さみぱん
MENU2022.10.9開催の笹唯webオンリー”恋のはじめはまばゆい音色”にて発行の笹唯本『Butterfly Effect』に収録サンプル⑤朝日奈ちゃん視点で、改めて笹塚さんとの距離感に戸惑うお話
書き下ろし冒頭8ページ分
違和感の正体 笹塚さんとはどうも距離感がおかしい気がする。
札幌から戻った日、朔夜にそのことを相談したら「君がそれを言うのか」って呆れた顔で言われてしまった。
確かに朔夜とだって銀河くん、じゃないや、一ノ瀬先生とだって他のひとより断然近いのは自覚してる。朔夜とは学年もクラスも同じだしお互い寮生だしおまけに楽器も一緒だから、自然と一緒にいることが多くなる。一ノ瀬先生とはブランクあったとはいえ子供の頃からの長いつきあいだから、ふたりとも当然と言えば当然だと思う。
でも笹塚さんはそういうのじゃない。
いま思えば、初対面であんな厳しいことを言われて近寄り難いはずなのに。何故だか気になって放っておけなくて、ついアジトへ顔を出すようになって。何でも録音しようとするのには少し困ったけど、見たこともない楽しそうな顔をするのがだんだん面白くなってきて。それがいつの間にか居心地が良くなってた。
3495札幌から戻った日、朔夜にそのことを相談したら「君がそれを言うのか」って呆れた顔で言われてしまった。
確かに朔夜とだって銀河くん、じゃないや、一ノ瀬先生とだって他のひとより断然近いのは自覚してる。朔夜とは学年もクラスも同じだしお互い寮生だしおまけに楽器も一緒だから、自然と一緒にいることが多くなる。一ノ瀬先生とはブランクあったとはいえ子供の頃からの長いつきあいだから、ふたりとも当然と言えば当然だと思う。
でも笹塚さんはそういうのじゃない。
いま思えば、初対面であんな厳しいことを言われて近寄り難いはずなのに。何故だか気になって放っておけなくて、ついアジトへ顔を出すようになって。何でも録音しようとするのには少し困ったけど、見たこともない楽しそうな顔をするのがだんだん面白くなってきて。それがいつの間にか居心地が良くなってた。
さみぱん
MENU2022.10.9開催の笹唯webオンリー”恋のはじめはまばゆい音色”にて発行の笹唯本『Butterfly Effect』に収録サンプル④ラザルスの二人が横浜へ来てからのお話
書き下ろし冒頭4ページ分
ラブレター スターライトオーケストラに正式に参加することになり、その拠点である横浜での練習に参加するため、千歳を飛び立ったのが今朝早く。ラザルスでは三年生の必須授業はもう殆どないし、ネオンフィッシュの活動スケジュールも仁科が調整済なので、しばらくは横浜に滞在するつもりだ。
引っ越しという程ではないにしろ、数日分の着替え、ノートPCと多少の録音機材、それにコントラバスを合わせるとそこそこの荷物になってしまった。嵩張るモニターはネットで発注しておいたものが夕方届く手筈になっている。そうすれば、ほぼ自宅と同様の作業ができるようになる筈だ。
それにしても疲れた。運動で体を動かすのなら苦にはならないが、慣れない肉体労働なんてするもんじゃない。
1669引っ越しという程ではないにしろ、数日分の着替え、ノートPCと多少の録音機材、それにコントラバスを合わせるとそこそこの荷物になってしまった。嵩張るモニターはネットで発注しておいたものが夕方届く手筈になっている。そうすれば、ほぼ自宅と同様の作業ができるようになる筈だ。
それにしても疲れた。運動で体を動かすのなら苦にはならないが、慣れない肉体労働なんてするもんじゃない。
さみぱん
MENU2022.10.9開催の笹唯webオンリー”恋のはじめはまばゆい音色”にて発行の笹唯本『Butterfly Effect』に収録しました③笹さんの独り言+回想
やっと唐揚げ食べてもらえました
初出:2021.12.12
去年のクリスマスLINEがずっと根底にある…
あまいもの 糖分補給は大事だ。気持ち良く音の海を泳いでいたのにいつの間にか現実に引き戻されていることがある。そんな時はだいたい糖分が不足して集中が切れてしまった時だ。脳を動かすのに使えるエネルギーが糖だけというのは、恐らく生物としては合理的なんだろうが少し面倒な仕組みだ。
空腹感がある訳でもなく血糖値を上げるだけなら飴でもチョコでも何でもいい。手近に何もなければ、常備しているブドウ糖タブレットを口に放り込むことになる。美味くも不味くもない、ただ甘いだけのアレはあれで合理的だし、脳みそに直接染み渡る感じがいい。
