rara_wcat
REHABILIリハビリバミファやくもくクリア後設定
吹雪
https://poipiku.com/18609/7526835.html
の続き
あの子と僕/夜明け[リバミファ]――――翌朝。
「……っ…」
窓から差し込む朝日の眩しさに起こされた。
どうやら吹雪はすっかり止んだようだ。
「そうだ、ミファーは……」
「………ん…ぅ…っ……」
弱々しく身じろぎするミファーの頬は発見時より血色がうんと良くなっていた。懸命な介抱の結果、低体温症はすっかり治ったようだった。
「……んんっ…あれ?…リー、バル…さん……?」
数分遅れて、ミファーが目を覚ました。まるで花が綻ぶような彼女の美しい目覚めに一瞬目を奪われる。
「!」
だがそこで自分が裸であることを思い出した。
「こっ、これは、その…っ!」
反射的にベッドから飛びのきそうになったが、ミファーにやんわり止められた。
「……分かってる。私を…助けてくれたんだね」
1102「……っ…」
窓から差し込む朝日の眩しさに起こされた。
どうやら吹雪はすっかり止んだようだ。
「そうだ、ミファーは……」
「………ん…ぅ…っ……」
弱々しく身じろぎするミファーの頬は発見時より血色がうんと良くなっていた。懸命な介抱の結果、低体温症はすっかり治ったようだった。
「……んんっ…あれ?…リー、バル…さん……?」
数分遅れて、ミファーが目を覚ました。まるで花が綻ぶような彼女の美しい目覚めに一瞬目を奪われる。
「!」
だがそこで自分が裸であることを思い出した。
「こっ、これは、その…っ!」
反射的にベッドから飛びのきそうになったが、ミファーにやんわり止められた。
「……分かってる。私を…助けてくれたんだね」
高間晴
REHABILI敦太800字。完全自殺読本。読書の秋「いや〜、すっかり秋になったなぁ。こう涼しいと読書が捗るね」
太宰はそう云いながら部屋の布団の上で寝そべりつつ、本の頁をめくっている。
「読書はいいですけど、太宰さんってそれ以外の本読まないんですか?」
敦が指差すのは、真っ赤な表紙に白で棺桶と十字架のデザインが目を引く『完全自殺読本』だ。太宰は暇さえあればこれを開いて読みふけっている。付箋がびっしり貼られた彼の愛読書。それは聞いた話によると彼の生まれる前に出版されて一躍話題になったものの、有害図書認定されて絶版になった稀覯本らしい。
「何を云ってるんだい敦君。これより素晴らしい本なんてこの世にないよ?」
太宰が熱弁する。敦は本能で「あ、変なスイッチ押した」と思ったが後の祭り。
853太宰はそう云いながら部屋の布団の上で寝そべりつつ、本の頁をめくっている。
「読書はいいですけど、太宰さんってそれ以外の本読まないんですか?」
敦が指差すのは、真っ赤な表紙に白で棺桶と十字架のデザインが目を引く『完全自殺読本』だ。太宰は暇さえあればこれを開いて読みふけっている。付箋がびっしり貼られた彼の愛読書。それは聞いた話によると彼の生まれる前に出版されて一躍話題になったものの、有害図書認定されて絶版になった稀覯本らしい。
「何を云ってるんだい敦君。これより素晴らしい本なんてこの世にないよ?」
太宰が熱弁する。敦は本能で「あ、変なスイッチ押した」と思ったが後の祭り。
高間晴
REHABILI敦太800字。相合傘。傘の中「参ったなぁ……」
夜更けにバーに飲みに出かけて、マスターと少し話し込んでいたら雨が降り始めた。大きめの雨粒がばらばらと店の窓ガラスを叩いては滑り落ちていく。
マスターが店に置いてある傘を貸してくれると云ったが、太宰は断った。コートのポケットから携帯を取り出してボタンを操作すると、耳に当てた。
「あ、もしもし敦君?」
「太宰さん、今どこにいるんですか?
