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    #麿水

    maruWater

    (野田)

    DONE諸注意
    *これはツキプロ(ツキノ芸能プロダクション)合同舞台『太極伝奇』シリーズの用語や設定、世界観の一部をお借りしたものになります。原作と異なる点が多いので純粋に元ネタが好きな方にはおすすめ出来ません。割と好き勝手やってます。
    *人族(人間)の清麿と獄族(人型の魔物)の水心子の話。いずれ麿水になるけれどその前のおはなし。

    →続く
    →諸注意続き

    *史実の源清麿が自刃した、という説から別人格の清麿も出てきます。スランプになった時とかお酒飲んでそうなったらな〜程度で史実とは完全に別物です。
    *元ネタの世界観は中華ファンタジーみたいなものですがこの話の舞台設定は日本で江戸時代辺りを目安に書いてます。でも目安なので江戸時代風くらいで全部きっちり調べているわけではないのでご注意。
    *この時点ではまだ序盤なので後ほどいろいろと辻褄が合わない部分もあるかもしれません。そのうち続きとまとめることがあればその時に加筆修正します。








     この世界は陰と陽で出来ている。かつては陰(夜)と陽(昼)の天秤が釣り合わず、陰が世界を支配していた。
     陽の存在である人族は陽の光がさすわずかな時間だけ活動し、夜は魔物に怯え息を潜め肩を寄せ合い生きていた。だからこそ『最弱の種族』と呼ばれる。
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    u2_wall

    DOODLE・両片想い→両想いになった直後くらいの麿水ちゃん、誘うのが上手い方と上手くない方の話(ひとつ前の話と少しだけ繋がってます)
    ・既にやることやってる仲なので距離が近いです
    ・pixivに置いてる話と地続きです
    (ざっくりしたあらすじ:体の関係が先行してた親友がまともにくっついたちょっと後、くらいの話です)
    恋に落ちるというのは、色々と儘ならないものだ。
    一日の任務を終えた夜の隙間、自室の隅で読んでいる書物の文字を表面だけで追いながら、水心子はぼんやりそんなことを考えていた。

    水心子が親友である源清麿に恋をしていると自覚してから少し。
    色々あって元から親友というだけの関係ではなかったのだが、盛大な勘違いとすれ違いを経て今は互いに恋をしていると認め合った仲でもある。それ自体は良いのだが、そのことを認めてからというもの、水心子の方はどうも心身の制御が上手くいかない日々が続いていた。
    清麿への想いを自覚する前から散々似たような症状を持て余していたのでこういった感情面の不具合には慣れているはずなのだが、それとはまた違う──これまで当たり前だった世界が何か根こそぎ変わってしまったような、そんな感覚に陥ることが増えた。
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    u2_wall

    DOODLE・星空デート(概念)してる麿水ちゃん(その2)
    ・水心子くん視点、まだくっついてない
     (前回の話から続いてますが単発でも読めます)
    ・pixivに上げている話と同じ世界線ですが読んでなくても大丈夫です
     (自覚あり×無自覚の両片想いという前提があるくらいです)
    本丸の裏手にある小高い丘の上からは、この辺りで一番綺麗な星空が見られる。
    少し前に親友から教えてもらったその場所で、水心子は雨上がりの夜空を眺めていた。

    昼間降り続いていた雨が上がり、今は雲の隙間から月と星が少しずつ見え始めている。このまま雲が散れば、今よりもっと美しい空に変わるだろう。待ち合わせをしている清麿が来る頃には、きっと丁度良い具合になっているはずだ。そうなることを期待してこの場所に呼び出したので、想定通りに行きそうで良かったと安堵する。


    水心子がこの場所を知ったのは、清麿が働き詰めだった自分を案じて息抜きにと連れてきてくれたことがきっかけだった。
    この本丸に来るより前、刀剣男士として顕現して間もない頃に見たどこかの時代の星空に対して「綺麗だ」と呟いたことを覚えていてくれたのだろう。書類仕事をしていたところに現れて、鮮やかな手際で見事に丸め込まれてそのまま引きずられてきたこの場所から見上げた夜空は、忙殺されて濁りきっていた視界が一気に開けたと感じるくらいに美しい景色だった。
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