腹が減っていると感じる時は、十中八九食い物の匂いがしている。仁科がどうやって俺の空腹を察知しているのか不思議で仕方がないが、腹が減ったなと思う前に既に食料が用意されていることが多い。自分ではそのつもりがなかったのに、その美味そうな匂いを感知した途端に腹が鳴り、空腹に気付くこともしばしばだ。
6678空腹感がある訳でもなく血糖値を上げるだけなら飴でもチョコでも何でもいい。手近に何もなければ、常備しているブドウ糖タブレットを口に放り込むことになる。美味くも不味くもない、ただ甘いだけのアレはあれで合理的だし、脳みそに直接染み渡る感じがいい。
腹が減っていると感じる時は、十中八九食い物の匂いがしている。仁科がどうやって俺の空腹を察知しているのか不思議で仕方がないが、腹が減ったなと思う前に既に食料が用意されていることが多い。自分ではそのつもりがなかったのに、その美味そうな匂いを感知した途端に腹が鳴り、空腹に気付くこともしばしばだ。
さみぱん
MENU2022.10.9開催の笹唯webオンリー”恋のはじめはまばゆい音色”にて発行の笹唯本『Butterfly Effect』に収録しました②札幌から帰る前、笹塚さんが書いた曲を弾くふたりのお話
初出:2021.12.6
まだ7にしかならない 朝日奈に弾かせるために書いた曲──。それが今、奏でられようとしている。楽譜になる前、自分の頭の中で鳴っていた音なら覚えている。それは朝日奈のヴァイオリンに近しい音質で再現できていた自負はあるが、折角本人が目の前にいるのだから、朝日奈の奏でる生音で聴きたい。もちろん録音するつもりで準備も済ませた。
しかし実のところ、つい先刻目覚めるまでは、弾いてもらうどころか楽譜を見せるつもりすら全然なかった筈だ。溢れてくる音を勢いで書きなぐっただけの粗削りな楽譜。まだ何の計算も、調整もできていない。サンプル音源用ならまだしも、本来見せられる段階のものではないのに、朝日奈の声が聴こえて、その笑顔を見てしまったら、ヴァイオリンが聴きたい気持ちが抑えられなくなってしまったのだから不思議だ。
3898しかし実のところ、つい先刻目覚めるまでは、弾いてもらうどころか楽譜を見せるつもりすら全然なかった筈だ。溢れてくる音を勢いで書きなぐっただけの粗削りな楽譜。まだ何の計算も、調整もできていない。サンプル音源用ならまだしも、本来見せられる段階のものではないのに、朝日奈の声が聴こえて、その笑顔を見てしまったら、ヴァイオリンが聴きたい気持ちが抑えられなくなってしまったのだから不思議だ。
さみぱん
MENU2022.10.9開催の笹唯webオンリー”恋のはじめはまばゆい音色”にて発行の笹唯本『Butterfly Effect』に収録しました①8章札幌コンサート後に朝日奈ちゃんがネオンフィッシュのアジトへ行くお話
前半:朝日奈ちゃん
後半:笹塚さん
初出:2021.8.15
加筆修正:2022.9.4
※初出時は冒頭が仁科さん視点でしたが、笹唯本収録にあたり朝日奈ちゃん視点に変更となりました
昨日できた曲 札幌でのコンサートが無事に終わって本当に良かった。余韻に浸る間もなく打ち上げ会場へ移動して、挨拶やら記念撮影やらに駆り出され、少し疲れてしまったみたい。端っこの席に座って、会場をぼーっと眺めるのが楽しい。お皿に山盛りにした料理に舌鼓を打つ者、演奏について熱く語る者、何故か腕相撲をしている者たちなど、オケメンバーが思い思いに過ごしている。
あとまだ見かけてないのは、トラで参加してくれたあのひとだけかな。てっきりどこかの席でおなかを満たしているか、自分の世界に没頭しているんだと思っていたのに。
「朝日奈さん、もしかして笹塚のこと探してる? ごめん、先に帰らせた」
肩を叩かれて振り返ると、探していた笹塚さんの相方である仁科さんだった。
6178あとまだ見かけてないのは、トラで参加してくれたあのひとだけかな。てっきりどこかの席でおなかを満たしているか、自分の世界に没頭しているんだと思っていたのに。
「朝日奈さん、もしかして笹塚のこと探してる? ごめん、先に帰らせた」
肩を叩かれて振り返ると、探していた笹塚さんの相方である仁科さんだった。
akinokosame
DONE一之瀬銀河×朝日奈唯。R18。ただマエ展示作品。
パスワードは「18歳以上ですか?」の質問にyesかnoでお答えください。
アホでエロでハッピーなお話を目指しました!
