ao_lake
DONE半田とデートしたい高校1年生のロナルドとヒヨシのとても短い話。お題「春」と「続く」半ロナワンライ「春」「兄貴ならさ…もしデートするとしたらどこに行く?」
弟がそんなことを言い出したのは、彼が高校に入学して少しあと、5月のゴールデンウィーク前のことだった。
「そうじゃな〜兄ちゃんなら……」
まずは海辺にある話題のカジュアルめなカフェ。次に景色でも楽しみつつ買い物でもして、日が暮れる頃にダイニングバーを予約しておく。三軒目はもう少しお酒が飲める店で、そのあとは……。といういつものデートプランは高校生にはまだ早い。
「もしお前くらいの歳だったら、遊園地か映画館じゃろうか」
夏になればお祭りなんかも定番かもしれんな。と、付け加えると幼さを残す口元に笑顔が浮かぶ。
「どっちも楽しそうで迷うな〜」
「まだ親しくない子なら、映画館で共通の話題を見つけるのもありじゃ。その子が好きそうな映画があればなおいいぞ」
869弟がそんなことを言い出したのは、彼が高校に入学して少しあと、5月のゴールデンウィーク前のことだった。
「そうじゃな〜兄ちゃんなら……」
まずは海辺にある話題のカジュアルめなカフェ。次に景色でも楽しみつつ買い物でもして、日が暮れる頃にダイニングバーを予約しておく。三軒目はもう少しお酒が飲める店で、そのあとは……。といういつものデートプランは高校生にはまだ早い。
「もしお前くらいの歳だったら、遊園地か映画館じゃろうか」
夏になればお祭りなんかも定番かもしれんな。と、付け加えると幼さを残す口元に笑顔が浮かぶ。
「どっちも楽しそうで迷うな〜」
「まだ親しくない子なら、映画館で共通の話題を見つけるのもありじゃ。その子が好きそうな映画があればなおいいぞ」
ao_lake
DONE半ロナワンライ「窓」ロナルド君の事務所の窓の修理に来たモブ業者がうっかりちゅーしてる半ロナを見てしまう話
半ロナワンライ「窓」ロナルドさんの事務所は、新横浜に店を構えるうちの工務店のお得意様だ。
特に多いのは窓ガラスの破損……というか、今までほとんどの依頼が窓の修理だった。
ロナルドさんほどの退治人になると吸血鬼に狙われることもあるだろうし、応戦して窓が割れてしまうこともあるのだろう。ロナ戦みたいに。
退治人は地域密着型の職業だから支払いを渋ることもないし、店に下等吸血鬼が出たときも退治に来てくれるから良いお客様だと社長も言っていた。
事務所に一歩足を踏み入れると、いつも修理している正面の窓は予想に反して無事だった。
「今日は居住スペースの方でして…」
ロナルドさんは申し訳なさそうな笑顔を浮かべながら、居住スペースへ続くドアを開けてくれた。
1587特に多いのは窓ガラスの破損……というか、今までほとんどの依頼が窓の修理だった。
ロナルドさんほどの退治人になると吸血鬼に狙われることもあるだろうし、応戦して窓が割れてしまうこともあるのだろう。ロナ戦みたいに。
退治人は地域密着型の職業だから支払いを渋ることもないし、店に下等吸血鬼が出たときも退治に来てくれるから良いお客様だと社長も言っていた。
事務所に一歩足を踏み入れると、いつも修理している正面の窓は予想に反して無事だった。
「今日は居住スペースの方でして…」
ロナルドさんは申し訳なさそうな笑顔を浮かべながら、居住スペースへ続くドアを開けてくれた。
ao_lake
DONE半ロナワンライ お題「水族館」ナイトアクアリウムに参加する半ロナ
半ロナワンライ「水族館」「水族館に泊まれるイベントがあるらしいぞ。ナイトアクアリウムというらしい」
何気なく口にした言葉へのロナルドの反応は、「えっ!?なにそれ!?行きたい!行こうぜ!半田!」だった。
小さな水槽が並ぶ前をロナルドはキョロキョロと見回しながら歩いていく。その小脇には寝袋が抱えられている。
ロナルドが足を止めたのは、ひときわ大きな水槽の前だった。
「俺、ここがいい!」
「さっき貴様が美味そうに食べていたタカアシガニの前でなくていいのか?」
体長1メートル以上もある大きな脚の長いカニが詰め込まれた水槽を指さすと、ロナルドはギョッとした表情を浮かべて気まずそうに水槽から目を逸らした。
「お、お前だって食ってただろ!」
必死に言い返すロナルドを尻目に俺は目の前の大きな水槽に視線を向ける。高さは俺やロナルドの身長の3倍はあるだろう。たくさんの魚が泳いでいる中で俺の目が吸い寄せられたのは、アクリル板に写ったロナルドの姿だった。
983何気なく口にした言葉へのロナルドの反応は、「えっ!?なにそれ!?行きたい!行こうぜ!半田!」だった。
小さな水槽が並ぶ前をロナルドはキョロキョロと見回しながら歩いていく。その小脇には寝袋が抱えられている。
ロナルドが足を止めたのは、ひときわ大きな水槽の前だった。
「俺、ここがいい!」
「さっき貴様が美味そうに食べていたタカアシガニの前でなくていいのか?」
