3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第四十四回 お題:「お月見」「復縁」
司視点 ?思い
結局は似た者同士だねと、笑われた。街灯も何もない、坂を登っていく。
手に持った袋は、足の動きに合わせてがさがさと音を立てる。
去年は、わいわいと皆で話しながら登っていたんだがな。
否、今年は誘ってもいないんだから、いないのは当然か。
苦笑しながら、目の前を見る。
坂の頂上は、もうすぐだった。
---------------------
オレが類と別れたのは、進路を本格的に考えなければいけない、高3の秋のことだった。
そう考えると1年も経っていなかったが。それでも、とても幸せだった。
お互い、初恋で。告白も、理想とするような、かっこいい形になんて、できなくて。
それでも、手探りで、愛を伝えて、愛を伝えられて。
キス止まりではあったけれど。それでも、幸せだったんだ。
5004手に持った袋は、足の動きに合わせてがさがさと音を立てる。
去年は、わいわいと皆で話しながら登っていたんだがな。
否、今年は誘ってもいないんだから、いないのは当然か。
苦笑しながら、目の前を見る。
坂の頂上は、もうすぐだった。
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オレが類と別れたのは、進路を本格的に考えなければいけない、高3の秋のことだった。
そう考えると1年も経っていなかったが。それでも、とても幸せだった。
お互い、初恋で。告白も、理想とするような、かっこいい形になんて、できなくて。
それでも、手探りで、愛を伝えて、愛を伝えられて。
キス止まりではあったけれど。それでも、幸せだったんだ。
hakka_ymg
DOODLE指輪の話重み「興味があったから作ってみたんだ。着けなくてもいいから、もらって欲しい」
と、類から記念日でもなんでもない日に渡されたそれ。真四角の白い小さな封筒に入れられていた。
細身のシンプルな、装飾のついていない銀の輪。
シルバーのリング。
サイズを測られたことも教えたこともなかったはずだが、それがピタリと嵌まるのは薬指だけで。
その後忙しくなり会う時間はとれず、別の仕事先で類とすれ違うことがあった。その時、類の左手の薬指で銀色が光っていることに気がつけば、背中がぞわりとして、なんとも言えないこそばゆさをおぼえた。揃いだったのならば、はじめからそう言えばいいだろうに。
それを今、自分の指に嵌めてみている。
こどもの頃に妹とおもちゃの指輪を嵌めて遊んでいたことを思い出す。おもちゃの指輪とは違ってキラキラ光る石はついていない。自分の手も、その頃の柔さはなくなった。そこまでごつい方ではないが、節もしっかりあり、すらりと伸びた指。大人の男の手。自慢ではないが、類の要求に応えるために修羅場をくぐってきた割には、なかなかきれいな方ではないだろうか。
837と、類から記念日でもなんでもない日に渡されたそれ。真四角の白い小さな封筒に入れられていた。
細身のシンプルな、装飾のついていない銀の輪。
シルバーのリング。
サイズを測られたことも教えたこともなかったはずだが、それがピタリと嵌まるのは薬指だけで。
その後忙しくなり会う時間はとれず、別の仕事先で類とすれ違うことがあった。その時、類の左手の薬指で銀色が光っていることに気がつけば、背中がぞわりとして、なんとも言えないこそばゆさをおぼえた。揃いだったのならば、はじめからそう言えばいいだろうに。
それを今、自分の指に嵌めてみている。
こどもの頃に妹とおもちゃの指輪を嵌めて遊んでいたことを思い出す。おもちゃの指輪とは違ってキラキラ光る石はついていない。自分の手も、その頃の柔さはなくなった。そこまでごつい方ではないが、節もしっかりあり、すらりと伸びた指。大人の男の手。自慢ではないが、類の要求に応えるために修羅場をくぐってきた割には、なかなかきれいな方ではないだろうか。
アビス
DOODLE⚠類司寸止めセッ……
何度も寸止めのされた挙句、奥まで挿れられて……それでもイかせて貰えない司くん