在学中、ふたりが晴れて(?)結婚するお話です。
オケメン全員が出てるので、他の自推しの前で、銀河くんと唯ちゃんが結ばれるのを見たくない方はご注意ください。
フォロイさんに、「銀唯」「在学中」「〇〇し」という難題をだされて、いかにふたりが合法にいちゃつける時空にするかに腐心して、こうなりました…。
ふたりがじつは結婚しているが公然の秘密という設定はフォロイさんに捧げたフリー素材ですので、よろしければどうぞお好きなように調理していただきたいです。
大手をふっていちゃつく銀唯がもっと見たい…!! 9505
akinokosame
DONE一之瀬銀河×朝日奈唯前提のオールキャラわちゃ。ただマエ展示した銀唯「ob-la-di ob-la-da」の後日談(お読みになってないと意味不明かも)。
たびログ参加の小話です。
新婚銀唯夫婦が、その後どう秘密のハッピーライフするかを書きたかったのですが、どちらかというと仲良し銀唯にふりまわされるオケメンがメインの話になってしまいました(ヘキなので…)。個人的には、唯ちゃんが銀河くんと結ばれる場合が、スタオケの雰囲気がなんだかんだ一番変わらないんじゃないかなと思っています。なお、オールキャラと書きつつ、篠森先生は出てません(すみません、篠森先生が来るとガチモメ案件なので…(汗))
他の自推しの前で、銀唯がいちゃついたり、それにふりまわされたりしているのが苦手な方はご注意ください。
(スタインベックは読んだことないです、銀河くんに賢そうにしてほしかったのでググりました)
(あと、ついつい成宮が多めで申し訳ないです…)
旅は結婚のようなもの(ob-la-di ob-la-da後日談) 朝日奈と銀河の電撃結婚もとい『婚約』事件から数週間が経過した、ある日曜の朝。
スターライトオーケストラは前日も遅くまでコンサートがあったが、次の金曜にべつの新曲を披露する路上ライブがひかえており、朝も早くから合同練習を予定していた。
それでも疲れを隠せないオーケストラメンバーが、三々五々と食堂へ下りてきたのは9時手前。朝食の支度はすっかりできているようなのに、肝心の、それを作っていたらしく男の姿が見当たらず、集まったメンバーは顔を見合わせた。この場に来ていないのは、成宮、竜崎、朝日奈、そして一ノ瀬ぐらいだ。
「どうする、先に食べちゃう?」
空腹に耐えかねたようにおなかをおさえながら、榛名がつぶやく。
4424スターライトオーケストラは前日も遅くまでコンサートがあったが、次の金曜にべつの新曲を披露する路上ライブがひかえており、朝も早くから合同練習を予定していた。
それでも疲れを隠せないオーケストラメンバーが、三々五々と食堂へ下りてきたのは9時手前。朝食の支度はすっかりできているようなのに、肝心の、それを作っていたらしく男の姿が見当たらず、集まったメンバーは顔を見合わせた。この場に来ていないのは、成宮、竜崎、朝日奈、そして一ノ瀬ぐらいだ。
「どうする、先に食べちゃう?」
空腹に耐えかねたようにおなかをおさえながら、榛名がつぶやく。
setuna_tomo
DOODLE余りにもペン入れが終わってない!!出来てるところまでのUPになります…😭今日中には終わるかも、終わったらpixivに上げ直してURL呟きます!
未読のストたくさんあるので、齟齬はご容赦ください🙏 6
あもり
DOODLEスタオケ/ssメーカーまとめ。・3章後のグランツに当てられた朝日奈の決意、
・香坂先輩グランツ離脱後の珊瑚ちゃん※
・7章後の黒橡の地獄の道すがら
の計3枚?です
(※この時まだ楽器判明していなかかったため珊瑚ちゃんの楽器違います) 3
しんや
DONE付き合ってる源唯(高3の夏を想定・パラレル軸)が源一郎くんの誕生日にデートする話。短い・白い・作画安定しない、でも愛だけは込めました!【2022/08/28・あかいみはじけた/展示】 10
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MENU「あかいみはじけた」企画作品 #誕生日前作「わ、おめのこどすぎだはんで、わんつかばしでもおべてでけろ」の
続きになります。
わ、おめのこどすぎだはんで、わんつかばしでもおべてでけろ 後編八月二十八日
「源一郎、お誕生日おめでとう!」
木蓮館にスタオケメンバーの声が高らかに響く。部屋は所謂「映え」るように飾りつけられ、本日の主役である一九三センチメートルの男にも装飾が施されていった。そして現在、数時間前に源一郎の実家から送られてきた林檎ジュースをグラスに注ぎ、各々歓談を楽しんでいる。
主役の源一郎は唯と南の三人で過ごしていた。他愛のない話をしていると、ふと源一郎が制服の右ポケットに手を入れ、スマートフォンを取りだし、その表示に視線を置く。
「……すまない、実家から電話だ。少し出てくる」
源一郎は二人に向けて申し訳なさそうに断りを入れると、通話ボタンを押し小声で会話をしながら廊下に抜けていった。唯と南はその背を見送る。つもりだった。南が唯にこう囁いてきたのだ。
2742「源一郎、お誕生日おめでとう!」