体長1メートル以上もある大きな脚の長いカニが詰め込まれた水槽を指さすと、ロナルドはギョッとした表情を浮かべて気まずそうに水槽から目を逸らした。
「お、お前だって食ってただろ!」
必死に言い返すロナルドを尻目に俺は目の前の大きな水槽に視線を向ける。高さは俺やロナルドの身長の3倍はあるだろう。たくさんの魚が泳いでいる中で俺の目が吸い寄せられたのは、アクリル板に写ったロナルドの姿だった。
YOI_heys
DONE第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』で書かせていただきました!ひっさびさに本気出して挑んでみましたが、急いだ分かなりしっちゃかめっちゃかな文章になっていて、読みづらくて申し訳ないです💦これが私の限界…😇ちなみにこちらhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17839801#5 の時間軸の二人です。よかったら合わせてご覧下さい✨
第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』※支部に投稿してあるツイログまとめ内の『トイレットペーパーを買う』と同じ時間軸の二人です。
日常ネタがお好きな方は、よかったらそちらもご覧ください!(どさくさに紛れて宣伝)
第1回ヴィク勇ワンドロワンライ『ひまわり』
「タダイマー」
「おかえり! って……わっ、どうしたのそれ?」
帰ってきたヴィクトルの腕の中には、小ぶりなひまわりの花束があった。
「角の花屋の奥さんが、持ってイキナ~ってくれたんだ」
角の花屋とは、僕たちが住んでいるマンションの近くにある交差点の、まさしく角にある個人経営の花屋さんのことだ。ヴィクトルはそこでよく花を買っていて、店長とその奥さんとは世間話も交わす、馴染みだったりする。
ヴィクトルは流石ロシア男という感じで、何かにつけて日常的に花を買ってきては、僕にプレゼントしてくれる。日本の男が花を贈るといったら、母の日や誕生日ぐらいが関の山だけど、ヴィクトルはまるで息をするかのごとく自然に花を買い求め、愛の言葉と共に僕に手渡してくれるのだ。
2472日常ネタがお好きな方は、よかったらそちらもご覧ください!(どさくさに紛れて宣伝)
第1回ヴィク勇ワンドロワンライ『ひまわり』
「タダイマー」
「おかえり! って……わっ、どうしたのそれ?」
帰ってきたヴィクトルの腕の中には、小ぶりなひまわりの花束があった。
「角の花屋の奥さんが、持ってイキナ~ってくれたんだ」
角の花屋とは、僕たちが住んでいるマンションの近くにある交差点の、まさしく角にある個人経営の花屋さんのことだ。ヴィクトルはそこでよく花を買っていて、店長とその奥さんとは世間話も交わす、馴染みだったりする。
ヴィクトルは流石ロシア男という感じで、何かにつけて日常的に花を買ってきては、僕にプレゼントしてくれる。日本の男が花を贈るといったら、母の日や誕生日ぐらいが関の山だけど、ヴィクトルはまるで息をするかのごとく自然に花を買い求め、愛の言葉と共に僕に手渡してくれるのだ。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「夏バテ」夏バテ「おい、大丈夫か」
「あぁー…何とも言えんな」
気だるげに答えた声の主は、問う声の主に視線すら寄越さず、寝台に身を横たえていた。
普段の凛然とした姿勢は見る影もなく、額の上に手の甲を乗せ、茫洋として虚空を見るとも無しに見つめている。
それをさほど心配するでもなく、銀髪の青年は湯気の立つ銀盆をベッドサイドテーブルに置き、傍らに腰かけた。
「そら、お前は暑いからと言って冷たい水だの生野菜だの摂ってばかりいるからだ」
「ああ、反省しているとも、大いにな。我が身の不甲斐なさが情けなくて堪らん」
バツの悪そうなラーハルトの目の前に、ぐいとスプーンが差し出される。
「ならちゃんと食え。食わんことには回復せん」
強い匂いを発するそれに、ラーハルトは思わず眉をしかめた。
1778「あぁー…何とも言えんな」
気だるげに答えた声の主は、問う声の主に視線すら寄越さず、寝台に身を横たえていた。
普段の凛然とした姿勢は見る影もなく、額の上に手の甲を乗せ、茫洋として虚空を見るとも無しに見つめている。
それをさほど心配するでもなく、銀髪の青年は湯気の立つ銀盆をベッドサイドテーブルに置き、傍らに腰かけた。
「そら、お前は暑いからと言って冷たい水だの生野菜だの摂ってばかりいるからだ」
「ああ、反省しているとも、大いにな。我が身の不甲斐なさが情けなくて堪らん」
バツの悪そうなラーハルトの目の前に、ぐいとスプーンが差し出される。
「ならちゃんと食え。食わんことには回復せん」
強い匂いを発するそれに、ラーハルトは思わず眉をしかめた。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「手指」
手指――バラン様と…ディーノ様を頼む…!