服汚しちゃだめだって思ってるから限界でも頑張って我慢してるから可愛い……もう限界なので思考回路は停止して頭ふわふわ
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第四十三回 お題:「窓の外」「コスモス」
司視点 片思い
「 」は終わりて、「 」となる。ある日の放課後。
窓の外を見やり、花壇の手入れをする類の姿を捉える。
あまりにも柔らかい、幸せそうなその顔に、溜息が溢れた。
神代類が、告白のために使う花を育てているらしい。
そんな噂が流れたのは、夏休みも終わった、ある日のことだった。
なんでも、夏休み中にあった委員会の集まりで、類が育てたい花があると言い出したらしい。
育てたい花があるのはよくあることで特に何も言われずに許可されたそうだがそれは、今まで類を見ないほどに丁寧に育てられているらしい。
それに、類のあの表情。
それこそ、それを使って告白でもするかのように。
そんな噂は瞬く間に伝わり、全校生徒が知っているといっても過言ではないほどに話題となっていた。
でも、矢張りそこは変人ワンツーの片割れと言われるだけあって。
5313窓の外を見やり、花壇の手入れをする類の姿を捉える。
あまりにも柔らかい、幸せそうなその顔に、溜息が溢れた。
神代類が、告白のために使う花を育てているらしい。
そんな噂が流れたのは、夏休みも終わった、ある日のことだった。
なんでも、夏休み中にあった委員会の集まりで、類が育てたい花があると言い出したらしい。
育てたい花があるのはよくあることで特に何も言われずに許可されたそうだがそれは、今まで類を見ないほどに丁寧に育てられているらしい。
それに、類のあの表情。
それこそ、それを使って告白でもするかのように。
そんな噂は瞬く間に伝わり、全校生徒が知っているといっても過言ではないほどに話題となっていた。
でも、矢張りそこは変人ワンツーの片割れと言われるだけあって。
neno
CAN’T MAKE短い、ボツネタです。司→(←)類
僕らの青春僕には恋愛というものがいまいちよく分からない。
ショーの題材としてよく使われているもの、たったそれだけの認識だった。
ある日、僕は司くんに告白をされた。
「…好きだ!類…っ良ければ、付き合ってほしい!」
突然の申し出に少々面食らってしまったが、承諾した。
司くんを恋愛的に好いているか、と聞かれたら正直なところあまりしっくりはこない。だが、もし今後気まずくなったらという懸念と、ショーの理解を深めるためにも良いかもしれない、などといった不誠実な理由も兼ねて承諾という結論に至ったのである。
司くんと付き合い始めてからというもの、別段変わったことなんてなかった。恋人になったのならば接し方も変わってくるだろう、なんていう考えは司くんによってすぐに覆されたのだった。
2234ショーの題材としてよく使われているもの、たったそれだけの認識だった。
ある日、僕は司くんに告白をされた。
「…好きだ!類…っ良ければ、付き合ってほしい!」
突然の申し出に少々面食らってしまったが、承諾した。
司くんを恋愛的に好いているか、と聞かれたら正直なところあまりしっくりはこない。だが、もし今後気まずくなったらという懸念と、ショーの理解を深めるためにも良いかもしれない、などといった不誠実な理由も兼ねて承諾という結論に至ったのである。
司くんと付き合い始めてからというもの、別段変わったことなんてなかった。恋人になったのならば接し方も変わってくるだろう、なんていう考えは司くんによってすぐに覆されたのだった。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第四十二回 お題:「くすぐったい」「追いかけっこ」
司視点 両思い
それは「 」の証。「司くーん!!いい加減諦めたらどうだーい?」
「だれがっ諦めるかあああああ!!!」
校内に響く2人分の声。
走る視界には時たまなんだなんだと見る人がいたが、
声の発生源がわかると笑ったり呆れたりしながら、また戻っていく。
オレはそれどころじゃないんだぞ!?と内心思いながら、走る足に力を込めた。
-----------------------
「おはよう!」