木蓮館にスタオケメンバーの声が高らかに響く。部屋は所謂「映え」るように飾りつけられ、本日の主役である一九三センチメートルの男にも装飾が施されていった。そして現在、数時間前に源一郎の実家から送られてきた林檎ジュースをグラスに注ぎ、各々歓談を楽しんでいる。
主役の源一郎は唯と南の三人で過ごしていた。他愛のない話をしていると、ふと源一郎が制服の右ポケットに手を入れ、スマートフォンを取りだし、その表示に視線を置く。
「……すまない、実家から電話だ。少し出てくる」
源一郎は二人に向けて申し訳なさそうに断りを入れると、通話ボタンを押し小声で会話をしながら廊下に抜けていった。唯と南はその背を見送る。つもりだった。南が唯にこう囁いてきたのだ。
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MENU初めて書いた源唯ちゃん。津軽男児。
わ、おめのこどすぎだはんで、わんつかばしでもおべてでけろ「源一郎って青森出身だっけ?」
寮の食堂での出来事だ。今日の夕食は、乙音、源一郎、唯の三人で同じ食卓を共にしている。
「ああ、そうだ。」
「青森って青森弁みたいなのあるよね!何か言ってみてよ」
「えっ、ボクも源一郎の青森弁聞いてみたいさあー」
「たまに言われるが、言っても分からないと思う」
「そこをなんとかー!」
冗談混じりに拝み倒す二人を他所に、源一郎は食器を整え、手を合わせて「御馳走様でした」と食事を終えた。そして唯の元へ立ち上がって歩き出したかと思えば、屈んで耳元へ
「わ、おめのこどすぎだはんで、わんつかばしでもおべてでけろ」
と言い残すと、踵を返し源一郎は下膳へ向かってしまった。
どうせ言っても伝わらないのなら、好きに言わせて貰おう
447寮の食堂での出来事だ。今日の夕食は、乙音、源一郎、唯の三人で同じ食卓を共にしている。
「ああ、そうだ。」
「青森って青森弁みたいなのあるよね!何か言ってみてよ」
「えっ、ボクも源一郎の青森弁聞いてみたいさあー」
「たまに言われるが、言っても分からないと思う」
「そこをなんとかー!」
冗談混じりに拝み倒す二人を他所に、源一郎は食器を整え、手を合わせて「御馳走様でした」と食事を終えた。そして唯の元へ立ち上がって歩き出したかと思えば、屈んで耳元へ
「わ、おめのこどすぎだはんで、わんつかばしでもおべてでけろ」
と言い残すと、踵を返し源一郎は下膳へ向かってしまった。
どうせ言っても伝わらないのなら、好きに言わせて貰おう
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MENU浮←唯前提の源唯です。Graphium doson 「俺なら君にそんな顔させない」と言うことが出来たならば、どれだけ良かったことか。
秋の夕暮れ。風がぴゅうと吹き抜けていく中、目の前で彼女はぽたりぽたりと涙を溢す。目が腫れ、制服の袖がひたひたとする程となる結末。いつかはこの日がやってくることは、疾うに知っていた。しかしながらそれを阻止する魔法を持ち得てはいなかったのだ。
「源一郎、あのね、私、浮葉さんに、振られちゃった」
嗚咽を堪えながら、彼女は単語をひとつひとつ丁寧に紡ぎ出す。濡れた瞳からは、自分達に向ける太陽のような輝きが消えていた。
自分の主が彼女に対して向ける感情は、間違いなくプラスの感情だった。だが、それが恋心だったかと問われると、正直なところ分からない。それでも彼女の心が主に拐われていることに気付いていた。彼女が主を見つめる眼差し、浮かれるような声色、そして赤らめた頬。挙げ出したらきりがない位、彼女は主に夢中だった。
1227秋の夕暮れ。風がぴゅうと吹き抜けていく中、目の前で彼女はぽたりぽたりと涙を溢す。目が腫れ、制服の袖がひたひたとする程となる結末。いつかはこの日がやってくることは、疾うに知っていた。しかしながらそれを阻止する魔法を持ち得てはいなかったのだ。
「源一郎、あのね、私、浮葉さんに、振られちゃった」
嗚咽を堪えながら、彼女は単語をひとつひとつ丁寧に紡ぎ出す。濡れた瞳からは、自分達に向ける太陽のような輝きが消えていた。
自分の主が彼女に対して向ける感情は、間違いなくプラスの感情だった。だが、それが恋心だったかと問われると、正直なところ分からない。それでも彼女の心が主に拐われていることに気付いていた。彼女が主を見つめる眼差し、浮かれるような声色、そして赤らめた頬。挙げ出したらきりがない位、彼女は主に夢中だった。
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MENUテスト期間の源唯ちゃんWARM or HOT 夏の日差しが落ち着き、窓から通り抜ける風がひんやりと感じられ始める今日この頃。スターライトオーケストラの面々を待ち受けるものは勿論、中間考査である。「赤点があった場合は追試を合格するまで課外活動禁止」との学校側からのお達しがあり、篠森先生から目をつけられている者は、先日個別に呼び出しを受け念を押された。その中の一人が朝日奈である。
