管理人の様子がおかしくなってから、もう四日が経つ。
おかしくなったというよりは……”人格が変わった”。その表現が一番相応しい。むしろそのまま当てはまる。
Xから、Aへと。
「記憶貯蔵庫が更新されたらまずい……それまでになんとかしないと……」
思い詰めた様子でダフネが呟く。続くだろう言葉はおおよそ察しがついていたが、念のため聞いてみる。
「記憶貯蔵庫の更新をまたぐと、取り返しがつかないんですか?」
「……多分」
「多分、とは」
「似た状況は何回かあった。ただし今回のような人格同居じゃなしに、普段はXが表に出ていてAは眠っている状態に近い……っつってた、管理人は。相変わらず夢は覚えてないし、記憶同期の際に呼び起こされるAの記憶は、Aが勝手に喋ってるのを傍観しているような感じだったらしい」
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