雨が降ってますけど……云ってくれれば迎えに行きますよ」
太宰は丸椅子をくるりと回して、カウンターに肘をついた。
「じゃあお願いしていいかな。
駅前から裏通りを入ってすぐの、ノーチラスってバーだよ」
通話を終えると、太宰はもう一杯飲もうと、ブランデーを注文する。
926夜更けにバーに飲みに出かけて、マスターと少し話し込んでいたら雨が降り始めた。大きめの雨粒がばらばらと店の窓ガラスを叩いては滑り落ちていく。
マスターが店に置いてある傘を貸してくれると云ったが、太宰は断った。コートのポケットから携帯を取り出してボタンを操作すると、耳に当てた。
「あ、もしもし敦君?」
「太宰さん、今どこにいるんですか?
雨が降ってますけど……云ってくれれば迎えに行きますよ」
太宰は丸椅子をくるりと回して、カウンターに肘をついた。
「じゃあお願いしていいかな。
駅前から裏通りを入ってすぐの、ノーチラスってバーだよ」
通話を終えると、太宰はもう一杯飲もうと、ブランデーを注文する。
高間晴
REHABILI敦太800字。ちょっとした悪戯に遭うあつしくん。髪を切ろうか 敦がデスクでPC作業をしているが、どうにも前髪が目に入ってきて集中できない。
「髪の毛切らなきゃなぁ……」
前髪をいじりながらつぶやくと、背後からナオミが近づいてきて声をかけてきた。
「あら、敦さん。お困りの様子ですわね。ナオミがいいものを差し上げますわ」
そう云うとナオミは振り返った敦の前髪を素早く顔の横にまとめると、何やらヘアピンで留めてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ。お礼には及びませんわ」
そう微笑むとナオミは長い黒髪をさらりと翻して給湯室の方へと消えていった。
しばらく敦がPCに集中していると、入口のあたりで国木田の怒声と適当にあしらう太宰の声が聞こえてきた。
「――だから太宰! 貴様はどうしていつもそうなんだ!」
885「髪の毛切らなきゃなぁ……」
前髪をいじりながらつぶやくと、背後からナオミが近づいてきて声をかけてきた。
「あら、敦さん。お困りの様子ですわね。ナオミがいいものを差し上げますわ」
そう云うとナオミは振り返った敦の前髪を素早く顔の横にまとめると、何やらヘアピンで留めてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ。お礼には及びませんわ」
そう微笑むとナオミは長い黒髪をさらりと翻して給湯室の方へと消えていった。
しばらく敦がPCに集中していると、入口のあたりで国木田の怒声と適当にあしらう太宰の声が聞こえてきた。
「――だから太宰! 貴様はどうしていつもそうなんだ!」
高間晴
REHABILI敦太800字。酒は飲んでも飲まれるな。呼ばう声「あ〜あ、飲みすぎちゃった〜」
真夜中のネオンが輝く歓楽街を、ふらふら歩きながら太宰は笑っている。
酒精の上った頬に当たる夜風はひやりと冷たく、いつの間にか秋が来たのだと告げている。
今日は敦とくだらないことで口喧嘩になり、むしゃくしゃしたのでとことん飲んでやろうと思って一人でここまで来ていた。
「もう一軒行くかな」
一人でつぶやいて、雑然とした人混みの中を歩いていく。
「……?」
ふいに自分の名を呼ぶ声があった気がして、太宰は路地裏の方へ目をやる。
――太宰……太宰。
どこか聞き覚えのある低い声に、太宰は朦朧とした頭の中で答えを導き出す。
「織田作……?」
相変わらずその声は太宰の名を呼んでいて、太宰はそちらへと歩を進めてしまっていた。
886真夜中のネオンが輝く歓楽街を、ふらふら歩きながら太宰は笑っている。
酒精の上った頬に当たる夜風はひやりと冷たく、いつの間にか秋が来たのだと告げている。
今日は敦とくだらないことで口喧嘩になり、むしゃくしゃしたのでとことん飲んでやろうと思って一人でここまで来ていた。
「もう一軒行くかな」
一人でつぶやいて、雑然とした人混みの中を歩いていく。
「……?」
ふいに自分の名を呼ぶ声があった気がして、太宰は路地裏の方へ目をやる。
――太宰……太宰。
どこか聞き覚えのある低い声に、太宰は朦朧とした頭の中で答えを導き出す。
「織田作……?」
相変わらずその声は太宰の名を呼んでいて、太宰はそちらへと歩を進めてしまっていた。
高間晴
REHABILI敦太800字。薔薇を一輪。貴方しかいない「好きって言ったら怒る?」
出し抜けに太宰からそう訊かれて、敦は何のことだろうと口を半分開いたまま振り返った。
今は事務所の応接室に飾る花を敦が生けているのだが、傍のソファに太宰がゆったり沈み込んでいる。
――好き? 太宰さんが好きって言うと僕が怒るかもしれないもの……?