夜の十一時を回った頃、源一郎の部屋の机では、唯がわなわなと古典文法と戦っていた。その横で源一郎はベッドに腰掛け、生物の教科書を眺めている。一時間ほど前に源一郎は唯からのヘルプコールを受け、已む無く自室へ招いたのだ。本来なら男子寮への女子の入館は認められていないが、コンミスたる唯が万が一にも赤点を取ってしまうことの方がオーケストラとしては打撃があると考えた故の結論である。もし誰かに知られてしまったとしても、この状況を説明すればきっと理解を得られるはずだ。
2675夜の十一時を回った頃、源一郎の部屋の机では、唯がわなわなと古典文法と戦っていた。その横で源一郎はベッドに腰掛け、生物の教科書を眺めている。一時間ほど前に源一郎は唯からのヘルプコールを受け、已む無く自室へ招いたのだ。本来なら男子寮への女子の入館は認められていないが、コンミスたる唯が万が一にも赤点を取ってしまうことの方がオーケストラとしては打撃があると考えた故の結論である。もし誰かに知られてしまったとしても、この状況を説明すればきっと理解を得られるはずだ。
はな-hana-
DONE8月21日は『🐰バニーの日🐰🥕』今月は🐰さんの日がある!と、教えていただいたのでノリノリで描かせてもらいました😊
凛くんと唯ちゃん。きゅるん🥺💕を目標。
ショートパンツスタイルとタキシードスタイルにするの楽しかった〜😚
akinokosame
DONE成宮智治×朝日奈唯。R18。パスワードは、「あなたは18歳以上ですか?」の質問にyesかnoでお応えください。
#唯受けオトナのリレドロライ 参加作品
お題「麦茶」
付き合っている二人の、いわゆる不謹慎な状況でのエッチな話です。
状況的に苦手そうな方は、ご注意ください。
(ちょっとだけ二人の関係を知っててフォローしてくれる立ち位置の朔夜くんも出てきます。苦手な方はご注意ください)
今回こそはオトナ向けリレドロライに、成唯で出たい!と意気込んで、書きました。
隠れお題に「先輩の快楽堕ち」があったのですが、それなりにクリアできたかも?と思うくらいのエロさなので、もしかしたら大分、ドン引きされるレベルでエッチかもです(企画に出す自分にも引くレベル)。お苦手な方はご注意くださいませ。 13062
akinokosame
DONE唯ちゃん無自覚の銀河→←唯前提の仁→唯です。仁唯はつきあってます。家電あんさんにいただいたリクエストで書かせていただきました。
パスワードは18歳以上ですか?の質問に、yesかnoでお答えくださいませ。
※あんさんのリクエストは「めちゃくちゃ嫉妬する仁科の仁唯でR18で、嫉妬相手は
銀河くんで、読むと感情がグチャグチャになる話」でした。
(一部🦍の記憶に齟齬ありました)
調子に乗って、いままで絶対に使ってこなかったような、男子が
男子同士でしか使わないような用語を、仁科さんにいっぱい言ってもらいました。
初の仁唯が、こんなネオロマ的にNG行為NG行為NGワードNGワードみたいなんで
本当にいいのか、死ぬほど心配です…(心配です)
仁科さんから時々感じる「男子校の男子」っぽさが、結構好きでして…。
女の子慣れしてスマートでクールに振舞っているのに、女子という存在に対する
距離感と夢みたいなものが、環境に無理矢理植え付けられている感じがするというか…
「男子校の男子高校生ならでは」な振舞いを、かなり盛らせていただいてます。
プレイ的にもだいぶアウトだし、使ってる言葉もだいぶアウトだし
私が妄想できる範囲で、一番最低でダメな子な感じの仁科さんにしてしまったので
苦手な方、嫌いな方はご注意です。マジで……
リクで書いているので、本当に仁科さんがこんな人だとは思ってません!!
これはマジです!!!!仁科さんはもっとスマートでクールで優しいし気をつかえると思います!!
私の解釈より、ダメな男子校男子度&雄度25倍増しくらいにしてしまったのですが、
そこはリクエストに応えるためですので!!!マジのマジです!!!許してください!!!!!
補足ですが…
この唯ちゃん、本人主観ではわりと仁科さんのこと本気で好きだという設定で書いてます。
でも、仁科くんが全くそれを分かっていないというか、求めるものが多きすぎるため、
まっすぐに受け止めることができず、どんどん深みにはまっていっているという設定です。
あっ、途中の成宮は欲望のままに出しました…(すみませんでした)。 13062
tomoki_kocho
DONE7/17エアコレクション夏2022同棲してる刑唯のラブコメ展示漫画3p。
全年齢ですが、事後のお話&ヤキモチ焼きの刑部さんの愛がちょっと重めなのでご注意を笑。ゆるーく楽しんでなんでも許せる方向けです🙏💦
卒業後同棲前提で、唯ちゃんは引き続きオケ在籍、刑部さんは大学に通っていて、桐ケ谷と共にOBとしてたまに飲み会などに顔を出してる、みたいな感じの設定です〜。 3
しんや
MENU【既刊サンプル】篠唯本卒業→交際後の篠森先生の態度変化に唯ちゃんが困惑する話。
◆『先生に玉砕覚悟で告白したら、なぜかOKをもらえてしまいまして!?』
◆A5/32P(表紙込)/500円※ +別途送料等※