そう懇願した彼の手は死を前にしてなお熱く、本懐を刻みつけるがごとく力強い。手に食い込まんばかりの指を握り返すと、魂懸けた戦士の目がひたと見返してきた。
――この鎧をもらってくれないか?お前に…使ってほしいんだ。
魂を認め合った友は、そうして自分に命ともいうべき武器を託してこの世を去った。
……オレは、お前の覚悟に少しでも応えられただろうか。お前の高潔な魂に相応しくあれただろうか。
――――――――――――――――――――――………………………………
闇の中、ヒュンケルは一人佇んでいた。あたりは漆黒が広がるばかりで、一体ここがどこかも分からない。だのに不思議と不安も警戒心も湧き起らなかった。
2827そう懇願した彼の手は死を前にしてなお熱く、本懐を刻みつけるがごとく力強い。手に食い込まんばかりの指を握り返すと、魂懸けた戦士の目がひたと見返してきた。
――この鎧をもらってくれないか?お前に…使ってほしいんだ。
魂を認め合った友は、そうして自分に命ともいうべき武器を託してこの世を去った。
……オレは、お前の覚悟に少しでも応えられただろうか。お前の高潔な魂に相応しくあれただろうか。
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闇の中、ヒュンケルは一人佇んでいた。あたりは漆黒が広がるばかりで、一体ここがどこかも分からない。だのに不思議と不安も警戒心も湧き起らなかった。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「熱帯夜」熱帯夜はあ、と溢した吐息は寝苦しさを紛らわせるには程遠い。
湿度の高い空気が部屋にこもり、お陰で寝汗が引かない。窓は開け放してあるが、酸素を取り込めるのが精々で、風のない今夜は内も外も気温はさほど変わらない。
ラーハルトはうんざりしつつも、とりあえず水を飲んで一息つこうと寝台から身を起こし、ふと窓の外を見遣る。賑やかに響く歌声と楽器の音、笑いさざめく人々の歓声。方々に点った灯りが夜の町を明るく照らし出している。
この街には昨日に着いた。老いも若きも何やら賑やかに犇めく人の群れに、何事かと宿屋の主人に聞いたところ、祭りがあるのだと。
この街では年に一度、夜店を開き花火を上げ、夜もすがら歌って踊って過ごすらしい。それがちょうどこの日であると。
1703湿度の高い空気が部屋にこもり、お陰で寝汗が引かない。窓は開け放してあるが、酸素を取り込めるのが精々で、風のない今夜は内も外も気温はさほど変わらない。
ラーハルトはうんざりしつつも、とりあえず水を飲んで一息つこうと寝台から身を起こし、ふと窓の外を見遣る。賑やかに響く歌声と楽器の音、笑いさざめく人々の歓声。方々に点った灯りが夜の町を明るく照らし出している。
この街には昨日に着いた。老いも若きも何やら賑やかに犇めく人の群れに、何事かと宿屋の主人に聞いたところ、祭りがあるのだと。
この街では年に一度、夜店を開き花火を上げ、夜もすがら歌って踊って過ごすらしい。それがちょうどこの日であると。
水月 千尋
TRAINING #ritk版深夜の60分一発勝負【お題:独占欲】(所要時間:1時間30分)
お付き合い中&既に致したことがある、類司の話。
【毒占欲】
腕の中に収めた彼をしっかりと抱きしめ、昼の陽光をいっぱいに吸い込んだようなキラキラした髪にキスする。次はこめかみ。次は頬に。それから──。
次々と、あちらこちらへ唇を落としていく。すると、僕のカーディガンをゆるく掴んでくすぐったそうにもじもじしていた彼が、手のひらで胸をぽんぽんと軽く叩いてきた。
「お、おい類、いきなり何なんだ!」
「ん? ……キス以外の何に見えるんだい?」