「おー、おはよ」
「おはよう、天馬くん」
「今日も元気だなあ天馬は」
ある日の朝。
何時も通り皆に挨拶しながら、教室に入る。
その背後から近寄る影に、オレは全く気がつかなかった。
「……それっ」
「う、わ!?」
突然腋をバッと触られ、そのままくすぐられる。
びっくりしながらも振り返ると、そこには不服そうなクラスメイトがいた。
3030「だれがっ諦めるかあああああ!!!」
校内に響く2人分の声。
走る視界には時たまなんだなんだと見る人がいたが、
声の発生源がわかると笑ったり呆れたりしながら、また戻っていく。
オレはそれどころじゃないんだぞ!?と内心思いながら、走る足に力を込めた。
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「おはよう!」
「おー、おはよ」
「おはよう、天馬くん」
「今日も元気だなあ天馬は」
ある日の朝。
何時も通り皆に挨拶しながら、教室に入る。
その背後から近寄る影に、オレは全く気がつかなかった。
「……それっ」
「う、わ!?」
突然腋をバッと触られ、そのままくすぐられる。
びっくりしながらも振り返ると、そこには不服そうなクラスメイトがいた。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第四十一回 お題:「汗」「幽霊」
司視点 片想い
貴方を、「幽霊」にしないために。「……どうだ、類?いけそうか?」
「うん、なんとか。でも流石に暗いからね。今日できるのはここまでかな」
「そうか。……汗、かなりかいてるぞ」
工具を置いて振り返る類の額には汗が浮かんでいる。
それを傍に置いてあって類のタオルで拭いてやりながら、例の機材を横目で見た。
---------------------------
例の作戦から始まった、全てのキャストが参加する一大ショー。
しかしながら、様々な小道具が用意される上、沢山の参加者が必要なそのショーは、連日やれるものではない。
そこで、各々のステージで、夜限定のショーを行う。
特に屋外ステージでは、通常の公演ではできること・できないことが明確のため、あえて公演内容自体が違うものをやるのがいいのではないか。
2266「うん、なんとか。でも流石に暗いからね。今日できるのはここまでかな」
「そうか。……汗、かなりかいてるぞ」
工具を置いて振り返る類の額には汗が浮かんでいる。
それを傍に置いてあって類のタオルで拭いてやりながら、例の機材を横目で見た。
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例の作戦から始まった、全てのキャストが参加する一大ショー。
しかしながら、様々な小道具が用意される上、沢山の参加者が必要なそのショーは、連日やれるものではない。
そこで、各々のステージで、夜限定のショーを行う。
特に屋外ステージでは、通常の公演ではできること・できないことが明確のため、あえて公演内容自体が違うものをやるのがいいのではないか。
neno
DONE類司。やることはやってる…のかもしれない類司です。恋を教えて僕は司くんが好きだ。勿論恋愛的な意味合いでの好意である。こんな自分に好かれてしまった司くんは実に可哀想だと思う。最初は黙っていようと思っていたが、到底無理な話だった。より良いショーのために演者側に危険が伴う、リスクのある演出をしてしまう、そんな堪え性のない僕には、我慢できなかったのだ。普段の僕の振る舞いを振り返れば至極当たり前で、分かりやすい話のはずだった。しかし愚かなことにも、僕は無駄に理性に無理を強いた。だから、つまり僕の想いに歯止めがきかなくなってしまったのだ。
僕は優しい司くんに漬け込むような真似をした。事態を深刻化させた、むしろ収集がつかなくなった。
本当にそんなつもりはなかった。ただポロッと言葉が零れてしまっただけだった。
3793僕は優しい司くんに漬け込むような真似をした。事態を深刻化させた、むしろ収集がつかなくなった。
本当にそんなつもりはなかった。ただポロッと言葉が零れてしまっただけだった。
肉じゃがのおひたし
