挑発 星が輝く空間に、三つの影が並んでいた。聳えるように高い台座を備え、頭上に装飾を掲げた巨大な玉座だ。地上からどれ程離れているのか、足元は影に覆われて何も見えない。それは中央の円卓を囲むかのように、一定の間隔で配置されていた。
そんな仰々しい座面に座っているのは、白装束を纏った三人の男だった。一人は大柄な老人の姿で、一人は長身の青年の姿をしている。最後の一人は子供の姿をしていて、余った座面に胡座をかいていた。いずれも真っ白な布に隠されていて、表情は窺うことができない。
「神から、新たなお告げが下った」
しばらくの沈黙を保った後に、不意に老人が口を開いた。同じく沈黙を保っていた二人の若者が、言葉に応じるように視線を向ける。白い布に隠された鋭い瞳が、真っ直ぐに老人の顔を貫いた。静かに視線を向け止めた後に、老人は勿体ぶった態度で口を開く。
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