◆BOOTH:https://stoc4ny1.booth.pm/items/3844747
0508 エアコレ春 発行
1106 エアブーSPECIAL 再頒 12
しんや
DONE篠唯/卒業→交際後・未来捏造 ※事前・事後あり注意。140字SS【運命の出会い】→【交渉決裂】の続き。
先生に関する捏造が多々。できることが多くて欠点が見えてこないので、少し面倒くさい部分ある男だったら…?という妄想。
愛しい人「どうして? 和真さんが買ってくれたのに!」
寝室の床に叩きつけられ、ぐったりと横たわるたい焼き型クッションに駆け寄ろうとした私の腕を掴み引き止めると、和真さんはムッとした顔で答えた。
「そうだな。君はそいつを買ってから、片時も手放さずに抱えているな。その上、眠る時まで一緒とは」
「そうですよ、だって大事ですもん」
「……私よりもか」
「はい?」
思わず首を傾げてしまった私を見て、和真さんは決まりが悪そうに視線を逸らして手を離すと、ふんとそっぽを向いてベッドに寝転がってしまった。
ええ、と今さっき言われた言葉と彼の態度を分析しようとする。
私よりも、そいつが大事なのか、なんて。まるで恋敵に嫉妬してるみたいじゃない? と考えたところで、みたいじゃなくて、事実そうなのでは? と思い至る。
3255寝室の床に叩きつけられ、ぐったりと横たわるたい焼き型クッションに駆け寄ろうとした私の腕を掴み引き止めると、和真さんはムッとした顔で答えた。
「そうだな。君はそいつを買ってから、片時も手放さずに抱えているな。その上、眠る時まで一緒とは」
「そうですよ、だって大事ですもん」
「……私よりもか」
「はい?」
思わず首を傾げてしまった私を見て、和真さんは決まりが悪そうに視線を逸らして手を離すと、ふんとそっぽを向いてベッドに寝転がってしまった。
ええ、と今さっき言われた言葉と彼の態度を分析しようとする。
私よりも、そいつが大事なのか、なんて。まるで恋敵に嫉妬してるみたいじゃない? と考えたところで、みたいじゃなくて、事実そうなのでは? と思い至る。
しんや
DONE篠唯/140字SS×計16作。なるべく作中の時系列に合わせて、在学時~卒業後の未来+捏造過多に分けて入れ替え。
140字SS■在学時・片想い~両片思い
【あかりを灯す】
最初は『認められたい』と思っていた。それがいつの間にか『期待に応えたい』に変わっていた。
皆のように演奏しなくても、共にステージに立たなくても。
見守ってくれている貴方の優しい眼差しを感じると、ぽっと心に熱が宿るから。
今日もまた、私はステージに向かう直前に、貴方を見る。
【鼓動】 ※ホーム台詞ネタ
「大荷物だな…コンサートの準備か」
譜面台を抱えてよろめく私に、声をかけてきたのは篠森先生。
「貸したまえ」
重いのでと遠慮する暇もなく、先生はひょいと荷物を奪っていく。
「へ」
「これもステージマネージャーの仕事だ」
――先生も男の人なんだなぁ。
とくんと心臓が跳ねた。
2798【あかりを灯す】
最初は『認められたい』と思っていた。それがいつの間にか『期待に応えたい』に変わっていた。
皆のように演奏しなくても、共にステージに立たなくても。
見守ってくれている貴方の優しい眼差しを感じると、ぽっと心に熱が宿るから。
今日もまた、私はステージに向かう直前に、貴方を見る。
【鼓動】 ※ホーム台詞ネタ
「大荷物だな…コンサートの準備か」
譜面台を抱えてよろめく私に、声をかけてきたのは篠森先生。
「貸したまえ」
重いのでと遠慮する暇もなく、先生はひょいと荷物を奪っていく。
「へ」
「これもステージマネージャーの仕事だ」
――先生も男の人なんだなぁ。
とくんと心臓が跳ねた。
しんや
DONE篠←唯…?/在学中の攻防。篠森先生視点。大人はズルい。お題ひねり出してみた【https://shindanmaker.com/392860】
診断結果よりタイトル・テーマをお借りしました。
(1000字以内で書く習作)
何回言ったら信じてくれますか 思春期の生徒が教師に想いを寄せるのは、身近に惹かれる存在が少ないからだ。
歳上であることで同世代とは違う落ち着きや経験の差があり、自身を向上させる的確な導きをくれる存在となれば、特別視して憧憬を抱くこと自体に疑問はない。それが恋になることも有り得ることだ。ただ、そういった想いが卒業後も持続するかどうか。それについては懐疑的にならざるを得ない。
卒業して進学あるいは就職すれば、今までに出会ったことの無い人間と数多く接点を持つ。今までにない環境とともに、そうした新たな出会いを経てもなお、学生時代に世話になった教師に対しての気持ちを持ち続けられる人間など、そう多くはないだろう。
だから彼女にも、将来、私の他に良い相手が見つかるはずだ。
992歳上であることで同世代とは違う落ち着きや経験の差があり、自身を向上させる的確な導きをくれる存在となれば、特別視して憧憬を抱くこと自体に疑問はない。それが恋になることも有り得ることだ。ただ、そういった想いが卒業後も持続するかどうか。それについては懐疑的にならざるを得ない。