MEMO類司🎈🌟Twitterで見かけた話を受けて思いついた話を突発的にプロットもどきにしました。
せっかく夏だしホラー話です。死ネタだよ。
ホラー類司プロット恋人の🎈🌟。
1人の時にひき逃げ事故に遭って入院した司(動けずベッドに体固定)、夜中にパレードが見れるんだと笑うけど、類が調べてもそんなものはない。
だんだん司はパレードの話しかしなくなっていく。最初の方は早くワンダーステージに戻らねばと言っていたのに、パレードが面白そうだ、あんなパレードをしてみたいとばかり言うようになった。
類はなんだかそれが面白くなくなり、病室にあまり行かなくなる。
入院して14日目に突然訃報が類に届く。
13日目の夜、司が窓から転落し死亡した。
ベッドに固定されていたものは自分で外せる上、遺書が残されていため自殺としか見えなかった。
しかし死因は何故か転落によるものではなく、解剖しても分からない。極めつけは病院の入口から司の部屋まで転々と紙吹雪が落ちており、傷のない体の周りは特にいっぱい。点滴にも紙吹雪が詰め込まれていた。まるで、血の代わりとでも言うように。
17091人の時にひき逃げ事故に遭って入院した司(動けずベッドに体固定)、夜中にパレードが見れるんだと笑うけど、類が調べてもそんなものはない。
だんだん司はパレードの話しかしなくなっていく。最初の方は早くワンダーステージに戻らねばと言っていたのに、パレードが面白そうだ、あんなパレードをしてみたいとばかり言うようになった。
類はなんだかそれが面白くなくなり、病室にあまり行かなくなる。
入院して14日目に突然訃報が類に届く。
13日目の夜、司が窓から転落し死亡した。
ベッドに固定されていたものは自分で外せる上、遺書が残されていため自殺としか見えなかった。
しかし死因は何故か転落によるものではなく、解剖しても分からない。極めつけは病院の入口から司の部屋まで転々と紙吹雪が落ちており、傷のない体の周りは特にいっぱい。点滴にも紙吹雪が詰め込まれていた。まるで、血の代わりとでも言うように。
scenaria0420
MOURNING途中で諦めた🎈🌟………多分もう書けないでのでここで供養します。少しアレなシーンがございますので一応R指定させてください。設定が分からなかったため自衛でおねがいします。18歳以上は見ないでください 1662
sannomekun
DONE🎈🌟 庭先に赤い実が生えている。
長く短い旅を終えた。
一足早く退学した神代類は同い年の卒業を見送ってしばらくしてから、旅に出た。旅に出たのは冬で、戻ったのも冬だった。思わずからだを縮こまらせてしまうような寒さも、吐く息の白さも、大きな霜柱も、何を見ても楽しかった。
それでも冬は他の季節と比べると色彩が貧しい。夏は艶やかに輝いていた緑の葉は、今はすっかり色褪せてしまっている。季節を問わず咲き続けているのではないかと思われた庭先の色とりどりの花々も、皆盛りを過ぎて枯れてしまった。何も植えられていないプランターは寂しげに見える。種は土の下でまだ春を待って眠っていることだろう。
人々が身に着ける衣服は黒・グレー・ベージュに白。革靴の茶も深く深く、沈んだ色をしている。
3582長く短い旅を終えた。
一足早く退学した神代類は同い年の卒業を見送ってしばらくしてから、旅に出た。旅に出たのは冬で、戻ったのも冬だった。思わずからだを縮こまらせてしまうような寒さも、吐く息の白さも、大きな霜柱も、何を見ても楽しかった。
それでも冬は他の季節と比べると色彩が貧しい。夏は艶やかに輝いていた緑の葉は、今はすっかり色褪せてしまっている。季節を問わず咲き続けているのではないかと思われた庭先の色とりどりの花々も、皆盛りを過ぎて枯れてしまった。何も植えられていないプランターは寂しげに見える。種は土の下でまだ春を待って眠っていることだろう。
人々が身に着ける衣服は黒・グレー・ベージュに白。革靴の茶も深く深く、沈んだ色をしている。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第四十回 お題:「早く会いたい」「虫刺され」
司視点 両想い
忘れるほどに、早く。ズキリズキリと、呼吸をする度に頭に痛みが走る。