「なんの、ことですか……?」
敦はおそるおそる訊いてみた。心臓がばくばくして口から飛び出そうなのを堪えながら。
「私が、敦君以外の人を」
予想した通りの台詞を口の端に乗せて太宰は微笑む。
「勿論、仮定の話としてだけど」
敦は重いため息をついた。
「……怒りませんよ。僕なんかよりその人のほうが太宰さんにお似合いでしょうし」
そこで太宰は眉根を寄せて不機嫌な顔をした。
908出し抜けに太宰からそう訊かれて、敦は何のことだろうと口を半分開いたまま振り返った。
今は事務所の応接室に飾る花を敦が生けているのだが、傍のソファに太宰がゆったり沈み込んでいる。
――好き? 太宰さんが好きって言うと僕が怒るかもしれないもの……?
「なんの、ことですか……?」
敦はおそるおそる訊いてみた。心臓がばくばくして口から飛び出そうなのを堪えながら。
「私が、敦君以外の人を」
予想した通りの台詞を口の端に乗せて太宰は微笑む。
「勿論、仮定の話としてだけど」
敦は重いため息をついた。
「……怒りませんよ。僕なんかよりその人のほうが太宰さんにお似合いでしょうし」
そこで太宰は眉根を寄せて不機嫌な顔をした。
JhiKhad
REHABILIお誕生日おめでとうございます、大白さん! 今年イラストではないけど、やっぱり何かプレゼントあげなきゃと思う。適当で去年よりどれぐらいの成長したのか悩んでこれしか描ける。些細だが、改めてお誕生日おめでとうございます♪(´▽`)すすき
REHABILI大学生のブラカイ同級生の場合、四ヶ月間だけカインが歳上になるのいいなって思って書きました
ウイスキーがどうとか出てくるんですが、全く詳しくない人間が書いてるので間違ってても見逃して下さい……
炭酸水と氷の入ったビニール袋を下げながら、部屋の鍵を開けた。カバンの中には友人に貰ったウイスキーのボトルが鎮座している。興味本位で買ったものの、あまりに癖が強すぎて飲めないからと渡されたものだった。カインもウイスキーはほとんど飲んだことはないのだが、友人と同じく興味をひかれてしまって引き受けた。さすがにロックで飲む勇気はなかったので、ハイボールを作るための材料を買ってきたところだった。
ただいま、と告げた言葉におかえりと返ってくるのにも慣れた。一人暮らしだったはずの部屋には、見慣れた白黒の髪が当たり前の顔をして座っている。カインが朝家を出た時と変わらぬ様子にため息を吐く。
「今日、四限あるって言ってなかったか」
1522ただいま、と告げた言葉におかえりと返ってくるのにも慣れた。一人暮らしだったはずの部屋には、見慣れた白黒の髪が当たり前の顔をして座っている。カインが朝家を出た時と変わらぬ様子にため息を吐く。
「今日、四限あるって言ってなかったか」
すすき
REHABILI高校生×大学生のブラカイ一夜の過ちから始まる関係みたいなの
書きたかったのは「学ラン?!」のとこ
年下彼氏ブラッドリーくんはいいぞ!