「そそそ、そうではなくだな! ここは学校の屋上だぞっ。そういうことは──!」
「食後で、君も満腹だろう? 犬がじゃれついてるとでも思ってくれればいいよ。軽い運動さ」
いつもはキリッとつり上がっている眉がハの字を書く。同時に、訳がわからないと言わんばかりに首を大きく傾げられたが、ゆるいアーチを描いたその白い首筋にも場所をずらしながら二度三度と口付ける。
1039腕の中に収めた彼をしっかりと抱きしめ、昼の陽光をいっぱいに吸い込んだようなキラキラした髪にキスする。次はこめかみ。次は頬に。それから──。
次々と、あちらこちらへ唇を落としていく。すると、僕のカーディガンをゆるく掴んでくすぐったそうにもじもじしていた彼が、手のひらで胸をぽんぽんと軽く叩いてきた。
「お、おい類、いきなり何なんだ!」
「ん? ……キス以外の何に見えるんだい?」
「そそそ、そうではなくだな! ここは学校の屋上だぞっ。そういうことは──!」
「食後で、君も満腹だろう? 犬がじゃれついてるとでも思ってくれればいいよ。軽い運動さ」
いつもはキリッとつり上がっている眉がハの字を書く。同時に、訳がわからないと言わんばかりに首を大きく傾げられたが、ゆるいアーチを描いたその白い首筋にも場所をずらしながら二度三度と口付ける。
luco_tr
DONEワンライ胡乱な夜話
9/11 うさぎ 寝物語はいつだって胡乱だ。
窓の障子を開けたまま、夜空を見上げて寝ることにした。窓から月が見える方角に枕を決めて横たわる。長谷部が頭を持ち上げて後頭部の髪を撫で付けると、長谷部の首を支えるように燭台切の二の腕が差し込まれた。あとはもう据え直さずとも自然と心地の良い具合に納まる。
途中で解いて別の姿勢になることもあるけれど、結局これが一番落ち着くのかお互い無意識にこの体勢に帰ってくる。もう何年もずっと。
星を数えていたら、いつしか月の話になった。うさぎの話。月うさぎの伝説。
「そんなのあったな。もう忘れたけど」
「じゃあお話してあげるよ。昔々あるところに、うさぎさんとときつねさんとおさるさんが」
「やめろその語り口」
1265窓の障子を開けたまま、夜空を見上げて寝ることにした。窓から月が見える方角に枕を決めて横たわる。長谷部が頭を持ち上げて後頭部の髪を撫で付けると、長谷部の首を支えるように燭台切の二の腕が差し込まれた。あとはもう据え直さずとも自然と心地の良い具合に納まる。
途中で解いて別の姿勢になることもあるけれど、結局これが一番落ち着くのかお互い無意識にこの体勢に帰ってくる。もう何年もずっと。
星を数えていたら、いつしか月の話になった。うさぎの話。月うさぎの伝説。
「そんなのあったな。もう忘れたけど」
「じゃあお話してあげるよ。昔々あるところに、うさぎさんとときつねさんとおさるさんが」
「やめろその語り口」
chanuitei
DONE20210807#墓囚版深夜の60分一本勝負
お題
声 誤解
7-38-55目を開けると、白い天井と真っ白い人物が見えた。
頭がぼうっとして、現状が把握出来ない。私はいつ眠ったのだろうか。
だんだんと視界がクリアになってきて、私の顔を覗き込んでいるアンドルーだとハッキリと認識できた。
「ルカ。具合はどうだ?」
じっとアンドルーの目を見つめていたら、彼は眉間に皺を寄せて、目をそらす様に俯いた。
「まだ寝起きで頭がぼうっとするが、特に問題はなさそうだよ」
手を布団の中から出して、握って開いたり、足も動かしてみたがどこも痛みは無い。
「あんた、なんでここにいるのかわかっているか?」
「いや……それが全く思い出せない」
「3日も部屋から出てこないから心配で部屋のドアを開けたら、倒れていたんだぞ」
1290頭がぼうっとして、現状が把握出来ない。私はいつ眠ったのだろうか。
