Take my love*
『当日は遅くまで仕事があるから会えないぞ』
そう言われていたけれどやっぱり会いたくて、気が付いたら家を飛び出し走っていた。
零の誕生日を誰よりも早く祝いたくて、前日の22時くらいに電話をかけておめでとうと伝えた。そうしたら、『早くないか』なんて言って笑っていて、電話越しだったけれど零が笑ってくれることに胸がいっぱいになり幸せを感じた。
そのあと日付を越えてからまた電話をして、しつこいくらいおめでとうを伝えた。零はもう良いよなんて言ってまた笑っていた。その声がどこか嬉しそうに聞こえて、再びおめでとうと口にした。
好きな人が笑ってくれることがこんなにも幸せなことなのだと、そんなこと今まで知らなかった。
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