渡された氷のうの位置を移動したけれど、痛みはあまり軽減されなかった。
気を紛らわせるように天井をじっと見つめ、自分の不甲斐なさにため息が漏れた。
------------------------
思えば、今日は朝からついてなかった。
脚本に熱中してしまい寝るのがいつもよりも遅かった。
悪夢を見て日が昇ってすぐに目が覚めてしまった。
二度目したら出る時間をとっくに過ぎていた。
慌てて出たらスマホを家に置き忘れた。
類に会いたかったのに、すれ違ってしまい姿を見ることすらできなかった。
極めつけは、これだ。
スマホを持ってないオレは、類に会うための連絡が取れない。
だから類に会うために、チャイムが鳴った瞬間、直様弁当を持って、色んなとこを見て回った。
2783渡された氷のうの位置を移動したけれど、痛みはあまり軽減されなかった。
気を紛らわせるように天井をじっと見つめ、自分の不甲斐なさにため息が漏れた。
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思えば、今日は朝からついてなかった。
脚本に熱中してしまい寝るのがいつもよりも遅かった。
悪夢を見て日が昇ってすぐに目が覚めてしまった。
二度目したら出る時間をとっくに過ぎていた。
慌てて出たらスマホを家に置き忘れた。
類に会いたかったのに、すれ違ってしまい姿を見ることすらできなかった。
極めつけは、これだ。
スマホを持ってないオレは、類に会うための連絡が取れない。
だから類に会うために、チャイムが鳴った瞬間、直様弁当を持って、色んなとこを見て回った。
Tears_reality
DONEritk版深夜の60分勝負演目【ひまわり】ひまわりひまわり。
毎年この時期になると僕はひまわりを持って彼の元に訪れる。ここは都心から離れた郊外の街で人も疎らだ。仕事上ここには季節の変わり目にしか来れなくて。僕にとってここは季節を感じるところでもあり同時に彼の存在を感じるところだ。
ひまわりの束を持って彼の部屋をノックして入る。返事はない。もう何度もしてる行為なのにその度に期待をしてしまう。彼が目覚めてるのではないかと。
「司くん、来たよ。今日はひまわりを持ってきたんだ。」
そう言って僕は寝ている彼に語り掛ける。司くんはずっと眠り続けている。あの日からずっと。あの日僕らは会う約束をしていた。いつも通り他愛のない話をして楽しむはずだったのに何故かその日はいつもと違っていて。
3101毎年この時期になると僕はひまわりを持って彼の元に訪れる。ここは都心から離れた郊外の街で人も疎らだ。仕事上ここには季節の変わり目にしか来れなくて。僕にとってここは季節を感じるところでもあり同時に彼の存在を感じるところだ。
ひまわりの束を持って彼の部屋をノックして入る。返事はない。もう何度もしてる行為なのにその度に期待をしてしまう。彼が目覚めてるのではないかと。
「司くん、来たよ。今日はひまわりを持ってきたんだ。」
そう言って僕は寝ている彼に語り掛ける。司くんはずっと眠り続けている。あの日からずっと。あの日僕らは会う約束をしていた。いつも通り他愛のない話をして楽しむはずだったのに何故かその日はいつもと違っていて。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第三十九回 お題:「専売特許」「向日葵」
司視点 両想い
貴方のような、その花を。「……おーい、類。まだなのか?」
「あともうちょっとだよ!もう少しだけ待ってね」
背後で忙しなく鳴る機材の音に若干の恐怖を抱きながら、空を見上げる。
照りつける太陽が眩しくて手で隠しながら、ひっそりとため息をついた。
類に見せたいものがあるから会わないかと言われ、昼休みに約束したのが今朝の話。
手早くお昼を済ませ、見せたいものはと聞くと、類は手を引いて下駄箱に向かった。
ここからは下を向いてておくれ、と言われ、どうにか指定の場所には着いたものの、少しだけ待ってておくれ、と言われてから、この有様だ。
正直繰り返された実験の数々の影響で、学校内で機材の音がすると何がくるかとつい身構えてしまったり、びくびくしてしまうため、実験じゃないとしてもできたら早く見せたいものを見せてほしいと思ってしまう。
