夜は覚悟しときや「桐島さん、これお願いしたいんですけど」
差し出されたものを確認したが、おおよそ要から見せられるとは思ってもない代物だった。きみ、これ、どこで買うてきたん? 知っとったんか、存在を。
「同居人が外出から帰ってくるなり、耳に穴を開けてくれってお願いしてくる人生があるとは思ってへんかったわ」
「そうですか? 想定が甘くないですか?」
「てか、これ、耳で合ってるやんな? もしかして、臍に穴を開けろってことやった?」
「耳専用って書いてあります。ちゃんと見てください」
「なんで俺が怒られることになってんの?最初に無茶振りされたん俺やのに、上手いこと話にのってることを褒めてくれや」
「さすがきりしまさんですね」
「棒読みやねん!」
2000