だんだんと視界がクリアになってきて、私の顔を覗き込んでいるアンドルーだとハッキリと認識できた。
「ルカ。具合はどうだ?」
じっとアンドルーの目を見つめていたら、彼は眉間に皺を寄せて、目をそらす様に俯いた。
「まだ寝起きで頭がぼうっとするが、特に問題はなさそうだよ」
手を布団の中から出して、握って開いたり、足も動かしてみたがどこも痛みは無い。
「あんた、なんでここにいるのかわかっているか?」
「いや……それが全く思い出せない」
「3日も部屋から出てこないから心配で部屋のドアを開けたら、倒れていたんだぞ」
Tari
DONE宇煉のワンライに参加した小説です!お題は「ジューンブライド」。
「ヴァージン・ブリーズ」の続編ですが、これ単体でも読めます。
六月の祝福 南仏の六月は、日本と違ってからりとして過ごしやすい。気温は二十度台前半くらいで、暑くもなく寒くもない。少し日差しがきついので、外では帽子やサングラスが必須だ。
宇髄が時間をかけて教会の建築様式やら装飾やらを見て周り、先ほども来た回廊に戻ると、煉獄がいた。
ここは四角形の中庭を取り囲んで四角く廊下が通っており、ここを歩くことで修道士たちが瞑想をする場だ。中庭側には壁はなく、柱が立っているだけだ。
その柱と柱の間に腰掛けて、煉獄は本を読んでいた。南仏の眩しい日差しを浴びてその金髪は光り輝き、物思わしげな顔は宗教画の聖人のようだ。
「ずいぶんとさまになってんな」
わざと冗談ぽく言ったのは、どこかで不安を覚えたからだ。
2142宇髄が時間をかけて教会の建築様式やら装飾やらを見て周り、先ほども来た回廊に戻ると、煉獄がいた。
ここは四角形の中庭を取り囲んで四角く廊下が通っており、ここを歩くことで修道士たちが瞑想をする場だ。中庭側には壁はなく、柱が立っているだけだ。
その柱と柱の間に腰掛けて、煉獄は本を読んでいた。南仏の眩しい日差しを浴びてその金髪は光り輝き、物思わしげな顔は宗教画の聖人のようだ。
「ずいぶんとさまになってんな」
わざと冗談ぽく言ったのは、どこかで不安を覚えたからだ。
かんの
TRAININGワンライお題「最後は私と」
塩の街「善逸」
炭治郎の声が上から降ってきて、俺は視線をすいと上げた。
「炭治郎」
「いつまで経っても来ないから心配したじゃないか」
「ごめんごめん、この本が面白くて」
放課後、教室、二人だけの空間。窓の外はとうに暗くなり始めていて、外から聞こえてきていた野球部の声も、あちこちで響いていた吹奏楽部の音も、いつの間にか藍色の酸素に溶けてなくなっていた。
こんなに集中して本なんて読んだのは久し振りだ。唇を尖らせる炭治郎を宥めながら俺はそっと本に栞を挟む。
「何を読んでいたんだ?」
と、閉じようとした本の表紙を覗き込んで彼が問うてきた。炭治郎もあまり本を読む方では無いと思っていたが、どうやら本が嫌いなわけではないらしい。
1701炭治郎の声が上から降ってきて、俺は視線をすいと上げた。
「炭治郎」
「いつまで経っても来ないから心配したじゃないか」
「ごめんごめん、この本が面白くて」
放課後、教室、二人だけの空間。窓の外はとうに暗くなり始めていて、外から聞こえてきていた野球部の声も、あちこちで響いていた吹奏楽部の音も、いつの間にか藍色の酸素に溶けてなくなっていた。
こんなに集中して本なんて読んだのは久し振りだ。唇を尖らせる炭治郎を宥めながら俺はそっと本に栞を挟む。
「何を読んでいたんだ?」
と、閉じようとした本の表紙を覗き込んで彼が問うてきた。炭治郎もあまり本を読む方では無いと思っていたが、どうやら本が嫌いなわけではないらしい。
h‘|ッЛ
DONE #しん風版深夜の60分一本勝負お題「放課後」
遅刻!ワンライ+20分!
何度書いてもくっつく話は良いよねぇ...
しん風しか勝たん...マジで...