2267「あともうちょっとだよ!もう少しだけ待ってね」
背後で忙しなく鳴る機材の音に若干の恐怖を抱きながら、空を見上げる。
照りつける太陽が眩しくて手で隠しながら、ひっそりとため息をついた。
類に見せたいものがあるから会わないかと言われ、昼休みに約束したのが今朝の話。
手早くお昼を済ませ、見せたいものはと聞くと、類は手を引いて下駄箱に向かった。
ここからは下を向いてておくれ、と言われ、どうにか指定の場所には着いたものの、少しだけ待ってておくれ、と言われてから、この有様だ。
正直繰り返された実験の数々の影響で、学校内で機材の音がすると何がくるかとつい身構えてしまったり、びくびくしてしまうため、実験じゃないとしてもできたら早く見せたいものを見せてほしいと思ってしまう。
Tears_reality
MEMO小さい頃に病院であったふたりが大人になって恋に落ちる話。やまも落ちもありません。類司パラレル「けほっ、けほっ」
「大丈夫か?類」
「司くんは大丈夫なの?」
「あぁ、今日は調子がいいんだ。」
幼い時病室で出会った子はとても強くて優しくて類にとって光のような存在だった。過ごした時間は短かったけれど彼とのことは昨日のように覚えている。
時は流れて数年後類は自身の夢を叶えた。小さい頃からずっとなりたかった職業演出家。学生時代は色々とあって恵まれなかったが類は諦めなかった。今では新進気鋭の演出家として呼び名を欲しいままにしている。ふと思い出すのは小さい頃に出会った『司くん』の事。彼はスターになることが夢だと言っていた。どこかでまた会えたらと思っていたが未だ再会は叶っていない。探そうにも名前しか知らないのだ。たった一度病院で一緒になっただけ。たったそれだけなのに類は司の事を忘れられずにいる。
1843「大丈夫か?類」
「司くんは大丈夫なの?」
「あぁ、今日は調子がいいんだ。」
幼い時病室で出会った子はとても強くて優しくて類にとって光のような存在だった。過ごした時間は短かったけれど彼とのことは昨日のように覚えている。
時は流れて数年後類は自身の夢を叶えた。小さい頃からずっとなりたかった職業演出家。学生時代は色々とあって恵まれなかったが類は諦めなかった。今では新進気鋭の演出家として呼び名を欲しいままにしている。ふと思い出すのは小さい頃に出会った『司くん』の事。彼はスターになることが夢だと言っていた。どこかでまた会えたらと思っていたが未だ再会は叶っていない。探そうにも名前しか知らないのだ。たった一度病院で一緒になっただけ。たったそれだけなのに類は司の事を忘れられずにいる。
neno
MOURNING類司🎈🌟健全ルツ!
恋心に無意識の類と、無意識の司が、くっつく話
君に触れたくて。ほんの一瞬、魔が差しただけだった。
夕陽の光に透けた髪にどうしようもなく触れたくなってしまって。好奇心で髪に指を通すと指通りの良い髪はいとも簡単にサラサラと指から落ちていく。本人に確認も取らず髪に触れたので流石に失礼だったかと思い、謝ろうと顔を覗き込んだ。
「急にごめんね、つか、」
言いかけた言葉は喉の奥に出掛かってつっかえてしまった。なぜかというとそこに居たはずの——他でもない、天馬司が頬を真っ赤に染めていたからである。それは怒りというよりも焦り、恥じらいを思わせる表情だった。予想とは違った反応に僕も言葉を返せずに気まずい沈黙がしばらく流れた。
「そろそろ帰るか」
「…そうだね」
ようやく司くんが言葉を発したと思えば、鞄を取りに教室から急いで出て行ってしまった。この時点で司くんが相当動揺していることが分かった。だって、司くんの教室に来ているのは僕の方で、まさに僕が鞄を取りに行かなければならない立場だからだ。そんな司くんに拍子抜けして、少し笑ってしまった。やっと自身の教室に帰ってきた司くんは代わりに僕の鞄を持っていた。
5343夕陽の光に透けた髪にどうしようもなく触れたくなってしまって。好奇心で髪に指を通すと指通りの良い髪はいとも簡単にサラサラと指から落ちていく。本人に確認も取らず髪に触れたので流石に失礼だったかと思い、謝ろうと顔を覗き込んだ。
