pie_no_m
TRAININGお題箱より「待ち合わせをする🍕🎧」です。ありがとうございました!
お気に入りのあの店で あの日、いつにも増して強引さを感じさせるSNS上でのやり取りは、言うまでもなくフェイスの側が折れる結果となった。待ち合わせの場所や時間を周囲の人間――主にフェイスのファンだが――に悟られないよう、ディノからの個人的なメッセージは思ったよりも迅速にフェイスのアカウントまで届いた。末尾の「待ってる」というシンプルなひと言を確認しただけで、その日はひとり静かに過ごしたい気分であったことなど都合良く忘れたフェイスは目的地、件のイタリアンレストランへ向かう足を早めた。
「俺のこと、呼べば来るものだって思ってない?」
ピザには、正直飽きている。飽きていても美味しいのがピザらしい。毒されている自覚はあるけれど、その味はなるほど評判通りで、フェイスは悔しさを含めた文句を空に放り投げた。それでも今回は「まし」な方だった。行くか行かないか、来るか来ないかの意思を問われることもなく、自動的にフェイスの行き先や予定が決まっていることだってあるのだから。惚れた弱み、自己責任でも、小言くらいはぶつけたい。
1752「俺のこと、呼べば来るものだって思ってない?」
ピザには、正直飽きている。飽きていても美味しいのがピザらしい。毒されている自覚はあるけれど、その味はなるほど評判通りで、フェイスは悔しさを含めた文句を空に放り投げた。それでも今回は「まし」な方だった。行くか行かないか、来るか来ないかの意思を問われることもなく、自動的にフェイスの行き先や予定が決まっていることだってあるのだから。惚れた弱み、自己責任でも、小言くらいはぶつけたい。
pie_no_m
TRAINING🍕(無自覚)×🎧(片想い)求める温度 ネクタイを締めながら、ディノはとある感慨に浸っていた。洗面台の鏡越しに、少し背を曲げてディノの右肩に顎を乗せ、眠そうな顔で前髪を整えるフェイスの姿が確認できる。
ずいぶん、心を開いてくれたと思う。
ちいさな喜びは肩に感じるフェイスの重みからじわじわ染み込むようだった。ディノがヒーローとして【HELIOS】に復帰した頃のぎこちない関係を思えば、朝のワンシーンのなかで起こる何気ない触れ合いにさえ感動してしまうのも無理はない。かわいい後輩がせっかくセットしている髪を勢い任せに撫で回して台無しにしないよう、ディノは結び終えたネクタイを無意味に調整し続けた。慣れた手つきでいつも通りのヘアスタイルを作り上げたフェイスは小声で「よし」と呟き、ディノの背中から離れていく。肩から消えた重さに寂しさすら感じつつ、ディノもようやくネクタイに触れる手を下ろした。
3068ずいぶん、心を開いてくれたと思う。
ちいさな喜びは肩に感じるフェイスの重みからじわじわ染み込むようだった。ディノがヒーローとして【HELIOS】に復帰した頃のぎこちない関係を思えば、朝のワンシーンのなかで起こる何気ない触れ合いにさえ感動してしまうのも無理はない。かわいい後輩がせっかくセットしている髪を勢い任せに撫で回して台無しにしないよう、ディノは結び終えたネクタイを無意味に調整し続けた。慣れた手つきでいつも通りのヘアスタイルを作り上げたフェイスは小声で「よし」と呟き、ディノの背中から離れていく。肩から消えた重さに寂しさすら感じつつ、ディノもようやくネクタイに触れる手を下ろした。
pie_no_m
DONE🐺🍕×🐈⬛🎧で👿🍣と💀🍺も出てくる。やりたい放題のファンタジーパロです。何でも許せる方向け。
ラ リュミエール 息をひそめ、自らの気配を殺す。
カーテンは閉め切り、電気を消していても、フェイスの目には部屋の中の様子がよく見えた。窓から射し込むランタンの灯りは、リビングの床に二人分の影を伸ばしては縮めていく。尖りきって壁にまで届きそうな三角の影は全部で四つ。フェイスの猫のようにぴんと立てた耳と、隣で膝を抱え背を丸めるディノの、フェイスのものより大きくてふさふさの毛が目立つ耳。そのシルエットがひくひくと落ち着きなく動くのを、フェイスは身動きもせずただじっと見つめていた。