卒業して進学あるいは就職すれば、今までに出会ったことの無い人間と数多く接点を持つ。今までにない環境とともに、そうした新たな出会いを経てもなお、学生時代に世話になった教師に対しての気持ちを持ち続けられる人間など、そう多くはないだろう。
だから彼女にも、将来、私の他に良い相手が見つかるはずだ。
しんや
DONE篠←唯/篠森先生は気にしてないのに唯ちゃんだけがドキドキしてる感じ。『スタオケ版フリーライト』企画に投稿されていたイラストから、妄想させていただいた小話。
↓元のツイート、画像版
https://twitter.com/4ny1crd/status/1528256456192950273
薔薇より赤い 一ノ瀬先生の運転するバスに揺られて会場に辿り着き、控え室でステージ衣装へと着替えてメンバーのみんなと音出しやリハーサルを終えた後のこと。
「朝日奈さん、少しいいかね」
舞台袖で声を掛けてきた篠森先生は、コンサートの主催者がスタオケの代表者と話がしたいそうだと伝えてくれた。
「わかりました。確か篠森先生の学生時代の先輩でしたよね?」
「ああ」
今回の主催者は星奏学院の卒業生で、篠森先生がお世話になった先輩でもあるという。母校の生徒がいる学生オーケストラに興味を持って、オファーをしてくれたのだと前もって聞いていた。
「私以上に厳しい方だ。くれぐれも失礼のないように」
「はいっ!」
そんな厳しい方が興味を示してくれたというのも、きっとステージマネージャーとして篠森先生が上手く話をしてくれたからなんだろう。
1392「朝日奈さん、少しいいかね」
舞台袖で声を掛けてきた篠森先生は、コンサートの主催者がスタオケの代表者と話がしたいそうだと伝えてくれた。
「わかりました。確か篠森先生の学生時代の先輩でしたよね?」
「ああ」
今回の主催者は星奏学院の卒業生で、篠森先生がお世話になった先輩でもあるという。母校の生徒がいる学生オーケストラに興味を持って、オファーをしてくれたのだと前もって聞いていた。
「私以上に厳しい方だ。くれぐれも失礼のないように」
「はいっ!」
そんな厳しい方が興味を示してくれたというのも、きっとステージマネージャーとして篠森先生が上手く話をしてくれたからなんだろう。
しんや
DONE篠唯/『翻る花びらのように』の幕間、篠森先生視点の話。篠森先生と過去作のとあるキャラとの対話が主で、唯ちゃんは登場しないようなものです。一貫性がなかった篠森先生の発言の補足をしたかった。
※篠森先生SRカードスト、ホームボイス、他イベスト等のネタバレ、そこから読み取り考えた独自の妄想設定などを多く含みます。
恋の音色を鳴らせ 卒業式の日。高校生活の最後の時を惜しむ生徒たちに帰路を促し、別れを告げ、教員としての業務を終えた後。私は木蓮館の事務室に赴いた。スターライトオーケストラのステージマネージャーとしての仕事で、特に急ぎのものがあった訳ではない。
式の前にも、後にも。あの生徒……朝日奈唯と、顔を合わせることが一切なかった。それが気がかりだったからだ。
彼女は、受け持ちのティンパニ専攻の生徒でもなければ、そもそも音楽科ですらなかった。普通科、楽器はヴァイオリン。そんな朝日奈と関わる機会など、彼女がコンミスを務めることとなりスタオケの活動が始まってからの二年間しかなかった。
オケの音楽監督が体調不良で使い物にならなくなった際、一時的な代役として彼女に指導を行ったこともあったが、その回数は両手で数えて指が余る程度だった。その数少ない機会でさえ、優しくした覚えなど全くない。
6995式の前にも、後にも。あの生徒……朝日奈唯と、顔を合わせることが一切なかった。それが気がかりだったからだ。
彼女は、受け持ちのティンパニ専攻の生徒でもなければ、そもそも音楽科ですらなかった。普通科、楽器はヴァイオリン。そんな朝日奈と関わる機会など、彼女がコンミスを務めることとなりスタオケの活動が始まってからの二年間しかなかった。
オケの音楽監督が体調不良で使い物にならなくなった際、一時的な代役として彼女に指導を行ったこともあったが、その回数は両手で数えて指が余る程度だった。その数少ない機会でさえ、優しくした覚えなど全くない。
しんや
DONE篠唯/卒業式の後、言動に一貫性がない篠森先生に泣かされてしまう唯ちゃんの話。『スタオケ版フリーライト』企画に投稿されていたイラストから創作させていただいたSSを少し修正して再掲。
↓元のツイート、画像版
https://twitter.com/4ny1crd/status/1433401549309444107
翻る花びらのように「――朝日奈!」
突然、鋭く響く低い声に名前を呼ばれて、びくりとして思わず後ろを振り返る。聞き慣れていたはずのその声が敬称もつけずに呼び捨てたことにも、それまで聞いたこともないほどに焦りと熱を宿していることにも驚いたし、息を切らせながら早足につかつかと近づいてくる彼のしかめた顔に汗が滲んでいることに気づいて、赤くなった目を見開いてしまう。