やけに重い瞼を何とか持ち上げた。途端に目を刺す陽射しに思わず顔を顰める。いつもならもっと早くに目が覚めるはずなのだが、昨日の飲み会が響いているらしい。鈍く痛む頭を押さえてカインは体を起こした。今日は土曜日だがバイトがある。ゆっくりしてばかりもいられない。
とりあえずシャワーを浴びようと息を吐く。昨日は何もせずに寝てしまったから、と考えて、ふと違和感を覚えた。
いやに盛り上がっていつもみたいに服を脱いで、さすがにそのままだと外に出られないだろうと友人に服を渡されて。最低限を身に着けて店を出た。そうだ、一応服を着て外に出たはずだ。ここで脱ぐわけにはいかないなとぼんやり思ったのを覚えている。なのに、どうして今は服を着てないんだろう。友人と別れてからの記憶はひどく曖昧で、理由を探すのは難しそうだった。
2224とりあえずシャワーを浴びようと息を吐く。昨日は何もせずに寝てしまったから、と考えて、ふと違和感を覚えた。
いやに盛り上がっていつもみたいに服を脱いで、さすがにそのままだと外に出られないだろうと友人に服を渡されて。最低限を身に着けて店を出た。そうだ、一応服を着て外に出たはずだ。ここで脱ぐわけにはいかないなとぼんやり思ったのを覚えている。なのに、どうして今は服を着てないんだろう。友人と別れてからの記憶はひどく曖昧で、理由を探すのは難しそうだった。
rara_wcat
REHABILIリハビリバミファやくもくクリア後設定
ミファーの気持ち
https://poipiku.com/18609/7513599.html
の続き
あの子と僕/吹雪[リバミファ]「ミファー……」
僕の家には僕だけが残された。
部屋に置いてある何もかもが僕を冷ややかに見てるように思えた。
「追いかける? いや、でも…」
あれこれ思案している内に、急に天気が崩れてきてあっという間に吹雪となっていた。
「あのゾーラの嬢ちゃん、足元覚束ない感じだったが大丈夫なのか?」
心配した村の連中が僕にそんな事を言ってくる。
まだそこまで遠くには行ってないはず。
「仕方がない……」
ミファーを探す為、吹雪のなか村を飛び出した。
◇
ミファーは村からやや離れた場所で倒れていた。近くの山小屋に連れてきた時、彼女の意識は既になかった。
「軽めだけど低体温症だ。このままじゃミファーは……」
悩む時間は残されていない。
546僕の家には僕だけが残された。
部屋に置いてある何もかもが僕を冷ややかに見てるように思えた。
「追いかける? いや、でも…」
あれこれ思案している内に、急に天気が崩れてきてあっという間に吹雪となっていた。
「あのゾーラの嬢ちゃん、足元覚束ない感じだったが大丈夫なのか?」
心配した村の連中が僕にそんな事を言ってくる。
まだそこまで遠くには行ってないはず。
「仕方がない……」
ミファーを探す為、吹雪のなか村を飛び出した。
◇
ミファーは村からやや離れた場所で倒れていた。近くの山小屋に連れてきた時、彼女の意識は既になかった。
「軽めだけど低体温症だ。このままじゃミファーは……」
悩む時間は残されていない。
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REHABILIリハビリバミファやくもくクリア後設定
クールダウン
https://poipiku.com/18609/7506680.html
の続き
あの子と僕/ミファーの気持ち[リバミファ]「あの時、貴方が私の事を好きなんだって分かって正直戸惑ったけど嬉しかったの」
僕の家で少しだけ痩せたミファーは絞り出すようにそんな事を呟く。
「怖かったの。好意を断るという行動が」
「好意を断る行動?」
「うん。リンクに振られた時、すごく辛かった。でもリンクも同じ位辛そうな顔で……相手の想いを拒絶するってお互い辛い事なんだなって」
「それであの時僕と付き合おうってなったの?」
僕の言葉にお姫様の肩が微かに揺らぐ。
「……それは違う。怖さは確かにあったけど、それよりも貴方の好きって想いがどんなものなのか、知りたかったから」
「じゃあ僕はあいつの代わりって訳じゃ…」