十月三十一日。外から子供たちの興奮した話し声や高い笑い声が聞こえる。きっと彼らは魔物や悪霊の姿を模して、通りの玄関の扉を順番に叩いては大人に菓子を要求している最中だろう。それではなぜ、そんな通りに面した部屋に住む自分たちはこうして身を隠すような真似をしているのか。フェイスはともかく、ディノは普段から街の人間と仲が良い。喜んで道行く子供たち皆に菓子を配りそうなものだが――明白な理由である三角形の影が、フェイスの見る前でまた一回ひくりと動いた。
3706カーテンは閉め切り、電気を消していても、フェイスの目には部屋の中の様子がよく見えた。窓から射し込むランタンの灯りは、リビングの床に二人分の影を伸ばしては縮めていく。尖りきって壁にまで届きそうな三角の影は全部で四つ。フェイスの猫のようにぴんと立てた耳と、隣で膝を抱え背を丸めるディノの、フェイスのものより大きくてふさふさの毛が目立つ耳。そのシルエットがひくひくと落ち着きなく動くのを、フェイスは身動きもせずただじっと見つめていた。
十月三十一日。外から子供たちの興奮した話し声や高い笑い声が聞こえる。きっと彼らは魔物や悪霊の姿を模して、通りの玄関の扉を順番に叩いては大人に菓子を要求している最中だろう。それではなぜ、そんな通りに面した部屋に住む自分たちはこうして身を隠すような真似をしているのか。フェイスはともかく、ディノは普段から街の人間と仲が良い。喜んで道行く子供たち皆に菓子を配りそうなものだが――明白な理由である三角形の影が、フェイスの見る前でまた一回ひくりと動いた。
29isChicken
DONEエリオスR イーストセクターオンリー『ハッピーイーストデー1』で公開したアシュビリです。
腐男子のグレイくんがメインになってしまいましたが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです♡ 9
p19691110e
DONEキースとヴィクター2部1章冒頭付近
フォロワー様の絵を拝見してSSかかせていただきました
秋の空午前中パトロールに行き、遭遇したサブスタンスを確保するというひと仕事を終えたオレは、缶ビールを片手に一服をしようとタワーの屋上に向かった。屋上への入口を開けると降り注ぐ太陽の眩しさに眉を顰める。二日酔いとまではいかないが寝不足気味の目には刺激が強い。まだ日が昇って半日経つか経たないかの空は明るく、きれいな青が広がっていた。ランチタイムやティータイムには賑わう屋上も、昼食にはまだ早いこの時間は人の気配もなく、これ幸いとポケットからタバコを取り出してジッポで火をつける。ふぅ、とひと息吐き出すと、紅葉の始まった小さな木が目に留まった。その下に備え付けられているベンチを見つけて、片手でプルタブを引っ張りながら歩き出した。
2670gengenrink
REHABILI雰囲気だけで中身のない❄️🌱♀意識してくれないか「レン、おはよう。あ、髪の毛ちょっと跳ねてるぞ。またアドラーに起こされたのか?」
ウィルは俺に会う度笑顔で姉貴面をしてくる。
(もちろんアキラや他の年下にもそうだけど)
別に気にしてなかったんだ、昔は。世話焼きなのは小さい頃から変わらなかったし、ウィルだから嫌ではなかった。
だけどルーキーとしてエリオスに来た頃からだろうか、俺を見掛ける度に姉貴面して世話を焼くウィルを見るととてもイライラして仕方なかった。
アキラに世話を焼くように、まるで弟に接する様に、…他の奴らにもそういう態度を取っているんだろう?
「…俺に触るな、」
「そんな事言ったって…。仕方ないだろ、レンは私の…」
「弟みたいだ、って言うんだろ?」
俺の髪に触れようとするウィルの白くて綺麗なその手を思いっきり払う。
737ウィルは俺に会う度笑顔で姉貴面をしてくる。
(もちろんアキラや他の年下にもそうだけど)
別に気にしてなかったんだ、昔は。世話焼きなのは小さい頃から変わらなかったし、ウィルだから嫌ではなかった。
だけどルーキーとしてエリオスに来た頃からだろうか、俺を見掛ける度に姉貴面して世話を焼くウィルを見るととてもイライラして仕方なかった。
アキラに世話を焼くように、まるで弟に接する様に、…他の奴らにもそういう態度を取っているんだろう?