どうして、と疑問を口にする前に手首を掴まれ、気がつけば私は篠森先生の腕の中にいた。
持っていた卒業証書の入った筒は、引き寄せられ抱き締められた衝撃で指を離れて、ことんと軽い音を鳴らして床に落ちる。それが転がっていく先を確かめることも出来ず、私は温かな熱に心臓を跳ねさせた。
4312突然、鋭く響く低い声に名前を呼ばれて、びくりとして思わず後ろを振り返る。聞き慣れていたはずのその声が敬称もつけずに呼び捨てたことにも、それまで聞いたこともないほどに焦りと熱を宿していることにも驚いたし、息を切らせながら早足につかつかと近づいてくる彼のしかめた顔に汗が滲んでいることに気づいて、赤くなった目を見開いてしまう。
どうして、と疑問を口にする前に手首を掴まれ、気がつけば私は篠森先生の腕の中にいた。
持っていた卒業証書の入った筒は、引き寄せられ抱き締められた衝撃で指を離れて、ことんと軽い音を鳴らして床に落ちる。それが転がっていく先を確かめることも出来ず、私は温かな熱に心臓を跳ねさせた。
しんや
DONE篠←唯/クリスマスの夜の話。前半は香坂さんとの会話が多め。※9章6話、篠唯の分岐ストを妄想。9章のWalk台詞、リリース前のLINE企画の設定、ホーム台詞ネタをお借りし、独自解釈。
Pixiv版:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16036000
特別な夜「え? ――篠森先生?」
「……はい。パーティでも会えませんでしたし」
クリスマスの夜を誰と過ごしたいのかと聞いた香坂先輩は、きっとオケのメンバーを想定して尋ねてきたに違いない。それなのに寮で会えるわけもない美しい想い人の名前を答えてしまったのは、彼がクリスマスパーティには参加しなかったという寂しさからだった。
香坂先輩は少しだけ考えるように間を置くと、私の顔を見てその想いを察してくれたのか、優しい声で話を続けてくれる。
「そう……招待カードは出していたものね」
「来てくれませんでしたけどね。やっぱりせんせ、忙しいみたい」
パーティが始まっても篠森先生の姿が見えないと気づいて、マインでメッセージを送り「先生は何時に来れますか?」と無邪気に聞いた私に返ってきたのは「私は参加しない。まだ仕事が残っている」という短く素っ気ない文だった。
6240「……はい。パーティでも会えませんでしたし」
クリスマスの夜を誰と過ごしたいのかと聞いた香坂先輩は、きっとオケのメンバーを想定して尋ねてきたに違いない。それなのに寮で会えるわけもない美しい想い人の名前を答えてしまったのは、彼がクリスマスパーティには参加しなかったという寂しさからだった。
香坂先輩は少しだけ考えるように間を置くと、私の顔を見てその想いを察してくれたのか、優しい声で話を続けてくれる。
「そう……招待カードは出していたものね」
「来てくれませんでしたけどね。やっぱりせんせ、忙しいみたい」
パーティが始まっても篠森先生の姿が見えないと気づいて、マインでメッセージを送り「先生は何時に来れますか?」と無邪気に聞いた私に返ってきたのは「私は参加しない。まだ仕事が残っている」という短く素っ気ない文だった。
しんや
DONE源唯/バレンタインデーのネタ。※リリース前の幻覚。LINEバレンタイン動画の台詞ネタバレ、創作台詞追加、独自解釈、捏造設定↓
・両片想い?
・やや鈍い天然かもしれない鷲上くん
・料理ど下手なりに頑張ったコンミスちゃん
不器用な二人 二月半ば。最近は冷える日が多かったが、なぜか今日は少し気温が暖かかった。これならば昨日よりは良い音が出せるかもしれないと、俺は淡い期待を抱きながら準備を始めたのだが。
――そう、うまくはいかない、か。
オーボエの音色が響く。管内外の温度差によって、ひびが入ったり割れてしまったりする事を防ぐために、演奏前に充分に温めておいたものの……やはりと言うべきか、望むような良い音は出せなかった。
寒い季節柄、外で演奏するとどうしても楽器が冷えて音程が下がってしまうのは避けられない事だとは分かっている。ただそんな状況でも、良い音を奏でる方法はあるはずなのに――。
「……はぁ」
あまり長引かせるとまた楽器が冷えてしまう。どこかすっきりしない気持ちで一旦、演奏を終えると、ぱちぱちと近くから拍手が聞こえた。音のした方を振り返ると、そこにはコンミスの姿があった。拍手の主もどうやら彼女らしい。
3941――そう、うまくはいかない、か。
オーボエの音色が響く。管内外の温度差によって、ひびが入ったり割れてしまったりする事を防ぐために、演奏前に充分に温めておいたものの……やはりと言うべきか、望むような良い音は出せなかった。
寒い季節柄、外で演奏するとどうしても楽器が冷えて音程が下がってしまうのは避けられない事だとは分かっている。ただそんな状況でも、良い音を奏でる方法はあるはずなのに――。
「……はぁ」
あまり長引かせるとまた楽器が冷えてしまう。どこかすっきりしない気持ちで一旦、演奏を終えると、ぱちぱちと近くから拍手が聞こえた。音のした方を振り返ると、そこにはコンミスの姿があった。拍手の主もどうやら彼女らしい。