閉じた世界 4コンコン、と扉を叩いてから「失礼しまーす」と言い病室にお邪魔した。
ツバっさんの見舞い、というか暇してると踏んで構いに来てあげた僕とハッサク先生は、そこで首を傾げることになる。
「あれ?」
ツバっさん居ない。もしかして部屋間違えた?
いや、一つベッドが空いてるし、そこのシーツは乱れてるから……恐らくさっきまで居たのだろうと考えられる。
「失礼。カキツバタくん……金色の目に白髪の少年を知りませんか?こちらに居た筈なのですが」
ハッサク先生の姿に驚いていた同室の患者さんは、途端に困惑を滲ませる。
「それがあの兄ちゃん、家族に連れられてどっか行っちまって」
は?家族!?
僕達は顔を見合わせた。僕も学園の皆も本人が嫌がってたのを知ってるから伝えてない。先生やトップ達にも配慮して欲しいと言った記憶がある。
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