視察に行こう、資材と人手を回してほしい、久しぶりに海老が食べたい、図面を書く道具が足りない、丈夫な布があれば、おおがかりな調査団を。
次々と湧き出るレコベルの我儘をすべて承認してやったのはピロだった。
理由と用途を滔々と捲し立てるレコベルの目の中にはいつでも星が輝いていた。
それで良かった。
お前の願いは私のおかげで叶うのだ。
力があれば金が手に入る。金があればなんでも出来る。この世の真理、この世の条理。
(あなたさえいなければ、あたしは悪いことも狡いこともできなくなる)
——いつの間にか、目が合わなくなった。
気が付かなかった/気が付かないふりをしていたそれは、旅団内で起こる造反の頻度が増えるに従って無視のできないものになった。
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