「…俺に触るな、」
「そんな事言ったって…。仕方ないだろ、レンは私の…」
「弟みたいだ、って言うんだろ?」
俺の髪に触れようとするウィルの白くて綺麗なその手を思いっきり払う。
momiko_eri6
DONE③「恋とは人を〇〇くする afterジュニフェイ」11月13日Webオンリー「DEAR MY HEROES‼2」の展示です。パスワードはお品書きに記載。書きかけです。すみません……。 4
いとう
DONEタペストリの続きです。モブのグロとかあるので苦手な方にはオススメできないです測量する子供たち甘い甘いキャンディを口の中転がしながら、談話室のソファに身を沈める。柔らかに受け止めてくれるこの感触がいつも好きだった。曖昧で、緩や かで、どこまでも浅ましい自分を優しく受け入れてくれる。
思わず鼻歌を小さく歌ってしまうほどだ。
噛み砕いたキャンディからは苦みと甘み、両方を兼ね備えたコーヒーの味と香りが広がった。あまり買わなかったキャンディだったが、思った以上に滑らかな舌触りと甘やかしてくれるばかりではないところが気に入った。
誰も存在しないこの場所は幸福の匂いがした。
耳に無駄に大きな足音が響いた。空気を吸いこみながら音のする方向を見て、期待した姿でないことにも薄ら寒い笑みを浮かべた。
「まーたお前ここにいんの?」
6722思わず鼻歌を小さく歌ってしまうほどだ。
噛み砕いたキャンディからは苦みと甘み、両方を兼ね備えたコーヒーの味と香りが広がった。あまり買わなかったキャンディだったが、思った以上に滑らかな舌触りと甘やかしてくれるばかりではないところが気に入った。
誰も存在しないこの場所は幸福の匂いがした。
耳に無駄に大きな足音が響いた。空気を吸いこみながら音のする方向を見て、期待した姿でないことにも薄ら寒い笑みを浮かべた。
「まーたお前ここにいんの?」
いとう
DONEフェイビリコールタールに沈む顔 遠くには排他的な姿の高い建物が立ち並んでいる。同じような無機質な顔をして無口に佇む姿は無個性の極みのような、そんな物が集まってるのは一種の約束事であるのか、個では不安なために繋がりを求めているようでもあった。
容器を傾けてコーヒーを口に含む。入れ物を離した後も手のひらには温かさが残った。雑誌のページを捲ろうとすると、ページの端が指の皮を切り裂いた。特に血は出てはいないが、曖昧な白い皮が心もとなさそうにしている。開かれた紙面の女性は健康的な笑みを浮かべていた。
「それで、何の用?」
振り返りもせずそう告げる。背中に浴びせかけられるしつこいくらいの視線。先程から気づいてはいたが、わざわざこちらから声をかけてやる必要もないだろうと放置していた。しかし、さすがに座りが悪くなってきたので短く言葉にする。
7951容器を傾けてコーヒーを口に含む。入れ物を離した後も手のひらには温かさが残った。雑誌のページを捲ろうとすると、ページの端が指の皮を切り裂いた。特に血は出てはいないが、曖昧な白い皮が心もとなさそうにしている。開かれた紙面の女性は健康的な笑みを浮かべていた。
「それで、何の用?」
振り返りもせずそう告げる。背中に浴びせかけられるしつこいくらいの視線。先程から気づいてはいたが、わざわざこちらから声をかけてやる必要もないだろうと放置していた。しかし、さすがに座りが悪くなってきたので短く言葉にする。
いとう
DONEフェイビリまぶたの隙間 橙色にきらめく髪が視界に入ると、ひっそりとゆっくりとひとつ瞬きをすることにしている。
そうしている間に九割以上向こうから「ベスティ~!」と高らかに響く声が聞こえるので、安心してひとつ息を吐き出して、そこでようやっと穏やかな呼吸を始められるのだ。
それはずっと前から、新しくなった床のビニル独特の匂いを嗅いだり、体育館のメープルで出来た床に敷き詰められた熱情の足跡に自分の足を重ねてみたり、夕暮れ過ぎに街頭の下で戯れる虫を一瞥したり、目の前で行われる細やかな指先から紡がれる物語を読んだり、どんな時でもやってきた。
それまでの踏みしめる音が音程を変えて高く鋭く届いてくるのは心地よかった。
