悲しいことに。
十数年で離れるつもりの土地だったとはいえ、分かっていた別れと、突然突きつけられる別れではダメージが違う。あれは昨日の出来事で、店を畳むことになった原因は自分の不注意としか言いようがない。夜明け頃、だれもいないだろうと慢心して店の裏口に箒で降り立った時、がしゃんと皿が割れる音がした。裏口に呆然と立っていたのは常連客の、よく一人で店にくる純朴で明るい青年だった。しばらく病気で臥せっている妹のために、ネロの店のミネストローネが好きだからと店に来る度に持ち帰りで頼み、律儀にお礼のメモを付けた皿を夜のうちに返しに来ている子だった。
10771どのみち、あと十年も経たないうちに離れるつもりの場所だった。流れた時間に対して変わらない見た目に不信感を抱かれる前にその土地を一度離れる必要があるのだから。世界の変化には良い風が吹いていたけれど、こんな東の辺境の地で凝り固まった価値観はたったの十数年で変わるものでもない。あと数十年経って、古い考えの人間達がこの世から去ってしまうまでは、悲しいことに。
十数年で離れるつもりの土地だったとはいえ、分かっていた別れと、突然突きつけられる別れではダメージが違う。あれは昨日の出来事で、店を畳むことになった原因は自分の不注意としか言いようがない。夜明け頃、だれもいないだろうと慢心して店の裏口に箒で降り立った時、がしゃんと皿が割れる音がした。裏口に呆然と立っていたのは常連客の、よく一人で店にくる純朴で明るい青年だった。しばらく病気で臥せっている妹のために、ネロの店のミネストローネが好きだからと店に来る度に持ち帰りで頼み、律儀にお礼のメモを付けた皿を夜のうちに返しに来ている子だった。