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    kikhimeqmoq

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    DONEチヒ隊 2025/01/19 チヒロと巻墨

    61話、カフェでランチを食べた後に京都へ向かうチヒロと巻墨の小話。63話で巻墨の名前が判明して嬉しくて書いた。チヒ隊かどうかは微妙な感じで特に何も起こらない。
    豪快に京都へ「車で行くんですか?電車の方が早くないですか」
    店を出てさっそく駅に向かおうとした千紘を巻墨は引き止め、車で移動すると告げた。
    「車の方が安全だろ。装備もしてあるしな」
    隊長は得意げに説明した。斜めに切り上がった口端が車への自信を表していた。可愛らしいな、と千紘は感じたが黙っていた。それより装備ってなんだ?
    「装備とら?」
    「武器や小道具が車に隠してあるんですよ」
    炭がすかさず説明した。
    「へえ」
    さすが忍びだ、と千紘は感心した。その評価が伝わったのか、隊長は満足げに頷いた。こくり。
    「じゃあ、車を出しますから、ちょっと場所を開けてください」
    炭の依頼に千紘は振り返った。駐車場はどこだろう。きょろきょろと周囲を見渡す千紘の肩を、杢は長い腕で掴んだ。最初は肩を強く掴まれたが、すぐに柔らかく抱きかかえられ、店の脇へそっと移動させられる。杢の腕も身体も熊のように大きく、肩を抱かれただけなのに、千紘は全身を包まれた気持ちになった。なんだか温かい。杢と千紘は、歳はさほど離れていないと聞いた。実際、杢は隊長や炭よりも若者らしい軽い発言が多い。しかし、なんとはなしに信頼したくなる安定感が杢にはあった。身体の大きさだけではない。ほどよい雑さと丁寧さのバランスが好ましあのだと思う。
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    DONEチヒ柴 2024/10/15
    柴さんお誕生日おめでとう。
    16歳のチヒロと柴さんが、柴さんのお誕生日に焼肉に行く話です。
    柴さん誕生日2024柴さんの誕生日を知ったのは東京に来てからのことだった。スピード違反で切符をきられた柴さんが、運転免許証を取り出したことで、初めて誕生日を知った。
    「今日、誕生日じゃないですか」
    「ああ、そう。知らんかったか」

    自分の誕生日はチビの頃から毎回祝ってもらっていたのに。柴さんは毎年プレゼントをくれた。蛍光色に光るスライムや、指を挟むガムのジョークグッズ、どうみてもガチャガチャで取ってきたちゃちなバッタのミニチュアなど、正直いらないものばかりだった。でも、一緒に持ってきてくれるケーキは美味しくて、誕生日の数日前から待ち遠しくてソワソワしていたのを覚えている。当日の夜になると電灯を消し、年齢分のろうそくを灯して、三人で吹き消した。いちばん張り切っていたのは父さんだったし、おそらく炎を吹き消したのも父さんの息だった。でも、そんなことはどうでも良かった。「せーの」と声を揃え、一斉に息を吸う瞬間、三人で力一杯息を吹きつける瞬間、炎が消え真っ暗になった部屋で笑い合うあの瞬間が好きだったから。もちろんケーキはすごく美味しかった。都会の味だ。父さんが半分以上欲しがったけど、そこは譲れなかったから、俺は父さんの攻撃を必死で避け、自分のケーキを守った。柴さんは煙草をふかしながら、俺たちの戦いをゆったりと眺めていた。
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    DONEチヒ柴。チヒロが16歳か17歳くらい。付き合ってない。解釈開陳ポエムです。
    不思議な踊り寝ている柴の頬に指を乗せた。三十代男性の平熱がどの程度がは知らないが、いつ触ってもあたたかいと思う。今日は千紘のミスがあり、薄い切り傷ができたせいか、平時よりも熱い気がする。自分の唇で確認しても、彼の体温が高いか低いかは分からなかった。とにかく自分の唇が冷たいので、比較しようがない。唇だけ死を引きずってきたのかもしれない。今日、切り殺した奴らの名前も知らないのに、冷たさだけが繋がっているのは面白くなかったので、その考え方はやめた。おそらく、千紘の唇は国重が死んだときから冷たい。唇だけではなく手足も、心臓も。
    音をたてないようにゆっくりと柴の上に屈み、そっと唇を合わせた。柴の唇はあたたかく、柔らかく、滑らかだった。冷たく、硬く、かさついた自分とは違う。じっと粘膜を合わせていると、徐々に自分もあたたかくなってくるような気がした。自分と同じように毘灼を憎み、人を切り、周囲を裏切っているのに、ちゃんとあたたかみがあるのはどうしてだろう。大人になれば自分もそうなるんだろうか。それとも、いたずらをして冗談を言えるようになればいいんだろうか。それならば国重の唇もあたたかかったんだろう。
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