「急にごめんね、つか、」
言いかけた言葉は喉の奥に出掛かってつっかえてしまった。なぜかというとそこに居たはずの——他でもない、天馬司が頬を真っ赤に染めていたからである。それは怒りというよりも焦り、恥じらいを思わせる表情だった。予想とは違った反応に僕も言葉を返せずに気まずい沈黙がしばらく流れた。
「そろそろ帰るか」
「…そうだね」
ようやく司くんが言葉を発したと思えば、鞄を取りに教室から急いで出て行ってしまった。この時点で司くんが相当動揺していることが分かった。だって、司くんの教室に来ているのは僕の方で、まさに僕が鞄を取りに行かなければならない立場だからだ。そんな司くんに拍子抜けして、少し笑ってしまった。やっと自身の教室に帰ってきた司くんは代わりに僕の鞄を持っていた。
Tears_reality
MEMOワンドロ文ワンドロ「花火」「花火大会?」
「うん、どうかな?」
「別に構わないが、お前から誘ってくるなんて珍しいな」
僕と司くんはいわゆるお付き合いをしているけれどその関係はメンバーのえむくんや寧々以外には秘密で。学校はおろかフェニランでも司くんはイチャつくことを許してくれない。せっかく恋人になったのにこれでは仲間のままだ。仲間でも十分だけど恋人になった以上はそれらしい事をしたいということで近日家の近くに行われる花火大会に彼を招待した。ちょうど花火大会に合わせて縁日も開催されるようで僕はチャンスだと思った。お客さんも沢山来るだろうし、人混みも避けられない。うん、これは絶好のチャンスだね。花火に夢中で僕らがイチャついてることに他の人は気づかないだろう。色々楽しもうね、司くん。僕は指折り数えてその日が来るのを待った。
1058「うん、どうかな?」
「別に構わないが、お前から誘ってくるなんて珍しいな」
僕と司くんはいわゆるお付き合いをしているけれどその関係はメンバーのえむくんや寧々以外には秘密で。学校はおろかフェニランでも司くんはイチャつくことを許してくれない。せっかく恋人になったのにこれでは仲間のままだ。仲間でも十分だけど恋人になった以上はそれらしい事をしたいということで近日家の近くに行われる花火大会に彼を招待した。ちょうど花火大会に合わせて縁日も開催されるようで僕はチャンスだと思った。お客さんも沢山来るだろうし、人混みも避けられない。うん、これは絶好のチャンスだね。花火に夢中で僕らがイチャついてることに他の人は気づかないだろう。色々楽しもうね、司くん。僕は指折り数えてその日が来るのを待った。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第三十八回 お題:「麦茶」「花火」
司視点 片想い
あの日と同じ、隣同士。ある日の練習終わり。
この日は、えむの方から前日にあるお願い事をされていた。
「夕飯をご馳走したいから、練習後に残っててほしいの!
それから、練習後すぐにご飯食べるから、練習はいつもより長くやってもいいかな?」
えむや寧々の帰宅時間を考えていつも日があまり落ちないうちに終了してしまうので、後者のお願いに関しては願ったりといった状態だった。
そして、当日。いつもよりも長い時間ということも相まって、練習が終わった時にはあまり動くことがない類でさえも少し疲れたような顔を見せていた。
そんな疲れた重い身体を引きずりながら片付けに入ったのだが、えむはご飯のために少し席を外すといって、着ぐるみたちとどこかへ走って行ってしまった。
4565この日は、えむの方から前日にあるお願い事をされていた。
「夕飯をご馳走したいから、練習後に残っててほしいの!
それから、練習後すぐにご飯食べるから、練習はいつもより長くやってもいいかな?」
えむや寧々の帰宅時間を考えていつも日があまり落ちないうちに終了してしまうので、後者のお願いに関しては願ったりといった状態だった。
そして、当日。いつもよりも長い時間ということも相まって、練習が終わった時にはあまり動くことがない類でさえも少し疲れたような顔を見せていた。
そんな疲れた重い身体を引きずりながら片付けに入ったのだが、えむはご飯のために少し席を外すといって、着ぐるみたちとどこかへ走って行ってしまった。