一見気性の合わなさそうな俺たちを見て 、どうして一緒にいるの?と何度か女の子に聞かれたことがある。そういう時は「あいつは面白い奴だよ」と口にして正しく口角を上げれば簡単に納得してくれた。笑みの形を忘れないようにしながら、濁った感情で抱いた泡が弾けないようにと願い、ゴーグルの下の透明感を持ったコバルトブルーを思い出しては恨むのだ。俺の内心なんていつもビリーは構わず、テンプレートで構成された寸分違わぬ笑みを浮かべて大袈裟に両手を広げながら、その後に何の迷いもなく言葉を吐く。
8533そうしている間に九割以上向こうから「ベスティ~!」と高らかに響く声が聞こえるので、安心してひとつ息を吐き出して、そこでようやっと穏やかな呼吸を始められるのだ。
それはずっと前から、新しくなった床のビニル独特の匂いを嗅いだり、体育館のメープルで出来た床に敷き詰められた熱情の足跡に自分の足を重ねてみたり、夕暮れ過ぎに街頭の下で戯れる虫を一瞥したり、目の前で行われる細やかな指先から紡がれる物語を読んだり、どんな時でもやってきた。
それまでの踏みしめる音が音程を変えて高く鋭く届いてくるのは心地よかった。
一見気性の合わなさそうな俺たちを見て 、どうして一緒にいるの?と何度か女の子に聞かれたことがある。そういう時は「あいつは面白い奴だよ」と口にして正しく口角を上げれば簡単に納得してくれた。笑みの形を忘れないようにしながら、濁った感情で抱いた泡が弾けないようにと願い、ゴーグルの下の透明感を持ったコバルトブルーを思い出しては恨むのだ。俺の内心なんていつもビリーは構わず、テンプレートで構成された寸分違わぬ笑みを浮かべて大袈裟に両手を広げながら、その後に何の迷いもなく言葉を吐く。
いとう
DONE上手くいかなかったフェ→←ビリの話。多分続きはある。モブ1号モブ2号が登場しますタペストリ激しい衝撃はは何の苦痛も無い。置いてきぼりにされたそれはオイラを捉えることはできない。
もう一度足を踏み出して、糸を手繰り寄せながらグレイが囲まれている場所目掛けて重力に任せた蹴りをかます。
イクリプスと一緒に思ったより地面が抉れたが、もちろん体も痛くない。埃っぽい手を音を立てながら払う。吹っ飛んだイクリプスはその場を動けないまま沈黙していた。目標は全て殲滅。減点対象はどこにもない。安心のあまりひとつ大きく息を吐いたオイラをグレイは心配する意図を持って瞳を向けてきた。
「ビリー君、大丈夫?!」
開口一番放たれたそれに、オイラは視線を外して簡単に頷く。
倒れてから幾ばくもないイクリプスを検分していると、ふいに背後から声が聞こえた。
9630もう一度足を踏み出して、糸を手繰り寄せながらグレイが囲まれている場所目掛けて重力に任せた蹴りをかます。
イクリプスと一緒に思ったより地面が抉れたが、もちろん体も痛くない。埃っぽい手を音を立てながら払う。吹っ飛んだイクリプスはその場を動けないまま沈黙していた。目標は全て殲滅。減点対象はどこにもない。安心のあまりひとつ大きく息を吐いたオイラをグレイは心配する意図を持って瞳を向けてきた。
「ビリー君、大丈夫?!」
開口一番放たれたそれに、オイラは視線を外して簡単に頷く。
倒れてから幾ばくもないイクリプスを検分していると、ふいに背後から声が聞こえた。
mekemeke1226
MAIKING潜入捜査ビリーくんのジェイビリここから先に進めないので一旦あげます
書き上がる時はがっつり修正調査対象の好みのタイプ。金髪碧眼、幼顔なんて、髪色さえ変えればピッタリかもしれない。自分が幼顔なのはチョット、いや、あんまり認めたくはないけれど。カラースプレーで髪を黄金に彩って、ホテルのラウンジに居ても違和感がないスーツを纏う。あまり大人っぽくならないように、タイはシンプルなものではなく蝶ネクタイにした。最後にキスしたくなると話題のリップをつけて、対象者がいるバーに足を踏み入れる。
潜入調査はよくするけれど、色仕掛けは久し振りだ。人間は欲で頭が馬鹿になると口が緩くなるから、色仕掛けはすごく簡単だしお金もかからない。ヒーローになる前はよくやっていたけれど、ジェイがトクベツになってからはなんだか触れられることが気持ち悪くなってしまって、あまりしたくなくなってはきたけれど。
店内を見回して対象を確認して、ざっと頭の中で流れを組み立てる。入ってすぐいきなり近付くのは怪しまれるから、彼の座る席から3つ離れて座ることにしよう。
協力をお願いしているバーテンダーさんが出してくれたノンアルコールのドリンクを飲んで、わざと聞こえるような声で嘘八百の情報を流す。パパに連れてきてもらったけど、先に帰っちゃ 2768