出られない箱「凛?」
目が覚めると、俺たちは小さな箱に閉じ込められていた。
「凛?凛ってば」
揺すっても凛は、唸るだけでなかなか瞼を上げようとはしない。
「凛ー、寝てられると狭いんだよ!縦になってくれよ!」
ここに連れて来られる前の記憶は一切ない。なんなら昨日、一昨日、一週間前、今が何年で、季節がいつなのかも思い出せない。ただ、二人ともブルーロックのスーツを着ているから、BLTVの企画なんだと思う。
そもそもここはなんなのだろう。広さは半畳くらいだろうか。エレベーターよりも全然狭い。座っている分には問題ないけれど、寝るにはスペースが足りなさすぎる。どうやら丸まって横たわる凛の上に折り重なるようにして、今まで俺は寝ていたらしい。高さは2mくらいあるだろうか。試しに立ち上がってみたけれど、頭上はだいぶ余裕がある。
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