「……信じてもらえないのは分かってる。でも、違うの。貴方の想いを前向きに捉えたかっただけなの」
744僕の家で少しだけ痩せたミファーは絞り出すようにそんな事を呟く。
「怖かったの。好意を断るという行動が」
「好意を断る行動?」
「うん。リンクに振られた時、すごく辛かった。でもリンクも同じ位辛そうな顔で……相手の想いを拒絶するってお互い辛い事なんだなって」
「それであの時僕と付き合おうってなったの?」
僕の言葉にお姫様の肩が微かに揺らぐ。
「……それは違う。怖さは確かにあったけど、それよりも貴方の好きって想いがどんなものなのか、知りたかったから」
「じゃあ僕はあいつの代わりって訳じゃ…」
「……信じてもらえないのは分かってる。でも、違うの。貴方の想いを前向きに捉えたかっただけなの」
すすき
REHABILIパラロイのブラカイのはずなのにブラ+カイになったやつはちゃめちゃに迷走したので強制終了させちゃった
偽恋人ネタ大好きすぎてごめんね性癖だからごめんね……
顔が引きつる。汗が流れる。やけに心臓が激しく動き、カップを持つ指先に妙に力が入る。どう考えても平静ではない自分を隠せている自信は全くなかったが、だからと言って逃げ出すことも出来そうになかった。
アンティークばかりでばかりで埋め尽くされた店内は、見た目以上に恐ろしい金額がかかっているのを知っている。目の前に座る男は気軽な店だと笑っていたが、手元のスプーン一つでさえカインの一月分の給料より高いだろう。そう考えるとますます動きがぎこちなくなる。
本当はカインだって、こんなところに来たくはなかった。さすがに場違いだとわかっている。でも、署長のパトロンだと匂わされれば無碍にもできない。うまい断り文句なんていくら探しても見つからなかった。
1949アンティークばかりでばかりで埋め尽くされた店内は、見た目以上に恐ろしい金額がかかっているのを知っている。目の前に座る男は気軽な店だと笑っていたが、手元のスプーン一つでさえカインの一月分の給料より高いだろう。そう考えるとますます動きがぎこちなくなる。
本当はカインだって、こんなところに来たくはなかった。さすがに場違いだとわかっている。でも、署長のパトロンだと匂わされれば無碍にもできない。うまい断り文句なんていくら探しても見つからなかった。
高間晴
REHABILI敦太800字。ストリップってこれでええんか……?君の上で踊る 粘る水音がアパートの一室に響いている。
敦と太宰は二人で家に帰ってきた後、もつれるようにして布団に転がった。今は、太宰が覆いかぶさるような形でくちづけをかわしている。
「はっ……太宰さんっ」
太宰の手慣れた様子に圧され気味の敦は、思わず制止をかける。太宰の肩を軽く押して、唇が離れた隙にじっと太宰の目を覗き込んだら、その鳶色の瞳には熱に浮かされた自分の顔が映り込んでいた。思わず、顔を逸らしてしまう。
それを見た太宰は、体を起こして敦の腰のあたりに跨る。そうして敦が驚く間もなく、ループタイに手をかけると、挑発的な笑みを浮かべた。
「ストリップをご所望かな?」
ごくり、と敦の喉が鳴る音すら聞こえそうな距離。太宰は満足げに微笑むと、するりとループタイを外して放った。いつもの砂色のコートはすでに脱いでいる。次はベスト。ボタンをひとつひとつ外していく。
886敦と太宰は二人で家に帰ってきた後、もつれるようにして布団に転がった。今は、太宰が覆いかぶさるような形でくちづけをかわしている。
「はっ……太宰さんっ」
太宰の手慣れた様子に圧され気味の敦は、思わず制止をかける。太宰の肩を軽く押して、唇が離れた隙にじっと太宰の目を覗き込んだら、その鳶色の瞳には熱に浮かされた自分の顔が映り込んでいた。思わず、顔を逸らしてしまう。
それを見た太宰は、体を起こして敦の腰のあたりに跨る。そうして敦が驚く間もなく、ループタイに手をかけると、挑発的な笑みを浮かべた。
「ストリップをご所望かな?」
ごくり、と敦の喉が鳴る音すら聞こえそうな距離。太宰は満足げに微笑むと、するりとループタイを外して放った。いつもの砂色のコートはすでに脱いでいる。次はベスト。ボタンをひとつひとつ外していく。