※誤字に気づいて途中修正入るかもかもです。
⚠️アテンション
高校生未来パロ。
同じ学校通ってる。
最初付き合ってない。
3 2 1 どぞしん風ワンライ『放課後の告白』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
西陽の射す窓。教室から溢れ出る紅に染る廊下。笑い声や掛け声が重なり心地よく耳を掠めていく。
一般生徒の最終下校のチャイムまであとわずか。
委員会の集まりが長引き、担当教員に頼まれて資料室に資料を置きに行った。ついでに整理まで行った所までは予定通りだった。そこから更に社会科教師に捕まり、今日提出だった課題を社会科教室前の箱から持ってくることを頼まれ、更にそれを名簿に纏めあげた。あろうことか最後に教頭に捕まって長話に付き合わされてしまった。
今日もしんのすけと帰る予定だった。社会科教師に捕まった時点でしんのすけには先に帰っていいと連絡した。本当はしんのすけと帰れたのに。きっとしんのすけはモテるから、そこらのJKに絡まれて流されて一緒に帰ってしまったんだろう。
アイツの隣は僕のものなのに――
鞄は教室に置いてきた。しんのすけとは教室で待ち合わせていた。明日アイツに彼女が出来てたら、僕はどんな顔をするだろう。泣くか怒るかそれとも笑うか。こんな思いをするなら先に帰っていいなんて言わなきゃ良かったんだ。僕の心はなんて狭く 2725
h‘|ッЛ
DONEしん風ワンライしん風版深夜の60分一本勝負
お題『秘密』
社会人パロ。
付き合ってない。
身体関係ありの両片思い。
ハピエンです!!!(声を大にして)
新書メーカーで絵文字が表示されず、別の絵文字で断念、実際はこれですw
初のポイピク文書 4741
れんこん
DONE第二回ベスティ♡ワンライ用フェイビリ/ビリフェイ
お題「HELIOS∞CHANNEL」何度も何度も震えるスマホ、画面も何度も光って、最早充電も尽きかけてしまっている。
鳴り止まなくなって電源ごと落としてしまうのも日常茶飯事ではあるけれど、今回は規模が違う。
……今朝おチビちゃんが撮ってエリチャンにアップロードした写真がバズっている。
その写真は新しく4人の体制となったウエストセクターで撮ったもので……それだけでも話題性があるのは確かだけれど、それよりもっとややこしいことでバズってしまった。
『フェイスくん、この首の赤いのどうしたの!?』
『これってキスマーク……。』
『本当に!?どこの女がこんなこと、』
「はぁ〜……。」
止まらない文字の洪水に、思わず元凶である自分の首を撫でさする。
タグ付けをされたことによる拡散の通知に混じって、彼女たちからの講義の連絡も合わさって、スマホは混乱するようにひっきりなしに泣き喚いてる。
いつもはなるべく気をつけているからこんなこと滅多にない。……ただ、昨夜共に過ごした女の子とはまだ出会ったばかり……信じて寝入っている間にやられてしまったらしい。
今日はタワーから出るつもりがないから別にそのマークを晒していてもわざわざ突っ込んでくる 2313
れんこん
DONE第二回ベスティ♡ワンライカプ無しベスティ小話
お題「同級生」「はぁ……。」
「んんん? DJどうしたの?なんだかお疲れじゃない?」
いつもの談話室でいつも以上に気怠そうにしている色男と出会う。その装いは私服で、この深夜帯……多分つい先ほどまで遊び歩いていたんだろう。その点を揶揄うように指摘すると、自分も同じようなもんでしょ、とため息をつかれて、さすがベスティ!とお決まりのような合言葉を返す。
今日は情報収集は少し早めに切り上げて帰ってきたつもりが、日付の変わる頃になってしまった。
別に目の前のベスティと同じ時間帯に鉢合わせるように狙ったつもりは特に無かったけれど、こういう風にタイミングがかち合うのは実は結構昔からのこと。
「うわ、なんだかお酒くさい?」
「……やっぱり解る?目の前で女の子達が喧嘩しちゃって……。」
「それでお酒ひっかけられちゃったの?災難だったネ〜。」
本当に。迷惑だよね、なんて心底面倒そうに言う男は、実は自分がそのもっともな元凶になる行動や発言をしてしまっているというのに気づいてるのかいないのか。気怠げな風でいて、いつ見ても端正なその容姿と思わせぶりな態度はいつだって人を惹きつけてしまう。
どうも、愚痴のようにこぼされる 2767